映画「ツユクサ」は平凡な生活を送る中年女性に起こった小さな奇跡を描く。そのネタバレあらすじ、感想も!

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映画記事

こんにちは。カナエです。

今回は小林聡美さん主演の観れば元気が出る映画「ツユクサ」をご紹介します。

隕石の落下に見舞われた芙美!でもそれから思いがけないことが起きて・・

映画データ

公開年   2022年

監督    平山秀幸

脚本    阿部照雄

主題歌   中山千夏

キャスト  小林聡美、平岩紙、江口のり子、松重豊ほか

映画のあらすじ(ネタバレ)

中年女性の五十嵐芙美(小林聡美)は東京から引っ越して海辺の町の工場で働きながら暮らしていました。工場には妙子(江口のり子)直子(平岩紙)という仲良しの同僚がいて三人での遠慮のないお喋りは楽しいものでした。そして直子の息子で小学生の航平は芙美の”親友”で何でも話す間柄でした。

宇宙の好きな航平は望遠鏡で空を見るのが好きで、その晩も星をながめていると突然無数の星の中に眩い光が現れて山の向こうに落下していきました。

隕石が落ちた!

航平は叫びます。

***

その夜芙美は「断酒会」というミーティングに出ていましたが、その帰りに明るくなった夜空から何かが車にドスンと当たりました。

な、なんなの??

衝撃で芙美の車は横倒しになり、芙美は車からはい出します。車には丸い穴が開いていました。

どういうことよぉ・・

芙美からSOSの電話が来て、直子は車で迎えに行きました。車は修理に運ばれ芙美は途方に暮れて直子を待っていました。幸いたいした怪我はありませんでした。

いったい何があったの?

私にもわからない

芙美は直子に家まで送って貰います。

***

芙美はアパートで独り暮らしをしていました。部屋には東京で亡くなった息子のリョウの写真が飾ってあります。芙美は踏切で事故に遭った息子の死を思い出させる”踏切”の無い海岸の町に越してきたのでした。芙美に醤油が無いから買って来いと言われた息子のリョウは自転車の調子が悪いと言って買いに行くのを嫌がりました。それを芙美が叱って無理に買いに行かせたのですが、リョウは踏切で自転車が倒れ電車にはねられたのでした。それから芙美は深酒をやめられなくなり断酒の会に入ったのです。

***

航平は芙美に車にぶつかったのは隕石のかけらだと話します。

人に当たる確率は1憶分の1なんだよ

そんなものが当たったんなら幸せになれるかなあ

芙美と航平は車で隕石を探しに出かけます。芙美の拾った石はどれも隕石ではありませんでしたが、宇宙好きの航平はそれらしい石を見つけ、大学で調べて貰うと月の石だと言われました。航平は簡単に二つに割れた石の片方を芙美にあげました。

記念にペンダントにして貰おう

芙美はペンダントにした石を首にかけました。

***

芙美は健康維持のためにジョギングをしていましたが、その途中で顔を合わせる警備員がいました。あるときその警備員が休憩中に草笛を吹いているのを耳にします。そして芙美は久しぶりに(断酒中なので)食事をしようと寄った顔なじみのバーで酒を飲んでいるその警備員に出くわしました。

おや、二人は知り合いなの?

マスターに言われ芙美は篠田五郎(松重豊)と名乗った男性に聞きました。

この間草笛を吹いていましたね

篠田は最近この街にきたばかりのようでした。二人はバーでよく話すようになり、芙美は篠田に草笛を教えてもらいます。

***

篠田と親しくなった芙美は航平を連れて三人で海水浴に行き、航平が泳ぐのを二人でながめます。しかし航平は自分を篠田に息子だと紹介した芙美に釈然としません。そしてさらに芙美は自分の夫は捕鯨船の船乗りで今は南氷洋にいると嘘をつきました。芙美にしてみれば篠田にガードを張ったのですが航平は大人はうそつきだと感じます。

***

ある日航平が橋を渡っていると仕事帰りの篠田が自転車で追ってきて声をかけてきました。

冷たいものを飲みに行こう

そう誘われ航平はついていきました。店で航平がなんの仕事をしていたのか訊ねると篠田は歯医者さんだと答えました。

でも辞めちゃったんだ

どうして

歯が痛くても自分で治せないから

篠田と気の合った航平は山の秘密基地に篠田を連れて行きます。宇宙船のような形をした建物に篠田を入れようとしますが、そこで自分の好きな女の子が男の子とキスしているのを見てしまいひどく傷ついてしまいました。そして篠田に自転車に乗せて貰って帰りながら芙美のついた嘘をバラしてしまいます。

大人はみんな嘘ばかりつく!

航平は自転車を降りて泣きながら歩いて帰りました。

***

篠田に自分のウソがばれたと知った芙美は篠田を家に招いて食事を振舞います。そして篠田がリョウの写真を見ているとこの町に来たいきさつを打ち明けるのでした。

踏切を見たくなくて

芙美の気持ちを理解した篠田は帰りしなに芙美に訊ねました。

迷惑じゃなければキスしてもいいですか

戸惑う芙美を見て篠田は帰っていきます。しかし詫びを言いに戻って来た篠田に芙美は自分からキスするのでした。

***

篠田という恋人を得た芙美は幸せに包まれますが、航平は父親の転勤についていくことになり一家はこの町を離れることになりました。直子と航平という二人の友人を失う事になった芙美ですが、大人として普段と変わらずに接します。しかし篠田も自分の秘密を芙美に打ち明けま。

それは亡くなった篠田の妻の話でした。篠田の妻は鬱病を患い自殺したのでした。

僕は歯を治すことしかできなくて

ツユクサの草笛は妻が篠田に教えたのでした。

歯医者を畳んで僕もここに逃げてきました  でもツユクサはどこにでもあることがわかりました

篠田は静かに言いました。

僕は東京に帰ります

***

マスター、今日は飲みます

芙美はその夜だけ断酒をやめてバーで思い切り飲みました。そして酔っぱらってアパートに戻り息子の写真に語りかけました。

リョウちゃん、終わりました  お母さんはちょっとだけ女の子しました

そう言って芙美は寂しげに笑うのでした。

***

航平たちとの別れの日がきました。

お別れにハグしよ

芙美は航平をきつく抱きしめました。

恥ずかしいよ

芙美ちゃんはちゃんと幸せになるからね

芙美の言葉に航平は笑います。

僕がいなくても幸せになって

***

妙子と二人になった芙美は職場の休み時間に海岸を二人でぶらぶらと歩きました。生活は変わることなく続きますが夜になって歯が痛み出します。芙美は篠田の歯科医院に出かけていきました。篠田は以前のように歯を治療していましたが、芙美を見て驚きます。

痛みをとってください   そうすればまた頑張れます

芙美はそう言って治療して貰いました。

***

青い空の下芙美は埠頭にいました。芙美は着けていた月の石のペンダントを海に投げました。そして帰ろうとすると海から大きなしぶきが上がりました。

芙美はバーのマスターの言葉を思い出しました。

俺は昔捕鯨船の船乗りだったんだ   この海岸でも大きな鯨が飛びあがるのが見えたんだぜ

そして芙美には鯨が高くジャンプするのが見えました。

やだあ

笑いながら芙美が背を向けると篠田が立っているのに気づきました。篠田の優しい笑顔を見て芙美の心は躍ります。

隕石はもう当たらないけど芙美ちゃんは幸せになるよ

芙美は篠田に向かって走り出しました。

映画の主要キャスト

小林聡美(五十嵐芙美役)

1965年生まれ。東京都出身。
1979年、中学2年生で「3年B組金八先生」のオーディションに合格し、生徒役で女優デビュー。映画のデビューは1982年の「転校生」で、その後は「かもめ食堂」(2006)や「めがね」(2007)などに出演。ドラマでは1988年からは91年までシリーズ化した「やっぱり猫が好き」など人気作に出演している。映画「転校生」で報知映画賞新人賞を受賞したのを皮切りに日本アカデミー賞の新人賞や優秀助演女優賞など賞も多数受賞。                                                                                       身長156cm、血液型はAB。元夫は三谷幸喜。 

最近の映画出演作に「閉鎖病棟−それぞれの朝−」(2019)、「騙し絵の牙」(2021)、ドラマの出演作は「離婚なふたり」(2019)、「ペンションメッツア」(2021)など。

江口のり子(菊地妙子役)

1980年生まれ。兵庫県姫路市出身。
2000年に劇団東京乾電池に入団。「桃源郷の人々」(2002)で映画デビュー、2004年にタナダユキ監督作「月とチェリー」で初主演をつとめる。ドラマでは2006年からの「時効警察」シリーズで個性的な演技を注目された。親友は女優真木よう子。

身長157cm、血液型はO型。

近年の出演作ではドラマは「SUPER RICH」(2021)「うちの弁護士は手がかかる」(2023)など、映画は映画「ソワレ」(2020)、「あまろっく」(2024)など。

平岩紙(櫛本直子役)

1979年生まれ。大阪府吹田市出身。

高校卒業後の進学先を決める三者面談の際に演劇部の経験はなかったが役者をしたいと母に要望し、東京の舞台芸術学院演劇部本科に進学、2000年より劇団の「大人計画」に所属した。同年に上演されたミュージカル「キレイ−神様と待ち合わせした女−」で女優デビュー。「平岩紙」という芸名は主宰者の松尾スズキ氏が”肌が紙のように白い”ことから命名した。

身長161cm、血液型はA型。夫はロックバンド「フジファブリック」のメンバー、山内総一郎。

近年の出演は、映画では「本能寺ホテル」(2017)、「波紋』(2023)、ドラマでは「監察医 朝顔」(2019~2021)、「100万回 言えばよかった」(2023)など。

松重豊(篠田吾郎役)

1963年生まれ。福岡県福岡市出身。
明治大学文学部で演劇学を専攻し自らも俳優を目指す。大学を卒業すると蜷川幸雄が主宰する劇団「蜷川スタジオ」に入団し、3年後に退団すると舞台や映画、テレビドラマに数多く出演。生活苦から役者を諦めかけるが1992年黒沢清監督のホラー映画「地獄の警備員」で主役に抜擢されるとその後は”名バイプレーヤー”として評判になる。毎日映画コンクール男優助演賞やヨコハマ映画祭助演男優賞など数々の賞を受賞。

身長188cm、血液型はAB型。

近年の出演は、映画では「バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜」(2021)「余命10年」(2022)、ドラマでは「きょうの猫村さん」(2020)、「孤独のグルメ」(2012~2022)など。

映画の感想

大人になると甘くない現実を生きなければならず、それだけで人生は精いっぱいなんだけど、時々は優しい風が吹いて欲しい・・そんな願いが込められた映画です。主人公の芙美は人生が厳しいことがわかっていて、それでも生きて行こうと頑張っている人生のベテランで、息子が死んでも友達が去っても繋がりを大事にしながらその日を生きていきます。

でもそんな日々だって生きる充実感が欲しいと心のどこかで願っている・・隕石が落ちた日から芙美の人生に小さな変化が起きてそして芙美は愛しい人を得たのでした。

おとぎ話だけど生きていく人間に力をくれる映画です💛。

中年期を過ぎた男女のこれから恋ですか?みたいな恥じらいの雰囲気も良かったですね。映画全体に漂うユーモアと松重豊さんの”いい年だけどちょっとやるぞ的な”はにかんだ感じも微笑ましかったです。

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