実話を基にした映画「永遠に僕のもの」で”人は何故残酷な美少年を愛するのか?”について考える

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映画記事

こんにちは。すっきりしない天気続きでイラつくカナエです✋。今回は犯罪史上類を見ない美しい犯罪者を描いた映画「永遠に僕のもの」をご紹介したいと思います!

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殺人鬼でありながらその美しさで国民を虜にしたカルリートス

映画データ

製作年  2018年 アルゼンチン、スペイン合作映画

原題   El Angel

監督   ルイス・オルテガ

脚本   ルイス・オルテガ、ルドルフォ・パラシオス他

美術   ジュリア・フリード

キャスト ロレンソ・フェロ、チノ・ダリン、メルセデス・モラーン他

映画のあらすじ(ネタバレ)

1971年、ブエノスアイレスで気まぐれに盗みを働く少年カルリートス(ロレンソ・フェロ)。絵画から出てきた天使の様な容姿を持つ彼は人のものを盗むという行為は神が遣わした自分というものの自然な行いだと思っていました。

カルリートスの両親は学校を変えることで性悪な息子をなんとか更生させようとします。しかし皮肉な事にカルリートスはそこでラモン(チノ・ダリン)という少年と運命的な出会いを果たすのでした。友人関係を深める二人でしたが、ラモンの父親から銃の撃ち方を教えられたカルリートスは彼らと組んで強盗を働くようになっていきます・・。

銃はカルリートスにとって自分を解放させる最高の手段でした。彼はためらうことなく邪魔な人間を殺して金品を奪いました。その残虐な行為は仲間になったラモンたちをも恐れさせるものでした。

あいつは底なしだ 気をつけろ

ラモンの父親は息子に告げました。

カルリートスは相棒になったラモンに密かに恋心を抱いていました。それは彼が初めてラモンを見た時から変わらないものでした。しかし自由に動き過ぎるカルリートスの無謀さを危惧したラモンは一緒に盗みを働くことをやめると言い出します。

愛するラモンと離れたくないカルリートスは運転する車を暴走させて事故を起こします。自分は軽い怪我ですんだものの助手席のラモンは死にました。

これできみは永遠に僕のもの

しかし警察の捜査網がじわじわと彼を追い詰めていきました。ついに刑務所に収監されたカルリートスですが、彼を見たアルゼンチン国民はその美貌に魅了され彼を「黒い天使」と呼ぶのでした。

映画のモデルになったカルロス・エディアルド・ロブレド・プッチという少年

【黒い天使と呼ばれたカルロス】

<画像出典>https://ameblo.jp/mio1384/entry-12528857785.html

カルロス・エディアルド・ロブレド・プッ チは1952年、アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれました。2021年現在では69歳になります。

その容貌から想像もできない冷酷非道な犯罪をおかしたカルロス。彼は1971年から1972年の間に11人の人間を殺し、殺人未遂や強盗、強姦、性的虐待、誘拐、窃盗などありとあらゆる悪事を繰り返したそうです。当然死刑になっても良い悪党でしたが、アルゼンチンは死刑制度を廃止しているので終身刑となり服役しました。

<画像出典>https://twitter.com/im_27e/status/1163757645917933569/photo/2

カルロスはカルリートスを演じたロレンソ・フェロのような甘い雰囲気はなくて端正だけれど冷めた感じですね。横じまのシャツや金髪が映画「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセンを連想させます。

(金髪碧眼の美少年というものは欧米で存在感が大きいのかな。昔欧米の貧しい人たちは髪の毛を売ってお金を得たそうですが金髪が一番高かったということです。←金色は銅や銀よりもやはり高価で至高の色なんでしょうね。 ‶赤毛のアン″が自分の髪の色に悩んだのも仕方ないことだったんだ😓。)

顔立ちが整っているだけでは”ちょっと綺麗な子だね”ということで巷でさほど珍しくはないのですが、良くも悪くも目立つことをして世間に知られると急に美女だ、美男だとその美しさがクローズアップされ、それだけが一人歩きしてカリスマ化していきます。カルロスの場合もその面立ちからかけ離れた犯罪をしでかしたおかげで映画まで作られてしまいました。

・・でも「人間の美」というものは時間とともに移り変わるはかないもの。どんな美形でも年をとれば老人となり、絵画の「モナリザ」のようにいつまでもそのままではいられません。

老境のカルロス

<画像出典>https://albblo.com/carlospuch

ちなみに「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセン

<画像出典>https://moviewalker.jp/news/article/24071/

究極の美少年と謳われた彼も「時」には勝てない。美しすぎたからこそ老いはより残酷に映るのか・・。どこか面影はありますが。

<画像出典>https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/g35475943/born-into-a-whutering-family-bjorn-andresen-210216/

カルリートスとラモンの関係

<画像出典>https://eiga.com/movie/91023/gallery/

映画でカルリートスはラモンを愛していますが、ラモンにはそんな気持ちはなくカルリートスはあくまで友達、相棒でした。ガールフレンドもいたカルリートスですが女の子は遊びだったけれどラモンのことは真剣だった・・自分の傍にいて欲しかったんですね。

結果彼を死なせてしまいますがカルリートス自身も破滅して刑務所に入れられます。ラモンと会わなければそこまで悪辣な人生にはならなかったと言えるでしょう。ずっと自分の気持ちを伝えられず(自分でもそこまではっきり意識していなかったのかも?)彼を見つめるカルリートスには切ないものがありました。

これはあくまで映画で実際のカルロスにはこんな逸話はなかったようですが、この逸話のおかげで映画を観る側はカルリートスという人物にも人間的な感情があったんだと思えます。そんな共感を生むように脚本を書いたルイス・オルテガはとっても巧みですね! 映画全般に流れる「La Casa del Sol Naciente」(“朝日のあたる家”のスペイン語バージョン)という曲も物悲しく心に響きました 。

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