こんにちは。カナエです。半年以上放送されていた「ポロス~古代インド英雄伝~」も終盤になりました。そこでこのドラマで印象的だった登場人物を挙げてみたいと思います♥。
まずは美しい戦士、アヌスヤ王妃から・・
悲劇の王妃アヌスヤ、そして史実でわかるアレキサンドロスとは?
⚔美しく凛々しかった王妃アヌスヤ
ドラマチック過ぎたタクシラ王国の兄妹の最期
物語りの冒頭でタクシラ国の王女アヌスヤは兄のアンビ王とジェーラム川 の交易権を得る競技に参加するためにパウラヴァ国にやってきました。その途上馬に轢かれそうになった子供をアヌスヤは助けます。アヌスヤの行いを見て兄王は叱責しました。
何故パウラヴァ国の子供なぞ助けるのだ
毅然としてアヌスヤは答えます。
パウラヴァ国の子供も同じインドの民。インドの将来を担う宝なのです
アヌスヤの言葉に兄アンビはただ冷笑するのでした。
アンビ王とアヌスヤの考え方が真逆に近いことが最初から示されていましたね。そしてバムニ王と結婚してパウラヴァ国の王妃となったアヌスヤ。義兄のシヴダット宰相から迫害されつつも子供(ポロス)を産み落とし、インド統一という自身の夢を息子に託しました。
しかしインドにはギリシャからアレキサンドロスという侵略者がやってきます。タクシラ国のアヌスヤの兄であるアンビ王はアレキサンドロスと結託して反目するパウラヴァを攻めようとします。
敵同士となって戦うことになるアンビ王とアヌスヤ。
既に二人はもう兄妹という絆を断ち切っていました。無情にアヌスヤに剣を向けるアンビ王。最期まで勇敢に戦ったアヌスヤでしたが兄の剣によって息絶えました。
アンビ王は甥のポロスに報復されますが潔くない死にざまでした。死に方もアヌスヤとは真逆でした。もし親がいたらどんなに嘆いたでしょう・・皮肉な兄妹の運命でしたね。
⚔プルのライバルとして描かれたアレキサンドロスの史実との違いは?
このドラマはインドの製作なのでかなりインド寄りに作られています。歴史に名を残したアレキサンドロス征服王とインドの王、プルが同じ日に生まれて宿命的に激突する!なんていうドラマを作るインドってすごい!!
そしてこのドラマはもちろんアレキサンドロスの人生に沿ったところが多いですが、違っているところもあります。その点を比べてみたいと思います。
<1>アレキサンドロスはゼウスを父とする神だった?
史実ではアレキサンドロスがエジプトに侵攻し占領した際、古代エジプトの太陽神「アメン」の聖地を訪問してそこで彼は“自分がアメンの子である”というお告げを受けたと言われています。当時アメンとはギリシア神話の最高神ゼウスと同じものと考えられていました。そこでアレキサンドロスは自分はゼウスの子、と考えたのです。
一方このドラマでは、アレキサンドロスは母オリュンピアスによって”そなたはゼウスの子だ“と教え込まれています。そしてプルとの最後の戦いの前に母親から“ゼウスの子ではない″と否定されました。そなたはマケドニアの王なのだと。
オリュンピアスはアレキサンドロスがバルシネを凌辱したことを怒っていました。それはアレキサンドロスの父親が自分にしたのと同じ行為だったからです。だからこそオリュンピアスは息子を夫の子ではなくゼウスの子であると主張しました。でも息子も結局は夫と同じことをした、神の子などではない!とオリュンピアスはアレキサンドロスに告げます。
もちろんアレキサンドロスはこれを認めません。何故ならこれまで自分は神であるという信念を軸にしてすべての戦いを勝ち取ってきたからです。母親オリュンピアスの言葉はこれからの彼の未来に暗い影を落とすものでした。
<2>アレキサンドロスに殺されたクレイトスはあくまでも部下だったのか?
史実では”クレイトス“はマケドニアの貴族でアレキサンドロスの乳兄弟、親友のひとりだったことになっています。そして東方遠征が進むうちにペルシアの風習に染まっていくアレキサンドロスに酒宴の席で不満を漏らしたことから大王の怒りを買って槍で体を刺し貫かれてしまいました。自分の友を殺してしまったことを後悔したアレキサンドロスは3日間テントに籠り食事も受けつけなかったという逸話があります。
ドラマではクレイトスは司令官ということになっています。バルシネにそそのかされて大王に苦言を呈したことで殺されてしまいました。槍で貫かれたところは同じでしたね。
(クレイトス役の俳優さんは最初の方と違っていました。バラモン僧・チャーナキヤも第5シーズンで別の役者さんになっているし、目立たないところではヘファイスティオンやバムニ王の死んだ息子カニシカ皇子のお母さん役も変わったかな?長いドラマだから一貫して出演し続けるのは体力が必要で大変かもしれませんね。)
<3>バルシネは本当に妃だったのか?
アレキサンドロスは史実によるとバクトリアの王女のロクサネ、ペルシア帝国のダレイオス三世の長女スタテイラ2世、同じくペルシア王の娘であるパリサティス2世と結婚しています。ロクサネはアレキサンドロスの崩御後に息子を出産しました。しかし王位継承を巡る争いの中でアレキサンドロスの母、オリュンピアスは処刑されロクサネも息子も暗殺されてしまいました。
ドラマに出てくるバルシネがいませんね。アレキサンドロスの側室にバルシネという側室がいてヘラクレスという息子を産んだという記録もありますが、この女性はあくまでも妃ではなく側室です。それにアレキサンドロスはダレイオスの娘スタテイラ2世と結婚していることからこのスタテイラ2世がドラマに出てくるバルシネと同一人物と考えられます。
調べてみるとスタテイラ2世とは公式的な名前でバルシネが通称だったという記述がありました。母親もスタテイラだったので区別する意味でバルシネと呼ばれていた可能性もあります。
どちらにしてもアレキサンドロスは女性には淡白で男色の傾向があり、ヘファイスティオンを友人兼恋人として常に傍に置いていたようです。ドラマでも司令官としてずっとつき従っていますものね。
(参考資料 Wikipedia)
以上、マガダ王などの新キャラも登場して最終回に向かってますますパワーアップしているポロス!その勇猛果敢な姿を最後まで見届けましょう!!
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