ムスタファ皇子の残酷な処刑は事実だったのか?「オスマン帝国外伝」(シーズン4)を観てその闇歴史について考えてみた!

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ドラマ

こんにちは。カナエです。

いや~なんか「オスマン帝国外伝」(シーズン4)第50話を観るのが辛かったです。ムスタファ皇子が処刑されるまでが長くって・・ああ本当に人生が終わってしまうのね・・とドラマを観ている以上に胸に迫るものがありました。そしてムスタファの亡骸を抱いて嘆く父のスレイマン皇帝は自分の罪とは言いながらいったいその傷をどうやって癒すのでしょうか?

この忌まわしい父子の対決は実際の事件だったのか?

1553年の真実

<画像出典>https://osmanteikokugaiden.blogspot.com/2020/10/blog-post_12.html

スレイマン1世の皇子の中で最初に成人した皇子ムスタファ(1515年~1553年 享年38歳)。彼に謁見したオーストリアの大使は礼儀正しく慎重で高貴な人間、とムスタファを讃えました。ベネツィア大使からも並外れた才能を持っていると高く評価され、国内でも国民やイェニチェリ(歩兵常備軍)から慕われていました。ムスタファはその高い人気ゆえにスレイマン皇帝に疎まれてしまったようです。

出る杭は打たれる、といいますが父親であってもスレイマンはオスマン帝国の皇帝です。自分の地位を脅かすほどに力を持ったムスタファを危険分子と考えるようになってしまった。そして皇帝の周りには皇子を陥れようと要らぬ話を吹き込む輩が多かったのです。年老いて病んだスレイマンは自らに自信を失っていたのかもしれません。そんな老皇帝の心に疑念を生ませるのは難しいことではなかったと言えます。

【悲劇の一日】

1553年、東方に遠征したスレイマン皇帝はエレリというところに進駐しました。その際大宰相リュステムはムスタファ皇子に軍を率いてエレリの軍隊に加わるように要請し、同時にスレイマン皇帝にムスタファ皇子が攻めてくると嘘の報告をしました。ムスタファが謀反を企てたと考えた皇帝はムスタファを自分のテントに呼んで処刑を断行。テントに入ったムスタファは突然襲撃され、激しく抵抗したもののリュステムの側近であるマフムト・アガによって絞殺されてしまいました。

(Wikipediaより)

「オスマン帝国外伝」では多分実際以上にドラマチックに美化して出来事を描いていますが、ムスタファ皇子がリュステム大宰相の報告通り父帝を攻めにきたなら父に呼ばれてものこのこテントになんか行かないと思います。ムスタファに謀反の意志がなかったことは史実からも明らかで、でも悲しいことに父には信じて貰えなかったんですね。

哀れにも父親に殺害されたムスタファ。悲劇の皇子の最期はヨーロッパにまで伝わり物語の題材にもなっています。

「ムスタファ皇子の最期」(1747年 パリ発行)

<画像出典>https://history.sseikatsu.net/endofmustafa/

父親以上に皇帝であるスレイマン

人間は権力を持つと人としての基本的な心情を忘れてしまうのかな、と思います。カナエも子供を育てたけれど男の子なんて幼い時は病気ばかりでオロオロしてました。いくら皇帝の息子と言えども昔の時代、成人するまで親は心配が多かったと思います。そんな苦労をして育てた子供を(母親任せ、医者任せだったかもしれないけど)疑いだけで殺してしまうなんてなんとももったいない話です。

まあスレイマン皇帝の場合は王位継承できる息子がジハンギルを含めて4人もいたのが大きかったのかな。帝国を存続するために皇子は必要、でも争いを避けるために王位継承したものは他の皇子を殺しても良い、それは万全に帝国を維持するための必要悪である、というのがこの時代の法であったんですね。

ある意味とても合理的だけれど渦中にいる人間たちにとってはたまらない酷な法ですよね。帝国の存続が人の命以上に価値を持つなんてなんて不幸。スレイマン皇帝の父親はクーデターを起こして王座を父親から奪い、息子まで殺そうとした人物。スレイマンが自分は望まないと考えつつも父親と同じ家族殺しをしてしまったのはなんとも皮肉なことでした・・。

ムスタファの息子メフメトがとびきり可愛くって・・

カナエはなんてかわいい子をメフメト役にしたんだろうと驚いちゃった。今でもここまで綺麗なのに成長したらどんな美少年になるのかなあと期待でいっぱいになりますね💛。

残念なことにジハンギルの画像しか見つからず・・(この子も可愛い!)

<画像出典>https://tsuyaco.com/2018/10/post-3866/

でもこの子たちもいずれは髭のおっさんに・・・←夢をつぶすな!

オスマン帝国シーズン4はシーズン1、2のハレムの女の争い的なチープな作りでなく重厚な歴史ドラマになっているので史実にのっとるならムスタファの息子のメフメト皇子の運命も絶望的・・この皇子の運命が薄幸であればあるほど可愛ければ可愛いほど観る人の哀しみが増す・・そんな子役ちゃんを選んだんですねえ。

もうほんとに自分の孫まで殺すなんて・・いくら父親の復讐を恐れたとはいえあんまりですわ・・💧。

(まあ日本でも平清盛が源氏の母子を殺さなかったことで結果的に源氏に滅ぼされてしまいましたから権力者に情けは要らないという見方もあるけど、ムスタファの場合は皇位を譲れば良い皇帝になったと思うので気の毒さがぬけません・・(=_=)。)

でもムスタファ役のメフメト・ギュンスーシュさん、殺害された後もずっと横たわったり軍隊に運ばれたりと遺体の時間が長くてご苦労様でしたね。絞殺されたなら普通ひどい形相なのに死に顔も美しく非の打ち所ない良い役で、皆に励まされたでしょう!スレイマン役の ハリット・エルゲンチュさんとも仲が良いみたいです♪。

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