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Netflix映画「パレード」を見ていつか人が向かう”死後”について考えてみた。その映画のネタバレあらすじ、感想も!

映画記事

こんにちは。カナエです。今回はNetflix映画「パレード」について書きたいと思います。

地震で津波に見舞われた美奈子は不思議な人たちと出会う

映画データ

製作年 2024年

監督  藤井道人

脚本  藤井道人

美術  宮守由衣

キャスト  長澤まさみ、坂口健太郎、横浜流星、リリー・フランキー他

配信  Netflix

映画のあらすじ(ネタバレ)

地震が起こり津波に襲われた美奈子(長澤まさみ)は息子のを探して瓦礫の中を歩き避難所に行きます。しかし美奈子がいくら呼び掛けても誰も美奈子に応答してくれませんでした。美奈子は会社の先輩を見つけて話しかけますが先輩も美奈子に気づかない様子です。

なんでよ! 先輩!

美奈子は肩を揺すぶろうとしますが、美奈子の手は何故か透けて先輩の肩を掴めません。

どういうこと?

途方に暮れた美奈子が避難所を出て歩いていると車に乗った青年が声を掛けて来ました。

どうしました?

私が見えるんですか?

青年は美奈子を車に乗せます。

お困りなら何かお手伝いができるかもしれません

青年は言いました。

***

アキラ(坂口健太郎)という青年は観覧車の見える屋外カフェの前に車を止めました。カフェのテラス席にいた男性三人とカフェの店主らしき女性がアキラに笑いかけます。アキラは美奈子に彼らを紹介しました。

年配の男性は映画プロデューサーだったマイケル(リリー・フランキー)、眼鏡をかけた真面目そうなスーツ姿の男性は元銀行員だという田中(田中哲司)、優男できつい目をした若い男性は勝利(横浜流星)と呼ばれていました。カフェで飲み物や食事を作っている女性はかおり(寺島しのぶ)という名でした。 

美奈子さん、何か飲みませんか

四人は美奈子にテーブルに座るよう勧めます。けれど美奈子は状況が飲み込めず混乱していました。

私、のんびりしていられないんです

息子の良を探さねばならない美奈子は断ります。しかし皆は美奈子に驚くべきことを告げました。

美奈子さん、あなたは亡くなったんですよ

***

次の日になっても事態を納得していない美奈子にマイケルが説明します。

ここいいるみんなはこの世に未練があって、”この先の世界”に行けない人たちなんです 美奈子さんも未練があってここにとどまっているんでしょう?

私は息子の良を探しています

それなら今夜は私達と行きましょう

五人は美奈子を”パレード”に誘いました。

***

パレードとは死んでいても会いたい人がいてこの世に残っている人達が新月の夜にあちこちから集まって自分の会いたい人を探して歩く催しでした。美奈子がアキラたちと歩いていると何人かの人が会いたかった人を見つけて抱き合う光景を目にしました。それは家族や恋人のようでした。歩いている人々は再会を喜ぶ人達を暖かく見つめます。

***

カフェに集う五人にも会いたい人がいるのでした。

マイケルは学生運動をしていた頃の恋人に、ヤクザの抗争の最中に死んだ勝利は自分の妻に会うまではこの世を去ることができないと決めていました。

アキラは病弱だった自分が死んでから息子の小説を書いている父親が小説を書き上げるまでかおりは自分の子供たちを見守っていてお産の近い娘が子供を産むまでは先の世界には行けないと留まっていました。

そして田中は彼らの未練が消えた時に先の世界への出発を助ける案内人なのでした。

***

かおりのカフェにナナ(森七菜)という高校生がやってきました。ナナは同級生のいじめに耐えきれず手首を切って自殺を図ったのですが、残された親友が一人でいじめを受けるのを心配していました。辛い高校生活を送り素直になれなくなったナナですがパレードに参加して再会を喜ぶ人を見るうちにだんだんと美奈子達に心を開いていきます。

***

自分の七回忌にお墓に行った勝利は花を添えに来た妻を死んでから初めて見て後を追いました。妻はアパートで別の男性と暮らしていて、性格の良さそうな男性は妻を自分の実家に連れていき親に紹介する話をしていました。

顔は俺の方がいいが、あいつならお前をきっと幸せにしてくれる

勝利は妻に呼びかけます。安心した勝利は田中に案内され先の世界に旅立ちました。

***

パレードで良のいる場所を見つけた美奈子良のいる施設を訪れ眠っている良を抱きしめます

良が生きててよかった

息子に会えた美奈子は田中に先の世界に行くよう促されますが、昔の恋人との映画を作りたがっているマイケルのためにその映画を手伝ってから旅立つと田中に話しました。

カフェの仲間の協力でマイケルは映画を完成させると元恋人の家に行きます。元恋人の麻衣子は学生時代の先輩と結婚していてその先輩はマイケルの先輩でもありました。先輩は二年前に癌で亡くなりましたが家で生前のように暮らしていました。当然マイケルの姿も見え、マイケルに今更会いに来た理由を問いました。

映画を作ったので見てもらいたくて

しかしまだ麻衣子は存命していて先輩は麻衣子の部屋にマイケルを案内しました。麻衣子はイングリッド・バーグマンの映画を見ていました。それはマイケルも好きな映画でした。

妻はお前の作った映画を全部見ていたよ

先輩は言いました。マイケルは後ろから優しく麻衣子を抱きしめました。

***

カフェの店主かおりも娘の出産を見て満足し田中に案内され旅立ちます。美奈子もマイケルもアキラも旅立ちカフェには誰もいなくなり観覧車には草がはびこり荒れ地になりました。

***

ナナは病院で意識が戻り回復すると高校を卒業し社会人になります。

映画監督となったナナは良やかおりの子供たちと親交を持ち、マイケルが作った映画をもとにした”パレード”という題名の映画を上映して良やかおりの家族と観るのでした。

映画の見どころ

亡くなった人達が会いたい人を探して行列を成して歩くシーンが圧巻でした。星の流れる夜空、通りに灯る暖かい町の明り、人達の周りを飛ぶオープ(光の玉)、不思議で優しさが滲む場面でした。

映画の感想

人は死ぬとどうなるのか、人というものはどういう存在なのか・・これは古代からの哲学的疑問でした。この映画では未練を残して死んだ人は未練がなくなるまで現世を漂い、会いたい人と再会し未練が消えると先の世界には旅立つという死後の在り方にしています。

人間の死後を記した何冊かの本を読むと、人間は死んだ後はしばらく現世の様々な縛りから解かれずにいますが徐々にそんな縛りが緩み、そして縛りから自由になると光の存在へと向いその光と一体になる、そんな風に書かれていました。

個体として自我を持っていた人間が物理的な肉体がなくなったことで最初は生きていたときの記憶や習慣が残っているものの、だんだんにそれらが消えていき個我としての自分もなくなって大きな存在の一部に還る・・本にはそんな人間の変遷が記されていました。

オババカナエも年を取り”死”というものが近くなってきたのでこうした映画を観ると自分の死後のことを考えずにいられません。これまで人生を生きてきて思いがけないことも起こり後悔も大きいのですが、これからの時間を充実できればいいなあ、と思います。最後に愚かな人生だったと思いたくないので。

この映画は死後の世界を柔らかく美しく描いていて、観る人に自身の死について暗い気持ちに陥ることなく考えさせてくれます。こんな風に仲間に暖かく導かれて光の世界にいけるといいんですけどね・・カナエはまだ修行が足りないかな?

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