韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」第三週でカジンは王女として王宮に戻りウォンピョと対決する!その第9~11話のネタバレあらすじ、感想も!!

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ドラマ

こんにちは。カナエです。今回もテレビ東京放送の韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(第9~11話)について書きたいと思います。

謎に満ちた薬草店主モヨンは敵国新羅が遣わした間者だった

テレ東で平日月~金曜 朝8時15分から放送中

キャストとこれまでの話

<第1,2話>  <第3~5話>

<第6~8話>

ドラマ(第9~11話)のあらすじ(ネタバレ)

【第9話】

高句麗を脅かした罪人としてタラ・サンタラ・ジンは処刑されることになります。

人が集まってる 罪人の処刑か 人も多いし、ここで商いしよう

プンゲタル(ナ・イヌ)に言いました。

罪人の面も見てえ

そうしようか

ウォルも面白がります。

見世物じゃないよ あんなの見ちゃ駄目だ

タルは二人を止めます。

行くぞ

タルが歩き出したとき処刑を見ようとしている群衆の中にカジン(キム・ソヒョン)の姿を見つけました。

カジン・・

カジンもタルに気づきました。タルはカジンに近寄ります。そしてカジンの持っている刀を見ました。

ここで何してる?

タルはカジンに問います。

幽霊谷にいるはずの奴が・・ その格好は?

処刑される罪人は私の友達なの 私の代わりをして捕まった

まさか、お前・・

大切な友達を死なせたくないの

それで? あんなに兵がいるのにやり合うつもりか?

友達を救いたいだけ 人は殺さない これで最後にするから見逃して 

タル兄ちゃん

ウォルとプンゲが来てカジンを見ました。

お姉さん、どうして、ここに?

タルはプンゲにきつい目を向けます。

プンゲ、カジンを手伝おう

え?

タル! 何言ってるの?

カジンは止めますがタルは聞きません。

一人で行くな

あんたには関係ない

違うだろ お前も幽霊谷の仲間だ

タル・・

***

罪人が処刑場に

モヨンの従者が主に報告しました。

奴らを処刑して祭祀の騒動の真相を隠し、民を恐れさせて王との溝を深める コ・ウォンピョ様は欲張りなお方ね 石一つで何羽鳥を捕まえるの?

モヨンは従者に訊ねました。

処刑の警備はコ・ゴン様が?

王宮守備隊は来ていますが、隊長は別の方でした

モヨンは眉をひそめます。

***

ゴンは兵を連れて天誅房のアジトを攻めようとしていました。

入り口が見つかりました

部下がゴンに知らせました。

見張りは?

一人もいません

ゴンたちはアジトに入ります。けれど中はもぬけの殻でした。

どこに行ったのだ?

ゴンは残されていた書簡を見つけます。そして書簡を開くと文字を追いました。

”高句麗の犬どもが無駄な穴掘りをしに来たか”

書簡はジュンソが書いた置き手紙でした。

”天誅房は姿かたちを持たぬ存在なのだ 決して我らを目にすることはできぬ そこがお前たちの墓場になる”  

永遠に眠れ‥?

書簡を読み終えたゴンは部下に命じました。

置かれた物に触れるな!

ゴンが叫ぶと同時に爆発が起きました。

逃げろ!

ゴンたちはアジトから脱出しました。ゴンは兵の無事を確認します。

都に戻るぞ

ゴンは兵を連れて都に戻りました。

***

処刑場では処刑を告げる太鼓が叩かれていました。覆面をしたタルは処刑場を見渡し、かつて父の将軍が殺された日を思い出します。タルは隣にいるカジンに言いました。

あの二人を助けたら幽霊谷に帰るんだぞ

カジンは頷きます。

ウォンピョの部下が処刑の合図をし、処刑人が縛られて正座している二人の前に立ち剣を抜きました。すると見物していた群衆が騒ぎ出します。

火事じゃないか?

プンゲたちが古い厩に火をつけて燃やしていました。皆が火事に気を取られる中カジンとタルは兵を襲って罪人の座る場所に進みます。

カジンか?

カジンは二人の縄を解きました。

逃げて

三人は兵の手を逃れ走りますが戦っていたタルは捕らえられてしまいます。

タル

早く逃げろ! 行け!!

タルは叫びます。

***

プンゲたちと合流し物陰に隠れる五人。

タル兄ちゃんは無事なの?

そんなの知るか

プンゲはウォルに言います。

私に当たらないでよ 

これからどうするんだ・・

カジンはモヨンの従者が手押し車で薬を運ばせているのを見つけ、刀を横にして止めました。

何者だ?

私に見覚えは?

従者は目の前の娘が王女だと気づきます。

その車に怪我人を乗せて欲しい

従者はカジンが処刑される罪人を連れているの気づきます。カジンはプンゲに言いました。

ひとまず薬草店に隠れて

お前は?

タルの所へ行く

***

タルはウォンピョの部下のコ・サンチョルたちから刀を突きつけられていました。

罪人をどこに隠した?

罪人? 極悪非道なのはお前たちだろ

白状しなければ首をはねる

サンチョルは刀を振り上げます。

父上・・

タルが観念すると、カジンがやってきました。

待て

刺客め 殺されたいか

カジンは刀を投げました。

私に向かって無礼を働く気か

なんだと

私は高句麗王の長女、亡きヨン王妃の娘、ピョンガン王女だ

カジンはサンチョルたちに告げますが相手はあざ笑います。

恐れ知らずな奴め 王族だと? 八つ裂きにしてやる 斬れ!

サンチョルが命じた時にゴンが兵隊を連れて現れました。

ピョンガン王女様であられる! 跪け

ゴンの一声で皆は膝をつきました。

臣下コ・ゴン 王女様にご挨拶を

ゴンもカジンの前に跪きました。

***

タルは牢屋に入れられてしまいました。

友達を カジンを呼んでくれ!

タルは叫びます。

一方カジンはピョンガン王女として王宮で平原王たちと対面していました。

私、ピョンガンはようやく戻りました 親不孝な゙娘をお許しください

カジンは王の前に跪きました。

夢ではなかった 亡霊ではなくこうして生きていてくれたのだな

これまで記憶を失い自分が誰だかわからずに何年も過ごしていました ご心配をおかけして申し訳ありません

父王はピョンガンを立たせました。

いや いいのだ こうして父のもとに戻ってくれて感謝している

平原王は娘を抱きました。王妃やウォンピョたち臣下はさまざまな思いを抱きながら二人を見つめます。

***

プンゲやタラ・ジンたちは薬草店に匿われていました。モヨンは従者から王女に匿うように言われたと伝えられます。

王女から?

モヨンは二人の罪人を見つめ考え込みます。そして言いました。

罪人は助かった

良かった 

ウォルはほっとして声を上げました。タラ・サンとタラ・ジンは訝しげにモヨンを見ます。

***

王女が戻ったことで部族長会議が開かれます。

王女が来たところで何も変わりませんよ 心配いりません

チン・ピルが主張しました。

王も亡き王妃の一件があるので王女とはわだかまりがあるでしょう

過ぎたことはとかく親子ではありませんか

・ジウォルが言います。

王女によって王がどう変わるか安心はできませんよ

コ・ウォンピョは席につきながら話しました。

記憶をなくした王女が数年の時を経て王宮に戻ってきた 警戒すべき相手は王よりも王女です

あんな若い娘など・・

チン・ピルは呆れます。

虎の子は虎 死んだ母親の性格を受け継いだとすればじきにその爪で我々を切り裂きにくる

***

ピョンガンは母親の肖像画に話しかけました。

お母様、愚かな娘ピョンガンがようやく戻りました 長い視察を終えたことをお伝えします

ピョンガンは頭を下げます。

盛大な葬儀であった

父王が来てピョンガンに言いました。

国中の民が王妃のために涙した  

お母様は誰よりも民を慈しんだお方でした 亡くなる時も順奴部族を守ろうとしました

王は黙って頷きます。

疲れたであろう 部屋で休むがよい 積もる話はまた・・

私の友が牢に入れられております 私を助けたためなのです 出してやってください

ピョンガンは父親に頼みました。

罪人の処分は部族長会議で決めている

王様のご命令なら部族長たちも従います 私の命を何度も救ってくれた恩人なのです

友で恩人なのか・・

***

聞くところによるとお前が来て邪魔をしたせいで王女は助かったそうじゃないか

屋敷でウォンピョはゴンに話しました。

都の真ん中で王女を殺めたら我々もただでは済まないでしょう 私は一族のために止めたのです

王女を慕っているからではないのか 将来桂婁部族を率いる者が情に流されてどうする 今後は自重しろ 

ウォンピョは椅子から立ち上がります。

自重はしません 長い間想い続けてきた方が帰って来たのです 一族と同じくらい王女も大切です

ゴンは言いました。ウォンピョは呆れて息子をながめます。そして馬鹿にして笑いながら出ていきました。

***

村長のウナムのところには村の女ホンメが来てお酒を注いでいました。

プンゲたちのことは心配しないで一杯飲んでお休みください 村長の一番の理解者は私なんですから

ホンメはウナムに笑います。

村長も早くに妻を亡くし私も戦争で夫を亡くしました

人に聞かれる

構いませんよ 息子みたいに思ってるプンゲが心配で来たんですから

気遣いには感謝する

ウナムはお酒を一杯飲むと席を立ちました。

村長、どこへ? もう! 堅物ね

***

天誅房の首領のジュンソは手下を連れて都に向かっていました。

テモはまだか

じきに着くはずです お頭、みな不安になってます この計画はあまりに危険だと

ジュンソは厳しい目で手下を見ました。

***

ジュンソ達が待っているとテモがやってきました。

お頭、カジンが王宮に 死んだはずの王女が戻ったと都は大騒ぎです

王宮に戻ったのか・・

まさかカジンが王女だとご存知でしたか?

ジュンソはテモの刀を鞘から引き抜くと不満を漏らした手下を斬りました。突然のことに手下たちは驚きます。

天誅房は野で生まれ山で育った 強靭な意志を持ち王を殺せるものだけが私に従え 恐れる者は残り、勇猛な者はついて来い

ジュンソは告げました。

***

捕らえられていたタルは牢から出ることを許されます。

王様が命じられた

タルが出ていくとカジンが待っていました。

タル!

カジンは血だらけのタルの顔を見て眉を寄せます。 

その顔どうしたの?

ああ、ちょっと殴られただけだ

タルはカジンの姿を眩しそうにながめました。

その服すごいな 光輝いてる

長白薬草店に行けば皆が待ってる

お前も一緒に行くんだろう?

私は行けない 王女に戻ったの だから王宮で暮らさないと

なんでだよ お前は村が好きなんだろ?

私が戻ったら村が危険な目に遭うの 官軍も天誅房もやって来てしまう

そんな言い訳はいいから本心を言え 俺と村に帰りたいのか、ここに残りたいのか

幽霊谷で過ごした日々は私の人生で一番穏やかで幸せな日々だった 決して忘れない

カジンは目を潤ませながら語ります。

人間は皆自分の運命を背負ってる 逃げ出したくても、どんなにもがいても抜け出せないしがらみのようなものなの

カジンはタルの手を取りました。

私にはもう逃げ場がない だから残って闘う

俺の運命は・・カジン、お前だ

タルは言いました。そしてカジンの手を胸に当てます。

ここがそう言ってる お前と俺はいつか夫婦になると

タル・・

どっちの運命が強いか賭けてみるか

タル 私を待たないで

待たなくても自然に会える お前は俺のもとに戻る 絶対に

二人は見つめ合います。

***

ピョンガンは懐かしい木蓮堂に戻ります。コンソン夫人が笑顔でピョンガンを迎えました。

けれどピョンガンの心はタルへの想いでいっぱいでした。

俺の運命はカジン、お前だ

タル・・

ピョンガンは一晩中タルを想って涙を流します。

***

ピョンガンはチン王妃たちに挨拶に行きます。

王様は歓迎しながらもとても驚いておられる

チン王妃は言いました。

私も仰天しました 毎年弔いをしていた王女が生きて帰ってきたのですから

ヒョン妃も話します。

つくづく親不孝者です

太子には会ったのか

王妃様にご挨拶した後で会いに行くつもりです

太子のことを思うと不憫でなりません 賢くても体が弱いから

ヒョン妃はコンム王子を見ました。

コンムは王様に似てきています それにすごく元気だし

ヒョン妃の話にチン王妃は微笑みます。

なによりです 太子が王になったら弟として支えてくれましょう

王妃たちは黙ります。

王女こそ姉として力にならないと 太子だけでなく我がコンムにも

王妃はピョンガンを見つめます。

***

ピョンガンが挨拶に来てもウォン太子は会おうとしません。太子は姉のピョンガンが父王の本当の娘でないと昔チン王妃に言われたことが心に刺さっていたのでした。

太子と話したいの 木蓮堂に遊びに来てね

ピョンガンは太子の部屋の外から呼び掛けると帰って行きました。

***

コンムに太子の助けをしろだなんて

チン王妃は怒ってウォンピョに話しました。

姉として当然の言葉だ

だから言ったでしょう? 早くコンムを太子の座に就けてほしいと これからはきっと王女が邪魔をする

何事にも時期というものがある

王妃はウォンピョを睨みます。

コンムの顔をじっと見ていました まるで王の子かと疑うような目で

ウォンピョは王妃の言葉に顔色を変えます。

***

タルたちはタラ・ジンたちを連れて村に戻りました。

その二人は誰だ? 

村人は訊ねます。

都で事情があって 

プンゲは村長の父親に言いました。

中で詳しく話します

二人は家に入って行きました。

***

タルはサ氏夫人にカジンの素性を教えました。

王女だったのか・・ まあむしろ良かった

何が良かったんだよ?

これでお前があの娘のためにヤキモキしないで済む 村も安心だし

サ氏夫人は薬草を選別しながら言いました。

一時の夢だったと思ってきれいさっばり忘れな

はあ・・

タルはため息をつくと小屋を出ていきました。

***

ピョンガンは父王にヨン王妃の死について問いました。

何を疑っておる 順奴部族に謀反の兆しがあると聞き兵を送って鎮めただけだ 王妃と王女を救うために

けれどお母様は惨殺され私も何年も戻れませんでした

そうなったのは余のせいだと? 愚かな父は王女に合わす顔がない これでいいか

私は知りたいだけです もしや別の理由で兵を送ったのでは? 疑ったのは本当に謀反だけでしたか?

やめぬか! 8年ぶりに戻ったというのに余を恨むばかりかあきれた疑いまで

私こそお父様に合わせる顔がありません 父を殺めるという罪を犯すところでした

それは記憶を失っていた間の過ちではないか 過ぎたことはもう良い 

ですが、忘れられず心に残るでしょう 祭祀での私の罪も 順奴部族へ兵を送ったお父様の命令も

ピョンガンは父を見つめます。

【第10話】

タラ・ジン達は幽霊谷でプンゲたちに世話をされます。

ご飯よりおかの方が食べやすいよ

怪我をしているチンをウォルは気遣います。

潰して塗れ

プンゲは薬草をタラ・サンに渡しました。

本当に助かった 家まで用意してくれて

タラ・サンは礼を言います。

***

ウォンピョはモヨンを家に呼びました。

お呼びを待っていました 偽の死体を運んだのは・・

私の息子の指示だと? そう言い逃れるのか?

違います 刺客の死体を用意するよう指示されましたが私も刺客が王女だと存じていました

そなたの小細工で王女は逃げおおせた

わが一族と父のためでした

正直でよいな だが私を欺いたら無事では済まぬぞ

私など殺しても意味がないでしょう 何をお望みですか

モヨンはウォンピョに訊ねます。

***

モヨンが屋敷から出ると庭にゴンがいました。

夜更けに何の用だ  私がさせたことで責められたのか?

違います 気力の衰えに効く薬を聞かれました

くだらぬ嘘を言うな 死体の一件で脅されたとしても危険なことに首を突っ込むな

危険なこととは?

王女様に関わる全てだ

ゴンはモヨンを見つめます。

***

タルはカジンの養父の居場所を探します。養父のドゥクはテモに襲われていました。

お前たち何をするんだ

カジンを恨め 天誅房はバラバラ お頭も身を隠した

テモは手下にドゥクを連れて行くよう命じます。そこにタルが飛び込んできました。

どこに連れて行く気だ?

タルはテモたちと戦います。途中からプンゲも加わってテモ達は退散しました。

お前やるな

タルはプンゲを褒めました。

カジンのお父さんだ 

タルは恐縮しているドゥクをプンゲに紹介しました。

***

ピョンガンが剣の練習をしようとすると昔のようにゴンが現れました。

師匠

臣下コ・ゴン ご挨拶を

ゴンは頭を下げました。

お手合わせを?

二人は戦い始めます。けれど刺客だったピョンガンはすぐに勝利を収めました。

次は他のお相手を

王宮では一人ぼっち 父上にも太子にも厄介者だ

王女様が戻られて私は嬉しいです

師匠には世話になった 恩を忘れない

ゴンはピョンガンに近づきます。

王女様はもしや長白薬草店をご存知ですか

ゴンはモヨンが父のウォンピョに呼ばれた話をしました。

王宮に入る薬剤はみな店主の手を通ります 父と何か悪い企てをしていなければいいのですが・・

***

ウォンピョはモヨンを呼んだとき太子の話をしました。

太子が飲む薬もそなたの手を通るそうだな 薬草に詳しいなら毒草についても明るかろう?

モヨンはウォンピョの命じた通りに毒薬を調合します。

***

ゴンからウォンピョの企みを聞き不安になったピョンガンは長白薬草店に忍び込みます。そしてモヨンが従者に薬を渡しているのを見ました。

明朝、太子様の薬に混ぜるようにと届けろ

もしや太子の薬に・・?

ピョンガンはモヨンが潰していた薬草を舐めてみます。すると途端に意識が遠くなりました。

***

ピョンガンはやっとのことで薬草店を出るとふらつきながら街を歩きます。様子のおかしいピョンガンを見て数人の男が近寄ってきました。ピョンガンは防戦しようとしますが、そのまま倒れてしまいます。

すると何者かが男達と戦いピョンガンを救いました。

タル・・? 来てくれたの?

ピョンガンは朦朧としながら呟きます。

***

ピョンガンが目を覚ますと廃屋の藁の上に横たわっていました。

私は昨夜誰かに助けられた・・

ピョンガンはモヨンが薬剤を従者に渡していたことを思い出して起き上がります。

太子が危ない!

ピョンガンは王宮に向かって走りました。

***

太子様 煎じ薬をお持ちしました

太子は書物から目を離さずなかなか薬を飲みません。

薬が冷めますよ 太子様

コンソン夫人に催促されて太子はお椀を持ちました。

まさに太子が飲もうとしたときピョンガンが部屋に入ってきました。

ウォン! 飲んでは駄目!!

***

王は緊急に重臣たちを集めました。

太子の煎じ薬に毒が混じっておりました

ピョンガンの言葉に重臣達は動揺します。

毒ですと?

それは確かなのか

王はピョンガンに訊ねました。

私が毒味をしたところ一晩中体がしびれました そして今朝危うく太子が飲むところでした

王は青ざめます。

太子の命を狙ったなら謀反も同然の重大な罪だ だが王女が推測で誰かを陥れたならそれも軽くは済まされないぞ

推測ではありません 事実です

ピョンガンは王に断言しました。

こたびの悪事を企んだ者はこの中にいます

なんと・・?

皆はざわめきます。

王女は言葉に気をつけよ みな高句麗の忠臣たちだ

米粒には石ころも混ざるもの 手先が白状すれば黒幕も明かされましょう 連れて参れ

モヨンが王の前に引き出されました。

モヨン・・!

養父のジウォルは慌てます。

王様 この者は私の娘です

薬草店主へ・モヨン、太子の薬を調合しているか?

ピョンガンはモヨンに問いました。

さようでございます

昨日は日頃の薬剤に加え別の薬剤も届けたな その成分はなんだ?

それは・・

モヨン?

父のジウォルは狼狽えます。

そなたは太子の煎じ薬に毒を入れた 私が薬剤を毒味した そなたに指示したのは誰だ? 事実を申せ

毒など入れておりません

モヨンは答えました。

潔白だと言うならこの薬を飲め

モヨンはギョッとしてピョンガンを見ました。

飲んでも無事ならそなたを信じよう 

モヨンは立ち上がり煎じ薬の椀を取ると口に持っていきました。

黒幕を明かさす自決するつもりか?

モヨン、やめろ!

ジウォルが止めます。 しかしモヨンは薬を飲むと椀を置きました。皆はモヨンを注視します。モヨンは平然と言いました。

強壮剤では死にません

ピョンガンは驚愕します。

***

王宮の医官たちが煎じ薬の成分を報告しました。

従来の薬にイトスギの成分が加わっております 血を綺麗にする効能のある成分です

そんな・・

ピョンガンは混乱します。

一体どういうこと?

ピョンガンは王を見ました。

確かに毒が・・

***

ピョンガンはコ・ウォンピョの罠にかかったのでした。

モヨンを呼んだ夜ウォンピョはモヨンに太子を毒殺するふりをしてピョンガンを騙すよう命じたのです。

あの晩モヨンはウォンピョに訊ねました。

太子を毒殺するのですか?

倒すのは太子ではない このあとゴンが帰っきたら出くわしたふりをしろ 私がそなたを家に呼んだ話を王女に漏らすはずだ

ウォンピョはピョンガンがモヨンを怪しんで薬草店に忍び込み、毒を舐めてウォンピョが太子の殺害を謀っているとわざと思わせたのです

余計な騒ぎを起こし邪魔な王女の立場は悪くなる

***

くだらぬ話を真に受け重臣たちを疑うとは! 一国の王女ならばその言動の一つ一つに気品と威厳を示すべきです!

チン・ピルは怒ってピョンガンを責めました。

今回の王女様は行き過ぎでした

重臣たちは口々に言い立てます。

まあ落ち着かれよ 王女様は王宮の外で苦労なさいました 王宮での掟や振る舞いに不慣れなのは仕方ないことです

ウォンピョが皆をなだめました。

王女様が間違っていたと一言仰せになれば此度の事はなかったことにしましょう

王女、重臣たちに謝罪しなさい

父王が命じました。

過ちは潔く認めよ

ピョンガンは父王を見つめました。

私は間違っていません

なんだと?

太子を救うために最善を尽くしました 重臣たちに謝罪することではありません

黙らぬか!

父王は怒ります。

今日より木蓮堂から出てはならぬ

お父様!

余が許すまで謹慎せよ

***

窮地に追い込まれたピョンガンのもとにゴンがやってきます。

私のせいです 私が・・不確かな話を

もしくは・・師匠が父君と組んで私を騙したのか

ピョンガンは言いました。  

騙したにせよ、師匠も利用されたにせよ どうでもいい

ゴンはうつむきます。

これでわかった この王宮にはお父様や太子の味方はいない

私が・・王女様の味方になります

桂婁部族なのに?

ピョンガンは王座をながめました。

一番高い所におられても誰より弱く孤独なお方・・ 王は私がお守りする

ピョンガンは決意します。

***

タルたちが都から帰って来てから村人たちはタルが変わったことに気づきます。厳しいサ氏夫人もタルが仕事をテキパキ片付けすぎて心配していました。

タルったら黙々と仕事ばかりしてるけど、都で何かあったの?

ホンメがウォルに訊ねました。

やだ、見てわかんないの? 決まってるじゃない

決まってるって何?

体を動かせば考えないで済む 暇だとお姉さんの顔が浮かぶから

嫌だ ちっちゃいくせに そんなことどこで教わったのよ

人間が情を交わし恋しがる そんなことは教わらなくても分かる すべて男女の仲は自然の摂理でしょ

全くタルもねえ・・ 後先考えず好きになるから 相手は王女様なんだ いい加減に目を覚まさなきゃ

だったらおばさんも目を覚ましなよ 村長の家に掃除だの、洗濯だのって押しかけるのはやめたら?

なんだって? そんなこといつしたって?

あらまあ呆れちゃう 

二人はぷいと横を向きます。

***

ピョンガンはコンソン夫人から首飾りを受け取ります。

この首飾りは・・

先日王様から頂きました 木蓮堂にしまっておけと 王様は王女様が戻られるのをご存知だったんでしょうか

コンソン夫人は笑います。ピョンガンは首飾りを触りながら考えました。

それにしても誰だったんだろう 毒を舐めて気を失った時に助けてくれたのは・・

***

刺客を送ったはずです 外で王女が一人なら消し去る好機だった しかもあの時は毒が回り抵抗もできない 仮にしくじっても毒殺話をでっちあげたとして王女を貶めることができる

ゴンは父親の企てを暴きました。

違いますか?

ウォンピョは線香をあげ終わるとゴンに向き直りました。

その賢さを都に埋もれさせるのは惜しいな ケオ山城に突厥族の盗賊が出没する 追い払ってこい

私を北方に追いやるのですか?

ウォンピョは椅子に座って本を開きます。

その地で手柄を立てれば一族のためになる 数日中に発て

私は行きません! そんな命令はお取り下げを 

ウォンピョは椅子から立ち上がります。そしてゴンの肩を掴みました。

命令に逆らうならば縁を切る 桂婁部族を率いる者が落ちぶれたいか?

父上・・

***

コ・ウォンピョ殿に命じられたのか 太子の煎じ薬のことだ 王女を罠にはめるために

ジウォルは読者しているモヨンに問います。

とんでもない 太子様のために薬剤を補っただけです

モヨンは否定しました。ジウォルは娘の言葉に笑います。

政は財を成すための手段だ 王宮がどうなろうと我らには財物さえ残ればいい それ以上深入りするな

承知しています

モヨンは答えました。

ああ・・それとお客様から明日到着すると知らせが来ました

極秘の大事な客人だ 話が漏れぬよう注意しろ

ジウォルはモヨンの肩を叩きました。

***

ドゥクはタルたちに連れられ幽霊谷にやってきました。

うちのカジンは小さい頃から秀でていた

ドゥクは村人の一人と酒を飲みながら話します。

危ない刺客をやりながら俺を気遣ってくれたよ 本当にいい娘なんだ

ドゥクは飲みながら泣き出します。

ああ カジン〜 もう会えないのか

まあそんなに悲しまないで 慰めようと酒を飲んでるんだから

村人は苦笑します。すると村の男がもう一人来て言いました。

夜中に狩りに出るようだ

誰が行くんだ?

タルとプンゲの他に刺客の兄妹も行ったな

ああ~カジン!

二人が話しているとドゥクは大泣きし始めました。

カジン〜 お前にたいしたことは何もしてやれなかった 

泣き上戸か まいったな

二人はドゥクを布団に寝かせます。

あの子は王女なんだから心配するな

***

薬草店に客人がやってきました。

遠路はるばるようこそ

ジウォルは大仰に迎えます。

客人は大金をジウォルに渡しました。ジウォルの目の色が変わります。

では参りましょう

ジウォルは客人を案内します。

***

ウォン太子が木蓮堂にやってきました。

太子!

弟が来てピョンガンは喜びます。太子はピョンガンにお菓子の包を渡しました。

思い出したんです 姉上はいつも私にお菓子をくださった

ありがとう

ピョンガンは包を手にして微笑みます。

私こそお礼を言いたくて 毒殺されるのではと心配して私のために奔走してくださった 姉としての気持ちを感じました では

太子は頭を下げて帰ろうとします。

一人ではお菓子が多すぎるわ ウォン、一緒に食べましょう

ピョンガンは太子を食卓に座らせます。

***

太子はピョンガンにヨン王妃が死んでからの父王の有り様を話しました。

母上の葬儀の後父上は別人のように変わられた お怒りになったり急に泣き叫ばれたり 国事を放りだして何日も寝所にこもられることも

ピョンガンは悲しげに弟に笑います。

太子も心労が絶えなかったでしょう

私は・・大丈夫

苦労をかけたわね 一日でも早く戻るべきだった ごめんね

ピョンガンは弟に謝ります。

あの人をほっておかないで

太子は言いました。

・・あの人? 誰のこと?

長白薬草店 あの人が父上に悪い薬を届けてる みんな秘密にしてるけど私の耳にも入ってきた その薬は父上の心身を蝕んでる 新羅から仕入れてるらしい

新羅から?

密貿易は法を犯す重罪だろ?

ウォン、その話は誰にもしないで

ピョンガンは弟を止めました。

どうして

あなたまで謹慎になる

そんなの怖くない 悪事を謀る部族長会議、あの者たちを許せない

ウォン、あなたはすっかり成長したのね

ピョンガンは驚きます。

***

タルとプンゲ、刺客の兄妹は天誅房のアジトに行きました。

誰もいない

官軍が荒らしたけど事前に逃げたのね

タラ・ジン達は仲間の暗号を探します。

行き先を残しているはず 

兄妹は石を手に取り裏に文字がないか確かめます。

あったわ

チンは文字をつなぎ合わせました。

都に行った

***

薬草店ではジウォルが客人と酒を飲んでいました。

どうぞ、末永い縁を

二人は乾杯します。

モヨン、酒をお注ぎして

はい

モヨンと客人は意味ありげに目を合わせます。

***

ジウォルが酔って寝てしまうと二人は話しました。

欲深いやつだ 

大きな取引を終えて満足したようです

あやつの娘でいるのも大変だろう

モヨンは微笑みます。

ひと晩泊まられては?

いや、人目につく前に新羅に戻らねば

客人が言うとモヨンは書状を渡しました。

国境に配置された高句麗の武将の名簿、兵と武器の規模を記してあります

王様がお前の手柄を讃えている 故郷に戻れば十分な褒美を貰える

新羅の者として当然のことをしているだけです 

モヨンは話します。

***

モヨンは客として薬草店に来た男に戦争の最中に助けられた新羅の娘でした。少女だったモヨンに男は薬草の知識や鍼灸の仕方を教えました。そして高句麗に行く任務につけたのでした。

命を救って頂いたご恩に報います

モヨンはジウォルの屋敷で下働きをしますが、ジウォルが酒を飲んだ際に倒れると迅速な処置をしてジウォルの命を救ったのでした。ジウォルはモヨンに感謝します。

何が望みだ?

私は天涯孤独な身の上ですが薬草と鍼には長けております ですから旦那様を父と思ってお仕えしたいです

ジウォルはモヨンを気に入り養女にしたのでした。

【第11話】

ウォン太子から父王の薬のことを聞いたピョンガンは夜が更けると薬草店に侵入しようとします。

王女様、謹慎を言い渡されたのに行くのはおやめください

乳母のコンソン夫人はピョンガンを止めます。

問題になったら今度こそ臣下たちが黙っていません

臣下? 王室を軽んじる連中のこと?

王女様・・

何と言われても行く お父様のためだから

ピョンガンは木蓮堂の秘密の通路を歩きます。王宮の裏に出るとゴンが待っていました。

驚きましたか? 刺客として来た王女様の後をつけて抜け道の存在を知りました

邪魔しないで 師匠

助けに来たんです

必要ない

私が声を上げれば北門で居眠りしてる兵も起こせますよ

ゴンはピョンガンを脅します。

そんな冗談を聞いている暇はないの

私にも時間がありません 数日後に父の命令で北の国境に向かわねばなりませんから なので王女様に味方するという約束を今果たします

ゴンはピョンガンを見つめます。

私は何をすれば?

***

ピョンガンとゴンは薬草店に忍び込みます。

主が密貿易をしているのは私も知ってます ここに大量の薬材を隠していました

王様が体を蝕む薬を飲んでいるのを師匠がほっておいたなんて

ゴンは申し訳なげに答えます。

私も店主と取引をしたのです

どんな?

とにかく行きましょう

ゴンは階段を上がると嘆息しました。

ほんの数日前はここに大量の薬材があったのに

よそに移したのね

二人は周囲を調べます。ピョンガンは扉の足元の床を叩きました。

どうしました?

ゴンが足元の板を持ち上げると地下に降りる階段がありました。二人は階段を降ります。

***

地下にはたくさんの娘たちが縛られて泣いていました。

・・これは一体?

ピョンガンは娘の一人に声をかけました。

私と服を替えよう

王女様? 何を・・

この娘たちが連れてこられた訳を調べる

***

外へ出るんだ

二人の男がやってきて娘たちを外に上げました。ピョンガンは娘の数を数えるモヨンの従者に見つからないよう下を向きます。

行くぞ

男達は娘を連れて薬草店を出ていきます。

奴らは誰だ? 行き先は?

隠れていたゴンは娘に聞きました。

わかりません わかるのは北周につれて行かれることだけです

なんだと? 北周への貢ぎ物か

そうです

だが娘たちは数日前に送られたはずだ

ここにはもっと前に連れて来られました

どういうことだ・・?

***

タルやタラ・ジン達はジュンソたちの都の集合場所を調べていました。

いつも岩の下に木の札を隠してある

みなは探しますが札はありません。

見捨てられたってことさ 仲間はもう集まってるんだ

プンゲが悪態をつきます。

ちょっと・・なんだって?

チンがプンゲを睨みました。タルは怪力で大きな岩を持ち上げます。

下を見てみろ

プンゲやタラ・サンも一緒に持ち上げました。

あった!

チンは札の字を読みます。

松華堂? ここってどこ?

俺も知らないよ

タラ・サンは答えます。

***

仲間を散らして優れた占い師がいるという噂を広めました

テモは松華堂でジュンソに報告しました。

じきに人が集まってきます

ジュンソは帳のたれた窓から外を透かして言いました。

この世で最も暗いのは燭台の下だ 今後は刀を用いず言葉の力で王の心臓を突く

王宮に這入る策はありますか?

ジュンソは意味深な笑いをテモに向けます。

***

木蓮堂にチン王妃がやってきました。

王女は風邪で横になっておられます

コンソン夫人は嘘をつきます。

医官は呼んだのか? 具合が悪いなら医官を呼ぶのだ

あ・・今呼ぶところです

心労が重なり弱っているのだな 様子を見たい

チン王妃は木蓮堂に入ろうとします。

まだ横になっておられるので

どきなさい

木蓮堂に入った王妃は空の寝台を見てコンソン夫人を睨みます。

風邪で寝ているのでは? 王女はどこだ

王妃はコンソン夫人を問い詰めます。

・・昨晩からお姿が見えません

なんと?

王妃は呆れます。

***

ピョンガンたちは一晩中歩かされて娘たちは疲れ果てていました。娘の一人が川の水を飲もうとして男に止められます。

何をやってる? 立て!

一晩中歩き続けて水も口にしてない

ピョンガンは叱られた娘をかばいました。

こいつ 生意気な

男がピョンガンをぶとうとすると先頭で一行を率いていた男が言いました。

休もう 都からは大分離れた 一息つこう

先頭の男は薬草店でジウォルに大金を渡した新羅からの客人でした。娘たちはぐったりと腰を下ろします。

ありがとう

叱られた娘がピョンガンに感謝しました。

物だけじゃなくて人まで貢ぐなんて

ピョンガンは憤ります。

でも北周に行かないなら私たちはどこへ?

ピョンガンは男達を見てから話しました。

あの服装は新羅の人かも

売られるんだよ

別の娘が言いました。

貢ぐはずの娘たちを新羅に横流ししたのよ お偉い人たちが

大丈夫よ 新羅に着く前に官軍が来る 私も役人なの

ピョンガンは娘たちを励まします。

あら、そう 国なんかなんにもしてくれない どこに連れられようが同じよ どうせ小間使いか年寄りの側女にされる

違う あなた達を必ず家に帰してあげるわ 約束する

ピョンガンは後ろを向いて言いました。

背中に刀がある 出して

***

王宮ではチン王妃が平原王にピョンガンが部屋にいないことを伝えていました。

謹慎の命に背きどこに行ったのだ

王は娘を怒ります。

王宮にはいないようです

全くけしからん

その時内官が来て王に告げました。

コ・ゴン様がお目通りをと

出直すように言え

王は拒みますが、ゴンが来て王にお辞儀しました。

臣下コ・ゴン、早朝よりお待ちしておりました

ゴンは王に近づきます。

王女様の行方をお話しします

なんだと?

王といた王妃や太子はゴンを注視します。

***

タルたちは都に来て松華堂を探していました。

収穫なしだ 松華堂なんて誰も知らないよ

プンゲが店で酒を飲んでいるとタラ・ジンたちが帰って来てプンゲに言いました。

だからって人の酒を勝手に飲むな

プンゲはタラ・サンが酒を飲んだのを怒ります。

けちくさいことを こいつ意外とせこいぞ

チンはプンゲに聞きました。

何かわかった?

同じだよ 収穫なし

で? タルは?

調べることがあるって

だけどあいつさあ、カジンの旦那気取りだよな

タラ・サンが話します。

あいつは一度守ると決めたらやり遂げる男なんだ

そういうとこはカジンに似てる

チンは言いました。プンゲはチンの前におちょこを置いて酒を注ぎます。

頑固な友達がいてお互い大変だな

だよね

おい・・

チンが酒を飲むのをサンは不満げにながめます。

***

薬草店は官軍の捜索を受けていました。モヨンはゴンに毒づきます。

望まぬ客の来る日ですね

むしろ恩人になる 助かる機会を与えに来た

二人が話しているとタルがやってきました。

お前はここに何の用だ?

ゴンはタルに訊ねます。

関係ないだろ

ゴンはモヨンに向き直ります。

北周に貢ぐはずだった娘たちをどこに行かせた? 新羅に売り渡したな どの道を行ったのだ?

娘たち? あんたは人も売り買いしてるのか?

タルは驚きます。

取引できないものなどない 人も心も

モヨンは言いました。そしてゴンに話しかけます。

お父上に黙ってこんなことをするとお叱りを受けますよ

父には関係ない

とんでもない 娘たちを売って得た銀の半分を手に入れたというのに

モヨンは明かしました。

***

王女が娘たちの中に紛れ込んだだと?

ウォンピョは王付きの内官から報告を受けます。

そのためコ・ゴン様が兵を動かし王様はへ・ジウォル様を王宮に呼ばれました

王女は己の運命を変えたいようだな ならば叶えてやろう

***

そんな話で逃げられると思うな

ゴンはモヨンに剣を突きつけました。

私は王命を受けてきたのだ 早く一行の行った道を教えろ

いっそ斬ってください

モヨンは拒みます。

罪を贖う機会を与えたというのに拒むのか

罪人は私だけでしょうか?

ゴンは剣を鞘に収めます。

そう出ると思って明け方すでに側近を送った 新羅に通じる道を調べてくる そなたが言わなくても探り当てるだろう 王女様も娘たちを守っている

王女?

モヨンもタルも驚きます。

一行に紛れ込んだ 高句麗の民を救うために

その時ゴンの側近が戻って来ました。

主な経路は探しましたが娘たちはいませんでした

ゴンはモヨンの肩を掴みます。

最後の機会をやる 正直に言え!

どうぞお斬りください

へ・モヨン!

リスの道がある

タルが口を挟みました。

新羅からの密猟者や薬草売りが通る 知られていない経路だ

モヨンは顔色を変えます。

コ・ゴン様、本当に後悔しませんか?

主を縛り連行しろ!

ゴンは命じました。そしてタルに案内を命じピョンガンたちを追います。

***

娘たちは再び歩くよう命じられます。ピョンガンは腕を縛った縄を刀で切りながら歩きました。けれど歩きながら刀を落としてしまいます。

刀を落としたのは誰だ? お前か?

責められた娘はピョンガンを指さしました。

違う あの子だよ

先頭にいた新羅の男はピョンガンを殴ろうとしますが、縄が切れていたピョンガンは男たちと戦い始めます。男から刀を奪い優勢になったピョンガンですが、新羅の男は娘の首に刀を突きつけました。

動くな! 刀を捨てろ

どうせ殺せないから捨てないで

首に刀を当てられた娘は言いました。

大量の銀と引き換えたんだ 殺せやしない

すると怒った男は娘の首を切りました。そして別の娘に刀を当てます。

さっさと剣を捨てろ!

ピョンガンは諦めて剣を捨てようとします。すると一斉に娘たちが飛び出しました。

私たちも殺して! こんな虫けらみたいな人生は嫌!!

娘たちは男たちに突進します。すると男たちは娘たちを殴りつけ、その悲惨な光景にピョンガンは憤ります。

許せない!

ピョンガンは男の一人を斬りつけます。すると他の男たちは逃げていきました。

もう大丈夫よ・・

ピョンガンは娘たちの縄をほどいてやりました。

***

馬で走っていたタルたちは歩いてくるピョンガンたちと出会いました。馬から降りてゴンはピョンガンに訊ねました。

お怪我は?

けれどピョンガンの目はタルを見ていました。

タル

よう カジン

タルはピョンガンの頭を撫でます。

***

牢屋に入れられたモヨンはやってきたジウォルに新羅の客人の行方を聞きました。

キム・チャスン様は?

新羅に無事に逃げたようだ

では大丈夫です すぐにコ・ウォンピョ様と手立てを講じて下さい

もう会ってきた あやつも全く愚かな人間だ 息子一人抑えられないとは

ジウォルは嘆きます。

***

ピョンガンは娘たちを連れて王に会いました。

報告とは何だ

王は訊ねます。

高句麗の女人を貢ぎ物とするのも恥ですが横流しをして新羅に売り渡していました 消奴部族の長ともあろう方が、です

王の後ろに控える重臣たちの中でジウォルは目を泳がせます。

不確かな発言は二度は許されんぞ

私がこの目で見てこの耳で聞きました 娘たちも証人です

王は娘たちに問いました。

お前たちは北周に貢がれるはずだった者たちか?

さようでございます

娘たちは泣き出します。コ・ウォンピョが王の横に並びました。

泣き声が外に漏れては宜しくないでしょう ひとまずお入りください

王は王宮に入ります。

***

わが消奴部族は扱う品が多く把握しきれないが故に起きた問題です

へ・ジウォルは王の前で弁明しました。

物ではなく人間です! 若く美しい娘たちです 新羅の商人と取引してそんな言い訳をするとは!!

ピョンガンは怒ります。

へ・ジウォル殿、実に愚かなことをなさいましたな

ウォンピョは冷たく言い放ちます。

面目ございません

面目の問題ではありません 私腹を肥やそうとした罪、新羅と密貿易をした罪、どちらも見過ごせない重罪です!

ピョンガンは王に訴えます。

私が一つ誤解を解きましょう 私腹を肥やすためではありません 私がお願いしたのです

コ・ウォンピョが言いました。

それはどういうことだ

王はウォンピョに問います。

国の財が底をつきそうなので銀を増やして欲しいと私が頼んだのです 高句麗への忠心故の行いでしょう コ・ゴンは直ちに王宮の蔵に銀があるか確かめに行け

ウォンピョは命じました。

***

ウォンピョはジウォルに王宮の蔵に銀を運ぶように指示していました。そして自分の取り分は既に運び終えていました。そのため王宮の蔵には大量の銀が収められていました。

やられた

ゴンは悔しがります。

国の財を補おうとする方策が愚かだっただけです へ・ジウォル殿の忠義だけはお咎めになりませんように

ウォンピョは王に説きました。

また横流しのことが北周に知られればただでは済まないでしょう

そうですよ 自分たちを欺いたと激怒するでしょう 

チン・ピルが加勢しました。

敵国と密貿易をしたことは確かなのにこのまま伏せるのですか?

ピョンガンは王に問います。

罪をかき消すほどの手柄です

ウォンピョはダメ押しをします。

お父様が正しいご判断を

ピョンガンは声を張り上げます。

***

たとえへ・ジウォル殿の罪が明白でも高句麗への忠義は立派である また国の威信と対面に関わることゆえこれは王宮の外に知られてはならぬ

王様

ジウォルは深々とお辞儀します。

罪を犯しても罰を受けないのなら、それこそ国の威信を損ねる行為です

ピョンガンはなおも訴えます。

しかと記録しておけ 権力や財力のある者も法によって容赦なく裁く、その厳正さこそがわが高句麗の建国の精神であり、今日の平原王の治世の原則である

王はピョンガンの言葉に立ち上がりました。

この失態を王宮の外に知られてはならぬとはいえ此度の罪は功罪を踏まえ問うこととする

王は告げました。

***

ジウォルとモヨンは代理の人間を使って棒たたきの罰を受けます

打たれる人間の後ろで二人は正座して繰り返し唱えました。

大罪を犯しました

二人はひれ伏します。

***

ピョンガンとゴンはその光景を苦々しく見つめます。

罪人の対面を保ってやるなんて・・ これが罰?

ピョンガンは呆れます。

他でもなく部族長ともあろう者に棒たたきの刑がくだったのは大きな罰です

ゴンは言いますがピョンガンはその場を離れました。

***

ゴンはピョンガンを追いかけます。

王女様、ご冷静に ああ、娘たちには服と金を持たせて帰しました 遠方の者には兵を同行させました

ゴンは説明しました。

ありがとう 師匠がいなかったら解決できなかった

では私が味方だと信じてくれますか?

信じる だけど父君はひどくお怒りよ 師匠が都を去らずに済む手立てを探ってみるわ

いいえ 私と父の問題ですので ご心配なく ああ・・道案内の礼を言うのを忘れていました あの田舎者にお伝え下さい 

ゴンは去っていきました。

***

あのような罰を部族長に与えなくても

チン王妃は王に抗議しました。

罪が明らかなのに許すわけにはいかぬ

臣下たちは気分を害したことでしょう

王である余に臣下の気分まで気遣えと?

王女の謹慎も解いたとか ご立派なことで 王宮はより騒がしくなりましょう

王妃!

顔を強ばらせてチン王妃は出ていきました。王は台を叩きます。

薬を持って来い!

ウォン太子が父王のそばに立ちました。

太子、お前も言いたいことがあるのか

はい

なんだ?

へ・ジウォル殿を罰したのは正しいご判断でした 王の威厳を示せたと思います 心から感服いたしました

太子は頭を下げると出ていきました。平原王は薬を下げるように命じます。

今日は薬は要らぬ

***

ウォルは小屋の前を掃除しながらサ氏夫人に言いました。

おばさん、タル兄ちゃんが留守がちで寂しいでしょ 私が一緒に住んであげようか

そんなことを言ったらホンメが寂しがる

だって近頃は村長のお世話で頭がいっぱいみたいだもの 私なんかどうでもいいんだから あれじゃ今に村長の家に住み込みそう

この子ったら 人のいないところで陰口を叩いて 悪い子だ

ホンメが来てウォルを小突きます。

だって口を開けば”村長〜”って 見てられない

何だって? 子供なんて育てるものじゃないね 憎たらしい

悪かったね ”村長〜”

こら! 待て!

ホンメはウォルを追いかけます。

***

松華堂のジュンソの占いは繁盛していました。

お頭、今日はもうおやめください そんなに気の力を使うとお体が・・

テモがジュンソを気遣います。

ならばお前が王を討てるのか?

はい 私が王の首を取ります

今いる刺客たちでは王宮の塀も越えられぬ 唯一の手立ては王自らに私を呼ばせることだ それまでは血を吐いても耐え抜く

お頭・・

次の客を通せ

***

ピョンガンは逆賊の汚名を着せられ没落した順奴部族を再起させるよう王に進言します。

再起など・・

王は言い淀みます。

過ちを犯したのはお父様です 固く絡まった糸はお父様しか解けません 私は順奴部族に命を救われました 憎い王の娘である私を暖かく迎えてくれたのです 順奴部族は昔と変わらず純朴で誠実な民です

ピョンガンは雄弁に父王に請います。

順奴部族の名誉を回復させ高句麗の民と認めてください 恨みを晴らしてやればお父様の頼もしい援軍となるでしょう

そんなことをすれば臣下たちがはげしく反発するだろう

お父様は太王であられます 太王の決定を誰が覆せましょうか 王とは二つの耳で恨み言を聞き一つの口でそれを収める者かと存じます お父様の命令が国の法なのです 私が、順奴部族がお父様の力となります

ピョンガンは王を見つめました。

ドラマ(第9~11話)の感想

ウォンピョは息子のゴンに度々邪魔されて疎ましく思ってるんでしょうけどやはり息子が可愛いいらしく手荒な手段には出ません。でもこの状態が長く続けば冷酷なウォンピョのことだから息子であってもこの世から抹殺することもありえそうで心配です。チン王妃の息子のコンム王子は王様の子供ではなくウォンピョとの間に出来た子供みたいな感じですが、そうなるとゴンには年の離れた弟がいるわけですね。まあとても公には出来ない秘密なんでしょうけど。

カナエはゴンとモヨンの間にロマンスが生まれるのでは?と期待していたのですが、モヨンも新羅の間者で癖が強すぎて無理な話のようです。ちょっと残念。

(でもウォンピョが家で線香ばかりあげてるのは何故なんだろ?良心の呵責?大事な人が死んだのか?気になります。)

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