こんにちは。カナエです。
今回はカナエが少女時代大好きだった小説「ジェーン・エア」の映画について書きたいと思います。
19世紀、シャーロット・ブロンテが生まれた地、ハワースとは?
映画データ
製作年 2011年 イギリス、アメリカ合作映画
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ
原作 シャーロット・ブロンテ
脚本 モイラ・バフィーニ
キャスト ミア・ワシコウスカ、マイケル・ファスベンダー、ジュディ・デンチ他
映画のあらすじ(ネタバレ)
両親を亡くしたジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)は義叔母と従兄弟のジョンと暮らしますが折り合いが悪く、ローウッド寄宿学校に入れられてしまいました。それでもくじけることなく勉強したエア。卒業後は資産家のロチェスター(マイケル・ファスベンダー)の姪の家庭教師としてその邸宅に赴きます。
ロチェスターの姪のアデールとはすぐに親しくなったジェーン。そして気難しい主のロチェスターも率直で愛情深いジェーンを気に入って、二人は徐々に心を通わすようになります。
ロチェスターを愛するようになったジェーンは彼からのプロポーズを受け入れますが、結婚式の当日思いがけない事実を知らされます。なんとロチェスターは結婚していて気の狂った妻のバーサを屋敷に隠していたのでした。
バーサとは愛の無い結婚だった ジェーン、きみを愛している・・
ロチェスターの釈明も衝撃を受けたジェーンの心には届きません。ジェーンは屋敷を出て荒野を彷徨いました。そして倒れてしまったジェーンを救ったのは宣教師のセント・ジョンでした。
セント・ジョンの協力で教師をして暮らすようになったジェーン。セント・ジョンは宣教師としてインドに行くことになると妻として一緒に行ってほしいとジェーンに結婚を申し込みます。けれどジェーンはロチェスターをまだ愛してはいました。
ジェーン・・ジェーン・・
ある晩ロチェスターが自分を呼ぶ声を聞いたように思ったジェーンは居ても立っても居られなくなります。ロチェスター家に向かったジェーンですが、なんと屋敷は無残に焼け落ちていました。妻のバーサが火をつけたのです。ロチェスターはバーサを助けようとしましたが、バーサは死に自分も失明してしまいました。ジェーンは彼のもとへ走ります。
そこにいるのはジェーンなのか
視力が無くてもジェーンの存在に気づくロチェスター。 何もかも失ったロチェスターとジェーンはついに結ばれるのでした。
映画の感想
この物語で強調されているのがジェーンもロチェスターも美男美女でない、ということ。原作者のシャーロット・ブロンテ(1816-1855)は容貌で異性を惹きつけることのないジェーンが自分に降りかかる逆境を自らの意思で果敢にそして潔く乗り越えていく姿を理想化することなく描きたかったんじゃないかなと思います。
◆原作者シャーロット・ブロンテについて◆
カナエは5年以上前ですが英国旅行をしたときにシャーロット・ブロンテの暮らした「ハワース」という村を観光しましたがここはムーアと言う荒野に囲まれた強風の吹きつける作物も育たない痩せた土壌の場所で19世紀半ばのハワースの平均寿命は25~26歳という悲惨な状況だったらしいです。
シャーロット・ブロンテの生家にもいきましたが、展示されていた衣類を見て大人になっても子供のように小柄で栄養状態が良くなかったことが偲ばれます。そんな中でシャーロット、エミリー、アンのブロンテ姉妹は豊かな想像力で小説を書きました。彼女らにとってはそれが姉妹間の遊びだったのでしょうがアンもエミリーも若くして亡くなり、長生きしたシャーロットも40歳に満たない年齢で亡くなったのを考えると本当に厳しい生涯だったんだなあと思います。
ブロンテ一家は牧師の父パトリックのもと6人の子供がいて一人だけの男の子、ブランウェルがブロンテ姉妹の肖像画を残しています。
みな30代はじめまでにばたばたと死んでしまい、唯一結婚したのがシャーロットでしたが妊娠中毒症のため38歳で死去してしまいました。
残ったのは父親の牧師だけで(84歳までの長寿)家系は断絶してしまったそうです。
シャーロット・ブロンテの書いた「ジェーン・エア」は家庭教師先のお屋敷のご主人と恋に落ちる主人公ジェーンの物語でした。
シャーロット自身も家庭教師をやっていたようです。というか当時女性は教師くらいしか仕事がなかったんですね。だから姉妹のエミリーやアンも同じ仕事をしています。
「ジェーン・エア」の物語は何度か映画やドラマになっていますが、カナエは2011年の配役が一番気に入ってます。ジェーンを演じたミア・ワシコウスカさんが派手ではないけど地味な美しさと気品があったし、ロチェスター役マイケル・ファスベンダーさんも美男役ではないけれど劇的なロマンスに合っていました。
名作は何度観てもいいなあ、と思います。
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