韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」第二週でピョンガンは王女の記憶を取り戻し悲惨な身の上に絶望する!その第3~5話のネタバレあらすじ、感想も!!

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ドラマ

こんにちは。カナエです。今回もテレビ東京放送の韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(第3~5話)について書きたいと思います。

タルはピョンガンを助けて薬草店の女店主モヨンに面会する

テレ東で平日月~金曜 朝8時15分から放送中

キャストとこれまでの話

<第1,2話>

ドラマ(第3~5話)のあらすじ(ネタバレ)

【第3話】

追手を逃れて松鶴山の山中を走るカジン(キム・ソヒョン)。逃げながら昔の記憶が脳裏を横切ります。

こんなふうに山を登ったことがあった・・

意識が朦朧としてきて崖から落ちそうになったカジンは木に縄を巻いてそれに捕まりなんとか落ちるのを止めました。するとまた昔の記憶が蘇ります。

縄を伝って崖を登ったことが・・

崖の上から追手の兵士がカジンに矢を射ろうとしてきました。絶体絶命のカジン。その時何者かが石を投げて兵士と戦い出しました。

それは薬草を採りに松鶴山に来たタル(ナ・イヌ)でした。

タルは兵士を倒すと崖下を見ました。

縄をしっかり持て!

タルは縄を引っ張ります。

早く登れ!

カジンはタルの助けで崖の上まで登りました。

一体何があった?

すると敵兵が走ってきて矢を構えました。咄嗟にカジンは短刀を投げて倒しますが自分も背中に矢を受けてしまいます。

***

天誅房の首領のトゥ・ジュンソはカジンが王の暗殺に失敗したことを知ります。

直ちにカジンを探せ

ジュンソは手下に命じました。

高句麗の奴らよりも先に

タラ・サンタラ・ジンも捜索に向かいます。

***

タルはガジンを自分の小屋に連れていきました。そして怪我の手当をします。カジンが所持していたたくさんの武器を見て刺客だとわかったタルですがカジンを悪人だとは思えません。

しかしサ氏夫人はタルの行動を怪しみます。

今日も獲物がいたのか?

盲目の夫人はタルの手の匂いを嗅ぎます。

人間だろ?

人間だけど大怪我をしてるんだ 怪我が治ったら帰すから心配しないで

全く余計なことを!

夫人はタルを叩きます。

母さん、山に薬草を採りに行ったら官軍に出くわしたんだ それであの娘が助けてくれたんだよ だから暫く大目に見てあげて

タルは夫人に頼みます。

***

平原王は娘のピョンガンを見たことで混乱していました。そして刺客が現れたことの恐怖から酒を煽ります。酩酊した王は自分に刀を向けるピョンガンの幻を目にして自分も刀を抜きます。

こやつめ 余を愚弄しておるのか

王は刀を振り回しよろけて腰をつきました。

ピョンガン、余を迎えに来たのだな そうか 一緒にいこう

王は涙を流します。

***

タルに介抱されたカジンは朝になって目覚めます。タルがおかゆを持って来ると追手と勘違いして短刀で刺そうとしました。

怖い起き方だな

シカ?

カジンは前にシカ肉を持って行った若者だと気づきました。

なぜここに?

自分が助けてくれって俺にすがってきただろ?

私が?

ああ そうさ

タルは笑います。 

腹が減ったろ

***

カジンはサ氏夫人とご飯を食べます。

母さん、ジロジロ見るなよ 飯が食べづらいだろ

タルが薬草を磨り潰しながら声をかけました。

見たくてもどうせ見えないよ

夫人はカジンに訊ねました。

なんて名前?

ヨム・ガジンです

きれいな名前だね 一体何者だ?

女官だって言ったろ

タルが代わりに答えました。

ところでうちのタルとはどうやって知り合ったんだい?

タル?

俺の名前だ オン・ダルだよ

まだ名乗ってなかったのかい

そんな暇なかった

それじゃあ、お嬢さんは・・ 

ちょっと厠へ

ガジンは質問を避けて外に出ます。

***

カジンはサ氏夫人が縫ってくれた服を着て近くを歩きました。すると、タラ・サンとタラ・ジンが現れます。

カジン! 生きてたのね 心配して探し回ったよ

お頭はなんて・・?

カジンを探せって どうしたのよ

わからないの

カジンは困惑します。 

***

サ氏夫人はカジンの着ていた服に武器がついているのに気づきます。

あの子は刺客だね 麓で騒ぎがあったのもあの子のせい? 正直に答えな!

夫人はタルを問い詰めます。

・・そうだよ

すぐ追い出すんだ

母さん、まだ治ってないよ

治ったら私達を殺すだろ 刺客は顔を知られたら生かしておかない

タルが困っていると村から小さな少女のウォルが山菜を届けに来ました。

タル兄ちゃん、落とし穴が丸見えになってたよ お兄ちゃんが助けた女の人が落ちた後で抜け出したんじゃないの?

そうなのか?

タルは様子を見に行きます。

***

ここに住んでる連中は何者? 罠が何重にも仕掛けてあった

タラ・ジンがカジンに話します。

俺様タラ・サンはササッとうまくよけたけどな

タラ・サンが自慢しているとタルがカジンを呼ぶ声が聞こえました。

ヨム・ガジン!

タラ・ジンが声の方に短剣を投げようとします。

やめて

なんで? 顔を見られたら殺すのが掟じゃない

大切な命なの

二人の仲間はキョトンとカジンを見ます。

何言ってるの? お頭から罰が下るわよ

二人ともひとまず帰って

あんたに出来なきゃ私達が始末してあげる

いいの 私がやる

カジンはタラ・ジンに言いました。

まあ、他の方法もある たぶらかせ 仲間にすれば殺さずに済む

タラ・サンがカジンに説明しました。

トゥクチェ兄貴も、そうやって妻を・・

タラ・サンが話しているとタラ・ジンが顔を叩きました。

痛い!

ふざけないで

なんで? カジンは殺したくないんだろ?

カジン、どうしたいのよ?

タラ・ジンが聞きます。

***

仲間にたきつけられたカジンは自分を探しているタルを背後から襲おうとします。けれど落とし穴に落ちしまい逆に助けられるのでした。

小屋に戻った二人は鳥の肉を焼いて食べます。

まだ熱があるな 

タルはカジンの額を触って言いました。カジンはタルの手を払います。

食欲があるから平気よ

山を降りる時は言ってくれ 人の作った罠をこわさないで帰ってくれ

タルは不満そうに話します。

何重にも仕掛けたあの罠は何? そんなに獣が怖いの?

怖いのは獣じゃない 人間さ

タルは答えました。 

山を下りたんじゃないかと心配したよ 薬草代を貰えって母さんに言われたし

隠れて住んでる割にがめつい親子ね 都に住んで商いでもすれば? 

さあな・・

お母さんは何故目を?

・・まあ、ちょっと

無理には聞かないけど

***

タルは昔を思い出します。

番人の兵に金を渡してタルは処刑の前に捕らえられたオン将軍と話すことが出来ました。

父上、王女様は無事にイブルラン寺に行きました

よくやった

牢の中のオン将軍は息子を褒めました。

父上、父上の宝剣をあんなにしてごめんなさい 謝りたかったのに・・

わかっている

オン将軍は優しく息子を見つめます。 

父上、一緒に逃げましょう

タルは泣きながら竹の格子を外そうと揺らします。

タル、臣下たる者は王命に背くわけにはいかないのだ

父上、父上がいなくなったら俺はどうしたら? 部族の人たちは?

皆を守るためにここにいる

父上・・!

タル、復讐などするな この世には怒りも憎しみも要らぬ どうか平凡に生きて・・いやむしろバカとなり静かに穏やかに生きて行くのだ

・・バカに?

そうだ

父上・・

タルは牢の格子の間から手を伸ばします。

父上! 父上・・

タルは泣きじゃくります。

***

オン将軍は皆の前で処刑されます。

将軍 部族は私が守ります

部下のサ・ウナムは斬りつけられ絶命する将軍に誓いました。

坊っちゃんは私が守ります

乳母のサ夫人も心の中で誓います。皆は処刑場から引き上げようとしますがタルだけは将軍の所へ行こうとしてウナムたちに止められます。

父上! せめて亡骸だけでも・・!

駄目だ お前まで殺される

死んだってかまわない! 放せ!!

坊っちゃん!

乳母のサ氏夫人は焚き火の中から二本の燃えている薪を手に取り叫びました。

ばあや?

サ氏夫人は両目に薪を押しつけました。

やめろー!!

タルは薪を投げサ氏夫人を抱きしめます。

ばあや! なんてことを・・

今から坊っちゃんは私の息子です 

サ氏夫人は両目から血を流しながら話しました。

目の見えない母を見捨ててどこに行くのですか?

ばあや・・

タルは泣き崩れます。

***

カジンは小屋に行かす外で夜明かしします。

カジン!

タルがカジンの所へ走ってきて、採ってきた薬草を見せました。

これはオニグルミ、体の中の虫を殺す これはヤマコウバシだ・・

タルは薬草の種類をカジンに教えます。

なんでそんなことを?

カジンは問います。

市場で売れば高値で売れるんだ 王宮から逃げたなら金を稼がないと 薬草採りは大変だけど慣れればできる 悪夢も見なくなるぞ

カジンは戸惑って目を泳がせます。

***

夜になってタルはサ氏夫人の体を揉んでやります。

あの子はどうなったの?

連れてきた 道に迷ったらしい

きれいな娘なのか? 夢中になるほど

母さん、何を言ってるんだ

一度しか言わない 夜が明けたら帰らせなさい さもないと私が追い出す

母さん・・

カジンは寝床でザルに入った薬草を手に持ち微笑みました。それから武器を掴み見つめます。

***

”巫女が王を狙う”

コ・ゴンは暗殺を仄めかした紙を見つめて考えこんでいました。すると父親のウォンピョが部屋に来ます。

明日から王宮の守備隊を受け持て

私が?

責任を持って刺客を捕らえろ

儀式の警備を命じた次は刺客を捕らえろと? 私がしくじるのをお望みですか

考えすぎだ

父親は答えます。

ならば本当に捕えても? 王様に差し出しますよ

褒めて貰えるぞ 

ウォンピョは笑います。

要職にも就ける

政などに興味はありません 刺客は捕えますよ

そうか

父親は笑顔で出ていきました。

ゴンは王の危機を知らせた際に動こうとしなかった父親の姿を思い出していました。

一族の恥が人に知れてはなりませんので

ゴンは一人呟きます。

***

カジンは夢の中で平原王が殺戮する様を見て涙を流します。

一方天誅房のカジンの家では養父のドゥクがカジンを敵対視する刺客仲間のテモから薬を飲まされていました。タラ・サンとタラ・ジンが駆けつけてドゥクを介抱します。

カジンを探すためにテモが薬を飲ませたんだ 

おじさん、しっかりしてください 私です タラ・チン(ジン)です

カジン、ここに戻ってくるな

ドゥクは胸を押さえながら声を絞り出します。

そうだ、チン、私の言うことをよく聞け

ドゥクはチンにある秘密を明かします。

***

カジンは小屋を出る決意をして天誅房の服に着替えます。炊事の支度をしているサ氏夫人に黙って頭を下げると小屋を出ていきました。目の悪い夫人は気配でカジンが出ていったのを察します。

カジンが歩いていると木陰からチンが現れました。

ねえ、カジン テモがあんたの家を荒らしてったの

それで父さんは?

無事よ 今はサンがそばにいる

それじゃ行こう

駄目! おじさんが”絶対に戻るな”って

なんで?

”戻らないで生みの親を探せ”って言ってた

生みの親? どういうこと?

実は・・あんたはお頭が拾って来た子なんだって 

え?

カジンは驚愕します。

ほら、トゥクおじさんには家族がいないでしょ それで”娘として育てろ”ってお頭に言われたらしいの

チン、悪い冗談はやめてよ

あんたが青玉の首飾りを持ってたって それが親子の証しなんだそうよ

青玉の首飾り・・?

カジンの頭にぼんやりした首飾りと女性の影が浮かびます。

だけどそれもテモに奪われたみたい

・・つまり私は本当に拾われて来た子なのね

カジンは愕然とします。

***

カジン!

タルがカジンを追ってきました。

殺さなかったの?

たぶらかす

あんたにできるの?

チンは笑います。

なんだ 友達が迎えに来たのか

タルはチンを見て言いました。

遠くにいくのに餞別はやれないけどかわりにこれをやるよ

タルは木で作った武将の人形を渡しました。

俺が作った

私は何もあげられない・・

あげられるでしょ

チンがカジンを押してタルの胸ぐらにぶつけました。

チン・・!

ああ、そうか!

タルはカジンを抱きしめます。

よしよし

ちょっと! 放してよ!

カジンはテオのお腹を突きました。

痛い

ごめん

カジンはチンと去ろうとします。

おい 元気でな

タルは呼びかけました。

怪我をするなよ ”大切な命”だ

”大切な命”?

チンがカジンに意味深に笑いました。

***

タルは小屋に戻りました。

帰ったのかい

薬草を選別しながらサ氏夫人が聞きました。

行ったよ

母さんを恨まないでね 皆事情を抱えて生きてる 若い娘が刺客なんて苦労したはずだ だけどなんの復讐がしたくて刺客なんかやってたんだ?

聞かなかった

タルは答えました。

どうして

刺客だって知らないふりをしてたから

そうかい とにかくもうおせっかいはやめるんだ ひたすら息だけ吸って満足して暮らすんだよ

わかってるよ

タルは月を見上げて言いました。

***

カジンとチンは天誅房に向かいます。

あんたは後から来て 一緒だと疑われる

カジンはチンに言いました。

一人じゃ危ないよ

いいから 揉めてる時間はない

カジンは先にいきます。

***

カジンが家に戻るとドゥクはいませんでした。

まるで泥棒猫みたいに入って来たな

テモが出てきて言いました。 

父さんは?

お頭への挨拶が先だ どのみちおじさんはもうここにいない

なんで

お前が助けに行け

***

カジンはジュンソに膝をついて謝罪しました。

罰なら私が受けます 父を牢屋から出してやってください 家族を罰するのは天誅房の掟に反します

お前が黙って消えたのも掟に反するぞ

どんな罰でも受けるので父だけは・・

おい、テモ トゥクを帰してやれ

ジュンソはテモに命じました。

***

王宮の警備が強化されたそうだ 次こそやれるか?

ジュンソはカジンに問いました。

跪いていたカジンは立ち上がります。

その前に教えてください 私は一体何者なのですか?

ジュンソは驚いてカジンを見ます。

何故刺客の務めが辛いのか、悪夢にうなされるのかやっとわかりました 記憶を失ったせいです

カジンはジュンソに歩み寄ります。

私が誰なのかお頭はご存知ですよね

要らぬことだ お前は天誅房一の刺客で私の大事な刃だ 記憶を取り戻しても何も変わらん

だとしても、まずは自分のことを知りたいのです お頭に伺えないのなら自分で突き止めます

本気で言っているのか

はい 

愚か者め

ジュンソが袂を振ると煙が巻き上がりました。カジンは吸い込むと気を失います。

【第4話】

タルはカジンを抱きしめたことを忘れられずウキウキ気分で過ごしサ氏夫人から気味悪がれていました。村から来たウォルはタルに呆れて言いました。

タル兄ちゃんはあのメギツネにたぶらかされたんだね そんなんじゃあの女の父親まで助けそうだ

木の上にいたタルはウォルの話が気になって降りてきました。

父親がなんだって?

ウォルはカジンとチンの話を聞いていたのです。

天誅房がどうとか父親に手を出したら許さないとか言ってた 父親に何が起きたみたいだった

そういうことは早く言え!

タルは村に行き村長のサ・ウナムに天誅房について訊ねました。

天誅房?

ウナムは木刀を磨きながらタルに話しました。

高句麗に恨みを持つ刺客集団らしい 頭は刺客を従えあちこちで活動する流民もいる

その頭はどこにいるんですか?

何故知りたい?

ウナムはタルを見ました。

ちょっと事情が・・

定住せず季節ごとに移動していて刺客同士の連絡も秘密裏に行う 今はチャンゴク山かポンチュ山あたりとか・・

なら二つに一つですね?

出ていこうとするタルにウナムは聞きました。

タル、お前どうする気なんだ?

ある人を助けたいんです

***

タルは天誅房の居所を探して山を駆け回ります。一方カジンはジュンソによって牢屋に閉じ込められていました。 

刺客の筆頭になったテモは何者かが遣わした使者にジュンソの手紙を渡します。馬のいななきを聞いたタルは木の間からそれを覗き見しました。タルはテモの服装がカジンと似ているのに気づきます。

この近くに天誅房が?

タルはさらに辺りを探します。

***

タラ・ジンはカジンの父親からカジンの青玉の首飾りを探すように頼まれ天誅房に忍び込みます。あちこちの引き出しを開けて探し回りついに袋に入っていた首飾りを見つけました。

あった!

チンが首飾りを持って出ていこうとしているとタルが現れてチンに声をかけました。

あんた・・?

やっぱりカジンの友達だ

どうして、ここに・・?

隠れろ

ジュンソの手下が来たので二人は岩陰に身を潜めます。

カジンはどこにいるんだ?

タルはチンに訊ねます。

***

チンはタルをドゥクの所へ連れていきます。

おじさん

あれ? カジンといた田舎者だ

タラ・サンがタルを見て言いました。

誰が田舎者だよ

タルは口を尖らします。

首飾りを探しに行って何故こいつを連れてくる?

おじさん、ご心配なく カジンを介抱した人ですよ

おお、そうなのか

はじめまして 私は・・

タルが挨拶しようとすると、ドゥクは無視してチンに聞きました。

それで首飾りは?

ありましたよ

チンが袋を渡しました。ドゥクは袋から首飾りを出します。

これだ! これでいい 良かった 後はカジンを助ければいいんだな

ドゥクは喜びます。

だけど偵察したらウンテとサムボクが見張ってて

タラ・サンが言います。

それで?

正面から戦うわけには・・

それじゃあおとりを使おう

チンが笑ってタルを見ました。

俺・・?

***

タラ・ジンたちはカジンのいる洞窟の牢屋にいきます。

すいません お邪魔します  

誰だ?

ヘビを見ませんでしたか たしかにこっちに来たのに

タルは二人の見張りに聞きました。そして牢屋の前をうろつきます。

変だな ここにいるはずだけど

ふざけるな!

見張りが剣を抜きました。すると背後からタラ・サンとタラ・ジンが見張りを襲い倒します。

おじさん、来て

皆は階段を降りてカジンのいる牢屋を開けました。

カジン、しっかりしろ!

父さん・・

***

ジュンソはコ・ウォンピョと通じていました。

ウォンピョのやつがカジンの首を望んでる

ジュンソはウォンピョからの手紙を読んでテモに話しました。

差し出しましょう 刺客を辞めたら使い道はありません

ジュンソはテモの言葉に笑います。

お前はカジンの価値を知らない カジンの手で平原王を殺さねばならん そうすれば高句麗が騒然となる

しかしカジンは刺客を辞めると言ってます

ジュンソは岩に溜めた水を手ですくいます。

濁った魂を清める儀式をする必要がある あやつにかつてしたように

カジンが記憶を失ったのはジュンソがカジンに施した薬のせいでした。

***

お頭がお前を連れていらした ”記憶を一切失っているから実の娘として育ててくれ”と言って 家族に先立たれ行き場のなかった俺を受け入れてくれたお方だ 命令には背けなかった

養父のドゥクはカジンに話しました。

本当に実の父親じゃないの?

もっと早く話していたらお前だって刺客なんかにならずに実の親に会いに行けたろうに

ドゥクは嘆きました。

泣かないで 父さん

これがその時身につけていた物だ

ドゥクは青玉の首飾りを渡しました。

何か思い出せないか

夢で見たような気がするけどよくわからない

その時外を見張っていたサンが叫びました。

来たぞ!

お前は早く逃げろ ここから逃げて実の親を見つけるんだ

ドゥクは言いました。

父さんを置いていけない

俺は父親じゃないんだ!

おじさん、見つかる前に家に帰ろう

チンがドゥクを促します。

そうだな

カジンは帰ろうとするドゥクを止めました。

父さん!

俺まで死なせるつもりか! とにかく逃げるんだ 幸せに生きろよ

カジン、大丈夫 おじさんは任せて あんたも身を隠すのよ 

二人は牢を出ていきました。タルは追おうとしたカジンを止めます。

***

テモたちが来ると牢屋は空でした。

カジンを探せ!

テモは命じます。

その頃タルとカジンは牢屋からの抜け道を通っていました。

ここを抜ければ外らしい

ジュンソの粉を吸ったカジンは辛そうです。

ここを上がれるか?

抜け道を塞ぐ岩を乗り越えてからタルは聞きました。

私が刺客だといつ知った?

初めから 

何故知らぬふりを?

今それが大事か? 正体を知った者は殺すんだろ 人を殺させたくなかった 

カジンはタルの言葉に目を潤ませます。

ここにいると誰かが傷つく そんなの嫌だ 行こう

タルは手を差し出します。カジンはタルの手を掴み岩を越えて外に出ました。

タルはふらついているカジンを振り返ります。

辛そううだな

平気よ 夢幻の粉のせい

お父さんは見た目より強い人だ あの二人も頼れる

タルはカジンを励まします。

***

テモはカジンの家を捜索しますがカジンはいませんでした。

カジンは親を置いて逃げたんだ 親不孝な娘だよ!

ドゥクはテオの前で泣き真似をします。

カジンの奴め

ドゥクについていたチンがテモに言いました。

いつまで探してるの? カジンはここにいないったら

カジン、なんて親不孝な娘だ

ドゥクは芝居を続けます。

***

カジンは”都に行く”とタルに言います。

刺客を辞めるなら山の中で静かに暮らせよ

山の中って? あんたの家?

図々しいな 俺が許可したか?

タルは唇を尖らせます。

親を見つけても幸せになれるとは限らないぞ 都に行くのは考え直せ

このままでは生きている気がしないの 悪夢を見てこれは夢なのか失った記憶なのか叫べないほど苦しい いくら怖くても自分が誰で何故苦しいのか突き止めないと先に進めない

カジンは気持ちをを変えません。

それなら俺も行くよ

タルは決心します。

***

二人は王宮に行きますが、守りが厳重で忍び込めそうもありません。

入るのは無理だな どうする?

木蓮堂にいた女官が私を知っているようだった その人に聞きたかった

タルは目を丸くします。

それを早く言えよ! 行こう

カジンはタルを追いかけようとしますが、王宮の門から出てきて指示を出している男が王の暗殺を企てた日に祭壇で戦った相手(ゴン)だと気づきます。

おい、早く来い

タルに催促されてカジンは王宮から離れました。

***

コ・ゴンは絵師に王の刺客の人相書きを描かせます。

仰せの通りに描いてまいりました

ゴンは人相書きを眺めました。

髪はもっと豊かで柔らかい 殺気だけでなく気高さも感じる 唇は厚めでつやがある

仰せの通り書き直します

絵師が人相書きを持って行こうとするのをゴンは止めました。

それは置いていけ

***

ゴンは屋敷で王の暗殺時に刺客に剣を渡した男を見つけ、後をつけます。男は天誅房からウォンピョにジュンソの手紙を届けた使者でした。

近いうちに刺客の首を届けるそうです

三部族の族長たちは手紙を読んで話し合います。

天誅房の頭はそこまで信用できるでしょうか

では我らの指示だと露見する可能性も?

今重要なのは王の状態だ 心を病み死にそうな目にもあった 更に強力な薬があれば・・

ウォンピョは言います。

それはすでに先日王のもとに届けました

へ・ジウォルが話しました。

憂いを忘れ無我の境地に誘われます

***

刺客に協力した男を追っていたゴンはある薬草店に迷い込みます。栽培された薬草の葉を触っていると小刀が背後から飛んできました。

誰だ?

ゴンは刀を掴んで振り向きます。

まだ摘むには早い薬草ですよ むやみにお手を触れぬよう

美しい女店主が笑顔で語りました。

この手が傷つけば店を売り払っても償えぬぞ

残念です そうなればこの薬草の効き目をご自身で確かめられました

その前にそなたの首が飛ぶ

私の命と隊長の手首は同等ですか?

店主のへ・モヨンは言いました。

とんでもない そなたの命では10は必要だ

さすがは桂婁部の王族でいらっしゃる

ゴンは驚いて店主を見ました。

私を誰だと?

お酒と女人を好む遊び人が近頃は刺客の追跡に忙殺されて退屈しているとか

ゴンは声をあげて笑いました。

わかったぞ そなたはへ・ジウォル族長の賢い養女だな

モヨンは頭を下げました。

へ・モヨンと申します

たしかに退屈な任務でここに来た 怪しい男が入って来なかったか

見ておりません

本当か

ゴンはモヨンをじっと見つめます。

では無駄足を踏んだようだな

ご挨拶を交わせて私は幸いでした

モヨンは微笑します。

***

長白薬草店の主に会おう 情報通だからその女官のことも知ってるだろう

タルはカジンに話しました。

それでなんで山に来たの?

簡単に会える人じゃない 貴重な人参でも持っていかないと挨拶もできない

一生に一度拝めるかどうかなのに・・

見つけたぞ!!

タルは鎌で掘って人参を取り出します。

あれ? でも葉っぱが変だな

キキョウだ

カジンは根っこをかじります。

人参からキキョウの味がする

そうか

タルも根っこをかじって笑いました。

こうなったらこの山の薬草を全部採ってやろう

タルは張り切って摘み始めます。

***

薬を嗅いで恍惚となる平原王。けれどまたもピョンガンの幻が現れて王は剣を抜きます。

亡霊が現れた 亡霊め!

王は剣を振り回します。

消え失せろ!

側女たちは悲鳴を上げます。

王様、おやめください

そんな父王の有り様をウォン太子が別の部屋から見ていました。

太子様、朝までここにいるつもりですか?

ピョンガンの乳母だったコンソン夫人が訊ねます。

父上にご挨拶をせねば

太子は虚ろな目で言います。

***

王も太子も長くは持つまい

コ・ウォンピョはチン王妃に衣服を整えて貰いながら話しました。

太子が成長するまでもちこたえるつもりだろうがあれではもっても一、ニ年だ

ならば・・

チン王妃はウォンピョを見つめます。

薬に溺れ倒れるか玉璽を手放し譲位しても摂政が必要になる

コ・ウォンピョ様が実権を握る日我が王子コンムがこの国の太子となり王位を継ぐのですね

チン王妃はウォンピョにしなだれかかります。

***

王女の亡霊を怖れる王はピョンガンの衣類を全部燃やすように命じます。

全く不思議ですよね あちこちで王女の幻が見えるみたい

ヒョン妃はやってきたチン王妃に話します。

幻とは?

実は数日前も乳母のコンソン夫人が女官を”王女様”と呼んで追いかけて・・

王女様と呼んだと?

チン王妃は驚愕します。

おかしいでしょ ずっと王女を世話していたコンソン夫人が王女と他の女官を見間違えるなんて

***

ゴンは再度絵師に刺客の人相書きを描かせます。ゴンが新しい人相書きをながめているとウォンピョが聞きました。

それは何だ?

父上 お目覚めですか? これは刺客の人相書きです

見せてみよ

ウォンピョは人相書きをながめます。

これは・・

ウォンピョは人相書きがヨン王妃に瓜二つなのに驚きます。すると下人が来て告げました。

王妃様からの書状です

***

ウォンピョは王妃の手紙を読みます。

”コンソンが追った女官は見つかりません 一体何者だったのやら”

・・王女が?

ウォンピョはコンソン夫人を連れてくるよう命じました。

***

モヨンが王宮に薬を届けに来るとコンソン夫人が連行されていくのを目撃します。そのモヨンの薬草店にはゴンが情報を得に来ていました。

お待たせしました

モヨンが来るとゴンは人相書きを見せます。

王様を狙った刺客だ

そして刺客の現れた日に拾った紙もモヨンに渡しました。

それに見覚えは?

”巫女が王を狙う?”

祭祀の時に私が見つけた物だ

まさか私をお疑いで?

ここは薬草だけでなく人や情報も売ると聞いてる

ゴンはモヨンを見ました。

その刺客を探せ そして私のもとへ連れてこい

それで私に何の見返りが?

見返りか 私の兵がそなたの薬草店を破壊するのを防いでやる ここで消えた男はそなたの手の者か?

モヨンは微笑みます。

お尋ねは知らぬことばかり それでは私からも条件を

ゴンは眉を寄せます。

お父上が何故コンソン夫人を連行したのかお教えください

なんだと?

***

タルは薬草を並べて太鼓を叩き人を集めました。

手足のしびれ、おまけに首と膝がひどく痛む、飯がまずい、そういうのは心身の気が衰えているからだ

タルは太鼓のバチで座っているカジンを叩きます。

これはうちのマクスン、鼻ったれの頃から病弱だったがこの薬草を飲ませたらいきなり元気になって飛び回ってる

集まった民はざわめきます。

こいつを嫁に貰いたきゃ覚悟して来るんだな

聞いている民は笑いました。

この薬草はヨンチュ山、コナム山なんかのいい気に溢れた山々から採ってきた だからこのマクスンを見てみろ 

ダルがバチで叩いて挑発したのでカジンは怒って塀や屋根まで飛び上がりました。

おお!

周りの民はカジンの身軽さに仰天します。

みんなもマクスンみたいに元気になりたくないか?

売っておくれ!

タルの巧みな宣伝で集まった民はみな薬草をわれ先に買い出しました。タルが”してやったり”とニンマリしていると長白薬草店の者たちが大勢やってきてタルとカジンを捕らえます。 

店の前で商いをするとは何事だ!

***

跪かされたタルとカジンの前に長白薬草店の店主モヨンが現れました。

なぜ店の前で商いをした?

あの、お伺いしたいことがありまして

タルが愛想笑いをして言いました。しかしカジンは立ち上がるとモヨンに近づきました。

人を探しに来た

モヨンはカジンが人相書きの刺客だと気づきます。

女だけ中に入れろ

***

カジンとモヨンは二人きりで話します。

誰を探している?

木蓮堂で働く女人 年配の人です

コンソン夫人か? 運がいいな ちょうどその者の消息を聞いた

どうしても会いたいのです 謝礼は後に払います

謝礼はもう済んだ

モヨンはカジンに人相書きを見せます。

突き出せば褒美がたんと貰える すなわちお前はここから無事に出られない

カジンはいきなりモヨンに短刀を突きつけました。

私の身に何かあればお前の友の首が飛ぶぞ

シカ・・

カジンは諦めて短刀を下ろします。

***

それでは聞こう お前の名は?

モヨンは訊ねました。

わからない それが知りたくてその女人に会おうとしている

自分がわからないと?

会わせてくれたらその後で喜んでお縄を頂戴する 私を官軍に引き渡して褒美を得ればいい

・・そうか?

モヨンはカジンに微笑みます。

***

コンソン夫人が捕まっていると聞いたカジンはそこへ向かいます。見張り二人を一気に倒すと部屋に入りました。

縛られて椅子に座らされていたコンソン夫人はカジンを見ました。

誰です?

私をご存知ですか?

・・え?

コンソン夫人はカジンを見つめます。その顔は驚きの表情に変わりました。

なんてこと・・

コンソン夫人は涙を流します。

ここにいてはいけません お逃げ下さい 早く!

コンソン夫人は必死で訴えました。

生きていると分かれば王女様殺されます

”王女”ですって? 誰が・・?

何をおっしゃいます? あなたは王様のご息女、ピョンガン王女様であられます

・・え?

カジンは衝撃を受けます。

【第5話】

カジンが茫然としているとゴンが部屋に来ました。

誰かいるのか

カジンはゴンに短刀を向け二人は戦い始めます。

王女様!

コンソン夫人が叫びました。ゴンが聞きとがめて動きを止めるとカジンが腕を斬りつけました。 

人が来ます お逃げ下さい 早く!

コンソン夫人に言われカジンは外に出ます。ゴンは夫人を振り向きました。

今見たものは私たちだけの秘密に

ゴンは夫人に言うとカジンを追いました。

***

ゴンは部下たちに逃げた女を追うよう命じます。

決して殺すな

カジンはゴンたちをまきますが次第に追い詰められます。けれど王宮の建物の陰に隠れてなんとか追跡を逃れました。

***

コンソン夫人の所へウォンピョがやってきます。

祭祀の前日木蓮堂に行ったのか?

ウォンピョは訊ねました。

はい 10日に1回掃除をしに行きます

そこで見知らぬ女官を見たと?

見ておりません

夫人は嘘を言います。

女官を探すお前を見たものがいるのだ 

ウォンピョの忠義な部下が言いました。

私は王女様の命日が近づくと夢うつつになることが多いのです きっと王女様の幻を見て戯言を

その話が本当なら王宮から去るべきだな

ですが体の弱い太子様をお世話しないと・・

ウォンピョは夫人に笑います。

死んだ王女ではなく生きている太子を守らねばな

ウォンピョは夫人に近づいて言います。

選べ 直ちに王宮を去るか、太子に仕えながら私に尽くすか

夫人は目を見開いて絶句します。それから暫く間をおいて言いました。

太子様のお世話をさせて下さい

***

タルは逆さ吊りされていました。そこへモヨンが来ます。

あんたか

モヨンはタルの首に短刀を突き立てます。

あの娘は何者だ?

そんなことは知らない

知り合ったばかりでよくわからない娘のために命までかけたと?

バカを言うな こんな納屋で死んでたまるか

力を貸したいのだ

だったらその刃物をどかせ 俺の友達は?

モヨンは刃物を下ろしました。

人を探していたから会える手立てを教えた

噂どおり顔が利くんだな ありがとな 礼はする

謝礼はあの子が払うことにして担保だけ受け取った

担保?

お前だ

何かと思った これじゃあ不便だけど・・ いや血が上ってよく寝られていい

よく寝られる?

モヨンは刃物でタルの胸を突きました。

一刻で五勺流れる あの娘が戻ってくるのを祈ることだな

モヨンは納屋を出ていこうとします。

おい

タルはモヨンを呼び止めました。

あんたも祈ることだな あいつの身に何か起きたら俺がここをぶち壊してやる

モヨンは勝誇って笑います。

そうか ではともに祈ろう

モヨンは出ていきます。

***

逃げているカジンは王宮の抜け道を思い出します。

北門の下にくぐれる穴があった

カジンは記憶を頼りに抜け道に向かいます。ウォン太子の居室を通ると小さな弟の記憶が蘇りました。カジンは木蓮堂に行き家具をどかすと抜け道に入りました。昔この道を楽しげに走ったことを思い出します。梯子を登り書棚の部屋に出ました。階段を降りると王の居所に着きます。昔父王と仲良く話した思い出が浮かびカジンの胸は熱くなりました

みな消えてしまえ!愚かで卑しい奴らめ!

王が叫びながら書架に走りこんで来ました。そして人の気配に気づきます。

誰だ? 隠れてないで出てこい

カジンはおずおずと王の前に出ました。

私が誰かわかりますか?

王は顔色を変えます。

お前は・・

はい ピョンガンです

ピョンガンは泣きながら父に訴えました。

なぜです 何故私を見捨てたのですか?

動揺した王は震え声で言いました。

亡霊だ ここに亡霊がおる

王は叫びながら逃げ出しました。

亡霊がいるぞー!

お父様・・

***

ピョンガンは抜け道に戻りました。通路を歩きながらヨン王妃が死んだ日も思い出しました。ピョンガンの記憶はすべて戻りました。

すると向かいからコンソン夫人が蝋燭を灯して近づいて来ました。

ばあや・・

王女様、 王女様ですよね

夫人は泣きながらカジンを抱きしめます。

ごめんね 死ねずに生きてた 

何をおっしゃいます! 王女様がこうしてご無事だったことがどんなにありがたいか・・

ばあや・・

二人は涙を流します。

***

誰に不意打ちされたのだ

ウォンピョの部下はコンソン夫人の見張りを叱責していました。

私だ

ゴンが来て話しました。

隊長・・

警戒が緩んでいたので試してみたのだ もういい 戻れ

ゴンは見張りを戻すとウォンピョの部下に聞きました。

コンソン夫人はどこへ?

隊長がご存知だとは

ウォンピョの部下は驚きます。

問いに答えろ

ウォンピョ様の命令で帰しました それより王宮が大騒ぎになっています

なぜだ?

王様が王女様の亡霊を見たそうです

王女様の・・?

***

コンソン夫人はカジンの髪を結い姿を整えると感嘆しました。

こんなに美しくなられて・・

お父様に”亡霊”と言われたわ

驚かれたのでしょう もう随分前から王様はあんなご様子なのです

太子も気苦労が多いでしょうね

太子様は・・

コンソン夫人は言葉に詰まります。

今夜はここで休まれては? 王様には明日私が申し上げます

いいえ 今は駄目 先に調べることがあるの

***

女官姿になったカジンは王宮の門を出ます。

止まれ

ゴンが呼び止めました。

王宮守備隊長のコ・ゴンだ 持ち場と名を申せ

ゴンはカジンに近づきます。

距離は10歩 逃げも私の剣が追いつく

ピョンガンはゴンに向き直りました。

久しぶりね 師匠

本当に王女さまですか? じゃあ先程出くわしたのも・・

来るな

ピョンガンはゴンが近づくのを止めます。

行かせて お互いのためよ そうじゃなきゃどちらかが死ぬ

何故王様を狙ったのです

その理由を知るために行きたいの 行かせて 師匠

ゴンは暫く悩んでから言いました。

北門の外に守備隊の厩があります

ゴンは紐の付いた金属の札を出しました。

これで馬が借りられます

ピョンガンは札を受け取りました。

王女様 次は王女としてお戻りを 刺客としてなら私が斬ることになります

ゴンは言いました。

***

タルは血を流しながら吊られていました。

もう2合は血を飲んだ気がする うんざりだ

なら選ばせてやろう 1つ目、娘の正体を明かし無事に帰る 2つ目、逆さ吊りのまま当てもなく待つ 食事も水も与えられずに

納屋に来たモヨンが言いました。

腹ペコは耐えられない ほどいてくれ

娘を差し出せば褒美が出るぞ

ふん!

タルは腹筋で回転し、足から着地しました。

あいつの借りは俺が働いて払うよ 1000両分?

モヨンは呆気にとられます。

とっくに逃げられたのに吊られてたのか

あいつが戻った時に困るだろ?

戻ると信じて疑わないのだな

ああ、戻ると言ったら戻るやつだ

モヨンはほくそ笑みます。

お前は何も知らない あの娘の本当の名前も身分も それなのに勝手に信じて待っているだけだ

知らなくていいあいつさえ無事なら 用が済めば帰って来るさ こき使ってもいいぞ どんな仕事でもやってやる

タルはモヨンに請け合いました。

***

ピョンガンは馬を走らせてイブルラン寺にやって来ました。僧侶のウォルグァンに会いに来たのです。

ウォルグァン僧侶はおいでですか?

仏像の前で念じていたウォルグァンは振り返りピョンガンを見ました。

私が誰かお分かりですか?

ウォルグァンは手を合わせます。

ようこそ 王女様

***

ピョンガンの亡霊に怯える王はウォンピョにお祓いの儀式を行うと告げます。

ご冷静に 王様

ウォンピョやチン王妃はなだめますが王は聞き入れません。

王女の亡霊を退治するのだ お祓いの準備をせよ

***

ゴンの部屋にウォンピョがやってきます。ウォンピョは机に置かれた人相書きに目をやりました。

王女が生きている

ウォンピョは息子に告げました。そして部屋に置かれた刀剣を撫でながら語ります。

あの父と娘が再会してしまったら我々は策すら講じられぬまま夢破れるだろう 見つけ次第殺せ

しかし高句麗の王女ですよ

ゴンは抗います。

それがどうした? あの者は王の命を狙った刺客に過ぎぬ とにかく殺せ

ウォンピョはゴンに命じました。

***

王女を守るのです

モヨンは養父のへ・ジウォルに言いました。

王女のことをむやみに口にするな 数人の部族長しか知らないことだ

ゆえに今が好機では? 王女がいたら困るのはコ・ウォンピョ様ですから 我が消奴部族のために好機を利用するのです

つまり”濡れ手で粟”ということか

王女を手中に収めればなお良いでしょう

王女を? 手だてはあるのか?

モヨンは窓から外で働くタルを眺めます。

ある者を使うのです

***

力持ちのタルは薬草店で周りが驚く働きぶりを見せていました。数人で持つ荷物も一人で運び仕事を手際よく片付けます。けれど薬の材料にされるカエルを見ると表情は一変しました。

ああ、かわいそうになあ ごめんよ

タルは気の毒そうにカエルの頭を撫でます。

***

タルの幼馴染のサ・プンゲが都に来て薬草店の前を通ると、店内にタルによく似た後ろ姿を見つけました。

あれはタルじゃないか?

プンゲが店の中に入るとタルが薬草を煎じながら居眠りをしていました。

おい!

タルはプンゲを見て飛び起きます。

どうしてここがわかった?

ここで何をしてる?

今は薬草を煎じてイワギクの下ごしらえを

イワギク?

香りがいいぞ 持ってけ

プンゲはイワギクを差し出したタルの手を払います。

村が大騒ぎなんだぞ!

なんで?

みんながお前を心配してるからに決まってるだろ? 刺客を追って出たきり帰ってこないからだ

いや、俺も知らせたかったけど・・

もういい 早く帰ろう お袋さんにひれ伏して謝れ さもなきゃぶっ殺されるぞ

帰るけど今は駄目だ

タルは拒みました。

カジンを待ってるから

プンゲはポカンとタルを見ます。

いつ戻る?

知らない

タルは笑います。

何だ? お前はお袋さんと村の人たちより刺客が大事なのか?

そうだ

あっけらかんとタルは言います。

自分でも不思議なんだ 心がそう言ってる

プンゲはタルのお腹を拳で突きました。

このバカが! イワギクでも食ってろ

プンゲは店を出ていきます。

母さんに心配するなと伝えてくれ

タルはプンゲの背中に叫びました。

***

カジンが薬草店に戻って来ました。疲れきったカジンを庭の掃除をしていたタルが迎えました。

カジン!

シカ・・

ふらついたカジンをタルは支えます。

どうした

待ってたんだね

そう言っただろ? 大丈夫か

・・行き場がない どこへ行けばいいのかわからない

馬鹿だな 行き場ならあるだろ 俺と家に帰ればいい 行こう

二人が店を出ようとするのをモヨンが止めました。

どこへ行く? 約束通りに謝礼を払え

今、金が問題か? こんなにカジンがやつれているのに 何を教えた?

借りは必ず返します

カジンはモヨンに言いました。

何かわかったか

モヨンに聞かれて黙り込むカジンを見てタルがなだめました。 

気にするな だから行くなと言ったのに

タルはモヨンに告げました。

ひとまず外の馬を謝礼で受け取れ 残りは俺が必ず返す

二人は店を出ていきました。

帰すのですか?

モヨンの従者が聞きました。

ほっておけ

モヨンは答えます。

***

タルはカジンを連れて村に帰って来ました。村人は娘を連れてきたタルに驚きます。

この村の名前は”幽霊谷”だけど普通の村だ 高句麗に苦しめられた人が集まって作った村なんだ

タルはカジンを促します。

こっちだ

タルは人の住んでいない壊れかけた空き家にカジンを連れて来ました。

掃除すればなんとか住める

タルは蜘蛛の巣を払いながら言い、カジンに包を渡しました。

きび餅だ 今晩はこれでしのげ 釜とお椀が要るから明日持って来るよ

カジンは床に座るとぐったりと壁に寄りかかりました。

用は無事に済んだか? 長くかかったな

タルはしゃがんで話しかけました。

シカ・・ 少し寝るね

お、そうか ごめん、ゆっくり休め

タルは出ていきました。

***

カジンはウォルグァンの話を思い出します。カジンに請われてウォルグァンが話したことは身の毛もよだつ恐ろしいものでした。

ヨン王妃が亡くなられた日・・ 私が戻った時はすべてが終わっていました 罠にかかった王様は私とヨン王妃様の仲を疑い嫉妬に狂って王妃様と私を殺そうとしたのです

ウォルグァンは暗い絶望を秘めて物語ります。

順奴部族も犠牲になりました 逆賊の濡れ衣を着せられ王妃様とともにオン将軍も殺されました 誰かの欲深さと企みが惨劇を生んだのです

では・・

カジンは戸惑いつつ問いました。

母を巡る噂は・・?

全くのデタラメです 若い王妃様でしたが王様を心から愛していました

何故それをあとからでも王様に言わなかったんです?

ウォルグァンは山を見渡しながら答えました。

信じてくださらなかったでしょう 妻を殺したのは誤りだったと認めるのは辛すぎますから 王様は私の所へも一度もお越しにならなかった

ウォルグァンはカジンに顔を向けました。

つまり過ちと向き合う自信がなかったのです

カジンは無念の涙を流します。

私さえいなければ父は嫉妬に駆られることもなかった・・

王女様の罪ではありません

カジンは投げやりに笑いました。

私がそれから何をしてきたかご存知ですか? 刺客になり多くの人を殺しました

カジンは剣を抜きます。

そして王様まで殺めようとしたのです

カジンはウォルグァンに訴えます。

私はこれからどう生きていけばいいのでしょうか?

ウォルグァンはカジンから剣を奪いました。

探すのです 王女として生きる道を探すべきです

ウォルグァンは言いました。

***

・・私は王女でも刺客でもない

壊れた部屋でカジンはつぶやきます。自分が何者なのかわからずカジンは混乱していました。それでもタルに渡された包を開け並んだきび餅を見ると暖かい思いに包まれます。

タルはカジンの家から離れずに火のそばで夜を過ごしていました。

部屋が冷えるだろうに あいつ大丈夫かな 

タルは空を見上げます。

月が明るいなあ・・

ドラマ(第3~5話)の感想

カジン(ピョンンガン)が王宮の抜け道を通りながら記憶を取り戻すシーン、父王との愛情にあふれた日々を思い出した後で人が変わった父と対面して涙するところがジンとしました。

身長が188cmもあるタル役のナ・イヌさんが怪力で薬草店で人の何倍も働く様子など、よくキャストも考えて選んでるんだなと感じました。ゴン役のイ・ジフンさん、モヨン役の美しい女優さんや悪役ウォンピョ役の渋い役者さんなど俳優さんも見応えがありますね。

これからタルとピョンガンの恋バナがどう展開するのか楽しみです!

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