映画「ロ・ギワン」を観て何故ギワンがベルギーに渡ったのかについて考えてみた!その映画のネタバレあらすじ、感想も!!

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ドラマ

 こんにちは。カナエです。今回はネットフリックス映画「ロ・ギワン」について書きたいと思います。

北朝鮮を脱北したギアンだが逃亡したベルギーでも過酷な試練を受ける

映画データ

公開年  2024年 (Netflix独占)

監督   キム・ヒジン

脚本   キム・ヒジン

原作   「ロー・キワンに出会った」を元に制作

制作   ヨンフィルム、ハイジウムスタジオ

キャスト ソン・ジュンギ、チェ・ソンウン、キム・ソンリョン、イ・サンヒ他

映画のあらすじ(ネタバレ)

けんかの仲裁をしたことで北朝鮮で追われる身となり脱北して母親と中国で暮らすロ・ギワン(ソ・ジュンギ)。しかし中国の公安に捜索され北朝鮮に強制送還されることを恐れたギワンは母親と逃げ出します。けれど母親は逃げる途中でトラックに轢かれて命を落とし、このまま中国にいても追われるだけだと考えたギワンの叔父はギワンの母の遺体を病院に売って得たお金で韓国旅券を偽造し、ギワンをベルギーに送リ出すのでした。

***

ギワンはベルギーに着くとすぐに脱北者として難民申請をしようとしましたが、脱北者だと証明することは意外に難しくその日の寝場所にも困ることになります

職もなくお金も大して持っていないギワンは難民認定を受けるまで公園のゴミを漁って食べ物を探したり公衆トイレで寝て日々をやり過ごします。さらに言葉の通じない異国人のギワンを馬鹿にして若者達がギワンに暴力を振るい、靴を川に投げられたギワンは寒さに震えながらコインランドリーの片隅で暖を取るのでした。

悪いことは続き眠ってしまったギワンの様子を見てランドリーに来た韓国人の女がお金を盗って行きます。店の防犯カメラからすぐ女は警察に捕まりますが、ギワンが問い詰めると女はお金は持っていないと開き直るのでした。

あれは母さんの形見なんだ

そんな最悪な出会いからイ・マリ(チェ・ソンウン)との関わりが始まりました。

***

マリは財布が手元にないと話し、代わりにギワンに仕事を紹介します。ギワンは住み込みの精肉工場で働きソンジュという朝鮮系中国人の中年女性と親しくなります。ギワンに独特の朝鮮なまりがあるというソンジュにギワンは難民認定のために脱北者だと証言して欲しいと頼むのでした。

マリはギワンに悪いことをしたと思い闇組織のボスに自分の借金の返済として渡したギワンの財布を返すよう頼みます。

するとボスはマリに賭け射撃の選手として試合に出れば返してやると言い、仕方なくマリは試合に出るのでした。

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財布をきちんと返してきたマリにギワンは食事をご馳走します。二人は親しくなりますが難民認定の証言にきたソンジュがギワンを韓国系中国人だと嘘の証言をしたためギワンは精肉工場をやめて食堂の下働きをし、また公衆トイレで寝る生活に戻りました。

ソンジュは雇い主にビザを延長すると言われて嘘の証言をしたとギワンに謝りに来ます

韓国系中国人だと書類を偽装してあなたを雇ったからあなたが脱北者だと知れないように私に嘘の証言をさせたの

ソンジュは言いました。

私は末娘の手術代を稼ぎたかったからビザを延長してほしかった でも約束は破られた 私は中国に強制送還される

僕に同情しろとでも

ただ謝りたかったの ごめんなさい

ソンジュは頭を下げました。

***

マリは自分もギワンと同じ時期に母親を亡くしたと話していました。ギワンは難民支援の弁護士の事務所でマリの母親を偲ぶ会が開かれると知り会に出席します。重病だったマリの母親は安楽死を選択していてマリはそれを承諾した父親を許せずに荒れた生活をしていたのでした

何故パーティーを開いて死んだ人間の話をするのよ!

追悼会に遅れてやって来たマリは父親に楯突いて料理を投げ捨てます。ギワンが止めるとマリは会場を飛び出して行きました。

***

ギワンはマリの住む家を訪ねますが、マリは麻薬に溺れて男に注射を打たれそうになっていました。

よせ!

ギワンは男を追い出して酩酊して落ちていた麻薬の粉を舐めようとするマリを止めます。

なによ、邪魔しないで!

するとギワンは麻薬の袋を破いて飲んでしまいます

なにするの!死んじゃうわよ!

気を失ったギワンを助けようとマリは薬を調達してきてギワンに注射しました。

しっかりして

しばらくして目を覚ましたギワンはマリに言いました。

マリ クスリをやめろ またクスリに手を出したら僕が同じ方法で何度でも止めてやる 

ギワン 私が憎くないの 死にかけたのに・・

ギワンのひたむきな思いに触れたマリは心を開き二人は愛し合うようになります。

***

ギワンのところへ中国のソンジュから手紙が来ました。

数日間新聞社を訪ねて去年発行された新聞を全て調べたわ そして記事を見つけた

ソンジュの送って来た新聞にはギワンの母親の事故の記事が載っていて母親の写真もありました

これで認定される

ギワンの心は踊ります。

***

難民認定の裁判が開かれますが、マリは闇組織のボスに脅されて経営する店に連れて行かれます。そこで内部対立が起こり銃撃に発展し、マリは椅子に隠れて恐怖に震えます。

マリ 一緒に行くんだ 俺の選手だから狙われるぞ

争った男たちを殺して自分も腹部を撃たれたボスは言いました。

そこへマリが裁判に来ないのを不安に感じたギワンがやってきます。

マリ! 逃げるんだ

しかしボスがギワンを殴りつけ殺そうとします。するとマリがボスを銃で撃ち二人は店から逃げ出しました。

***

マリ、この国にいても危険だ 国外に逃げろ 父親に電話して旅券とお金の用意を

ギワン あなたはどうするの

僕はこの国に住む権利も出る権利もないんだ

せっかくあなたといい関係を築けたのに・・

マリ、大丈夫だ 僕はもっと強くなって君を見つけ出す

二人は父親の運転で空港に向かいます。

パパ 今までごめんなさい 

マリは父親に謝罪して別れました。

ギワンとマリは搭乗の前に話します。

マリ、君と僕はマダガスカルに行くんだ

ギワンはロビーに飾られたマダガスカルの写真のパネルを眺めて言いました。

あそこに行ってあの変な木を見よう

二人は微笑み合います。

***

マリは国外に逃れギワンは難民に認定されレストランで働いていました。

この国でのどんな過酷な試練にも必ず乗り越えて生き抜くと頑張ってきた そして必要最低限の権利を得た でもこの国を出たらそんな一切を失ってしまう・・

けれどギワンはマダガスカルに向かいます。

またこの険しい道を始めからやり直す いいさ  また始めよう

ギワンは光眩しい汗ばむマダガスカルの道を歩みます。その道の先にはコテージで働くマリがいました。

ギワン

マリはギワンに抱きつきます。

主なキャスト

ソン・ジュンギ/ロ・ギワン役

1985年9月19日生まれ、韓国・大田広域市出身。

2005年成均館大学校経営学科に入学、在学中の2008年に映画「霜花店 運命、その愛」で映画デビューする。その後テレビドラマに出演し2010年ドラマ「トキメキ☆成均館スキャンダル」で注目され、2012年のテレビドラマ「優しい男」、映画「私のオオカミ少年」で人気がブレークした。2016年にKBS演技大賞大賞を受賞するなど多くの賞を受賞している。

私生活では2017年女優ソン・ヘギョと結婚したが2019年に離婚、2023年に英国の元女優と結婚、第一子をもうけた。

主な出演作にドラマでは「太陽の末裔」(2016)「ヴィンチェンツォ」(2021)など、映画では「ちりも積もればロマンス」(2011)「スペース・スウィーパーズ」(2021)など。

身長178cm、血液型はA型。

チェ・ソンウン/イ・マリ役

1996年6月17日生まれ、韓国ソウル出身。

韓国芸術大学に学び短編映画に出演、斗山アートセンターで2018年の演劇「グレイン・イン・ザ・ブラッド」のオータム役を演じて演劇女優として活躍する。2019年のコメディ映画「スタートアップ」で春沙映画祭、最優秀新人女優賞を受賞。2020年MBCドラマ「SF8:ジョアンのギャラクシー」(第3話)でドラマデビュー。2021年Netflixシリーズ「サウンド オブ マジック」でチ・チャンウク、ファン・インヨプと共に主演を果たした。

主な出演作にドラマでは「悪を超えて」(2021)、映画では「10ヶ月」「ジェントルマン」(2022)など。

身長161cm。

映画の感想

生まれた場所で人はこんなにも違うということが胸に迫る映画でした。映画ではロマンスに仕立てて幸せに終わりましたが実際は苦しみの中で死んでいく人が限りなくいるんでしょうね。もどかしい現実の重さにため息しか出ません。

それににしても中国から逃げる先がどうして遠いベルギーだったのか?顔立ちも違う欧州の国なのに??カナエは難民ということに全く無知なのでそれについて調べてみました。

ベルギーの人口の10%は難民

難民の認定率が高い国はドイツですが、その周辺国にも流れる傾向がありギワンがベルギーに行ったのはそうした理由からかもしれません。中東やアフリカにも多く受け入れる国はあるのですが国情が安定している欧州がいいと考えたのでしょう。現在、ベルギーの人口、約 1100 万のうち「外国人」は10%を超えていて移民出身のベルギー人も 10%近くいるそうです。制度的にも国家や地方で官吏になる移民も多く各界で活躍もしているよう。

でも映画で観るかぎり映画自体がギワンの「異邦人さ」を描くものでしたから彫りの深い顔立ちの西洋人とギワンやマリ達アジア人は相容れない違う人種に見えました。

戦争が多発する昨今はヨーロッパに流入する難民は多く深刻な問題になっているようです。ベルギーのブリュッセルでは3万1000戸分の住居スペースが満杯で3500人の難民が路上生活を送っているとネットに書かれていました。そんな状態では周囲も難民に慣れてしまい温かい気持ちも薄まってしまいそう・・紛争をやめて弱者の困窮しない社会になって欲しいです。

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