今はいない人たちの暗躍を描いた不思議な映画「サンセット」の焦点はなんだったのか??そのネタバレあらすじ、感想も!

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映画記事

台風の影響で蒸し暑い日々ですね💦カナエです。

今回は第一次世界大戦前のヨーロッパの闇世界を描いた不可解な映画「サンセット」をご紹介したいと思います。

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映画の見どころは主人公の女性を至近距離で撮影した独特のカメラワーク!

🔫映画データ

製作年

2018年 ハンガリー・フランス合作映画

原題

Napszallta

監督

ネメシュ・ラースロー

脚本

ネメシュ・ラースロー、クララ・ロワイエ他

音楽

メリシュ・ラースロー

キャスト

ユリ・ヤカブ、ブラド・イバノフ、エベリン・ドボシュ他

🔫映画のあらすじ(ネタバレ)

第一次世界大戦が始まる前の年の1913年、オーストリア・ハンガリー帝国の首都ウィーンに次ぐ都市ブダペストはヨーロッパの中心都市として栄えていました。若き女性イリス・レイター(ユリ・ヤカブ)は、彼女が2歳の時に亡くなった両親の店、レイター帽子店で働こうとブダペストにやってきます。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

けれども現オーナーのブリル(ブラド・イバノフ)はイリスを歓迎しませんでした。彼女に早く街を出ろと言います。しかしイリスの方は自分が生まれた街が惜しまれてなかなか出る気になれません。そして自分にカルマンという名の兄がいたこと、そしてレイター帽子店で働いていた兄がレディ伯爵を殺して姿をくらましていることがわかるとその兄を探し始めるのでした。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

兄の行方を知る手掛かりはつかめず、寄る辺無い身のイリスは帽子店に舞い戻ります。そんなイリスに仕方なく泊まる部屋を提供するブリルでしたが、その部屋に残された衣類からそこが兄の部屋だったことがわかります。ブリルはカルマンの殺人事件の痕跡を店から消すのに何年もかかったとイリスに言いました。

イリスは兄を探し続けます。少しでも兄を知っていそうな人間の処へ行き兄の居所を訊ねるのですがはぐらかされてしまうのでした。それでもしつこく追ううちに、イリスはレディ伯爵の夫人が演奏会を催す屋敷に行き着きます。イリスは兄カルマンを探しますがそこで激しい銃撃戦がおこり、命からがら逃げだしました。逃げるイリスをカルマンの知り合いらしき男が助け一緒に安全な場所へ避難します。しかしその男は今夜のような襲撃の計画があり、イリスにも加わるよう促しました。イリスは恐怖を感じて逃げ出し、追ってくる男を殺してしまいます。

やっとのことで帽子店に戻ったイリスはオーナーのブリルにレディ伯爵の屋敷の銃撃の話をしますが、ブリルはそのことについて何も言いませんでした。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

帽子店で過ごすうちイリスは店で何か秘密のイベントが行われようとしているのを嗅ぎつけます。レイター帽子店は王侯貴族が帽子を買いにやって来る高級店でしたが、ブリルは女性店員たちを着飾らせてダンス・パーティにつれて行きました。隠れながら彼らについていったイリスが様子を見ていると、どうやらパーティで人気のあった女店員が王室に差し出されるようです。そしてその目的は売春まがいのいかがわしいものでした。レイター帽子店は王室に女性を斡旋していて自分の両親もそれを行っていたと知り、イリスは落ち込みます。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

兄カルマンはそんな王室と帽子店の癒着を許せず、伯爵夫人邸を襲撃したように店を襲う計画を立てているようでした。そしてついにその日はやってきて店は銃撃され暴徒にブリルや従業員たちは殺されていきます。イリスがカルマンの残していた服を着て兄になりすますと襲撃犯たちはイリスを見て「レイター!」と喝采をあげるのでした。その後イリスは噴煙の舞う店を出て夜の闇に中に消えていきます。

そして始まった第一次世界大戦・・イリスは従軍看護婦として駐屯地で働くのでした。

🔫映画の感想・・曖昧でミステリアスな物語

一風変わった映画でした。とにかくカメラが主人公のイリスに密着して後ろ姿ばかり追っている。だから観る側はイリスの後ろ姿ばかり観ていて、そこに意味ありげな顔をした人が近づいて来て話しかけては去っていく。イリスは自分本位にあちこちの場所へ(兄を探して)歩き回るので、ちょっとロールプレイングゲームをしているみたいな感じもしました。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

そしてイリスの兄というのが探しまわるのに結局最後まで出てこない。だいたいオーストリア・ハンガリー帝国のあった時代は貴族の力が絶大でそんな貴族を殺した男が平気で生活できるはずもなく、刑務所に入れられたままか処刑されてるのが普通だと思えます。

それでもこの映画では兄カルマンは反政府勢力の親玉みたいになっていて、貴族の屋敷や女性を売春させている店を襲ったりしています。でもイルマがいくら探しても、いるのは暴徒ばかりで肝心のカルマンは見つからないんですよ。

↑こういう悪夢ってないですか?どこかに行けなければならないのに道がわからなかったり、気づいたら裸足だったり、一緒にいた友達が突然いなくなったり、場面が急に変わって別の場所にいたり・・。この映画はそんな悪夢に似た展開をしています。

夜道や祭りムードの大勢の人の中を強面で歩くイルマ・・完全な異邦人なのに憑かれたように兄を探して歩くだけ。どこに行くともわからずに電車に乗ったりするので観ている側も途方に暮れ、知らない土地で迷子になったような気持ちに襲われます。

<画像出典>https://eiga.com/movie/89566/gallery/

**結局何を言いたかった映画なのかな**

帽子店の豪華な店内、きらびやかな衣装の客、夕暮れ時の旧式の電車、暗い道を歩くゴッホの絵の中の様な黒服、黒いシルクハットの男たちの群れ・・。

これらは1910年代のオーストリア・ハンガリー帝国があったころの世俗の風景であり、貴族階級が絶大であった時代から第一次世界大戦が起こってその階級が力を失っていく・・サンセットとはそういう意味でつけられた題名じゃないかと思います。そんな貴族が力を失っていく世の中の動静をイルマという一人の女性の視点から描いているんですね。歴史的には1914年に帝国の皇位継承者が暗殺されるサラエボ事件が起きて第一次世界大戦となっていき時代は転換していくのですが・・。

ちなみにこの映画はネメシュ・ラースロー監督のおばあさんの実際の話を基にしているそうで、展開がリアルに胸に迫るのはそのせいかもしれません。

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