こんにちは。カナエです。
中国ドラマ「山河令」もついに最終週となりました。数日の命となった周子舒は温客行との絆が切れてしまうのでしょうか😭?。
それでは以下で最終週(第34話から36話)について詳細します。
ついに開かれた武庫!そして永遠の知己となった二人
「山河令」キャスト・これまでの物語
⚔第14話と15話⚔
「山河令」最終週(第34話から36話)のあらすじ(ネタバレ)
<第34話> 赤い糸
莫懐陽(モー・ホワイヤン)は鬼谷の谷主として成敗されるべきだと温客行(ウェン・コーシン)に宣言します。そこに葉白衣(イエ・バイイー)が現れました。
葉殿、いいところへ!鬼谷の討伐に我々を率いてください
無論だ 鬼谷は滅ぼされねばならぬ
葉白衣はそう言って温客行の面前まで進みました。
温客行、陰と陽は交わらぬのに鬼どもを江湖に放った罪は大きい
罪は認めます
温客行は言いました。
では罰を申し渡す 今から永遠に鬼谷を封じろ 二度と人の世に鬼を出すな
剣仙に従います
では行け
莫懐陽は顔色を変えます。
どういうことです?
温客行に青崖山の封鎖と鬼どもの出入りを禁じるよう命じたのだ 悪鬼が世を去れば鬼谷は消える
素晴らしい!殺生することなくことを収めるとは
僧侶たちは葉白衣の決断を歓迎しました。莫懐陽は不満顔ですが黙るしかありません。
一件落着だ 英雄大会は終了する
葉白衣が武人たちに告げました。
温客行は自分の企てについて説明するため酒席を設け皆を集めました。温客行に協力した沈慎(シェン・シェン)や小怜(シアオリエン)も参席していました。
旦那様、ひどすぎます ここ数日ずっと泣いていたんですよ 罰杯ものです
顧湘(グー・シアン)が訴えます。
わかった すべて話そう
温客行が酒を飲み干して言いました。
まず事前に準備した死体に自分の扮装をさせて滝の裏に隠しておいた、沈掌門や成嶺らにも事情を話し味方になって貰った、葉殿もしかりだと温客行は語りました。そして特に葉殿の助力がなければ趙敬(ジャオ・ジン)の陰謀を暴いても、谷主という私の立場では無事に終わらなかったろう、と結論づけます。
皆も葉殿のおかげで大団円になったと乾杯しました。しかし周子舒(ジョウ・ズーシュー)だけは浮かぬ顔で俯いたままです。隣に座っている成嶺は心配そうです。
私も策士と自認していたが温殿にはまったくかなわない
七爺(チーイエ)が感心して言いました。
しかし何故趙敬を殺さなかったのだ?
大巫(ダーウー)が訊ねます。
蠍王との約束です 先の英雄大会で高崇を告発した鄧寛(ドン・クワン)の証言が偽りだったことを証明するために鄧寛の蠱術を解いて正気に戻す必要があった その代わり趙敬を助けると約束しました
温客行の話を聞きながら周子舒は考えていました。
天意は人を弄ぶ 老温は復讐を果たしてついに平穏を得た だが私は・・・
義父上 言ったでしょう 私を欺いては駄目だと
蠍王は口のきけなくなった趙敬と向き合っていました。
長年あなたの謀で殺された人間は多い 私も同じ運命を辿るとわかっていましたよ ・・ただ私は何も考えずにだまされていたかったのです
蠍王は椅子から身を乗り出します。
武林の盟主?内心あなたの目標などくだらない、と思っていました あなたは薬人を操ることは世に背く行為だと言いましたね 今日あなたに誰よりも強い兵法とは何か教えてあげましょう
蠍王は立ち上がりました。
あなたが敬う天窗も今や私の盟友ですよ 晋王ですら私に敬意を払うのに・・あなたは私を見下し軽んじた あまつさえ殺そうとまでした
蠍王は趙敬に近づくとその首を押さえました。
私の息子としての愛など一銭の価値も無いと?
ううう・・
蠍王はうめく趙敬の首から手を離しました。
それでもあなたは義父上だ・・
蠍王は趙敬の背後にまわって語り続けます。
私は鬼谷の谷主から武庫の鍵を手に入れました これから瑠璃甲を集めて武庫を開けるつもりです そして最強の支配者になる 晋王の地位などを奪えるだろうし、皇帝になることも夢ではないかも
そう言って趙敬の膝に乗って抱きつきます。
義父上を上皇にしてさしあげる
涙を流す趙敬を抱きしめる蠍王。
「何故私に黙っていた」と温客行を責める周子舒。
仮死の計略は趙敬を油断させ英雄大会で証人や証拠をぶつけてその陰謀を暴くもの 犠牲者の汚名を晴らすものだったのだ
沈慎が代弁します。
私も周子舒の傷に響くから戦いに巻き込むな、と注意したのだ
大巫も言います。
あなた方には聞いていない
二人を座らせる周子舒。そして罰を受けるか、と温客行に訊ねます。
受ける 罰とは何だ?
周子舒は笑って徳利を温客行に差し出します。
3壺を飲み干せ
阿絮、みな酔い潰れたぞ
夜中に酔った温客行が周子舒の部屋に入ってきました。
阿絮、今夜は最高の気分だ すべてが好転した
老温・・
ふらつく音客行を寝床に連れて行き寝かせてやる周子舒。
阿絮、阿湘を嫁がせたら昔暮らした家に行ってみたい 両親の遺体も野ざらしのままで20年も訪れなかった ・・怖かったんだ
でも今はお前がいる 一緒に行ってくれるな?
そう言って周子舒の手を握る温客行。
ああ・・約束する
温客行は幸せそうに眼を閉じます。そして周子舒は果たせぬ約束に涙するのでした。
顧湘と曹蔚寧(ツァオ・ウェイニン)との婚儀は鬼谷で行われることになりました。婚儀のあと二人は四季山荘に行き鬼谷は封じられます。
四季山荘に行くより旦那様と鬼谷に残りたい
顧湘は口をとがらせます。
曹殿はすべてを捨てたんだぞ 勝手な事を言うな
温客行は顧湘を叱ります。
私は葉殿との約束を果たして三千の悪鬼を青崖山に封じねばならぬ しかし時々抜け出してお前たちに会いに行こう 数年後鬼谷が落ち着けばすべて解決だ
温客行は顧湘と曹蔚寧に言いました。そしてやってきた成嶺に無常鬼と手下たちを❝寒湛水牢❞に閉じ込めた、と告げます。
お前の最後の仇だが、どう懲らしめる?
もう血を流したくないから閉じ込めたのだが・・と温客行は言いたします。
❝寒湛水牢❞は辛い場所だと聞いています そこで罪を悔いて貰いましょう 殺しても過去は戻りません
まったく・・聖人君子だわ!
成嶺の言葉に感激する顧湘。ところで葉殿は?と問う温客行に成嶺が答えました。
熔炫殿の遺骨を両親の墓に葬るために長明山に向かったそうです
葉白衣は街で麺を啜っていました。
髪が抜けやすくなった 天人五衰か・・ついにその時が来た だが長い年月を生きてきたが死に向かって生きる日々の方がずっと味わい深いものだ
おかわりの麺が届いて葉白衣は骨箱をながめて言います。
長青よ、炫よ、お前たちの代わりに食うぞ
花嫁衣裳を身に着けた顧湘は羅浮夢(ルオ・フーモン)から高価な髪飾りを贈られます。
これは私が嫁入り前に師匠から頂いた簪よ 私はつけていないから不吉なものではないわ 受け取って
柳千巧(リウ・チエンチャオ)が顧湘の髪に刺してやりました。
千巧姉さんは谷から出て行かないの?于丘烽(ユー・チウフォン)とはどうなったの
そう訊ねる顧湘に「于丘烽って誰?」と聞く千巧。
あ・・・孟婆湯を飲んだんだ
顧湘は気づきます。
温客行がやってきて大巫から預かりものを顧湘に渡しました。
世に一対しかない霊力のある❝赤い糸❞だ これをつけた二人は何度転生しても会える 曹殿はもうつけたぞ
今生で曹兄さんに飽きたらどうするの
知るもんか 嫌なら返すぞ
顧湘は焦って温客行の着物を掴みます。
待って つけてください!
花婿の格好になって緊張している蔚寧。
師叔や師匠にも祝って欲しかったな・・
少し寂しげな蔚寧のところへ清風剣派が祝いにやってきたという連絡が入ります。
師叔たちが・・?
蔚寧は顔を輝かせました。
<第35話> 痴心妄想
師匠の莫懐陽が祝いに来てくれたのを喜ぶ蔚寧。しかし懐陽の目的は鬼谷を滅ぼし武庫の鍵と瑠璃甲を奪うことでした。
必死で顧湘との結婚を許してくれるよう懇願する弟子の蔚寧を懐陽は無惨に殺してしまいます。それを見た顧湘は蔚寧の仇をとるべく懐陽に挑みますが、清風剣派の掌門である懐陽にかなうはずもなく自分も斬られてしまうのでした。
清風剣派を皮切りに続々と武人たちが鬼谷に攻め入って来ました。鬼谷と江湖の間で激しい戦いが始まったのです。柳千巧と于丘烽、そして羅浮夢も命を落とします。
蠍王たちは青崖山の戦いを遠くから眺めていました。
皆が瑠璃甲をかけて一心不乱に殺し合っているな
蠍王は皮肉をこめて笑います。
誰も知らぬのだ 瑠璃甲はすべて私が集め鍵さえも手に入れたのを
蠍王は連れてきた趙敬に言いました。
義父上、私は手を組む証しに温客行から鍵を譲り受けたのですよ あなたの瑠璃甲と天窗にあった瑠璃甲も頂いた
蠍王は二つの瑠璃甲と鍵を趙敬に見せました。
莫懐陽が持っている三個の瑠璃甲を手に入れればすべての瑠璃甲が揃います 武庫を開けるのは私なのです
蠍王は大量の薬人たちを鬼谷に向けて放ちます。たちまち鬼たちも武人たちも薬人に惨殺されていきました。
温客行は顧湘を抱き抱え呼びかけていました。
阿湘、しっかりするんだ 死ぬな
旦那さま あいつを殺して・・曹兄さんを殺した莫懐陽を 始めてのお願いです
わかった お前の兄が仇を討つ
感謝します 兄さん・・
顧湘はこと切れました。
顧湘との約束を果たすべく襲ってくる薬人を扇で倒しながら莫懐陽を追う温客行。
莫掌門、あの世にお送りする
ろくでなしめ
温客行に向かって剣で斬りつけてくる莫懐陽。激しい剣と扇での応酬が始まります。空中に舞い、地上に降りて斬り合う二人。互いに傷を負い息があがってきます。
莫懐陽の剣が温客行の胸を刺しました。しかし温客行の気を込めた右手が懐陽の胸をつき、その気は体を突き抜けたようでした。そして温客行が刺された剣を引き抜いて懐陽を胸を刺し投げ飛ばすと、ついに懐陽は絶命するのでした。
深傷を負った温客行は胸を押さえながら木の根もとに座り込みました。
阿湘・・すぐあとを追いかける 待っていろ
そこに蠍王たちがやってきます。
谷主 変わりはないか? 先日は威勢が良かったが、見る影もないほど落ちぶれたな
毒菩薩が死んだ懐陽の胸元から瑠璃甲の袋を取り出して蠍王に渡します。
瑠璃甲三個は私が頂こう 構わぬな?
とっとと失せろ
温客行を眺めながら毒菩薩が笑います。
旦那さま、私が息の根を止めても?
いや、谷主ほどの人物は他人任せにしては無礼だろう
蠍王が温客行に剣を向けますが、突然弾かれてその喉元に剣が突き立てられました。
我が四季山荘のものに手を出すな
周首領、急に武芸の腕が上がったな
温客行が周子舒を見て笑いました。
馬鹿だな 何故ここへ?
奇人め 死ぬときは一緒だ
蠍王は周子舒に言いました。
私の❝息子たち❞を鬼谷に放った以上、誰も鬼谷を出られないぞ
ここで死ぬならお前も一緒だ
周子舒は蠍王の喉元の剣を押します。
選択肢はないのか?お前たちは一蓮托生だろうが私は巻き込まれたくない
瑠璃甲はくれてやる 代わりにこの者を連れて去らせろ
蠍王は自分の剣を手下に渡しました。
興ざめだな
そう言って歩き去ります。
周子舒は温客行を起こそうと近づきました。背後から陽の光が周子舒の輪郭を輝かせます。
眩しいな・・お前には光が宿っている
温客行は手を伸ばします。
触らせてくれ・・
そう呟きますがその手は力なく落ちていくのでした。
天窗も今回の戦いに加担していました。
段鵬挙(ドアン・ポンジュー)は鬼谷も江湖も大損害だ、と笑います。鬼喪鬼や艶鬼も死んだと報告を受けた蠍王は暫し沈黙しました。
千巧も死んだのか・・
蠍王、何か?
鵬挙に聞かれて何でもない、と答える蠍王。
晋王は武林を始末するつもりでいたから一石二鳥でしたよ
鵬挙はご機嫌です。
鬼谷で臥せる温客行の処へ顧湘がやって来ます。
旦那様、お茶を飲んでください
うるさいな 具合が悪いんだ
冷淡な温客行に顧湘は悲しげに笑います。
旦那様 私、父と母に会いました 曹兄さんが待っているからもう行きますね これからお世話できなくてすみません さようなら
背中を向行ける顧湘。
さようなら・・兄さん
はっと気づく温客行。
阿湘、待ってくれ!
けれどもう姿は消えていました。
阿湘・・
夢を見ていた温客行の頬を涙が流れます。看病している周子舒が涙を拭いました。
七爺と大巫が蔚寧と顧湘を葬ってくれていました。まだ結婚式を挙げていなかった二人なので顧湘の墓の墓碑銘を刻んでいません。
曹夫人にしてやってくれ 顧湘も喜ぶ
周子舒が言います。そして成嶺に自分は旅に出るから温客行の世話を頼む、と告げました。
そんな周子舒の様子を見て大巫が手を掴んで脈を診ます。
周子舒、釘を抜いたな
なんてことを!
七爺も成嶺も驚きます。周子舒は静かに言いました。
英雄大会の前に武芸の腕をあげて復讐を果たすために抜いたのだ これから晋王が武庫を開けるのを阻止しなくては 猶予は数日だ
<第36話> 天人合一
なぜ晋王を殺さなかったのですか
成嶺は周子舒に訊ねます。
晋王には恩義も怨恨もある しかし晋王は大義のために生かしておかねばならぬのだ
晋王には敵が多く死んだと聞けばその地位を狙ってあちこちで反乱が起きる、と周子舒は説明しました。
国が戦火に包まれれば苦しむのは民だ 晋王と他の勢力が小競り合いを続けて互いに消耗しているほうが世の中が平和を保てる訳だ
七爺が言い添えます。
武庫を開けて晋王が「陰陽冊」を手に入れることが一番危険だ もし晋王が全快すればその野心のためにまた多くの命が失われる 晋王は病で臥せってこそ世の中のためになる
どうしても晋王に「陰陽冊」は渡せない
だから自分は武庫に向かう、と周子舒は成嶺に繰り返しました。
だが周子舒、晋王の目的は「陰陽冊」ではないかもしれない
再び七爺が語りだします。
知っての通り晋王と私は沙陀族の末裔だ 沙陀族には代々受け継がれた伝説があった それは我々の先祖が中原の果てに宝庫を残したというもので、そこには天下安泰の秘密が隠されている、というものだ探し当てれば衣食に困らず、流浪せずに済むという
宝庫には6個の鍵があり、六族の族長が保管した ・・瑠璃甲と鍵の話に似ていないか?
七爺の話に驚く周子舒。
周子舒の父君は前晋王に殺されたと言っていたな
私の幼い頃前晋王は秘密を探し出せると息巻いていた時があったが駄目になったようだった 裏切られたと残念がっていた その同じ時期にそなたの父上の死を知った
周子舒は七爺に言いました。
瑠璃甲と鍵は師匠が遊歴中に見つけた 師匠の友人とは私の父だったのか・・
周子舒は七爺たちに別れを告げます。
成嶺 、俺の言づけを復唱してみろ
成嶺は跪いて言いました。
師匠は重病ゆえ、治療のため海を渡った 帰るまで私と師叔で四季山荘を再建すること
そう言いながら涙をためる成嶺。
泣いたりしたら嘘がバレるではないか・・まあいい
成嶺に微笑むと馬に乗って走り去って行く周子舒。
蠍王と段鵬挙は武庫を目指して雪山を進んでいました。籠に乗った趙敬も同行していました。
そしてついに蠍王と鵬挙は武庫の入り口に立ちます。
あなたに武庫を開ける名誉を
蠍王に言われた鵬挙は氷を砕け、と命じました。そして扉に瑠璃甲と鍵を差し込みます。
しかし扉は開きませんでした。
どういうことだ 偽物か?鍵があわない
あり得ぬ!
蠍王が確かめますが扉は飽かず、口惜しさに扉を叩き続けます。
その時黒い影が段鵬挙を襲い、その喉を切り裂きました。
周子舒!
蠍王が倒れた鵬挙を見て顔色を変えます。
次は誰かな?
微笑む周子舒に蠍王は顔をこわばらせます。晋王はいないのか、と周子舒はつぶやきました。
解放したのに偽物を掴ませるとは・・
蠍王は鍵を抜くと腹立ちまぎれに雪の上に投げつけました。
瑠璃甲も偽物があったのだ 鍵だってわからない
谷主はどこだ??
周子舒と蠍王が言いあっていると山の上の方から地鳴りが響きました。
雪崩だ
慌てて非難を始める蠍王たち。周子舒は落ちてくる雪をながめ観念して目をつぶりました。
どうせ死ぬ運命・・
そこへ温客行が降りてきて周子舒から髪留めを奪い、鍵に組み立てると鍵穴に投げました。するとそれはすっぽりと穴におさまって扉が音を立てて開きました。
走れ!!
二人は入り口に飛び込みました。
俺の髪に武庫の鍵があったとは・・
温客行を見て呆れる周子舒。
生死を共にする約束を反故にした男よりはましだろ
不機嫌に温客行は言います。
怪我をしていたのにどうやってきた?
老いぼれ妖怪のおかげさ
温客行は葉白衣が眠っていた自分に気を送って治療した、と言いました。
俺がこの髪留めをつけて出発するとは限らなかったろう・・?
死地の旅に出る際は必ずこれをつけると思った
微笑む温客行に周子舒も思わず笑みをこぼします。
二人は荒れた武庫の中を歩きました。扉があったのでそれを開くと広場になっていて、どうやら熔炫たちの鍛錬の場所のようでした。温客行は足元に落ちていた「陰陽冊」の竹の書簡を拾って周子舒に渡します。
壁に本の並ぶ石室で周子舒は「斉民要術」という本を開いてみました。それは農耕について記された書物でした。
妙だな 何故ここには農書ばかりあるんだ?
温客行は不思議がります。
地下に降りていくと舞台のような丸い石の上に立派な装丁の箱が置かれていました。温客行は箱を開けてみます。
あったぞ これが六合心法だ!
部屋を見回すと穀物の入った袋が山積みにされています。
ここにあるのは農具や書物ばかりだ 銅銭一枚もない
周子舒は封印が拓掲文字であるのを見て、これが天下安泰の秘密だった、と叫びます。
伝説では沙陀族は宝庫を探し当てれば衣食に困らないとか ここに残された農具や穀類や農書こそ拓掲の祖先の秘密だったのだ
そうか!
温客行ははしゃぎだします。
遊牧民が農耕を習得して自給自足の暮らしを送れば天下泰平となる 農耕に励めという教えが天下泰平の秘密だったのだ 晋王は穀物と農具のために労力を費やしたってわけだ
可笑しそうに笑う温客行ですが周子舒は感慨深げです。
父は友人の師匠のおかげで宝庫を見つけられたが、その秘密を知ると前晋王から激怒されると悟った 危害が師匠まで及ぶことを怖れた父は宝庫の秘密を隠すためにそのまま武庫として利用させたのだ
温客行は笑いが止まりません。
晋王がこの事実を知ったらどんな顔をするか見てみたいものだな
老温、いい加減にしろ 俺たちは雪に閉じ込められている 氷雪を食べてどれだけ生きられる?
すると温客行は真顔になりました。
葉白衣が氷雪で何年生きながらえたと? 不思議だと思わないか 老いぼれ妖怪が意地汚く食べまくるのは100年以上俗世の料理を食べていないからだ 天に逆らうには代償がいるのさ
六合心法では全身の経脈を再構築し、若さを保って神仙のように生きられる 葉白衣が長明山に籠っていたのは人天の境界を抜けたが最後、極寒の地で氷雪しか食べられないからだ 俗世の料理を食べれば老化が始まる
周子舒は納得しました。
それで葉白衣は白髪が増えていたのか・・
阿絮・・もしここを出られたら共に氷雪を食べてくれるか?終わらぬ人生を一緒に
温客行が問いました。
俺はじき死ぬ それもいいかもな
周子舒は笑いました。
二人は六合心法の修練のために向かい合って座りました。温客行は語りだします。
六合心法は破壊と構築だ 地獄の苦しみの後で経脈が再構成され生まれ変わる だが体質によって苦痛の長さが異なるから二人で助け合って修行する 相手が限界に近づいたら、真気を送って共に乗り切るのだ
すると周子舒は言います。
俺の方が得だな 俺はもう味覚と嗅覚と触覚をすでに無くしている 痛みも感じない
そう言う周子舒に温客行は答えました。
わかっている 大巫と葉殿から諭された 修練を始めてお前が視覚と聴覚を失っても慌てるなと 体内の気の流れに集中しろ 難関を越えれば五感は回復する それを何度も繰り返す
わかった始めよう
二人は手のひらを合わせました。互いの気が巡り出します。
阿絮、天窗の首領で疑い深いお前が何故私を信じたのだ?最後にお前を欺いたがその前にお前も私を欺いたのだ 仕方がない
激しい気の本流の中で温客行は言いました。
温客行の髪は真っ白に変わっていました。葉白衣の言葉が蘇ります。
猛烈に暴れる六合の真気に血肉の体は耐えきれぬ 自らの命を犠牲にしたものから鍛錬した真気を受け取ってこそ経脈を再構築して生死の境界を越えられるのだ
だがそのものは経脈が壊れて白髪に変わる
あるものの犠牲により私は天人合一の呪いを受けてここまで生きながらえた
すべてはこの日のためだったのだな
<少年の日はとどまらず、また新たな少年が現れる・・>
目を開ける周子舒。目の前には白髪になった温客行が目を閉じてました。握り合っていた手は力なく落ちていき、再び周子舒の手を握ることはありませんでした・・。
蠍王と趙敬たちも雪崩に巻き込まれ、頭目を失った毒蠍は江湖から消えました。<終>
「山河令」最終週(第34話から36話)の感想
なんとこんな結末だったのですね!!温客行は自らを犠牲にして周子舒を救いました。深い愛に絶句です(号泣・・)。
実はカナエ、動画配信サービスでもう一つの結末を見ていましたが、そこでは温客行も生き残って永遠の知己として共に生きるという幸せな終わりになっています。だってねえ、顧湘と曹蔚寧も死んじゃって温客行までも、なんて残念過ぎるじゃないですか。ドラマの結末があまりにも悲しい方はそちらをご覧になってもいいかと思います(もちろん死んでも生きても温客行は周子舒にとって永遠の知己となったのですが・・)。
それにしても温客行役のゴン・ジュンさんの指が長くて綺麗でそれさえも涙😭でした・・。
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