こんにちは。カナエです。今回は掃除機をかけながら自然と唄っていた唱歌が気になったので調べてみました。<以下敬称略>
音楽の教科書に載っていた「思い出」って何処の曲?
「思い出」の歌詞は?
カナエが歌っていたのは小学校の頃音楽で習った「思いで」という外国の曲でした。この曲に歌詞をつけたのは古関吉雄という明治大学の教授でした。
作詞/古関吉雄 作曲/ベイリー
かき(垣)に赤い花さく いつかのあの家
ゆめに帰るその庭 はるかなむかし
鳥のうた木々めぐり そよかぜに花ゆらぐ
なつかしい思い出よ はるかなむかし
白い雲うかんでた いつかのあの丘
かけおりた草のみち はるかなむかし
あの日の歌うたえば 思い出す青い空
なつかしいあの丘よ はるかなむかし
小学校音楽の教科書に載っていたのは古関吉雄の歌詞(昭和22年から「六年生の音楽」に掲載)ですが、他にもこの曲には藤田圭雄や伊藤武雄、古い時代では近藤朔風や津川主一が歌詞をつけていました。古い歌詞の方が原詞に意味が近いようです。
古関吉雄とはどんな人?
古関吉雄は国文学者で、明治大学の教授を長らく務め、外国の民謡や、学校校歌の作詞で有名。 平成7年(1995)没。 「古関メロディー」として国民から親しまれた作曲家、古関裕而とは従兄弟。アメリカ合衆国で賛美歌として歌われていた「フリー・アズ・ア・バード (Flee as a bird)」に歌詞をつけた「追憶」という曲も広く知られている。
※以下で「追憶」をご紹介します。
追憶
星影やさしく またたくみ空
仰ぎてさまよい 木陰を行けば
葉うらのそよぎは 思い出さそいて
澄みゆく心に しのばるる昔
ああ なつかしその日
さざ波かそけく ささやく岸辺
すず風うれしく さまよい行けば
砕くる月影 思い出さそいて
澄みゆく心に しのばるる昔
ああ なつかしその日
原曲の歌詞との違い
古関吉雄の歌詞は元々の原曲の歌詞とはかなり内容が違っています。教科書に載せるためにわかりやすくしたのか詳しいことはわかりませんが、「思い出」の原曲の歌詞は恋愛を歌ったものでした。
Tell me the tales that to me were so dear,
Long, long ago, Long, long ago;
Sing me the songs I delighted to hear,
Long, long ago, Long ago.
Now you are come, all my grief is removed,
Let me forget that so long you have roved,
Let me believe that you love as you loved,
Long, long ago, Long ago.
Do you remember the path where we met,
Long, long ago, Long, long ago?
That’s when you told me you would not forget,
Long, long ago, Long ago.
Then, to all others my smile you preferred.
Love, when you spoke, gave a charm to each word,
Still my heart treasures the praises I heard,
Long, long ago, Long ago.
Though by your kindness my fond hopes were raised,
Long, long ago, Long, long ago;
You by more eloquent lips have been praised,
Long, long ago, Long ago.
But by long absence your truth has been tried,
Still to your accents I listen with pride,
Blessed as I was when I sat by your side,
Long, long ago, Long ago.
大正時代に広く知られた近藤朔風の歌詞は原曲に近いものでした。
語れ愛(め)でし真心(まごころ) 久しき昔の
歌え床(ゆか)し調べを 過ぎし昔の
汝(なれ)帰りぬ ああうれし 永き別れ ああ夢か
愛ずる思い変わらず 久しき今も
逢いし小径(こみち)忘れじ 久しき昔の
げにもかたき誓いよ 過ぎし昔の
汝(な)がえまい 人にほめ 汝が語る 愛に酔う
やさし言葉のこれり 久しき今も
いよよ燃ゆる情(こころ)や 久しき昔の
語る面(おも)は床しや 過ぎし昔の
永く汝(なれ)と 別れて いよよ知りぬ 真心
ともにあらば楽しや 久しき今も

<画像出典>yamaguchi-tourism.jp/spot/detail_14537.html
古関吉雄の歌詞には恋愛の要素はなく子供に伝わりやすくするために風景を歌詞にしたのかもしれません。子供にとっては歌詞の情景が浮かんでわかりやすかったと思います。カナエ自身もこの歌詞に親しんでいたので「原曲は恋愛の歌詞だったんだ」と驚きました。「追憶」の原曲は賛美歌だし、「思い出」」の作曲者、ベイリーも昔の人なので自由な歌詞がつけられたのでしょうか。二つの歌詞は共に昔を懐かしむものですが風景の描き方に情緒が感じられる素晴らしい歌詞だと思います。古関裕而という高名な音楽家が従兄弟なのをみても古関家は芸術的な才能に溢れた家系だったのですね。「思い出」も「追憶」もカナエが時折思い出す大好きな唱歌です。
曲にまつわる思い出
「思い出」という曲を聴くと小学校時代の同級生だったアライ君を思い出します。アライ君は赤いバラが咲く綺麗な洋館に住んでいてピアノが上手でした。亡くなった母は小学生のカナエにアライ君の母親は芸者さんで後妻に入った人だとか、複雑な大人の事情を教えてくれましたが、小学生のカナエにはピンと来ませんでした。

<画像出典>note.com/ba_bamamma/n/n5ba7ae163f52
アライ君は色白で女性的な柔らかい感じの少年でしたが、当時ドリフターズが全盛期で子供達は「8時だよ、全員集合」という番組を皆観ていました。そこでドリフターズのメンバーだった荒井注の言う「何見てんだよ!」というのが流行語となっていて、アライ君はただ名字が一緒だっただけなのに笑いものにされてなんか気の毒だったのを今になっても思い出します。もうあれから50年以上経ってますが・・どうしてるかな😅。
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