こんにちは、カナエです。今回もNHKBSで放送の「青春ウォルダム呪われた王宮」(第16話)について書きたいと思います。
王家に復讐を企てる王妃の一派はハヨン王女を暗殺しようとする
NHKでBSP4K(日)夜9時/BS(金)午前0時25分に放送

<画像出典>natalie.mu/eiga/news/567012
キャストとこれまでの物語
ドラマのネタバレあらすじ(第16話)
大君はウィヒョン世子に桃を食べさせたのは自分だと話します。王妃は思わずその口を塞ぎました。
それ以上言っては駄目よ! 殺される
ハヨン王女は茫然と二人を見つめます。そこへ王がやってきました。王は三人の様子がおかしいのに気づきます。
どうした 何かあったのか
王は王妃に問いました。
何故口を塞いでいたのだ?
王妃が言葉に詰まっていると代わりにハヨンが答えました。
お父様 何でもありません 大君が眠れずにうわ言を 幻覚が見えるようです
ハヨンは弟を庇います。王妃は感謝の目をハヨンに向けました。
一体何が見えたのだ
王は泣いている大君のそばに座って訊ねます。大君は母親を見ますが王妃は首を振りました。するとまたハヨンが代わりに話しました。
スモモの木が燃えていると・・
王はそれを聞くと大君の額に手をやります。
熱がある だから気力が落ちて幻覚が見えるのだ スモモの木が燃えたのは呪いではない 男なのにそんなに気弱でどうするのだ
王は優しく大君の肩を叩きます。王妃はホッと胸を撫で下ろしました。
***
ファン(パク・ヒョンシク)はジェイ(チョン・ソニ)に贈る家の下見に来ていました。
世子様、誰に贈る家なのですか
テグンが訊ねます。
子ども達の学び舎として使う 板の間に机を置いてくれ
はっ
ファンはジェイが子ども達に字を教える姿を思い浮かべます。
ここで暮らす女性とはもしやコ内官では?
ファンはテグンを振り返りました。
婚約者がいるでしょう? 何故兵士長様のところへ行かないんです?
戻らずに一人で暮らすそうだ
なんと不届きな・・ 婚姻は家同士の約束です 納采の書までやり取りしたのでしょう? 理由は何です??
テグンは憤慨します。ファンは答えずに階段を上がりました。そして意を決したようにテグンに問いました。
スンドルが他の男に会うのを見たことは?
え? あいつの周りは女官か内官しかいませんよ 内官も一応男ですが・・?
いや
ファンは笑って否定してからさらに言いました。
隠れて 何度も 私的に 二人きりでだ
テグンはキョトンとします。
同じ男と会っていたことは?
あります
ファンは目を見張ります。
それは誰だ?
テグンはファンを見ました。
世子様です
ファンはがっくりしました。
私以外だ 頭はいいくせにすごく鈍感な愚か者だ
え?
・・いやいい 誰であろうと関係ない
ファンは破れた障子を見て命じました。
扉を直しておけ
***
最善を尽くすよう医師に言っておく あまり案じるでない
王は王妃に告げると帰って行きました。王妃は大君に話を聞き直します。

<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep16/
大君、本当のことを知らないと母はそなたを守れない ・・ウィヒョン世子に桃を差しあげたの?
大おじ様が桃をくださいました 兄上にも持って行けと でもその桃を食べて兄上は・・
大君は泣きながらうち明けました。
内官から聞きました 兄上が亡くなったのは桃のせいだと 兄上に桃を差し上げたのは私です 私のせいで兄上は・・
違うわ そなたのせいじゃない! そなたは何も知らずに大おじ様のお使いをしたのよ
王妃は息子を抱きしめます。
もう二度と口にしないで 生き残るために忘れるの
母上・・
泣かないで約束して 二度と口にしないと 約束よ
はい 母上・・
***
ハヨンはファンの所へ行きますがファンはいませんでした。
世子様はご不在です 書庫で読書中ですが誰も中に入れないようにとのことでした
ジェイが伝えました。
そう・・ むしろ良かったかも 私が来たことは言わないで
ハヨンは帰ろうとしますがジェイを振り返りました。
コ内官 ちょっと来て
***
ジェイはハヨンから大君の話を聞きます。
どう思う? そなたは四方位事件を解決し左議政の無実を証明した時も力を発揮したと聞いた 大君の話は本当だと思う?
ハヨンはジェイに訊ねます。
わかりません 真実は大君様しか・・ ですがウィヒョン世子様が亡くなられた時大君様はまだ七才でした 桃を差し上げたとしても悪意はないかと・・
そうだとしてもこれが知れたら大変なことになる 大君はどうなるか・・
ですが王女様 これは世子様にお伝えすべきだと思います
お兄様は婚姻を控えておいででしょ 亡霊が見えるとか蛇が出るとか、うわ言ばかり言う大君が今度は桃をあげたと言ってもとても真実とは思えない お兄様に心配をかけるだけよ
亡霊や蛇? 大君様が・・?
祈祷師の体から蛇が出るのを見たでしょ 臆病な子だからどれほど驚いたか
ハヨンは急に狼狽えます。
待って だめよ いけない 動揺して余計なことを話したわ
王女様・・
お兄様には言わないで そなたも忘れなさい
ハヨンは横を向きます。
***
萬研堂でミョンジンは板の衝立に貼ったこれまでの事件のあらましを書いた紙をガラムとながめていました。ガラムはじっと考え込んで動かないミョンジンを置いてそっと外へ出ます。するとファンが一人でやってきました。
パク様
キム殿は中に?
はい あ・・、けどこの前話したことを書いた紙を食事もせず穴が開くほどながめています
じきに答えが出るだろう
それでご用件は?
ガラムが訊ねるとファンは大きな包みを渡しました。
***
包みの中には美しい生地が何枚か入っていました。
女性用の服の生地ですね
これで何着作れる?
うまく使えば七着ほどは作れるかと・・
そう言ってからガラムはつけ足しました。
男の私にはわかりませんが母が作るのを見ているのでそのくらいかと
では作ってくれ ミン・ジェイ用が五着とお前用に二着だ
ファンの言葉にガラムは驚愕します。
生地が足りなければもっと持ってくる
何故殺人犯の服を私が・・ それに女性用の生地を何故男の私に? ・・まいったな
ファンはガラムに歩み寄ります。
お前がチャン・ガラムだと・・
・・え? しっ!
ガラムはファンの前に指を立てました。
あ、失礼しました パク様 でも・・
スンドルがミン・ジェイであることも知っている 気をつけるのだぞ 一人ではなく師匠とともに動け お尋ね者なのだから
ガラムは俯きます。
あの・・どうしてお嬢様の服を・・?
事件が解決したら戻らねばならんだろう? いつまでも内官ではいられぬ お前も同じだ いつまで男のふりをする気だ?
はい・・
二人の様子をテガンが門の外から窺っていました。するとマンドクとポクスン夫婦が来てテガンをじっと見ます。
何故道を塞ぐんですか?
マンドクが言いました。
いや・・? こっちを通ればいいのでは?
いつも壁際を通るんです
ポクスンが話しテガンを押し退けて歩いて行きました。
なんだ・・?
テガンは首をかしげます。
***
ファンは東宮殿に戻るとジェイに家の鍵を渡そうとします。ジェイはファンがテガンと出かけたことを責めました。
何故お供させてくださらなかったんです? 護衛官と二人の外出は危険ですよ 私はまだあの者を疑っております
もうよい 無事に帰ったではないか
それでどちらに
ファンは引き出しからジェイに贈る家の鍵を出します。
通雲橋を渡って最初の分かれ道を左に行くと瓦ぶきの家が見えるのだが、そこは・・
ファンは言いかけて口をつぐみます。
はい?
誰だ? そちが慕う間抜けな男とは?
ジェイはうんざりしました。
またその話ですか?
それは恋心に間違いなのか? その男に惚れたきっかけはなんだ? 私に教えろ!
ジェイは口を尖らせます。
どんな者かわからねば安心して送り出せぬだろう もし本当に間抜けで愚かな者なら聡明なそちが慕うはずがない 名前が明かせぬなら思いを寄せるきっかけくらいは言ってもいいだろう?
背が高くてとても男前です
ファンは舌打ちしました。
チッチ いい男は大抵不誠実なんだがな それに何故外見で選ぶのだ?
その方は文武両道です
ふん
ファンは不機嫌に横を向きます。
また、その方はどんな逆境にも屈しない強いお方です 人助けのために医術を学ばれ、惻隠の心を持つ思いやりのあるお方です 夜道を歩く女性を守ってくださり窮地に追い込まれた女性にあらたな道を開いてくださる・・そんな方です
二人は見つめ合います。しかしファンは言いました。
そんな男が何処にいるのだ? 物語の中にしか出てこないような・・
いるんです! そんな方が 自分がそんな男だと気づかない所が間抜けなんです
ファンは鍵を引き出しにしまいました。
もう下がれ
え?
とても豪華な贈り物を用意していたが憎らしくて渡せない
そんな・・あんまりです 用意したならくださいよ! なんですか?
早く下がれ
ファンは聞きいれません。
***
王妃はクォン尚宮に気持ちをぶつけます。
あの男を・・
尚宮は女官達を遠ざけて王妃のそばに寄りました。
あのあくどくて残忍な男をどうやって殺せば良い?
その時は来ます 王妃様
己の欲望のために大君まで・・ たった七才だったあの子の手を汚すなんて いつかやつの体を引き裂いてやる!
王妃は怒りに燃えます。
決して墓に葬らせはしない 骨と肉を獣に与えてやる たとえ死んで幽霊になってもやつだけは決して許さない
涙を流す王妃を見て尚宮も目を潤ませます。
そうです 王妃様 そうせねばなりません
***
ウォンボは弟のウォノが持ってきた陶器を手巾で拭きます。
兄上、聞きましたか? ハン一族が世子の妃に候補を出したそうです
もちろん聞いた 私に知らないことがあると思うか?
ほっておいて良いのですか? ハン一族から世子の妃が出ると、あ〜 それはハン一族が世子の後ろ盾になりますから 世子を廃位させるのは難しくなりますよ
心配するな ハン一族でさえ世子を守れぬ手札を私は持っている 見たいか
はい!
ウォンボはジェイの手配書を出しますがウォノにチラと見せてしまってしまいます。
ああ・・
時が来たらわかるさ
残念がるウォノにウォンボは言います。その時使用人が告げました。
旦那様、お客様です
***
チョ・ハンソではないか
ウォノは客人を見て喜びます。
碧川まで私を助けに来た補佐官だ いや〜また会えて嬉しいな! え〜とお父上はおじい様のはとこのお父上のいとこだったな まあ座って
長官は私の十二親等の兄上です
そうか 十二親等なら近いじゃないか
ウォノが騒いでいるとウォンボが口を挟みました。
用件はなんだ?
元補佐官のパク・ハンスのことで来ました 先日会ったのですが・・
ウォンボは眉を寄せます。
パク・ハンス?
「秘密を知りたくないかと右議政様に伝えてくれ」と言われまして
ウォンボはニンマリしますがウォノは青ざめました。
フッ そんなことを言ったのか?
今あの者は博打にのめり込みのっぴきならない状態でやけになっているかと もし碧川の件を口外すれば・・
いやいや! それはまずいぞ!
ウォノは慌てます。
どうしましょう、兄上 あの男は何を企んでいるんでしょうか どこかに行って余計なことを喋ったら・・
そんなことは絶対にさせないさ
ウォンボは余裕の笑みを浮かべます。
***
テガンはファンにパク・ハンスについて報告していました。
十年前パク・ハンスに麻浦の土地を売った仲介者の証文です
ファンはテガンから渡された証文を読みます。
当時パク・ハンスは右議政様のお宅の使用人頭の名で出された手形で取引を・・ パク・ハンスとチョ一族の関連を示す唯一の証拠です
ファンは証文を机に置いて聞きました。
パク・ハンスはどうしてる?
酒に溺れ賭場に入り浸っています
私が直接会いに行こう 証拠はある 何故右議政からこれほどの大金を受け取ったのか突き止めねば
しかし世子様、相手はチョ一族です 対立すれば世子様の身に危険が及びます
ファンは微笑みました。
もしもの時はそちが私を守れ
テガンはファンを見つめました。
なぜ私を信用してくださるのですか?
そちは一度も私の命に背いたことがない 信用して当然ではないか
・・私は信義に背くようなことは決して致しません
テガンはお辞儀をして出ていきました。
護衛官を信用してはなりません 開城に来た使いはあの者でした 間違いありません 記憶は確かです
ジェイの言葉を思い出しファンは顔を曇らせます。
***
ウォンボはカプスを呼びます。
カプス、そこにいるか
カプスが部屋に入って来ました。
お呼びですか 右議政様
パク・ハンスという者を探すのだ 賭場にいるというから簡単に見つかるだろう
はっ
カプスは頭を下げます。
奴は私に話があるそうだ 聞いてやらねばな
連れて参ります
フフフ
ウォンボは笑います。
***
ガラムは家でファンに貰った生地で服を仕立てていました。
ミン・ジェイの分を五着とお前も二着作ると良い
ファンに言われたことを考えながらガラムは生地を触ります。
そうだ・・
***
ガラムは反物屋に生地を売りに行きます。

<画像出典>oricon.co.jp/news/2331947/photo/2/
この生地は高貴な方から頂いたものでね この辺じゃ手に入りませんよ
ほお〜 綺麗だ
主はガラムの生地を見て目を細めます。
こっちの生地と交換してください
そうか わかったよ
主は自分の売る生地を切ろうとしますが、ガラムに文句を言われます。
ちょっと! 高価な生地との交換なんだからその二倍はほしい!
ああ、わかった、わかった
主はガラムの言う長さで生地を切ります。ガラムが受け取ろうとしていると自分を見ている役人に気づきました。
まずい!
ガラムは走り出します。
***
ガラムは全速力で逃げますが役人は追って来ます。ガラムは家の裏に回り込んで身を隠しました。
あの・・、何事ですか
役人についてきた部下の兵士が息を吐きながら訊ねました。
あの娘に間違いない
え? 誰ですか
さっきの奴は殺人犯のミン・ジェイの侍女だ
ならば役所の使用人になっているはずでしょう
そのはずだが・・何故都にいるのだ それも男のなりで
人違いですよ 似ているものでは
走って疲れた部下は言います。役人達が去っていくとガラムは家の裏から出て萬研堂に戻りました。
***
ガラムは交換した生地を持ってマンドクの食堂に行きます。
モル タルレ
ガラムは子ども達を呼びました。
ちょっと来て
ガラムは二人の採寸をします。
まっすぐ立って 腕を伸ばしてみて
何をするんですか
モルが聞きました。
いい生地が手に入ったから母に頼んで服を仕立ててあげるよ
ガラムは話します。
少し前にお父さんとお母さんに服を買って貰ったのに・・
タルレは遠慮します。ガラムはこっちを見ているマンドク達夫婦に笑いました。
もちろんそうだろうけど服は多いに越したことはないからね
申し訳ないわ
ポクスンが言いました。ガラムはマンドク達が荷を積んでいるのに気づきます。
また故郷に荷物を送るんですか
そうなんだよ
マンドクは答えます。
素晴らしいですね 朝から晩まで働いて親戚を養うなんて 故郷はどこなんですか
マンドク達は顔を見合わせます。
遠くて小さい町だから言ってもわからないよ
そうですか・・
ガラムは大量の縄や鎌が積まれているのをながめます。
***
マンドク夫妻は夜の寝床で碧川出身のタルレとモルに話します。
碧川の人たちは盗賊なんかじゃない だが碧川出身だとは人に言わない方がいい 差別をされたり嫌ったりされて辛い思いをすることになる
国も碧川出身者を差別して今では科挙も受けられなくなったと聞きました
タルレは言いました。
だが皆が嫌っているわけじゃない お前達を助けてくれたお二人は碧川出身だとわかっても優しかっただろう?
そうだよ 萬研堂のお弟子さんだって服を作ってくれるって言ってたもの
モルがマンドクの話に賛成します。
あの・・碧川に行ったことはありますか
タルレが二人に訊ねました。
情に厚い人達ばかりだった
ポクスンは答えます。
毎日のようにやってくる役人にあれやこれやむしり取られてみんな粗末な服を着て・・ 食べるものがなくてもどうにか耐え忍んで・・ 豆一粒でも分け合うような人たちだったの 碧川の人たちは・・
役人が村の人を叩くのを見たことがあります
タルレは話しました。
碧川のことを何か覚えているか
マンドクが聞きました。
春になるとタンポポが咲いて村一面黄色一色に染まりました 友達と綿毛を飛ばして遊んで・・
マンドクとポクスンは身を乗り出します。
なあ・・その友達の名前を覚えているかい?
確か・・ オウォル・・
二人は息を飲みます。
私がオウォルの母親よ
ポクスンは泣きながら明かしました。娘のオウォルは村人が役人に追われた時に殺されたのです。
今オウォルが生きていたらあなたのように大きくなっていたわね・・
それじゃあ私達の両親のことは?
知ってるとも お前が生まれた時にお父さんが桐の木を植えた お嫁に行くとき箪笥を作るって そばにいたんだ
モルがポクスンの涙を拭いました。ポクスンはモルを抱きしめます。そしてタルレに訊ねました。
他に覚えていることはある?
魚です 赤い魚がいてその魚に祈ってました 千年生きた魚だとか おばあちゃんもひいおばあちゃんもそこでお祈りしていたそうです
まあ、あの魚を覚えているなんて
ポクスンはマンドクに言います。
その魚は人の血を食べて生きているとか お母さんは指から血を魚に落として祈っていました
ばかだな ありえないよ 人の血を食べるなんて それに魚が千年も生きるわけない 魚の子どもの子どもだよ
モルが姉に反論しました。
いいえ 子どもはいないのよ その魚は卵を産むけど魚にはならないから
え〜 そんなわけないよ
その卵は危険で人が食べると正気を失うって お二人もご存知ですか
タルレはマンドク夫婦に問いました。
ああ 碧川にはそんな魚がいた
遠い国の僧侶様が持って来たと私も母に聞いたわ 本当に千年生きてるって
ほら合ってたでしょ
タルレはモルに言います。
***
ジェイ達内官が庭を掃除しているとファンのお妃候補の娘達が通りました。ソウンもその中にいます。
全国津々浦々から名門の娘達が集まった
だがもう内定しているという噂だ
先輩の内官達は話します。
もう?
なんでもハン一族だそうだ 左議政様の親戚がお妃様になると聞いてないか
本当なのか
ああ
ジェイは先輩の話を聞きながら寂しげに俯きます。
***
このまま放っておくのですか
文部長官のチョ・ウンユンはウォンボと書庫で密談します。
左議政もただ候補を出しただけではないでしょう 選ばれる自信があったので・・
何を言うんだ まさか王妃様がハン一族の娘を選ぶはずがない
ウォノがウンユンに抗議しました。その時書庫にアン・イルナムが入って来ます。イルナムはウォンボにお辞儀しました。
どうした まだ喪中では・・ 本当に復職を?
ウンユンは驚きます。
世子様の婚姻を控えていますのに娘を悼んでなどいられません
弔いは無事に済んだか
ウォンボは聞きました。
はい 右議政様のおかげで良い所に墓が作れました。
そうか・・
皆は神妙な面持ちで頷きます。
ところで・・右議政様、埋葬のために張州に行ったところ妙な噂を聞きました
三人はイルナムを注視します。
***
ソウン達が歩いているとアンジクとジュンオンにすれ違います。ジュンオンはお辞儀をしているソウン達に頷きました。
左議政も負担が大きいな
アンジクがジュンオンに話します。
忠誠心でしたことです 覚悟はできています
ジュンオンは言いました。
左議政の忠誠心はよくわかっている だが一人で重荷を背負っている 潰れてしまわないか心配だ
ジュンオンは去って行くソウン達の後ろ姿に目をやりました。
あの娘の方がもっと辛いでしょう ですが芯が強いので耐えてくれるはずです
うむ・・
アンジクは頷きます。
***
ウォンボ達は密談を続けます。
ハン・ジュンソプの家は張州にありますが妻が亡くなったとの噂を聞いております
アン・イルナムは三人に告げました。
身内が亡くなったなら訃報を・・
ウォノは言いかけて顔色を変えました。
まさかお妃候補に出すために・・
ウンユンが狼狽えてウォンボの顔を見ました。
世子の妃になるには両親共に健在でないといけません
そもそも条件に合わない娘は候補に出してはいけないはずだ
ウォノも言いました。
もし、それを隠して候補に出したなら・・ ハハハ 天下の名門ハン一族が国を欺いたことになる
ウォノは高笑いします。
噂によりますと夜中にこっそり遺体を運び墓石も建てずに葬ったとか
イルナムが続けました。
しかし私も耳にしただけなので本当かどうかはわかりません
まあそれは調べてみればすぐにわかることだ
ウォンボは愉快げに笑います。
***
屋敷でソンオンは使用人の女達がソウンの噂をしているのを聞きつけます。
まいったわ 変なお嬢様ね
ほらやっぱり虫がわいてる
ソンオンは女達に近づいて訊ねました。
どうしたのだ?
女達はお辞儀して答えました。
ソウンお嬢様のお部屋に虫がわいていたので荷物を見たらヨモギが出てきました
使用人の女は籠に入れたヨモギを見せました。
ヨモギが湿ってしまい虫がわいたようです
よく乾燥させてまた戻してやってくれ
はい
女達はお辞儀して歩き出しますが、またお喋りを始めました。
毎晩ヨモギを焚いてるね〜
なんでかね 焼香じゃあるまいし
ソンオンは再び声をかけます。
焼香だと? 全く縁起でもない ソウンが死者を弔っているとでもいうのか?
ソンオンは女達を怒ります。
ですが・・毎晩北を向いてヨモギを焚いていますよ 不思議ではありませんか
こら 世子様に嫁ぐ娘だ 滅多なことを言うでない
ソンオンは女達に背を向けて歩き出しますが眉を寄せます。
北を向いて・・?
***
ファンのお妃選びが始まりました。王妃の前に名を呼ばれた娘たちが仕切り越しに挨拶をします。ソウンも名を呼ばれ挨拶しました。王妃は美しいソウンをじっと見つめます。
ジェイはファンの婚姻で気持ちが沈んでいました。
世子様のお妃選びか・・
ジェイが掃除を終えて歩いているとテガンが前の建物を横切っていきました。

<画像出典>oricon.co.jp/news/2331947/photo/2/
護衛官? こんな時間に何処へ
ジェイは掃除道具を置きあとを追います。
***
テガンは門をくぐり階段を上がります。ジェイは気づかれないように尾行しますが急に建物の角から女官達が現れぶつかってしまいました。
ああ・・ 申し訳ない
ジェイは女官達の落とした籠を拾います。それからテガンを探すジェイですが、テガンは姿を消していました。
何処に行ったんだ・・
***
ジェイは諦めて掃除の道具を置いた場所に戻ります。するとまたテガンが来て通り過ぎました。
おい!
ジェイはテガンを呼び止めます。
”おい”だと? 世子様の護衛官に向かってなんて奴だ 下っ端の内官が!
テガンは怒りますがジェイは負けていません。
何故厨房の近くにいたんだ?
行くはずないだろ? 親衛隊の詰め所にいた
さっき厨房の近くで確かにお前を見た
テガンはジェイの帽子を叩きます。
そうか そこまで言うなら厨房の近くを通ったのだろう そこだけじゃないぞ 朝は北の金剛山、そして昼には南の智異山、これから開城に行くところだ お前の言う通りならそんな距離を一時で移動できる能力があるのかもな
テガンはジェイを睨みます。
ふざけやがって
テガンは掃除道具を蹴って行ってしまいました。ジェイは唇を尖らします。
本当に見たのに・・
***
パク・ハンスは賭け事に負けてくさっていました。
今日は全然駄目だったな
そこに夜の闇の中からカプスが現れます。
右議政様にご用だとか 使いの者です
会いたいとおっしゃると思っていた では行こう
しかしカプスはハンスを止めます。
失礼ですが内容に聞く価値があるのか私が確かめねばなりません
ハンスはあざ笑いました。
何故お前が信用出来る? 右議政様のところへ・・
するとカプスは刀をハンスに突きつけます。ハンスは青ざめて話しました。
宋家と呼ばれるソン・スチョンの女房が生きている それが誰だか知っていると伝えてくれ その女が右議政様の屋敷を出て輿に乗るのを確かに見たのだ その輿は何処に向かったか、場所をお聞きになれば驚かれるはずだ
カプスは刀を下ろしました。
お言葉を右議政様にお伝えします では・・
カプスは辺りを窺います。
右議政様からの命をお伝えしますのでよくお聞きください
カプスはハンスを斬りつけました。ウォンボから話を聞いたら殺すように命じられていたのです。
***
ファンはテガンと共にパク・ハンスのいる賭場に向かっていました。すると木の根元に斬られて寄りかかっているパク・ハンスを見つけました。テガンがハンスの前に屈んで怪我の様子を見ます。
パク・ハンスです ひどい出血を・・
ファンはハンスの首に指を当て脈を見ました。
パク殿 しっかりするのだ
テガンはハンスの肩を揺すります。
うう・・
ハンスは咳き込みました。
誰にやられたのだ? 右議政か

<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep16/
ファンが訊ねます。ハンスはファンを見ました。
お前は・・誰の手下だ?
十年前碧川で何が起こったのだ? お前達は何を隠している?
・・新しい国など建てておらず 旗もなかった・・
ハンスは苦しそうに息をしながら言いました。
私達が見たのは白旗だった・・ 碧川の民達は殺されるとも知らずに白旗を掲げ・・ただ役所に座っていただけだった
テガンは目を見開いてハンスの話を聞きます。
それを・・隠すために右議政は補佐官達に金を渡した しかし・・右議政も知らないことがある・・
ハンスは瀕死の状態で喋り続けました。
碧川の宋の・・女房が王宮にいる・・ ソン・スチョンの女房は・・
ハンスは激しく咳き込み倒れます。そして事切れました。
王宮に?
ファンは衝撃を受けます。
***
ソン・スチョンの女房が私の家を出て輿に乗っただと? ハハハ
カプスから話を聞いたウォンボは声を上げて笑いました。
馬鹿げたことを そんな作り話で私から金をせびろうとは いやはや
ウォンボは首を振ります。
***
盗賊の首領の妻が王宮にいるとは
ファンは死んだハンスの話をジェイに伝えます。
そういえば 以前巫女が見かけたという女性のことですが・・ その女性が宋の妻なのでは?
ジェイはファンに話しました。
でも何故ソン・スチョンの妻が王宮に入れたのでしょう まさか女官じゃないですよね? 結婚したら女官にはなれませんから
ファンはジェイの言葉に考え込みます。
***
ミョンアン大君は相変わらずウィヒョン世子の幻に怯えていました。
薬も針も嫌だ! 兄上を追い出して
大君は医者に訴えます。
大君様、幽霊はウィヒョン世子様だと?
医者が困惑していると弟を心配してハヨン王女が部屋に来ました。
姉上〜
大君はハヨンを見て泣き出します。
姉上 もうここにはいられません 兄上があそこにいるんです
大君は部屋の一角を指差しました。
あそこ! あそこにいるんです 兄上が見えませんか あそこで私を睨んでいるでしょう?
大君・・
ハヨンは弟にかける言葉がありません
***
ハヨンは体調を崩して床についている王妃を見舞います。
お昼も召し上がっていないとか まずは大君のことよりご自身のお体をいたわってください
本当にごめんなさい 王女にはいつも心配ばかりかけて
ハヨンは王妃の手を取ります。
お母様、大君ではありませんよ お兄様に桃を差し上げたなんて 優しくて素直な子です そんなことができるはずはありません きっと高熱のせいですよ
世子のおかしな噂を聞くのも辛かったのに今度は大君があんなになってしまって・・ 本当にどうしたらいいのか・・
心配なさらないで 私が必ず大君を治しますから 大切な弟です
王女・・ ありがとう
王妃は涙を流します。
当然です 私の母が亡くなった時三日間食事も控え悲しんでくださった 私が天然痘にかかった時も幼い大君を置いてずっと看病してくださったでしょ
王妃は泣きだしたハヨンの涙を拭いました。
当然のことをしただけよ 母親なら誰もが皆そうするわ
ええ だから私もお母様と大君を守ります ご心配なきよう
王女・・ 私を母だと思ってくれてありがとう
弟を産んでくださった私のお母様です
王妃は目を潤ませながらハヨンに微笑みます。
***
ハヨンは王妃の部屋の外で待機しているクォン尚宮に言いました。
お母様のことを頼むわね
尚宮は頭を下げます。そして顔を上げると去って行くハヨンの後ろ姿を見つめました。
***
王女を放っておくのですか
クォン尚宮は項垂れている王妃に問いました。
右議政に任せましょうか
王妃は深く息を吐きました。
そのままに 私がやるから
夜になって王妃は泣きながら筆を持ち書状を書きます。クォン尚宮はそれを地面に埋めた筒に入れ石の蓋をしました。
***
ミョンジンは衝立に貼った紙を眺めて思案していました。
東にもいて西にもいる、か・・
***
クォン尚宮が筒に入れた書状を何者かが出して読んでいました。
ハヨン王女を殺害せよ
王妃の書いた書状にはそう書かれていました。読んでいたのは親衛隊の格好をしたテガンそっくりの男でした。
***
クォン尚宮はハヨンを罠にはめようとします。
大君の病を治せる方がいるの?
はい 女官達に聞いたところ歎き悲しむ人の心を平安に導く、そのような力を持つ法師様が都においでになったとか
お医者ではないのね
なので・・心配なのです もし怪しい術を用いれば騒ぎになるおそれもあります
でも大君を放っておくわけにもいかないわ 薬も効かないし 私が責任を取る 大君を助けるわ
ハヨンは大君に法師の治療を受けさせることにしますが、それは王妃達の企みでした。
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ムジン法師はテガンそっくりな男から”ハヨンを殺害せよ”という書状を手渡されます。法師は読むと蝋燭の火で書状を焼いてしまいました。
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萬研堂に来たファンとジェイはミョンジンやガラムと衝立に貼った紙をながめます。
護衛官ですが東に西に現れるとは奇妙ですよね
ミョンジンが切り出します。
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ハヨンは夜更けに大君を連れて法師の所に向います。二人の乗った籠をテグンそっくりの男が尾行していました。
姉上・・何処に行くんですか 怖いです
籠に乗った大君はハヨンに訴えます。
心配しないで 私を信じていればいいの
ハヨンは弟を抱きしめました。
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王宮では王妃がハヨンを思い嘆いていました。
夜風が冷たいのに王女は・・
王妃は涙を流します。
暖かくしているかしら・・
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護衛官は同じ時刻に王宮と開城にいた 赤いビラがばらまかれた日も確かに護衛官を見たがその時王宮にもいた ああ〜おかしなことです
ミョンジンは笑います。
なぜ同じ人がこっちにもあっちにも現れるのか
あ・・!
ジェイとファンは顔を見合わせます。
おわかりかな
ミョンジンはニンマリしました。
テガンが二人いる
ファンが呟きました。
テガンが二人なら一人は世子に矢を射て一人は世子のそばについている 双子なのだ
そうです 双子なら可能なことです
ジェイは言いました。
ドラマ(第16話)の感想
テガンは双子で親衛隊の格好をしていたのは兄弟だったようですね!するとこれまで王宮には二人のテガンがいたのでしょうか。一年前ファンを矢で射たのも親衛隊に紛れていたテガンの兄弟だったらしい・・そう考えると敵がずっとファンを狙っていたことになり恐ろしいですね。
そしてどうやら宋家のソン・スチョンの妻というのは王妃らしい。王妃は自分たちを破滅させた今の王家を憎んで復讐しようとしてるんですね。でも王妃を母親と慕うハヨンの命を本当に奪うんでしょうか。あんなに王妃にも弟の大君にも尽くしているのに殺されては可愛そう過ぎます。このままテガンの兄弟にむざむざ殺されないよう祈るばかりです。

<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep16/
それにしてもテガンは兄弟が王宮にいるのを知ってるんでしょうか。テガンにファンを裏切って欲しくないなあ・・。
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