韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」第四週でモヨンとジュンソは共謀して高句麗滅亡を目論む!その第14~16話のネタバレあらすじ、感想も!!

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ドラマ

こんにちは。カナエです。今回もテレビ東京放送の韓国ドラマ「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」(第14~16話)について書きたいと思います。

ピョンガンは高句麗一の武将にしようとタルに剣術を教える

テレ東で平日月~金曜 朝8時15分から放送中

キャストとこれまでの話

<第1,2話>  <第3~5話>

<第6~8話>  <第9~11話>

<第12、13話>

ドラマ(第14~16話)のあらすじ(ネタバレ)

 【第14話】

タル(ナ・イヌ)ピョンガン(キム・ソヒョン)が村に行くと皆は恐縮しました。

王女だからビビってる

タルは笑います。

父の面倒を見てくれてありがとうございます

ピョンガンがお辞儀をすると皆も頭を下げました。

私は王女として来たわけでは・・

それじゃ本当にタルの奥さんになったの・・ですか?

ホンメが訊ねます。

はい

俺はカジンの夫だぞ

やっぱり! 二人は結婚したのよ

ウォルが言い、皆は歓声をあげました。

全く驚かせるにも程がある

初夜はすんだのか?

村の男が聞くとドゥクに殴られました。

***

サ氏夫人の小屋には村長ウナムとホンメが説得に来ました。

出てきてよ 村長もいらしたのに門前払いするつもり?

おいおい、めでたいことじゃないか 受け入れてやりなさい

ウナムは籠もっているサ氏夫人に呼び掛けます。

あの二人はこれまで苦労をしてきたんだ

何を言ってるんです これからが苦労の始まりなのに・・ 一体どうするんだか

サ氏夫人は途方に暮れます。

***

タルとピョンガンはプンゲタラ・サンタラ・ジンには本当のことを話しました。

縁談を避けるための嘘?

こうでもしなきゃカジンは嫁に行かされた

どうりで変だと思った

チンは言いました。

だけど秘密は守ってね もしバレたら幽霊谷も危なくなる

ピョンガンは三人に頼みます。

だけど初夜は花嫁の実家でっておじさんが待ってるぞ

タラ・サンが言うと、チンが笑いながらカジンをタルに押しつけました。

ちょっと・・

***

夜になると村人はドゥクの家に集まりました。

タル、頑張れよ!

お前ら、はしたないぞ

ドゥクが家から出てきてみなを帰します。そして村の男に言いました。

今夜はお前の家に厄介になる

***

タルとピョンガンは二人きりで困惑していました。

こんなことになるなんて考えもしなかった

そうね

寝ないのか

寝なきゃ

じゃあ布団に入れ

あんたは

座ってる方が楽だ

じゃあ私も

タルは気まずい雰囲気に耐えられず立ち上がります。

厠に行ってくる

***

タルが戻るとピョンガンはドゥクの作っている笛を吹いていました。

なんで夜中に笛を吹いてるんだ 吹けないくせに

私が吹けないからって何よ 忙しくて習う暇がなかったの

天誅房でか?

タルはピョンガンの手から笛を取ると吹こうとします。

俺は吹くのは得意だ

あ、待ってよ! それは私が・・

ピョンガンはタルに怒ります。

あんたっていやらしい

タルは笛を投げました。

いやらしい? 失礼だな! 俺が接吻したくて笛に口をつけたっていうのか? お前と接吻したきゃとっくにしてた

嘘ついちゃって

お前こそ寝るのを我慢して怖がってるだろ

接吻なんて怖くないけど

俺も平気だ

じゃあやってみな

タルはピョンガンに近寄ります。

やれよ

こいつ・・

二人は睨み合います。ピョンガンはタルの両頬を手で引き上げると唇を押しつけました。するとタルもピョンガンに接吻して、二人は笑います。

そしてもう一度二人は接吻すると弾かれたように離れるのでした。

***

ゴンは部下と幽霊谷に向かおうとしていましたがウォンピョの部下に止められます。

王女の居場所を攻撃するつもりですか

どかぬと斬るぞ

お戻りを お父上がお待ちです

***

ゴンは屋敷に戻ります。

父上 お呼びですか

オン・ダルを斬り村に火を放てば王女を奪えると?

孤立させれば私を頼るはずです

既婚者のふりをして逃げた娘だぞ 力ずくでは解決できまい

父上を見習ったまでですよ 王妃を殺めオン・ヒョプ将軍を打ち首に 後腐れのない策です

ウォンピョは笑いだします。

大した気概だがまだ甘いな 武力はそれ自体に力はない 剣を振るうには大義名分が必要だ それがなければ武人はただの殺し屋になる

大義名分がなければ作ります

無理せずとも良い 王女が薬草売りの妻に納まると? 機が熟すまで待っていろ

いつまで無為に待てと言うのですか?

わからぬ奴だな 敵将を捕らえるならまず馬を射よ

ウォンピョは部屋を出ていきます。

***

コ・ゴンが国境に追いやられるだと?

平原王キム・ピョンジの報告に驚きます。

はい 王女様を幾度も助け父君の怒りを買いました 桂婁部族の跡継ぎとはいえ父君とは性格が異なります

王室に忠実な臣下だ 王女が生きていると最初に知らせてくれた

手放すには惜しい人材です

確かにな・・

王は考え込みます。

***

ゴンは辺境へ行く準備をしていました。

コ・ウォンピョ様は非情なお方ですね 息子を辺境に送るなんて

モヨンが来てゴンを慰めます。

ここからはさすがに遠いな 北の国境で苦労しろということだ いなくなったら寂しいか?

楽しいことではありません

ではやめるか

え?

今日みたいな日は川に船を浮かべてしこたま酒を飲みたい

ゴンが空を見上げていると王宮から使いが来ました。

コ・ゴン様、王命です 至急王宮へ

***

タルとピョンガンはサ氏夫人に結婚の許しを請います。

母さん、カジンのお父さん、つまりお舅さんも許してくれたよ

私がかまどに薪をくべますね

ピョンガンが火のそばに行くとサ氏夫人が来て止めました。

王女様、おやめください 尊いお方が雑用などなさってはいけません

私はお義母さんの嫁です

年寄りをからかわずにゆっくり休んでお帰りください

サ氏夫人は聞き入れません。

***

ゴンは王と話します。

父の命令です 北の奥地に籠もり姿を見せるなとのことです

命令ではなく罰だな

王は笑います。

王女を助けたせいか?

昔から父の期待には沿えませんでした

近頃親衛隊の規律が乱れており王宮の警戒が緩んでおる よってコ・ゴン、そちを新たな親衛隊長とするか思案中だ

ゴンは驚きます。

それは身に余る大役です しかし国境へ行く荷造りも終えました

荷は解けばよいし命令は取り下げれば済む それよりもそちをそばに置くには余がそちを信頼できねばならぬ

王はゴンの肩に手を置きます。

余を信じさせたくば太子の信頼を得よ そこから王室への忠義心を確かめる

***

ゴンは太子の武芸の師匠になります。けれど太子は稽古をしようとしません。

気力が湧かないので出直して欲しいそうです

コンソン夫人がゴンに伝えに来ました。

太子様は王女様が王宮を出た日から閉じこもっておいでで・・

***

王に近づけと言ったのに太子の武芸の師匠だと?

ウォンピョはゴンの話に呆れます。

父上から教わりました ”敵将を捕らえるには馬を射よ” つまり太子は王の馬です 太子の信頼を得たら次は王、そうして王室を私の味方につけます

王室の人間は軟弱で疑り深いぞ 秘策はあるのか?

口に出したら秘策ではなくなります 王室は私に任せ父上は部族長会議を みな無能なのに欲深い 陰で何か企むやも

ウォンピョは笑いました。

お前が一族を気遣うようになるとは 王女が追い出されていい点もあるな

私はやはり跡継ぎですから 務めは果たします

ゴンは父親に頭を下げました。

***

タルは部屋にピョンガンの布団を持って行こうとします。

結婚したんだろ 夫婦は一緒の布団で寝るもんだ

サ氏夫人は言いました。

カジンが寝づらいって カジンが!

タルは布団を持って行きます。サ氏夫人は縫い物をしながら呟きました。

あれをどう教えるか・・書物に載ってるかな

***

母さんにバレそうだった

タルは布団を置きます。

何が?

ピョンガンが聞きました。

いや・・別に

とにかくここを追い出されなくて良かった

良くないよ 母さんはお前を無視してる

あんたが心配なのよ 乳母とはいえ実の子以上に尽くしてきた

ピョンガンはタルに数冊の本を見せました。

これは王宮から持ってきた兵法書だから全部読んで

これを? ・・みんな?

一回読むだけじゃだめよ 二十回は読んでスラスラ言えるようにしないと 私も学ぶから

なんだよ 武芸を教えてくれるんじゃないのか?

剣を振り回すだけじゃ駄目よ 頭も使わないと

ピョンガンはタルの額を小突きました。タルは本をめくってため息をつきます。

今日は疲れたからもう寝よう

***

二人は並んで横になります。

寝づらかったら隣の部屋に行こうか?

結婚したばかりで別々に寝たら私が冷たいみたいでしょ

そうか? いくら嘘でもこうして寝てると夫婦みたいで妙な気分だな

そうね

カジン、武芸を習うことは母さんには秘密にしよう 剣を握ると知ったら寝込んでしまう

わかった あんたもさ、私とお義母さんのことはほっといて 大した助けにならないから

おい、妻は夫が守るもんだろ

頼もしいわね でも私に任せて・・

ピョンガンはタルの寝息に気づきます。

もう寝てる 全く・・

***

次の日からピョンガンはタルに武芸の稽古を始めます。タルに木刀を渡すと基本の構えを教えました。

基本を身につけるのが難しいの 戻ってくるまでそのままの姿勢を崩さないで

何だって? カジン、どこへいくんだ?

しっかりね

これは修練か? 罰だろ!

タルは構えの姿勢のままで叫びます。

***

ピョンガンは村長の所へ行きました。

順奴部族を再起させると?

王様も復権を決意されました まだそのご意思を明かしてはいませんが

ウナムはピョンガンの話に困惑します。

いつまでここに籠もっている気ですか? 人を集め力をつけて一大勢力となるので そして正々堂々と部族長会議に復帰してください

王女様、お戻りになったのは順奴部族を再起させるためですか?

ウナムは訊ねます。

それだけではありません 王宮で過ごしこの国の実情を知りました 王室の権威を貶め政を牛耳るコ・ウォンピョたち・・あの者たちをほっておけば高句麗は内側から崩れるでしょう

ピョンガンはウナムに請います。

どうか王様の力に

村長であっても独断では決められません

村の人達は私が説得します

人を育てるには財力が必要ですよ

始動できるだけの銀は手に入れます

ピョンガンは熱弁します。

***

ピョンガンに頼まれたモヨンは王宮に出向きヒョン妃に宝石を見せます。

すごい! こんな貴重な品を売ると?

ある人に急いで銀に変えるよう頼まれたので

でもなんだかどこかで見たような宝石だわ 私の知ってる方かしら

モヨンは宝石が木蓮堂に保管していたピョンガンの装飾品だとは言えません。

内密に売りたいそうなのでお教えできません

ヒョン妃は宝石の箱を閉じて言いました。

それは構わないけど、そなたがくれた懐妊し易いっていう薬は効き目がないみたい

薬を使っても容易に作用しないのが陰陽の気運です

そこでだけどそなたが先日話していた占い師、本当に優れているなら祈祷もするわよね?

ヒョン妃はモヨンに頼みます。

***

王宮に何の用だ?

ヒョン妃の居所から出てきたモヨンにゴンが訊ねました。

太子様の武芸の師匠になられたそうですね

相変わらず耳聡いな

太子様は修練どころか部屋に閉じこもっているそうですね 今日も無駄足でしたか?

これほど手こずるなら国境に行くべきだった

王女様が去られる時太子様を案じておられました 王女様のためにも諦めないでください

ゴンはモヨンを見つめます。

腹の読めぬ女だ そなたに罰を受けさせた王女を何故気にする?

つい哀れになるのです 王女様を忘れられないコ・ゴン様も 王様に追い出された王女様も 気にかかってしまって

***

ピョンガンは構えの姿勢のままでいたタルの所へ走ります。

ずっとこのままでいたの?

基本が大事だって言っただろ

タル、もういいから楽にして

ピョンガンは座り込んだタルの肩を揉みます。

気持ちいいな゙ でもカジン、木刀とはいえ母さんに内緒で刀を握るのは気が重いよ 

タル、気が向かないならやめてもいい あんたが悩むのを見たくない

いや、言ってみただけだ 修練は続けるよ

タルは笑います。

***

ピョンガンは家事の手伝いをさせようとしないサ氏夫人に”気軽に接して欲しい”と頼みます。

そんな王女様に手伝いなど・・天罰が下ります

お義母さん、私はタルの妻なんです 客ではなく家族なんです

・・今の言葉を後悔しませんか?

え?

私にこき使われても文句を言いませんね

なんでもお申し付けを

それじゃあ、これ 水を汲み直しておくれ 薪も割ること

サ氏夫人は豹変して言いつけます。

わかりました

ピョンガンは従います。

***

カジンは?

薪を集めてきたタルが火にあたってのんびりしているサ氏夫人に聞きました。

畑の草取りに行かせた お前がいなかったからひどく荒れてたからね

一人じゃできないよ

お前は黙ってな あの子がやるって言ったんだ ”王女として扱うな”っていうから望みを叶えたんだ

母さん・・

タルは戸惑います。

***

ピョンガンはサ氏夫人の言いつけ通り村まで薪を運びました。そしてかまどに焚べていきます。

お姉さん 大丈夫

力持ちだな

ピョンガンはみんなと芋を焼いて食べました。

よく食べて元気だな

村人は笑います。

***

チンはそんなピョンガンの様子を見てブンゲと話します。

カジンはあの様子じゃ心を決めたね

どんな?

カジンは村長と話したんでしょ 村長はあんたに兵法書を捜せと言った 何か大きなことを考えてるのは確かね だからタルなんかと結婚したふりをして幽霊谷に戻った

チンは語ります。

タルなんか? あいつはれっきとした武人の息子だぞ 王女にだって劣らない

だって人柄だって実力だってカジンの方が数倍上よ

タルのおかげでお前ら双子はここにいられるんだぞ お、あった!

プンゲは兵法書を見つけました。

***

ピョンガンとタルは仕事が終わると部屋で兵法書を読みます。タルはピョンガンの手が荒れているのに気づいて心配します。

薬を塗らないと

大丈夫よ

嫁さん何してる? こっちの部屋においで

サ氏夫人が呼びました。

知らないフリをしろよ

タルは言いますがピョンガンは立ち上がります。

あんたは兵法書の続きを読んでて

***

ピョンガンはサ氏夫人と縫い物をします。

糸が通らない

裁縫ができないの 貸してみな

サ氏夫人は目が見えなくても見事に針を通します。

すごい

自分で王女でも刺客でもないと言ったんだからしっかり働いてタルを支えるんだね

サ氏夫人は言いました。

***

ある貴婦人が薬剤では懐妊に至らない 神通力で祈祷もするとか

モヨンは大金をジュンソに渡します。

天下の薬草店が一介の占い師に頼むのか?

懐妊さえできれば更に銀を積もう

連れて来い 心身の気を読んで祈祷が通じるか見よう

気軽に動ける方ではないのだ

モヨンは書状をジュンソに渡します。

お生まれの日時が書いてある

対面しなければ祈祷などできない

ジュンソは断ります。

***

並の占い師ではありませんね

モヨンの従者は歩きながらふらつきます。

客を幻惑する香を炊いていた 妖術に長けたものだ 油断ならない

モヨンは眉を寄せます。

***

ジュンソの方もテモに話していました。

あの女、並外れた財運を持つ人相だ だが財運の裏に隠された顔が見えた

ジュンソはテモに命じます。

あの女を調べろ いくつ尻尾があるのか

***

太子は無理やりコンソン夫人に修練に出されます。

眠いと言ってるだろ

王様の命令です 修練を終えたら休めますよ

修練場ではゴンが待っていました。

剣をどうぞ 修練はお嫌いですか?

面倒だ やらない

ゴンは太子に木刀を渡しました。

ならば賭けをしましょう 私の襟元に触れたら修練は不要です

本当か?

はい 私が王様に申し上げます でも触れなかったら修練をするのですよ

わかった

太子は木刀を振ってゴンの襟に触ろうとしますがゴンは巧みに避けます。太子はすぐにやる気を失いました。

もうやめた!

では約束通り修練をしましょう

ゴンは言いました。

王に武芸など必要ない 将軍に命じれば済む

将軍も兵も先頭で戦わぬ王には従いません 以前王女様とも同じ賭けをしました

姉上と?

王女様はまだ幼く女人ゆえ教えられないと申しましたが武芸をどうしても習いたいと 王女様は修練をしたくて賭けをされたんです

それでどうなった?

私が王女様の師匠になりました

太子は木刀を拾います。

賭けは賭けだからな

***

ピョンガンはタルに修練を教えます。

それを繰り返して 

タルに言うと自分はサ氏夫人に言われた家事をしに行きました。

お義母さん、水汲みを終えたら畑に行きますね

タルの武芸は上達していきます。夜は二人で兵法書を読んで勉強しました。

ほら、眠らない

ピョンガンはタルの頭を竹の棒で叩きます。

はい 師匠・・

***

王は修練を始めた太子を満足げに眺めます。そしてタルもピョンガンを越える武芸を身に着けて行くのでした。

タルは修練に疲れ、ピョンガンはサ氏夫人の命じる家事に疲れて夜はぐっすり眠ります。

【第15話】

コ・ウォンピョ殿は牙の抜けた虎です 縁談をまとめることも出来ずに王女を黙って行かせた キム・ピョンジ殿はどうです? 近頃は王のもとに入り浸りだとか

チン・ピルへ・ジウォルに訴えます。

コ・ウォンピョ殿には密かな考えがあるはずです

ジウォルは言いました。

考え? 息子まで王の側について太子を教えているのですぞ

チン・ピルが嘲笑しているとウォンピョがやって来ます。

ウォンピョ殿・・

北周に送る使節団について話していたところですよ

ジウォルが咄嗟に誤魔化します。

候補者と規模については考えてある

ウォンピョは話しました。

どうせ此度も桂婁部族が中心でしょう 我らは品物を用意するだけだ

チン・ピルは不満を漏らします。

では品物の話をしよう

チン・ピルはウォンピョを睨みました。

ご子息は忙しいようですな 太子からの信頼が厚いと聞きました

ウォンピョはきつい目でチン・ピルを見ます。

***

太子とゴンは稽古の休憩中にお菓子を食べます。太子はよくお菓子をくれた姉のピョンガンを思い出しました。

師匠、師匠は姉上が好き?

太子はゴンに訊ねます。

何故そんなことを?

姉上は婚姻したけど恨まないでやって

弟子を憎む師匠はいませんよ 特に王女様は最初の弟子ですから 私がお二人をいつまでもお守りします

ゴンは言います。

***

モヨンの密偵が顔見知りの天誅房の刺客のテモに気づきモヨンに報告しました。

薬草店の前に怪しい連中がいました 商人を装った天誅房の刺客です

天誅房の? 確かなのか

はい、以前私に書状を渡しに来た者でした 松華堂という占いの店の者のようです

松華堂の?

***

テモはジュンソにモヨンについて報告していました。

出身は不明で天涯孤独の身だそうです

そんな身の上で部族長の養女になれたとは大した娘だな

新羅から薬剤を闇で入手しており、先日は娘たちを新羅に売ろうとして罰を受けました 王女が店主の悪事を暴いたとか

新羅・・?

***

幽霊谷の村人は村長に集められます。

話ってなんだろう

村長とピョンガンが村人の前に立ちました。

大事な話があって集まって貰った 村と部族の行く末について皆で話し合いたい

ウナムは村人に告げます。するとピョンガンが歩み出て話し始めました。

***

タルは山で剣術の稽古をしていました。すると一人の僧が来て台に座ります。 

お坊さんですか? 道に迷いましたか

タルは声をかけます。

お前は何者だ? 妙な踊りを踊って

剣術ですよ

タルが言うと僧は笑いだします。

剣術? 棒と恋仲なのかと思った

初対面なのに失礼だな

すると僧はタルの木刀を取りあげました。

これは杖によさそうだ

おい、坊さん 痛い目に遭う前に返せ

わかったよ

僧が木刀でタルを突くとタルは勢いよく飛ばされてしまいました

痛っ・・

タルが立ち上がると僧の姿は消えていました。

***

ずっと幽霊のふりをして隠れ住むつもりですか? 辛くて悔しかった日々のことは忘れて世の中に戻りましょう

ピョンガンは村人に語りかけました。

計画も練ったし資金もある あとは意志だけです

でも俺は順奴部族じゃないから恨みは抱いてない

村人の一人が言います。

何よ 怖気づいてるの? 隠れず人間らしく生きようってことでしょ?

ホンメが怒りました。

確かに人間扱いされて来なかった 虫けら同然に生きてきたよな

他の村人が頷きます。

その後はどうするんだ? 村人の数はたかがしれてるし、剣の腕や武器があっても無理だ

プンゲが言い出します。

そうよ 大勢の人が必要になる 彷徨う流民や搾取に苦しむ人たち、そういう人たちも味方に引き入れる 私に任せて

ピョンガンは請け合いました。

私は賛成

ウォルが手を上げます。

他でもなく王女様がおっしゃるんだから

私も

ホンメも賛成します。すると村人たちは次々に賛成し始めました。

頑張ろう!

そんな村人たちをタルが見ていました。

***

あんたに内緒にしてたわけじゃないの あんたは修練が先だから・・

ピョンガンはタルに話しました。

別に怒ってない 王宮にいた時から考えてたんだろ? 俺が武人になることも 

タル、順奴部族のためでもあるの

俺は構わない 父の遺志でもあるしお前の望みだ

タル

でも村のみんなは違う 世の中が怖くてここへ逃げてきた人たちだ 折角命拾いしたのに危険に晒すのは・・

この世を変えるの 民が怖いと思わない世の中に

ピョンガンはタルを見つめます。

それが私たちが作るべき新しい高句麗よ 

カジン・・

今は村も平穏に見えるけどコ・ウォンピョが命じれば火の海になる

ピョンガンは表情を曇らせます。

***

ゴンは親衛隊長に任ぜられました。

親衛隊長の職を謹んでお受けします

王は剣を引き抜くとゴンに告げました。

この剣のごとく強い意志で余と王室に忠誠を誓え

王は剣を鞘に収めるとゴンに渡しました。

承知いたしました

忠誠!

親衛隊は声を上げます。

***

”王に息子を奪われた”とみなが噂しています 王女との縁談が流れて息子が一族を捨てたと

チン王妃はウォンピョに訴えました。

あれが息子の選択だ 仕方がない

コ・ウォンピョ様のお立場が心配なのです みなが次々に背を向けて行くのではと

ウォンピョはチン王妃を見ました。

そなたもそうか? 父君はすでに背を向けようとしている 出ていった王女のおかげで敵味方を見分けるいい機会を得た 殺すべき敵がわかれば嵐が吹き荒れる

私の望みは一つです ウォンピョ様のお力で我らの子コンムを王にしてください

ウォンピョは笑いました。

我らの子? 本当にコンム王子は私の子か?

何故そのようなお疑いを?

コンム王子を王にできるならそなたは天を地だと言い張るだろう その欲深さがそなたの魅力だ

ウォンピョは王妃の顎を上げます。

コンムは・・あなたの子です

王妃は言い張ります。

***

ピョンガンは古い刀を集めて溶かし新しい刀を作ろうとします。

すっかり錆びてる

溶かせば使えますが大きなたき口がいりますよ

村人たちはピョンガンに話します。ピョンガンは言いました。

ひとまずできることから始めましょう

***

カジン、本当に大丈夫か

ドゥクが来てピョンガンに訊ねました。

銀なら調達する 娘を信じて

そうじゃなくてお姑さんのことだ お前をこき使うそうじゃないか

違うわ 大事にしてくれてる タルが待ってるから行くね

ドゥクはピョンガンの後ろ姿を心配そうに見送ります。

***

モヨンはジュンソに呼ばれます。

祈祷の準備が出来たから私を呼んだのか?

養父には言えぬ話をするためだ それとも養父は知っているのか?

何をだ?

お前が新羅の密偵だと

モヨンは言い淀みます。

急に何を言い出す・・

その表情が答えのようだな 部族長の養女が新羅の密偵とは面白い

戯言は結構だ

モヨンは席を立ち店を出ようとします。

このまま行けば口外せざるを得ないぞ

私も喋りたくてたまらない 天誅房の頭だと 手下の刺客と一緒に今度はどんな手を使って王の命を狙うやら

ジュンソは笑って椅子から立ち上がります

やはりな こいつは大した女だ

暴きあって共倒れするより黙ってるのが互いのためだ 愚かなことはやめろ

モヨンは店を出ていきます。

お頭、どうしますか?

テモがジュンソに訊ねました。

使い道はあるがしかたなかろう

ジュンソはテモに頷きます。

は!

テモたちはモヨンを追いました。

***

モヨンは天誅房の手下に追われているのに気づきます。四方から囲まれたモヨンは短刀を出し男たちに斬りつけました。

忌々しい新羅の密偵め 高句麗で死ぬがいい

テモはモヨンの短刀を飛ばしますがモヨンは草をテモの顔に投げ、その場を逃れました。

***

モヨンは古い廃屋に逃げ込みますがテモたちが追って来ました。モヨンは置いてあった袋をテモに投げつけますが、追い込まれます。

テモがモヨンに刀を振り上げます。その時ゴンが現れてテモたちと戦い始めました。形勢不利と悟るとテモは逃げていきます。

おい、しっかりしろ

モヨンは深手を負っていました。

へ・モヨン!

コ・ゴン様・・もしやさっきの話を‥? あやつの言葉を聞きましたか・・?

何を? とにかく急いで薬草店へ このままでは危ない

モヨンは気を失います。

へ・モヨン!

***

裁縫道具を探していたサ氏夫人はタルたちの部屋で兵法書を見つけます。

一体何の本だ・・?

目の見えないサ氏夫人が訝しがっているとドゥクが訪ねて来ました。

カジンの父です

覚えてますよ その年寄りくさい声

ドゥクは呆れますが気を取り直して話します。

良さそうな木があったので杖を作ってみたんです 良かったらお母様に

お母様? 誰に言ってるんですか?

もう、こうなった以上広い心で受けいれましょう 子供たちも安心します そしてどうかカジンもこき使わずに・・

はいはい、余計なお節介は結構! それよりこれは何の本です?

サ氏夫人は本をドゥクに渡しました。

俺は字が読めないのに・・

ドゥクは本をめくります。

どれどれ? 絵が描いてあるな 兵隊が剣を振っている絵だ これは兵法書みたいだ

兵法書?

サ氏夫人は驚きます。

タル! あいつめ!

サ氏夫人は山に向かいます。

***

サ氏夫人はオン将軍に言われたことを忠実に守ってタルを育てました。

”ばあや”

新羅の兵と戦い血だらけになって帰還した将軍はサ氏夫人に言いました。

”今日16人の仲間が戦死した 戦に勝っても血の匂いが鼻につく ばあや、タルには剣術など教えない”

”将軍様・・”

”剣を握れば血を見る宿命が待っている タルには血にまみれた道を歩んでほしくない”

タル! どこだ?

サ氏夫人は木刀を合わせる音に気づきます。

***

タルとピョンガンは木刀で稽古をしていました。二人は戦ううちに、ついにタルはピョンガンの木刀を投げ飛ばします。

タル、すごいわ!

ピョンガンはタルを褒めます。けれどタルの後ろにサ氏夫人が立っているのを見て青ざめました。

お前たち、そこで何をしてるんだ!

母さん?

駆け下りようとするサ氏夫人をタルは慌てて支えます。

気をつけてよ!

***

サ氏夫人はタルを怒ります。

タル、お前は剣術なんか習ってたのか? 母さんに隠れてこっそりと

習うわけないだろ? 遊んでたんだ

目が悪いと思って! ごまかせると思ってるのか?

お義母さん、私が悪いんです 私が強引に剣術を・・

サ氏夫人はピョンガンを睨みます。

なんだって? 剣術なんか教えてどうするつもりなんだい? うちのタルを人殺しにするつもりか??

サ氏夫人はピョンガンを突き飛ばします。

悪い女が来てうちはとんだ災難だ!

母さん、言い過ぎだぞ! カジンは悪くない 俺が習いたいと言ったんだ 剣術を習得して父上みたいな将軍になるんだ

なんだって?

父上は国一番の武人だったのに俺はなんだよ! 畑仕事や薬草採りしかできない! こんな情け無いざまを見たら父上が泣くよ 母さんが俺をただのバカな田舎者にしたんだ!

タル・・!

サ氏夫人はタルの頬を張りました。

このバカ息子!

夫人はタルを叩きます。

お前はわかってない! それが将軍様の願いだったの! お前が剣なんかを握らず平和な田舎者として生きることが・・

母さん・・

サ氏夫人は杖をついて山道を降りて行きました。

***

忌々しい新羅の密偵め 高句麗で死ぬがいい

薬草店の寝台で寝ているモヨンを見つめながらゴンは男の言った言葉を頭の中で繰り返していました。

驚いた そなたは底しれぬ女だ

そこへ知らせを聞いたモヨンの養父のジウォルが駆けつけました。

モヨン! なんという目に・・

ゴンはジウォルを見て立ち上がります。

助かって良かった コ・ゴン殿が救ってくれたおかげだ

いいえ、ご息女は運が良かったのです 私はいつもご息女に助けられているので借りを返しただけです 

血の繋がりはないが私には大切な゙娘なのだ 感謝する

ジウォルは言いました。

***

へ・ジウォルを探れと命じてその娘を救うとは

ウォンピョはゴンに話しました。

へ・ジウォルが父上に反感を抱いている様子は見受けられませんでした むしろ娘を救ったことで私が信頼を得ました

娘はどうだ? 怪しい様子はないか 消奴部族を裏で操っていると聞いたが

特に何もありません それでは

出ていこうとするゴンにウォンピョは言いました。

王女の動きも掴んでおけ オン・ヒョプの息子とままごとしに村に戻ったわけではあるまい 時期が来たら要らぬ芽は摘み取らねば

***

食事もせずに床に伏しているサ氏夫人をピョンガンは心配します。

ずいぶん気落ちしてるみたい 元気が出るように話してあげて

ピョンガンはタルに頼みます。

もう剣は握らない 安心しろって?

ピョンガンはタルの肩に触れました。

嘘は駄目 あんたの気持ちを正直に話すの

俺の気持ち・・?

ピョンガンは頷きます。

***

タルは顔をそむけて寝ているサ氏夫人に語ります。

母さん、考えてみたんだけど父上が生きていたとしても俺は剣を握ったと思う もし反対されたら今みたいに隠れて習っていたと思う カジンのためじゃなく俺がやりたくて習ってるんだ

サ氏夫人は静かに涙を流します。

俺の夢は大将軍だったろ? だから許してくれよ 母さん

自分の人生を台無しにしたいなら勝手にしておくれ

母さん・・

出ていって 眠いから

タルはサ氏夫人に布団をかけ直すと出ていきます。

ああ 将軍様・・

サ氏夫人は嘆きます。

***

モヨンは自分を殺そうとしたジュンソを呼び出します。

お前は下がれ

モヨンは従者を下がらせます。

腹心にも正体を隠しているのか?

言いふらすようなことではない

モヨンはお茶を飲みます。

思ったよりもしぶとい女だな

ジュンソは食卓に座ります。

そなたも王の命を狙ってよく無事だな

長話は無用だ 用件はなんだ 

ジュンソはお茶を口に運びながら言いました。

懐妊の祈祷を望んでいるのは王の側室だ たがお前を王宮に入れたら何をされるかわからぬ 王を狙う理由はなんだ?

モヨンはジュンソに訊ねます。

どんな恨みがあるのか話せば志を一つに出来るだろう

ジュンソはしばらくモヨンを見つめ、それから重い口を開きました。

***

昔、神通力を持つ若い神官がいた 神官には人知れず愛する女がいた 神官は結婚できない宿命だったが女は子供を産んだ 掟を破った神官は妻子と共に逃げた しかし追手に矢を射られ妻は倒れ、神官は子どもを抱いて谷に落ちた

ジュンソは語りながら瞳をほの暗く光らせます。

気がつくと生まれたばかりの赤児は死んでいた その夜王の兵が殺したのは妻子だけでなく神官の魂も殺したのだ

モヨンは黙ってジュンソを見つめます。

命を奪われた妻と我が子の恨みを晴らすのだ

ジュンソは呟きました。

***

タルはしばらく家を出ることになり、サ氏夫人を気遣います。

好物の肉のおかずを作ったから食うんだぞ 

いつも勝手に行くくせに今日はなんなの

お義母さん、薪は積んであります 水がめもいっぱいにしましたから 

ピョンガンもサ氏夫人に言いました。

わかったからさっさと行きな

サ氏夫人は小屋に入ります。

母さん 全く・・

タルはため息をつきます。

お義母さんは大丈夫よ

ピョンガンはタルを励まします。

***

ピョンガンは自分では教えられなくなったタルにもっと実力のある師匠をつけようとしていました。

その師匠って誰なんだ?

会うには山を登らないと

二人は険しい山道を歩きます。

腹が減った どこまで行くんだ?

ピョンガンは山の頂に立つ人影を指さしました。

あそこにいる

***

僧侶様

ピョンガンはソン・イロプに声をかけました。タルは振り向いた僧を見て驚きます。

あの時の変な坊さんだ!

ソン・イロプはピョンガンに向かって手を合わせました。

これは王女様

そしてタルを杖でつつきます。

剣術は少しは上達したか

カジン、この人は誰だよ

タルは困惑します。

***

時が来ればおいでになると待っておりました

イロプはピョンガンに話します。

僧侶様ですよね 私が都で毒に侵されたとき救ってくださったのは その後も私とタルを見守ってくださった

絶望にかられてイブルラン寺を去られたので、こうして生きる道を見出されたとは感無量です

イロプは笑います。

実は僧侶様にお願いがあって訪ねてきたのです このタルは素晴らしい師匠につけば高句麗の”力”となります

どうでしょう 私などがオン・ヒョプ将軍のご子息を教えられるものか・・

タルがたまりかねて言いました。

おおい、待ってくれよ 師匠ってこの坊さんなのか? やらない、無理だ

タル、言葉に気をつけて 南方にオン・ヒョプ、北方にソン・イロプ お父上と一緒に高句麗を守った最高の武将だった方よ

タルは戸惑いながらソン・イロプを見つめます。

【第16話】

本当に俺を置いていくのか? あの坊主・・いや、あのお坊さんはどう見たって変だよ

文句を言わずに頑張って あんたの修練中私も頑張って働くから

会いたくなったら?

耐えて 私も我慢する

そんなの耐えられないよ

ピョンガンはタルにキスします。

信じてるわ 旦那様

タルもピョンガンにキスしました。

体に気をつけろ 俺の妻

じゃあ 行くね

ピョンガンは山を降りて行きました。

***

何からやりますか

タルはイロプに訊ねました。

薪集めと飯だ 薪がなく生で食って腹を下した それからウサギを捕えて焼いてくれ

お坊さんが肉を?

肉でも草でも腹に入ればおんなじだ 早くしろ

イロプは行ってしまいます。タルは呆れて首を振りました。

***

ヒョン妃は王に懐妊の祈祷をしたいと懇願します。

優れた占い師を見つけました

子を産むとなればこの世に大きな憂いを生む しかもそなたは王妃の妬みに苛まれるぞ

他に何も望みがございません 私はただ王様のお子をこの腕に抱きたいのです どうかお許しを

居所の明かりが消えました。

外で様子を窺っていた王妃は唇を噛みます。

***

王の許しを得たヒョン妃はジュンソを王宮に呼びます。協力するモヨンが内官に金を渡しジュンソは祈祷の品を王宮内に運び入れました。

先走って事を仕損じぬように

モヨンはジュンソに言います。

十数年待ちわびた機会だ 抜かりはない

約束を忘れるな

わかっている お前の望みは高句麗の滅亡 その時期が来るまで王は殺さぬ

ジュンソはモヨンに告げます。 

***

ジュンソは祈祷の前にヒョン妃の気の巡りを調べます。ヒョン妃の部屋でモヨンも同席しました。

気の流れがよくありません

薬を使いいくらかは改善したが難しいのだ

モヨンが言いました。

懐妊はできそうか

ヒョン妃がジュンソに訊ねます。

月が満ちる夜に祈りを捧げます 天地から強い力を授かり気の流れは好転します さすれば懐妊できましょう

本当か

ヒョン妃は喜びます。

***

ジュンソとモヨンが王宮を出ようとするとゴンに呼び止められます。

へ・モヨン

モヨンはジュンソを先に行かせました。

先に皆の所へ

ゴンは兵を下げモヨンに近づきます。

傷も癒えてないのに王宮に用事か

助けていただいたお礼もしていませんね

水くさいことを言うな それよりそなたを襲った奴らは? あれは並の刀さばきではなかった

商いをしておりますと恨みを買うことも 用心しますのでご心配なく

そうだ 用心せよ そなたは大切な人だ

ゴンの言葉にモヨンは目を見張ります。

恩返しをしたければ酒でも奢ってくれ 重責を担わされて辛いんだ

いいお酒でおもてなしします

期待している

モヨンに微笑みながらゴンはモヨンの従者と待つジュンソに目を走らせます。

***

タルはイロプに命じられた薪割りをします。

ああ、ご馳走さん 膳を下げろ!

武芸を習いに来たのに使用人ですか?

武芸? 汚れた紙に描く絵師がいるか

汚れた・・絵描・・?

イソプは声を上げて笑います。

ついてこい

***

イロプはタルを洞窟に案内します。

広いだろ ここは修行でこもる場所だ

ここで何をしろと?

まっさらな紙になれ 体中に溜まった毒や悪い気をすべて荒い流すんだ

はあ?

武芸はその後だ

イロプはタルに小袋を投げます。

腹が減ったら少しずつ食え 飢え死にはせぬ

イロプは歩き去ります。タルは小袋の中身を見ますが生の米でした。

ふざけるな!

タルは悔しがります。

あの坊さんは俺を試そうとしてるな 受けて立ってやる

***

村では厩を建てていました。

馬もいないのになんで厩なんか作るのよ 

ホンメは村の男に訊ねます。

王女様が馬を買いに行ったよ プンゲ兄ちゃんたちと一緒に

ウォルが答えました。

馬なんか高いのに・・どうやって?

王女様に考えがあるんだろ

男たちは言いました。

***

ピョンガンとプンゲとチンは都の馬市場へ歩いていました。

そこには軍用だった馬も売られてる 病気で見かけの悪い馬を選んで

ピョンガンはチンたちに話します。

通常の半値以下で買える

金の無駄遣いだ 元軍馬でも死にかけを買ってどうする

プンゲが抗議します。

荷車を引いてた馬はいらない 元軍馬はしっかり世話をすれば役に立つ じゃあ後で

ピョンガンは王宮に向かいます。

***

ピョンガンはコンソン夫人の助力で父王に会います。

私、ピョンガン お父様にご挨拶を

ピョンガンは跪いて言いました。

何しにきた

此度順奴部族の再起を目指し村人たちと動き始めました 兵を育て暮らしを豊かにし、いずれはお父様のお力に・・

立ちなさい 

王は命じました。ピョンガンは立ち上がります。

自ら災いを招くな

お母様が私に残した使命です

父王はピョンガンを見つめます。

そしてお父様と太子のためでもあります 私は成し遂げます

父王はため息をつきました。

気丈なところまで母に似たのだな

ところでコ・ゴン殿が何故隊長に?

ウォンピョに疎まれ北の国境に追いやられるところを余が引き止めた

おそばに置いてはなりません いずれにせよ桂婁部族の跡継ぎです  

忠誠を誓いはしたが余も完全に信じてはおらぬ 必要な時必要なだけ使うつもりだ

父王は父親の顔で問いました。

オン将軍の息子は? 夫としてお前によくしてくれるか?

はい

王はピョンガンの手を取りました。

それなら良い お前の母には辛い思いをさせたがお前は幸せになれ

父上・・

***

ピョンガンは長白薬草店でモヨンと会います。モヨンは銀の詰まった箱をピョンガンに渡しました。

これほど早くに銀に換えてくれるとは 感謝する

ピョンガンは礼を言います。

お力になれて光栄です ご入り用の際はいつでも

手に怪我を?

大した怪我では・・薬材の下処理中の不注意です

モヨンは笑います。

それで・・コ・ゴン様が親衛隊の隊長になったことは?

ピョンガンは無言で頷きます。

お帰りになる前にお望みなら席を設けます

会う理由もその気もない

もしくはお伝えすることでも?

ピョンガンは目を丸くします。

そなた・・もしかしてコ・ゴン隊長を慕っているのか?

モヨンは驚きます。

王女様 そのようなご冗談を・・

隊長は夫として非の打ち所がない 本気なら逃さないで

では何故拒まれたんですか?

私の心は他の人に向いているから

ピョンガンは笑います。

***

長白薬草店をゴンは監視させていました。

怪しい動きはないか

ゴンは部下に訊ねます。

警戒心の強い女だ 気を引き締めて見張れ

隊長、少し前王女様が来ました

部下が報告していると屋敷からピョンガンが出てきました。

私が行く

ゴンはピョンガンを尾行します。しかし気づいたピョンガンにまかれてしまいました。

***

イロプは洞窟にいるタルを見に行きますが座って瞑想している後ろ姿を見て何も言わずに帰って行きます。

俺は絶対に諦めない

タルは呟きます。

***

チンとプンゲが馬を買って来て厩に入れました。 

元は軍馬です しっかり面倒を見れば見違えるでしょう

ピョンガンは村長のウナムに言います。

血統はよさそうだ

ウナムも満足そうに頷きます。

でもこの馬、痩せて骨と皮ばかりだよ! こんな馬、誰が面倒を見るの?

ウォルが困って声を上げます。

チンとサンは突厥出身で馬を熟知してるから

ピョンガンはチンたちに向かって笑いました。

それでも駄目かもな お前の見立てか?

サンはチンに聞きます。

大丈夫 プンゲも手伝うから

ああ、まあ軍の編制には騎兵も必要だし

プンゲは話します。

銀も調達しました

ピョンガンはウナムに伝えます。

更に騎兵に必要な馬を買い武器用の鉄も入手します

まあすごい! 村長、心強いじゃない

ホンメが感激して叫びました。

カジン

村人の間からドゥクがピョンガンを手招きしました。

父さん、なに?

タルはどこだ?

どうして

お前の姑さんが気になるんだよ

お義母さん・・?

***

ピョンガンは小屋に戻ります。

お義母さん?

サ氏夫人は部屋で寝ていました。

お義母さん? 起きて

あ・・お帰り

サ氏夫人は起き上がります。

大丈夫ですか?

散らかってるだろ 面倒で片けられなかった

どこか具合が悪いんですか?

年寄りは悪いところだらけさ ・・それで? ・・タルは?

やることがあって戻れませんでした

サ氏夫人は眉を寄せます。

お義母さん

そうかい もう行きなさい

はい・・

ピョンガンは家の掃除を始めます。

***

久々に舅と婿で語らう故どうぞ気楽に

王はチン・ピルに酒を注いで笑います。

特別な席だと伺い不安に思いながら駆けつけました この年になると眠りも浅く心配ばかりです

ご安心を 一息に キム・ピョンジ殿も

三人は盃を上げ、飲み干します。王が視線を送るとキム・ピョンジが話し出しました。

噂では近頃コ・ウォンピョ殿と不仲だとか

チン・ピルは二人に目を走らせます。

やはりのんびり語らう席ではありませんでしたな お話はなんですか?

チン・ピルは王に訊ねます。

王室に忠実な若い臣下や学者たちが密かに上書を準備しています

上書? 何について?

順奴部族を復権させ部族長会議に参席させよと

王は話します。チン・ピルは驚いて王を見ました。

若い臣下は私が束ねています コ・ウォンピョ殿に汚名を着せられてからはや8年、今こそ部族を復権させるべき時です

ピョンジは語りました。

コ・ウォンピョ殿もへ・ジウォル殿も反対するでしょう そこで貴殿の助けがいる

桂婁部族が大人しく引きさがるでしょうか

チン・ピルは言います。

舅なら当然婿の側につかねば コ・ウォンピョの世は遠からず終わる

王様・・

チン・ピルは戸惑います。

***

コ・ウォンピョとゴンは屋敷で弓を射ます。ゴンの矢は的から外れました。

雑念が多いと矢は乱れる

ウォンピョはゴンに言いました。

父上にとっては良い日ですね 矢は命中し息子からは情報も得られる

ゴンは矢を置きました。

昨夜チン・ピル殿が王と会い泥酔しました キム・ピョンジ殿も同席を

時期が来たな では殺生簿を開くとしよう

ウォンピョの射る矢は的に当たります。

それでお前は誰が生き残ると思う?

***

上書だなんて何をおっしゃるのです

チン王妃はチン・ピルを問い詰めます。

王とキム・ピョンジ殿が話を進めているのだ 

それでお父様は王様の側に立つのですか? コ・ウォンピョ様に背いて?

約束はしていないが、”話はわかった”と答えた もとはといえばコ・ウォンピョのせいで我が一族は弱体化したのだ それに王の決意もなみなみならぬものだった

なんということをおっしゃるのですか!

王妃は父親を怒ります。

コ・ウォンピョ様は獲物を捕らえようと茂みに潜んで牙を隠しておられます なのに虎の口に入ろうとするとは!

本当にそれが狙いなのか?

上書のことは知らぬふりで通すのです そんな会合に行ってはいけません 我が一族はもちろんコンム王子まで窮地に追い込まれます

王妃は父親に言い聞かせました。

***

チン王妃はウォンピョに事態を報告します。

王様が私の父に告げました 順奴部族を復権させるつもりだと

ウォンピョは王妃を見つめます。

親孝行だな

え?

今の一言が父親の命を救った 知りながら黙っていたらそなたも私の敵となっていた

ウォンピョ様・・

***

タルの中で2つのことがせめぎあっていました。

復讐などするな

そう言い遺した父親の言葉。

世の中を変えるの 民が怖いと思わない世の中に

国の未来について話すピョンガンの言葉。

新しい高句麗・・

タルは呟きます。そんなタルの様子をイロプが見ていました。

***

ジュンソは王宮でヒョン妃の懐妊の祈祷を行います。ヒョン妃が無心に祈っているところへ、荒々しくチン王妃がやってきました。

不届き者! 掟の厳しい王宮で怪しげな儀式とは!

それは違います

ヒョン妃は王妃に説明しようとします。

黙らぬか!

王妃はジュンソを睨みます。

神聖な王宮でよくもこんな・・

ジュンソは王妃に頭を下げました。王妃はヒョン妃に訊ねます。

一体何を祈ったのだ? 王様の子を産み太子や王子を出し抜こうと??

違います・・王妃様 私は王様の恩恵にあずかりたいと思っただけ

恩恵?

ヒョン妃は頷きます。

ならば私が施そう

王妃はヒョン妃の頬を張りました。

あんまりです!

倒れたヒョン妃は頬を押さえながら泣き出しました。

静かにしなさい・・

再び王妃は手を振り上げます。すると王が来て止めました。

やめよ!

王様

ヒョン妃は王の後ろに隠れます。

王妃 何をしておる

王は訊ねました。

怪しげな祈祷を行い王宮の規律を乱した罪を問うております

王妃様にここをぶたれて・・

ヒョン妃は王に甘えます。

余が許したのだ 懐妊を切望しており祈祷を許した これ以上咎めてはならぬ

そうであってもこのことは王妃と側室の問題です 王様は見ぬふりをなさるべきです

なんだと? そなたは王に教えを垂れるのか

王と王妃が睨み合っていると内官が走ってきました。

王様、一大事です

***

キム・ピョンジは会合に向かっていました。そこにゴンが現れます。

お出かけですか

ゴンはピョンジにお辞儀します。

おやめください

どういうことだ?

上書の件で学者達と会うのですね

それを・・何故・・

ピョンジは狼狽えます。

今行ってはなりません 父が私兵を向かわせました

なんと・・

ピョンジは驚愕します。

***

学者たちはウォンピョの部下たちに襲われていました。

これは一体なんの真似だ?

学者の一人がコ・サンチョルにたてつくとウォンピョの腹心の部下のサンチョルはその学者を剣で斬り捨てました。サンチョルは他の学者たちが部下に殴られているのを冷酷にながめます。

***

四人を斬り七人を投獄しました

サンチョルはウォンピョに報告します。

その程度の血では足りておらぬ

ウォンピョは線香をあげながら言いました。

誰よりも始末すべき二人が残っている 王の娘と・・

オン・ヒョプの息子

サンチョルは続けます。

精鋭を連れて村に向かいます

コンには知られぬ方がいい 王女の訃報は後で聞かせる

はい

サンチョルは出かけて行きました。

***

ゴンは薬草店を訪れます。

突然何の御用です?

今日は王宮の内外でいろいろあった だから静かに一杯やりたい

王宮で何かありましたか?

王妃様が祈祷を台無しにしたとか 気の滅入る話はやめて酒とつまみを頼む  

モヨンはゴンを止めようとします。

またの機会にされては 盛大な宴を用意致します

何故そんなに忙しいんだ?

特にそんな・・

王女の頼みに応えたか?

モヨンは驚きます。

ここにお越しになったな

私を見張っていたのですか?

そなたは隠し事が多すぎる 飲みながらじっくり話そう

ゴンは笑います。

***

タルが寝ているとピョンガンが来て手を取りました。

どうしたの 大丈夫?

どうやって来たんだ?

タルは訊ねます。

ごめんね 苦労させて

俺の中の毒を抜いたら真の武芸を身につけられるって

あんたはやるだけやった もう家に帰ろう お義母さんが待ってる

タルは黙ってピョンガンを見つめます。

どうしたの?

俺の知るカジンは諦めろなんて言わない お前・・偽者だな 俺が作り出した幻だ

そうタルが言うとピョンガンの幻は消えました。タルは立ち上がり洞窟を出ます。日を浴びながら歩いて行くとイロプが立っていました。

お前はとんでもない奴だな! 一月はかかると思ったのに

イロプはタルを見て笑います。

カジンに・・会いたいです 武芸はその後に習います 師匠

タルは頭を下げました。イロプは声を上げて笑います。

わかった そうしろ

***

ピョンガンは力をなくしたサ氏夫人の世話をしていました。夫人はピョンガンの作った食事を嬉しそうに食べました。

口元にご飯が

ピョンガンはご飯を取ってあげます。

けれどサ氏夫人は家を出ていきます。杖をつきながら崖まで来ました。ピョンガンはサ氏夫人を追いかけます。

お義母さん、どこにいくんですか?

王女様 タル坊っちゃんの母親代わりは全うしました これで失礼します

お義母さん・・

素直で優しい子なんです どうかタル坊っちゃんをお願いします

いけません こんなふうに去られたら私とタルはどうしたらいいんですか?

ピョンガンはサ氏夫人の前に膝をつきます。

幼い頃に母を失いその暖かみを知らずにいました やっと母ができて嬉しかったのに何故私を見捨てるのですか

サ氏夫人も膝をついてピョンガンの手を取ります。

王女様  

違います 私はお義母さんの娘です

ピョンガンはサ氏夫人を泣きながら抱きしめます。

どうか、行かないでください

***

その時矢が飛んできてピョンガンを庇ったサ氏夫人の肩を射ました。

お義母さん!

早く逃げな

サンチョルたちがピョンガンを殺しにやってきたのです。

早くに逃げなさい! 母さんの言う事を聞いて!!

けれどピョンガンは飛んできた矢を使ってサンチョルたちと戦います。しかし多勢に無勢で追いつめられていきます。サンチョルが勝ち誇ってピョンガンの前で剣を抜きました。

老婆を助けたければ命を差し出せ

早くお逃げ!

サ氏夫人は叫びます。

その時タルが走ってきてサンチョルたちと戦い始めました。修練で力をつけたタルは相手の刀を奪うと素早い動きでサンチョルの部下を倒し、ついにサンチョルと対決します。そしてあっけなくサンチョルも倒すのでした。

タル!

ピョンガンはタルに走り寄ります。返り血を浴びたタルは茫然とピョンガンを見つめました。

ドラマ(第14~16話)の感想

モヨンは新羅の密偵でありながらピョンガンやタルの手助けをしてるのが面白いですね。そしてジュンソの過去を聞いて王の殺害まで助けようとしています。王の暗殺は新羅にとっても利益になることかもしれませんが、モヨンが高句麗の滅亡を謀るまでは殺さないと約束したジュンソは気を長くして待たなくてはなりません。

冷酷に人を殺してもモヨンもジュンソも元々は悲しい宿命を担っています。お互いだまし合いをしながらも惹かれている様子のモヨンとゴンも興味深いですね。

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