こんにちは。カナエです。
今回はここまで恋人を愛せるのかと驚かされる映画「天文学者の恋文」について書きたいと思います。
自分が死んでも悲しみに沈むエイミーを守り続けたエド
映画データ
◆製作年 2016年 イタリア映画
◆原題 La corrispondenza
◆監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
◆脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
◆音楽 エンニオ・モリコーレ
◆キャスト ジェレミー・アイアンズ、オルガ・キュリレンコ他
映画のあらすじ(ネタバレ)
危険なスタントのバイトをする大学生のエイミーは大学のエドワード・フィーラム教授と秘密の恋を続けていました。天文学の権威として知られるエドワードはエイミーとは親子ほども年が離れていましたが彼女を深く愛していました。いつものようにホテルで逢瀬を楽しんで別れた二人。けれどそれきり彼らは会う事が出来ませんでした。
大学の講義に出かけたエイミーは突然エドワードの病死を知らされたのです。
そんな・・だってこの間メールが来たばかり
エイミーはエドワードに電話をかけますがつながりません。ネットニュースでも彼の死が報道されておりエドワードが死んだのは間違いないようでした。
それなのにエドワードからは変わりなくメールやビデオメッセージが届くのです。

エド!生きているの?どこにいるの??
エイミーはスコットランドのエディンバラのエドの自宅に行ってみます。けれど家族の姿はあっても彼はいませんでした。
途方に暮れるエイミーにまたエドからメールが・・
きっときみは僕の自宅の近くに来ているだろう
メールには自分の弁護士を訪ねるように書かれていました。エイミーはすぐに事務所に向かいます。
弁護士は彼の死は本当だと告げて、メールやビデオは彼が生前に手配したものでエドから頼まれて自分たちがエイミーに送っていると説明してくれました。
―これからも膨大な量のメッセージが届くでしょう。
・・・やはりエドは死んでしまった
喪失感に苦しむエイミーのもとにエドからメッセージが届きます
あなたはもう死んでいるのに・・
ビデオの中で天文学者のエドが微笑みます
宇宙の星が爆発して消えてしまっても、地球にいるきみはその光を今見ている。今の僕はその星と同じじゃないのかな。

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エドからのメッセージは続きました。
もし僕のメッセージを見たくなくなったらエイミーと11回書いて メールで 送ってくれ。そうすれば何も送られなくなる
エイミーはエドに誘われてイタリアの小島にある別荘に出かけました。もちろんエドはいませんでしたが島の人たちが暖かくエイミーを迎えてくれました。
レストランは予約されていてエイミーは一人で食事をしました。別荘にはプレゼントとして新しいノートパソコンが置いてありました。エイミーのパソコンが古びていたのをエドが知っていたからです。 島の女性アンジェラがエドから頼まれたと言ってDVDを渡してくれたのでパソコンで開いてみました。するとそのメッセージはエイミーの家族について触れたものでした。
エイミーが何故危険なスタントの仕事をするのか・・それは20歳の時エイミーが運転する自動車で父親を死なせてしまったからです。その罪悪感からエイミーは母親とも疎遠になっていました。エドはメッセージで母親との関係を修復するべきだと語りかけました。
余計なお世話よ!
過去の傷に触れられたエイミーは怒りに駆られてエドとの連絡を絶つメールを送ってしまうのでした。
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エドからメッセージは来なくなりました。エイミーは激しい後悔に襲われます。エドの弁護士に会って通信を再開して欲しいと頼みましたが、一度断ってしまったものは戻す手段を聞いていないと言われてしまいます。
エイミーは実家に戻り母親と久しぶりに話しました。スタントの仕事もやめました。
そしてなんとか通信を復活させようと奮闘し続けます。そしてやっとのことで再開する手段を見つけました。
・・・・再びエドのメッセージが届き始めました。

エイミーはエドの協力もあって優秀な成績で大学を卒業しました。
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最後のメッセージでエドは後ろ向きでした。弱ったエドはエイミーに顔を見せようとしなかったのです。
これから先のきみの人生を推測することは出来ない
彼はエイミーにもっと早く出会いたかったと言いました。そしてエイミーのためにメールやビデオメッセージを作り続けた最後の三か月間が自分にとって最も美しい時期だったと告げました。
愛しているよ

そう言って画面は閉じました。
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時は経って夜の街を歩くエイミーは旧友のジェイソンに声をかけられました。
これから飲みに行かないか?
また今度、と言ってエイミーは微笑みます。
でも電話する・・約束ね
そう言って暗い通りを歩いていくのでした。
恋人の行動を予測して死後メッセージを送ったエド
何がすごいってエイミーの気持ちや行動にそったメールを死んでから絶好のタイミングで送るというエドの推理力!エイミーもとてもエドが死んだとは思えなくて混乱してしまいますが、死後までエイミーに寄り添い死んだ後で(生きているときは言い出せなかったんでしょうけれど)母親とエイミーを仲直りさせるなんて自分を魔法使いと呼んでいたエドですがまさに魔法の力ですね。
別れのシーンでのエドは後ろ向きで寂し気でした。恋人のためにやれるだけやったエドですが、命もつきそうでもうこれ以上は無理というときになって言うのはただ一言
愛しているよ
人間は死には抗えない・・どんなに愛していてもみないつかは離れる運命だということが胸に迫る映画でした。
でもだからこそ必死の愛は切ないし美しいし、恋人の心に刻まれるんですね。
(エドは父親を事故死させたエイミーがずっと自分も消えたいと思ってスタントの仕事をしているのを知っていたので自分が死んだら自殺でもしてしまうんではないかと心配していたのかもしれません。それで死んだ後もエイミーを守ろうとした・・大学を卒業して新しく出発するエイミーに安堵したかもしれませんね。)
この映画で一番に幸せなのはやっぱりここまで愛されたエイミーでしょうか。エドを失ったのは辛いことだけど最上の愛で満たされた彼女はこれからの人生を強く生きて行けそうです。新しい出会いもありそうで希望の見えるラストでした💛。
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