韓国ドラマ「青春ウォルダム呪われた王宮」で優しげな王妃と宋家の首領の間には秘密の繋がりがあった?その第10話のネタバレあらすじ、感想も!!

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ドラマ

こんにちは、カナエです。今回もNHKBSで放送の「青春ウォルダム呪われた王宮」(第10話)について書きたいと思います。

ファンとジェイ、ソンオンは10年前の碧川の事件を探り始める

NHKでBSP4K(日)夜9時/BS(金)午前0時25分に放送

キャストとこれまでの物語

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<第4話>  <第5話>  <第6話>

<第7話>  <第8話>  <第9話>

ドラマのネタバレあらすじ(第10話)

第10話

ファン(パク・ヒョンシク)ジェイ(チョン・ソニ)ソンオンと別れ王宮まで歩きます。

世子様、兵士長様とまた友になれて嬉しいですか ずっと笑みを浮かべていらっしゃる

ジェイは言いました。するとファンは立ち止まります。

どうなさいました?

そちも友になってくれるか?

ジェイはファンを見つめます。

男と女は友になれぬと思うか

ファンは問いました。

そうではなく世子様への恨みがガーっとこみ上げてきたのです 王宮から追い出されて本当に悲しくて・・ 私を放りだして清々しましたか?

だからキチンと謝ったろう?

ファンは笑って歩き出します。

(は? いつ?)

ジェイは椅子を運んでいた時に会った際のファンの一言を思い出します。

”すまなかった”

あれがキチン

ジェイはファンを追いかけます。

あれだけですか? たった一言じゃないですか! 心を尽くして丁寧にもう一度ちゃんと言ってください ”そちが必要だ” ”私のそばにいてくれないか” と!

ジェイはファンに耳を向けます。

さあちゃんと言ってみてください

フッ

ファンは笑います。

(ミン・ジェイ 会いたかった)

ファンは心で呟きます。

(そちはどうだった? 萬研堂にいる間私のことなど思い出さなかっただろう)

何故何も言わないのですか?

ジェイはファンを睨みます。

(そちがいなくなった東宮殿はとてもガランとしていた)

話すのが嫌なんですか 謝るのがそんなに難しいんですか?

今心の中で言った

ファンは答えました。

は?

そちも独り言を言ったろう? だから真似をした

ファンが歩こうとするのをジェイは止めました。

それは駄目です 世子様は私の独り言を聞いたじゃないですか 私にもお聞かせください でないと不公平です さあ!

ジェイは顔を寄せます。

そちに知られるわけにはゆかぬのだ

そんなのあんまりじゃないですか!

陰口を言うよりましだろう? 椅子まで蹴っていたな

え?

あれは私を椅子に見立てたのだな

あれはあれで・・

まさか本当に?

世子様、これは完全に反則ですよ

ジェイはファンを横目で見ました。

もうよい そちは帰って休め

ファンは自分の書庫を示しました。けれどジェイは拒みます。

先に休むなどとんでもないことです 東宮殿までお連れします

夜も更けた 先に休め 男のなりをしていようともそちは女性だ

ジェイはファンの言葉を聞くとうつむいて靴で地面を擦りました。

そうだ 部屋に夜食が用意してあるから食べろ

・・は?

ジェイはファンの前でミョンジン達に「世者様は人使いが荒くて食事をとったかも気にしてくれない」と話したのを思い出します。

あれは・・

私はそんな非常識な人間ではないぞ テガンに用意するよう伝えた 早く食べろ

ジェイは帰っていくファンを呼び止めました。

世子様

ファンは振り返ります。

お腹がすいていらっしゃいませんか たくさん歩きましたので

ジェイはファンを食事に誘います。

***

二人は書庫の奥で食事をします。

わあ! チャプチェにユッケだ

ジェイは夜食を見て歓声をあげました。

久しぶりに会えて嬉しい!

ジェイはお菓子を頬張ります。

う〜ん 王宮のお菓子って本当に甘い!

ファンの視線に気づいたジェイはかしこまりました。

失礼しました 世子様 はしたない真似を・・

***

ソンオンは倉で婚礼で打ち上げる予定だった花火を見ていました。するとジュンオンが入ってきます。

父上、まだ起きていらしたのですか

ジュンオンは頷きました。

世子様は随分変わられたな

私もそう思いました

ジュンオンはソンオンが見ていた花火の箱に目をやります。

婚礼のために花火まで用意して頂いたとは意外でした 政に関わる者として贅沢な宴は控えるべきだとおっしゃっていたのに・・ 花火をすると人が集まってさぞかし騒がしくなったでしょうに

ジュンオンは優しくソンオンを見つめました。

お前は私のたった一人の息子だ 息子の婚礼であちらの町の人達が一緒に笑い、飲んで、たらふく食べる、それは贅沢なのではない

ジュンオンはため息をつきました。

だがいつまでも置いておくわけにはいかんな もう片付けねば 煙硝は役所を通じて開城府に届ける ミン・ジェイは亡くなった

ジュンオンは息子に告げました。

亡くなったのだからこれ以上探すのはやめなさい むなしいだけだ

父上・・

婚姻禁止令が解かれたら改めて縁談を見つける 一族の命運がかかっている これ以上延ばすことはできない わかったな

ジュンオンは倉を出ていきました。

***

ガラムは家に戻ると干していた洗濯物を片付けます。その様子を三人の男たちが見ていました。

やっと見つけたぞ チャン・ガラム

ガラムの人相書きを持った男が言いました。

兄貴、あれは男だからチャン・ガラムじゃありませんよ

男のなりをして逃げる女は山ほどいる 絶対にチャン・ガラムだ もしかしたら主のミン・ジェイも生きているかもしれん

兄貴と呼ばれた男は笑います。すると他の男たちも笑いました。

二人を捕まえて儲けようってことですね

そうだ 二人を捕まえて誰の所へ連れて行けば儲かると思う?

そりゃ兵士長の所でしょう? 身持ちの悪い許嫁のせいでご立派な家の対面に・・

兄貴の男が人相書きを丸めて話している男の顔を叩きました。

おめえはまだまだだな 国中の噂を右議政様が全部買ってくださるって話だ 右議政様に引き渡すのが一番だ 兵士長よりも大臣の方が太っ腹だろうからな

三人は笑います。

***

右議政のウォンボはジュンオンの屋敷から戻った役人の話を聞いていました。

友とその一族を救うため世子様がじきじきに無実を証明なさるとは いずれは民に慕われる王になるだろう

ウォンボは舌打ちしました。

チッ 余計なことを

お立場は大丈夫ですか

役人は訊ねました。ウォンボは引き出しからお金の袋を取り出し机に置きました。

万一の場合にも備えてある 報告助かった ご苦労

ではこれにて失礼します

役人はお金を受け取ると出ていきました。

***

食堂のポクスンは夫のマンドクの様子を見ながらこっそりかまどに矢を入れて燃やしてしまいます。食卓を拭いていたマンドクは落ち着かなげに周りを見回してからポクスンに聞きました。

なあ、知らせはなかったか

知らせって?

しらばっくれるな

私は知らないわよ

かまどの前に座っていたポクスンは夫を見上げました。

”宋家滅李”って書かれた紙だけど・・

マンドクはギョッとして妻を見ます。

口にするな!

バラまかれたのが近所だから覆面してても気づかれてしまう だから今回は呼ばれなかったんじゃないの?

そうかな・・

マンドクは息を吐きました。

この前星宿庁に行ったんでしょ 何が目的だったの? スモモの木が燃えたことと祈祷師に繋がりがあるならあんたも関わってるんじゃ? どこまで知ってるの?

マンドクは辺りを警戒します。

誰かに聞かれたらどうする! 俺は指示通りに動いているだけだ

指示に従えば故郷に帰れるの? 本当に?

絶対に戻る 名前も出身も隠したまま生きるのか? 俺だって本当の名を名乗りたいんだよ!

いっそネワン谷に行きましょう

ポクスンは言いました。

急に何を言い出すんだ?

マンドクは気を静めようと目を閉じました。

ネワン谷へ送る物を揃えておけ 法師様が来る頃だ

マンドクはそう言うと行ってしまいます。ポクスンは泣きながらかまどに火を焚べました。

***

ファンと食事しながらジェイは酒をぐい呑みしていました。

あ〜 酒好きの私のためにお酒まで用意してくれて 本当に優しいご主人様ですね

ジェイはファンにおちょこを差し出します。

は?

仕方なくファンは酒を注ぎました。するとジェイはそれも飲みきって台に置きました。

カーっ! 最高の気分です 世子様、とってもカッコよかったですよ 兵士長様のお宅で潔白を証明された時は胸がスカッとしました

ファンはジェイを見ながら訊ねます。

兵士長を思い出したのか

違いますよ さっき倉で見た蝋燭を思い出して

真相を明らかにしそちの潔白を証明できればあの蝋燭に火を灯せる

ファンは言いますがジェイは首を振りました。

兵士長様はとてもいい方です さすが父が選んだだけのことはあります でも私はいい方かどうか知る前からただひたすら好きでした

ファンは目をパチクリします。

どういう意味だ?

私がお相手を選ぶことはできません ご存知の通り婚礼は家同士の話ですから だったら嫌々嫁ぐより好きで嫁ぐ方がいいでしょう

だがそちは兵士長が好きだと言っただろう 一目惚れだと

もう! そんなわけないでしょう 子どもの頃一度会ったきりなのに 兵士長様を好きになろうって心に決めたんです 世子様もお妃様を選んだらそう決心された方が宜しいですよ

ファンはジェイの勧めを突っぱねます。

心のことまでそちに指図されるいわれはない

ではお妃様を嫌うおつもりですか

私は心のままに動く 誰かを好きだの嫌いだの前もって決められるか!

はああ〜

ジェイは呆れます。

なんてことでしょう お妃様がお気の毒です! 婚姻を前にとっても不安でたまらないでしょうに お相手がこんな薄情な方だなんてこれは大問題です!

ジェイは興奮して膝を叩きます。

一生添い遂げなければならない方なのに 顔も知らないまま嫁ぐなんてありえないですよね 

ジェイはファンに頼みます。

将来王様になられたら是非法を変えて下さい 相手に情が湧いたら婚礼をあげるっていうふうに! 一年はおつきあいして婚礼の前に手を繋いだり匂いを嗅いだり

匂い?

口づけもしてみないと そうじゃないととても一つの布団に入って寝るなんて

なんとはしたないことを言うのだ! そんなことがまかり通ればこの世はおしまいだ

そのうちそういう世の中になりますよ

ジェイは自分でお酒を注いでまたぐい飲みしました。ファンはジェイを見ながらため息をつきます。

兵士長も気の毒だな これから苦労しそうだ

***

ファンはソンオンにスンドルがジェイだと伝えると話します。

後は私に任せて兵士長のもとに行くほうが安全ではないのか

それより潔白の証明です 両親と兄を殺した犯人を見つけたら容赦しません 我が家は断絶したのですよ 私の手で犯人を捕まえ必ず罪を償わせます

そうだな・・

もしもやり直すことが出来たとしても兵士長様に嫁ぐ気はございません 内官として生きている方がはるかに幸せですから

ファンはジェイの話に目を丸くします。

その頭の中はどうなってる? 全くハチャメチャだぞ

世子様がおっしゃったんですよ 女の私に ”いいぞ” ”そうしろ” ”やってみろ” と そう言ってくださったのは世子様が初めてでした

ジェイは酒に酔って気持ちを打ち明けます。

それで心の赴くままにしたいことができました 女だと見られていた頃出来なかったことを・・今は偽物でも男の名前を貰って沢山の人の前で自分の意見が堂々と言えます 母と子の命を救い家族の笑顔を見ることが出来て嬉しかったです 内官であればこれからも人の役に立てるのです

ファンはジェイの話に微笑みます。

時々思うのです 私の救った赤ん坊、世子様が”明来”と名付けたあの子はどんな人生を送るのだろうと 世子様の内官になったことで私は逆境でも誰かの命を救えます 今日も兵士長一家を守れました

ジェイはまっすぐにファンを見つめました。

すべて世子様がそばにいてくださったおかげです

私もそちがそばにいたからできたのた

ファンも自分の気持ちを話しました。

それに嫁いだところで兵士長様の足袋を縫うだけですよ こんなに能力のある私を女というだけで台所に閉じ込めるなんて

ジェイは酔った勢いで話し続けます。

それに兵士長様がよそに女でも作ったら・・世子様も私の性格をご存知でしょ 私は絶対嫉妬して妻をやめます

ファンはジェイの話に吹き出します。

フッ そちならやりかねないな

私は内官の暮らしが気に入ってます 最高ですよ 嫁入りなんかしたらお酒もこんなふうに飲めませんからね

つまりそちは永遠に私のそばにいる気か?

ファンは聞きました。

あら! 素晴らしい考えだ 衣食住には困らないし禄も貰えます 世子様の性格もわかっているから叱られてもへっちゃらだし・・ そうだ! 将来王様になられたら私は一番偉い”尚膳”になれますね

勝手なことを・・ 誰がそちを尚膳にすると言った?

いいじゃないですか! 尚膳にして下さいよ!

こいつめ

どうせ内官はひげもいりませんし私にはこの仕事がピッタリです お嫁にいかずともこんな仕事が出来るんだと始めから知っていたら婚姻なんて鼻から考えませんでした

では兵士長が他の女性を娶っても構わぬのか

ジェイは少し考えます。

まあそれでも尚膳になる方がいいです 絶対やらせてください!

・・そうだな 嫁ぎもせずずっと内官でいる気ならそちを尚膳にしてやろう

本当ですか? 約束ですよ!

ジェイははしゃぎます。そんな二人の様子をテガンが扉の間から覗いていました。

この二人は・・

テガンは顔を強張らせて立ち去ります。

***

内務長官から知らせが来た

ミョンジンは家で母親から告げられます。

娘さんがお前を気に入ったって

父上、母上 それは・・違うんです! 娘さんにはこちらから・・

荷物をまとめてハムジンに行きなさい

アンジクがミョンジンに命じました。

何故ハムジンへ? 母上の実家に何か用が?

おじ上が部屋を用意してくれるから

母親は説明しました。

お前のために官職を用意した 半年過ごして・・

アンジクも言います。ミョンジンは困惑して両親を見ました。

父上、私はミョンジンですよ 学問所を追い出され科挙も受けていないのにどうやって官職に就くんです?

何を威張っているの? 科挙に受かっていたら父上がお前を官吏に採用するよう頼むこともなかった!お友達の息子さんは兵士長という要職に就いていて前途洋々なのに!

母親が怒ります。

(また始まった)

ミョンジンはうんざりします。

まずはな、真面目に働くことだ 私が呼んだらその時都に戻り役人になれ 仕事についてはそれ以上関与はせぬ

アンジクは告げました。

そんな・・いけません!

お前は好き勝手に町で遊び呆けていつまでブラブラするつもりだ そろそろ嫁を娶り家庭を持ち責任を負わねばならんだろう 都に戻り仕事が落ち着いたら婚礼を挙げるのだ

ミョンジンは父親の言葉に居を正します。

父上、萬研堂の仕事は決して道楽などではございません 人の命は大事だと父上もおっしゃいましたよね? 私にふさわしいやり方で私は私なりに世の中の役に立ちたいと思っています なのに父上は何故役に立たないと決めつけるのです??

すると母親が逆上しました。

口で言ってもわからないようね!

母親は硯の蓋をミョンジンに投げつけようとします。アンジクが慌てて止めました。

堪えてください! ほら、落ち着いて・・ね?

夫に言われ母親は蓋を置きます。

***

ミョンジンは萬研堂を訪れた内務長官の娘と話します。

そちらから破談にしてくださいとお願いしましたよね 約束を守らないなんて

娘は怒ります。

申し訳ない それが・・

まさか、私が好きなんですか?

いいえ! それはありません 大体あなたのことをよく知らないでしょう? あ・・

ミョンジンはうろたえます。

別にあなたを美人じゃないと言ってるわけでは・・

私を好きじゃないなら私の人生などどうでもいいと思っているのですか? あなたに嫁ぐつもりはないとはっきり言ったはずです 縁談の件が世間に知れたら本当に迷惑なんです

わかりました 両親にはなるべく早く話します

約束ですよ! 失礼します

萬研堂に来たガラムは二人の話を聞いて憤ります。

お師匠様に失礼過ぎる!

門から出てきた娘の足にガラムは足をかけて転ばせてやります。

へへへ

お嬢様! 大丈夫ですか

おつきの小間使が助け起こしました。娘は逃げていくガラムの後ろ姿を睨みます。

無礼なヤツ! 全くなんて日なの?

***

ガラムは萬研堂でしょげているミョンジンに話しかけます。

そこでキツツキ女を見ましたよ お師匠様の所に来たんですか

ああ・・

今度会ったらくちばしをへし折るって言ってましたよね 文句はちゃんと言ったんですか

言えなかった・・ 一言も

絶好の機会だったのに どうして言わなかったんです?

女性はか弱いだろ? ひどいことを言われても私より弱いのだから傷つけることなんてできない

・・はあ? あの女のどこが弱いんですか? 我慢せずにあの尖ったくちばしをバキッて折ってやれば良かったんですよ! キツツキよりお師匠様の方がずっと弱いじゃないですか!

ガラムの言葉にミョンジンは地面にへたり込みます。

そうだ ミョンジンは弱いよ キツツキにつつかれても何もできなかった 弱っちいよ

やめてくださいよ!

うう・・

こら! 泣くな!

***

ファンは王に左議政にかけられた陰謀を明かします。

それではこの帳簿は東宮殿の内官が尾行され奪われたと?

実にけしからんと思いませんか スモモの木が燃えた後国中にいる一族の者を使い減膳を要求した者達です また帳簿を奪っただけでなく左議政の失脚を謀るとは 父上、このまま見過ごして良いのでしょうか

すると右議政が王のところへ来ます。

王様、おはようございます 世子様も朝のご挨拶に? ああ〜 左議政殿のお宅で大変ご活躍なさったと伺いました そのご報告ですか?

右議政も朝会があるのに王様にお目通りを願うとは 何か大きな失敗でもありましたか

なんともはや 世子様は年長者を見下しておいでようだ 失敗などと スモモの木が燃えた事件が放火だと示唆する証拠を見つけましたのに 臣下として黙っているわけにはまいりません

ウォンボは釈明を始めます。

王様、ある店の前を通ったところかごかきが包みを見つけました 中には帳簿が

ウォンボは帳簿を手で示します。

そのうち一冊の帳簿の店が目の前にございましたので主に話を聞きました すると王宮の者が帳簿を持って行ったと言うではないですか ならば重要なものに違いないと思い調べたのです

その王宮の者がどこの誰なのか聞かなかったのですか

ファンは問いました。

もしや東宮殿の者だったのですか? いやいや参ったな ふふふ それは存じませんでした ははは

ウォンボは笑いながら続けました。

しかし仮にそれを知ったとしてもその状況で世子様に伺うべきでしたか? 王様に急ぎお伝えすべきでは?

その軽率な振る舞いが罪のない左議政に濡れ衣を着せたとは思いませんか

無実なら連行されても放免されたはずですよ 役人は王命を遂行しようとした それを何故邪魔なさったのか 左議政の息子の兵士長が友だからと庇ったのですか ならばそれは大変な問題ですよ

ウォンボはファンを見据えます。

次の国王である世子は公私の区別もつかないそんな方だと天下にさらしたのですから

右議政!

ファンは声を上げました。

左議政と兵士長は無実でした

ハッ!

ウォンボは横を向きます。ファンは王に訴えました。

右議政は国のためではなく政敵を陥れようとしただけです これは虚偽の告発をした罪で・・

しかしウォンボはファンを遮りました。

王様 減膳をなさったのはスモモの木に落ちた雷が天の怒りだと思われたからではありませんか? 実際は天の怒りに見せかけた王室への侮辱 ならば急ぎ犯人を捕らえ王様の無念を晴らす、それが臣下としての務めだと思いました

ウォンボは王に頭を下げます。

忠義の心を何とぞお察し下さいませ

王はファンとウォンボを見て告げました。

今回のこと右議政の判断が正しい 国を思う故の行動である 世子は政に介入してはならぬ 本分をわきまえ自重せよ

父の言葉にファンは頭を垂れます。ウォンボはほくそ笑みました。

王様、スモモの木が燃えたのは天の怒りではありません 減膳はおやめ下さい

ウォンボは勝ち誇ります。ファンは唇を噛みました。

***

ウォンボは朝会に行くジュンオンを呼び止めます。

これは左議政様 あ〜・・ 昨晩の件はご理解下さい 政とは・・いや〜あはは

大臣を陥れることが何故政なのですか? 忠義心と私利私欲が区別できないのですか? 忠臣とは王が憂いを抱けば解決すべく奔走し王が辱めを受ければ命をかけその恥をそそぐものだというが、右議政は王様をお助けするどころか減膳をするよう要求し王室の憂いを利用するとは!

ウォンボは手を振り否定しました。

いやいや・・いくらなんでも言い過ぎではないですか? 私が左議政様を疑うわけがないでしょう ですが証拠が出て参りましたので手続きせざるを得ず、・・で今回のことは形式的なことと思って下さい ・・それに

ウォンボは真顔になりました。

左議政様は何があっても心配なさそうですねえ ご子息は兵士長でいらっしゃる上に世子様のご友人 あ〜さぞかし心強いことでしょうな 羨ましいことです

ジュンオンを一睨みしてウォンボは歩き去りました。

***

ファンは碧川で起きた十年前の事件を調べるために「王室日誌」を読みたいとソンオンに話します。

「王室日誌」はむやみに見ることが出来ない 何か方法はないか

ファンはソンオンに訊ねます。

確かそちは担当のオ書記官と親しいだろう その者の父は昇進のためにチョ一族に取り入る輩と敵対したために追放された 辺境を転々として亡くなったから息子もチョ一族に恨みがあるはずだ 

ファンは話を続けます。

私が碧川のことを調べたいと言っている、そう伝えれば私の意をくむだろう

ソンオンは頷きます。

承知いたしました オ書記官を訪ねてみます

***

オ書記官を訪ねたソンオンは王室日誌を受け取ります。同行したジェイはソンオンから日誌を渡されました。

***

王と大臣達の会議では燃えたスモモの木が議題に上がっていました。

王様 左議政は潔白でしたのでスモモの木を燃やした犯人を探すべきです

アンジクが提案しました。

祈祷師は宋家の名を口にしました 碧川の残党だからこそ宋家の亡霊を装い王室を侮辱したのでしょう

パンスも話します。そして左議政も訴えました。

王様、碧川の盗賊どもの残党がいるならこれは根こそぎ討伐できなかった右議政の責任を問うべきではありませんか

するとウォンボの弟のウォノが反発しました。

左議政様、なんということをおっしゃるのですか 王命を奉じ忠誠を尽くし命がけで討伐した右議政様に褒美をお与えになった王様を侮辱する発言ですぞ あ〜呆れたな〜

ウォノは左議政たちを牽制しました。

***

ファンとジェイは王室日誌を読みます。そこには碧川の事件が記されていました。

五月十五日 軍務長官チョ・ウォンボが王様に申し上げた 平安道碧川で盗賊が民衆を集め反乱を起こし平安道の各地が乱れていると言った 

盗賊の首領は鍛冶屋の”宋なにがし”でおよそ四十人の盗賊が碧川の役所に押し入り役人や守備兵などを攻撃、執務室に侵入し役所の印を奪い役所を占領した 

そして穀物と武器を奪い牢獄から囚人達を開放し勢力を伸ばした

女達は暴行され反抗すれば容赦なく殺された

碧川長官チョ・ウォノは鎌で斬られむしろに巻かれ碧川の郊外に捨てられたが息を吹き返し溟州郡になんとかたどり着き朝廷に報告した

盗賊どもが碧川と周辺の村を征服し都に攻め入ってくる

知らせを受けた王は軍務長官のウォンボに命じた

長官、すぐ碧川に行き事実を確かめるのだ

事実であった場合は如何いたしましょうか 早馬を送りご指示を仰ぐべきでしょうか 事実なら事態は一刻を争います

もし長官の報告が事実なら討伐すべきだろう

では 私に出兵の権限を

王は権限を示す印をウォンボに与えた

王命を承りました

***

六月一日 王様が軍務長官のチョ・ウォンボを討伐軍の指揮官に任命し反乱が事実なら討伐するようお命じになった

ウォンボの軍が碧川に到着すると三百戸以上の民家が燃えていた 碧川を始め五つの村が陥落し逆賊どもは国を建てていた ウォンボは盗賊達と戦い首領を捕らえて都に戻った 

朝廷に報告が上がってから一月経っていた

逆賊を率いた首領であった宋なにがしは王命により生きたまま磔にされ十日後に死んだ

王様は反乱を平定した軍務長官チョ・ウォンボに最高位の称号を与え国難を救った功臣として新たに百二十の領地と使用人を褒美としてお与えになった

反乱が起きた碧川は村全体を焼き払い反乱の地として盗賊どもを徹底的に潰すよう命じられた

読み終えたファンは日誌を閉じました。

***

王様、十年前に碧川で起きた事件につきましてどうか再調査をお願いします その結果もし王室日誌と相違があればチョ・ウォンボにお与えになった官位を剥奪し領地を全て没収すべきではないでしょうか

ジュンオンは王に願い出ました。

さ、再調査ですと? どういうことです

ウォノは狼狽えます。

王様、生き残った私が証拠ですぞ 私の腹には鎌で切られた傷が残っております!

王様! 奴らは盗賊であり勝手に国を作った逆賊です 再調査など不要です

ウォンボも同調しました。

王様、調べなおし真実を暴いて下さい

ジュンオンは粘ります。

十年前出兵をお命じになったのは王様でいらっしゃる!

ウォンボも一歩も退きません。

***

世子様、全ての事件は碧川に端を発しています

ジェイは言いました。ファンは暗記していた名簿からある事実を導き出します。

そうか 祝詞を汚したオ・マンシクも祈祷師も碧川の出身だ!

ファンはジェイに命じました。

スンドル、そちに新たな仕事を与える

***

ソンオンが帰宅すると門の陰に星宿庁の巫女が立っていました。

お前は・・

お伝えしたいことがあります

巫女はソンオンに言いました。

***

家の裏でソンオンと巫女は話します。

ふと思い出したことがありまして

そうか どんなことだ?

ソンオンは訊ねます。

祈祷師様の殺人と関係があるかわかりませんがあの頃星宿庁に女性が来ていました

女性か 顔は見たか?

顔はよく見えませんでした 祈祷師様が開城に行くたびにその女性が来ていたようです

巫女は告げました。

***

女が来ていたと?

ファンはソンオンから報告を受けます。

使いの役として一味に女がいたのでは

ソンオンは話します。

まさか王宮の女でしょうか?

***

王妃付きのクォン尚宮が歩いていると文部長官のチョ・ウンユンと話すウォンボとすれ違います。

十年前の事件を蒸し返そうなんて

ウンユンの話に頷きながらウォンボはお金を落としていきます。クォン尚宮はそれを拾いました。

***

大君の具合はどうだった?

王妃はやってきたクォン尚宮に聞きました。

お薬をお飲みになり休まれたそうです お目覚めになったら知らせがまいります

そう

王妃は池の鯉を眺めながらウォンボの言葉を思い出していました。

”王妃様、どうか国王の母に そしていずれは国王の祖母におなり下さい”

ふふ

王妃様、どうなさいました? 笑みを浮かべられて

クォン尚宮が訊ねました。

私、笑ってた? 気づかなかったわ 鯉を見ていたから

鯉がどうかされました?

お付きの女官の一人が問いました。

ただの鯉ではない あれは十年前王妃様になられた頃寂しそうなお姿を心配なさった王様が放ってくださった鯉なの

クォン尚宮が代わりに答えました。

広い王宮が寂しくてここに来てよく泣いていたの 王様がそんな私をご覧になり喜ばせようと鯉を放つようご命じになった 鯉を見ると王様の優しさを思い出すのよ だから自然に笑ってしまったのね

王妃の話に女官達も微笑みますが王妃の心の中は違いました。

***

ウォンボとウンユンの二人は池の対岸にいる王妃に気づきました。

いや、美しいですな わが一族にあんな美人がいたとは しかも右議政様が討伐の勝利で故郷に戻ったおり偶然にも王様の目にとまり王妃になられたのですから 幸運なことだ

ウンユンは言いました。二人は王妃に向かって頭を下げます。二人を見た王妃もお辞儀を返しました。そして心の中で呟きました。

おじ様 大君を王座に就けて操るおつもりですか? それはありえません それまでおじ様は生きていらっしゃるかどうか

***

ファンはソンオンに王室日誌を返します。

オ書記官に礼を伝えてくれ 返す前にそちも読んでおくといい

はい 世子様

また祝詞の件のオ・マンシクを見つけよ やつは祈祷師と関係がある 必ず生きたまま連れてくるのだ

承知しました

***

ミョンアン大君は悪夢にうなされていました。

明かりを灯せ! 怖くて寝られない

内官たちが明かりを運んでいるのを王妃が見て理由を訊ねました。

大君様が怖いから明かりを灯すようにと

王妃は大君の部屋に行きます。

***

怖い夢でも見たの?

王妃は怯えている大君に聞きました。

宋家の蛇に襲われる夢を見ました!

大君は泣きながら母親に訴えます。

宋家は私を殺すつもりです 母上、大おじ様を呼んで下さい! 亡霊を退治してもらいます 蛇も宋家も凄く怖い 大嫌いです 宋家が李家を滅亡させるって・・

いいえ! そんなことはないわ

あの盗賊が蛇で私を殺しにくるんです

そんなことは決してない!

王妃は語気を荒げます。

どうして、母の言う事を信じないの? あの方は決してそなたを殺さない!

王妃は涙を流して息子の手を握ります。

母上・・

あの方は盗賊の首領ではない 私は知っている 決してそなたを殺さないし蛇を放ったりしない 夢を見ただけよ

母親は・・どうして宋家を知っているのですか?

王妃は言葉に詰まり息子を見つめます。

***

ファンに命じられジェイはカン内官を東宮殿に連れてきました。

世子様ご用でしょうか

カン内官、そちに聞きたいことかあって呼んだ そちの故郷は碧川だな

はい・・

碧川について聞きたいことがある

***

東宮殿のチェ尚宮は書状を書いていました。

”世子が碧川出身の者を東宮殿に呼んでいます”

チェ尚宮はそうしたためました。

ドラマ(第10話)の感想

第10話では気が優しい女性に見えた王妃の意外な面が現れました。もしかしたら祈祷師のところに行った女性とは王妃?・・かその命を受けた王宮の女官でしょうか?王妃は宋家の首領とも何か繋がりがありそうです(かつての恋人?)。まさかこれまでの事件に王妃が深く関わっているのかも。ウォンボもびっくりですね。

両親からの圧が強まったミョンジンはどうするのかな。そばに可愛いガラムがいるのに検視の能力が天才の割には全然気づかないのがもどかしいです。相性ぴったりの二人だから絶対うまくいきそうなのにねえ

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