こんにちは、カナエです。今回もNHKBSで放送中の「青春ウォルダム呪われた王宮」(第19話)について書きたいと思います。
ジェイはファンを助けようとやってもいない殺人を認める・・
NHKでBSP4K(日)夜9時/BS(金)午前0時25分に放送
<画像出典>natalie.mu/eiga/news/567012
キャストとこれまでの物語
ドラマのネタバレあらすじ(第19話)
ジュンオンは解読した文を書いていました。
変わりなく過ごしているだろうか こちらは大雨が降り山崩れがあったが、我が家門と関係ない墓誌が山から流れて来たのを小間使いが発見した
墓誌とは墓に使う石碑ですね 別の家門の墓誌が何故ミン家の墓がある山に?
ファン(パク・ヒョンシク)はジュンオンに訊ねます。ジュンオンは織錦図をながめてから話しました。
墓誌があったのは特別な場所です 風水で占う地官が言うには王が出る場所で王様に献上した土地なのだそうです
そんな尊い土地に勝手に墓を? 墓を作ったのは子孫を王にするためでは?
一体誰がそんな・・
さらにジュンオンは解読を続けます。
驚いたことに墓誌は丙辰年六月二五日に死んだソン・スチョンのものだ 碧川の反乱の首謀者で十年前に磔にされた宋家の名前だった
ジュンオンは解読文を書く手を震わせます。
なんと・・ とんでもないことだ
ジュンオンはファンを見ました。
世子様、開城府長官一家殺害も碧川の残党と関係があるとご存知でしたか?
ファンは頷きます。ジュンオンは筆を置くと解読文をファンに渡しました。ファンは解読文を読んで顔色を変えます。
この墓誌に刻まれている通り丁巳年三月九日に生まれたソン・ヒョンという息子が生きているはずだ
丁巳年三月九日だと?
その生年月日は・・
ジュンオンは肩を落としました。
これが事実ならどうすれば・・
ファンは言葉に詰まります。
***
王妃はミョンアン大君に話していました。
ずっと前にヒョンという子が生まれたの ヒョンの父親は鍛冶屋で母親は妓生だった
王妃は過去を物語ります。
妓生は娼館の庭で鍛冶屋のソンを問い詰めました。
刀を研いでと言ったはずよ
それで何をする気だ? 自害する気ならやめるんだ
ほっといてよ
ソンは妓生を見つめました。
生きるんだ
ソンは娼館を出ていこうとします。
いくら働いても借金が消えないの 生きる意味が?
借金の額は?
ソンは問いました。
代々裕福だと聞いてるけど妓生を囲うために財産を使い果たすつもり?
囲う気はない 借金は返してやるから生きてくれ あなたのような美しい人にはここを出てほしい
妓生はソンを見つめます。
本心だ
私はそんな価値はない 父は六歳の私を麦五斗で売った 馬鹿なことはしないで
あなたは誠実な人だ そんな人が自害するのを見たくない 助けたいんだ
***
二人は結婚しました。二人だけで祝うつもりでしたが村の皆が祝福しに駆けつけます。
久しぶりの祝い事なのにそれだけで済ますつもり?
マンドクの妻、ポクスンが言いました。
めでたい日なんだからおめかしして大事にして貰わないと
のち尚宮になったクォンが化粧を施してしてくれます
あら、きれいだわ
ソンは新妻を見て照れくさそうに笑いました。お金のない村人は野菜や果物を祝儀代わりに置いていきます。子ども達も新婦に花を差し出しました。
酒を持ってきた村人が盃をついで二人に渡します。新郎新婦は盃を飲み挨拶を交わし皆に祝われて結婚の儀式を終えました。
<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep19/
”ヒョン”という名前はその子の父親と母親が身ごもったと知った日に考えてつけたのよ 賢くなるように”賢”と名付けた
王妃は目を潤ませながら大君に言いました。
(それがあなたの名前よ)
王妃は心の中で教えます。
母上、何故急にそんな話を?
時が来たらきちんと話してあげるから
王妃は大君の髪を撫でました。
***
宋家の息子が本当に大君だと?
ファンはジュンオンに訊ねました。
大君様は早産でした ミン・ホスンの最後の手紙なので偽りとは思えません
ファンは拳を握りしめます。
世子様、落ち着きましょう 国の今後をまず第一にお考えになってください
ジュンオンはファンをなだめます。
***
ファンは萬研堂に行きミョンジンとガラムに解読文を見せます。
墓誌はかまどの下に隠しておいた
ミン・ホスンは最後に書いてありました。
墓誌が世に出れば宋家の息子のことが世に知れてしまうので長官様の家族は殺されてしまった・・
ガラムは衝撃を受けます。
シム・ヨンが死ぬ前に探していたのは墓誌だったのでは?
ミョンジンはファンに話しました。
開城に行き墓誌を見つけてくれ
ファンはミョンジンに頼みます。
はい、世子様
二人は頷きます。
証拠となる墓誌は領議政に預けるのだ
わかりました
ミョンジンは応じます。
***
東宮殿の内官コ・スンドルは開城府長官の娘ミン・ジェイ(チョン・ソニ)です
ソンオンは王妃から渡された書状をながめます。
何故王妃様は内人の悪戯だと言いながらこれを私にお渡しになったのだ・・?
ソンオンは王妃の行為に納得出来ないものを感じます。
***
東宮殿ではソ内官達がファンの机の箱を調べていました。
中に何が入っていたのだろう
そこへファンが帰って来ました。
世子様、お戻りですか
ファンは机の箱を見て驚きます。
この箱は何故開いているのだ? 中にあったものは?
何かあったのですか? コ内官が世子様を探しておりましたが 箱は開いておりました
ソ内官が話しました。
スンドルが私を?
はい、世子様 急用だと急いで来て、箱を見て世子嬪様が危険だと走って行きましたが・・
別宮に行ったのか
ファンは別宮に向かいます。
***
王は役人から報告を受けていました。
申し上げにくいのですが世子嬪様が殺されました
なんと・・?
王は驚愕します。
***
ジェイは役人に連れて行かれようとしていました。
何をしている?
ファンが来て役人達を止めました。
世子様・・
ジェイはファンを見ました。
その手を離すんだ その者は東宮殿の内官だ
世子様 この者を獄舎に入れるよう王命を受けています 世子嬪様が殺されました
何・・?
この者が世子嬪様を殺したと自白したのです
ありえない! 自白など・・
ジェイは涙を流します。
本当のことを言え! 世子嬪を殺したなどと・・ 何故偽りの自白を?
ジェイはファンを見つめました。
本当です 世子様 私が世子嬪様を殺しました
ファンは目を見張ります。
聞いてください! 私はコ・スンドルではなく・・
やめるのだ!
ファンはジェイを止めます。しかしジェイは首を振るファンを見ながら話しました。
私は・・ 開城の殺人犯 ミン・ジェイです
ファンに従っていた内官達は仰天しました。
なんだと?
ジェイは語り続けます。
私は家族を毒殺し世子様を殺すために東宮殿に入り込み、隠し持っていた短刀で世子嬪様を殺しました 私が犯人です
ジェイはソ内官達に目を遣りました。
あの者達に短刀を見せれば世子嬪様を殺した短刀が私の物だと証明してくれます
役人が短刀をソ内官達に見せました。
そうです
ソ内官は答えます。ジェイは自分を見つめるファンに泣きながら首を振りました。
現場を目撃した内人によるとこの者が別宮に駆けこんで世子嬪様を殺害したそうです 血のついた短刀を持っておりました
役人は説明してファンを見ました。
おそれながら・・これは王命です
役人達はジェイを連れていきます。ファンは追おうとして足を止めました。ジェイは振り向いて泣き濡れた瞳でファンを見ますが、そのまま連れて行かれました。
ファンは内官達に命じました。
チェ尚宮を呼べ 世子嬪の習儀の担当だ 現場を目撃した内人を連れてくるよう伝えよ
はい 世子様
二人の内官が走っていきました。ファンは拳を握りしめます。
***
世子嬪を殺したのはチェ尚宮でした。そしてチェ尚宮は命を絶とうとしていました。クォン尚宮と待ち合わせた場所で、二人は互いにお辞儀しました。それからチェ尚宮は階段を上り柱に紐をかけて首を吊りました。
クォン尚宮はチェ尚宮の遺書を読みました。
私にとっての世子は若い頃から仕えたウィヒョン世子様だけでございます 世子様を殺した憎いイ・ファン・・ その廃位を見届けられないのが無念です
チェ尚宮の遺書にはそう書かれていました。クォン尚宮は別の遺書をチェ尚宮の部屋に置いて立ち去ります。
チェ尚宮を呼びに行った東宮殿の内官二人は首を吊ったチェ尚宮の遺体を見つけ腰を抜かしました。
***
クォン尚宮は王妃に報告に行きます。
遺書はすり替えたの?
はい ご命令通りに
クォン尚宮はチェ尚宮の遺書を王妃に渡します。王妃は遺書を読むとろうそくの炎で焼いてしまいました。
***
ファンは死んだチェ尚宮の遺書を読みました。
コ内官から世子嬪様をお守りできず死んでお詫びするしかありません
チェ尚宮の遺書からもコ内官が世子嬪様を殺害したことは間違いないようです
ソ内官は話します。ファンは憤り机を叩きました。ソ内官達は頭を垂れます。
***
ソンオンはジェイが殺人を犯し捕まったとスンボムから報告を受けます。
それは事実なのか?
本人がすべてを自白し大変な騒ぎになっています
本当にソウンを? それでジェイさんはどこに?
獄舎に連行されたと
獄舎に行く
するとスンボムはソンオンを止めます。
なりません 兵士長様も危険です 世子様を殺すために王宮に入り込み世子嬪様を殺した女です あの女との縁は断ち切ってください
強い語調で止められソンオンは戸惑います。
***
ジェイは牢屋に入れられます。
内官のふりをするとは呆れた女だな
ふざけやがって
役人達は唾を吐いて立ち去りました。
***
ファンは居室で開いた箱を見つめます。
ジェイが世子嬪を殺すはずがない・・
ファンはソ内官が話したことを思い出します。
コ内官が世子様を探していましたが箱は開いていました 箱を見て世子嬪様が危ないと出ていきました
そしてジェイが自ら話したことを考えました。
私は開城の殺人犯ミン・ジェイです
そうか
ファンはジェイの行動を理解しました。
<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep19/
ジェイは全てが罠だと気づいたのだ 自分の正体を知られ敵が自分のことで私を攻撃することのないように私との縁を断ち切ったのだ 私を守るために
世子様を殺すために東宮殿に入り込み隠し持っていた短刀で世子嬪様を殺しました
だから皆の前で自ら東宮殿に入り込んだと自白した・・
ジェイは牢の中で涙を流していました。
世子様 私をお捨てください 私を気づかってはなりません 私を捨て先の未来をお考えください
ファンはチェ尚宮の遺書を丸めます。
ミン・ジェイ そちを助ける方法を必ずや見つけてみせる
***
ジェイさんには何度か会いましたが凶悪事件を起こすような方ではありません
ソンオンはジュンオンに語りました。
そうだな・・ ミン・ジェイは殺人犯ではない
ソンオンは父の言葉に驚きます。
父上はジェイさんのことをご存知だったのですか?
うむ・・
ジュンオンは険しい表情でソンオンを見つめます。
***
朝議ではウォンボが王にファンを廃位するよう迫っていました。
民の模範となるべき世子様が内官のふりをした極悪非道な女を王宮に連れこみ風紀を乱したことは見過ごすことは出来ません
するとジュンオンが反論します。
王様、罪人自身が世子様を殺すために来たと自白しております
それは世子様を恋慕う故に偽りの自白をしたのです
王はウォンボの話に驚きます。
殺人犯の女が世子に想いを寄せているだと?
女だけではありません 世子様がコ・スンドルを特別扱いなさっていたのは皆の知るところであります
文部長官のチョ・ウンユンが明かしました。するとアンジクが異を唱えます。
王様、それは言いがかりでございます 世子様の人を思いやる接し方を勘ぐって解釈しているのです
そうです 王様、ありえないことです
パンスもアンジクに賛同しました。
その通りです 一国の世子が女に溺れ王宮の掟を破るとは しかも婚約者のいる女でございます
右議政!
ウォンボの言葉にジュンオンが怒ります。
証拠もなく王室の威厳と権威を傷つけるとは!
アンジクも憤ります。それでもウォンボは平然と続けました。
王様! 鞠問をして事実を明らかになさってください 重罪人であるあの女を義禁府に連行し鞠問で厳しく刑訊して真実を述べさせてください そして今までの罪を暴き償わせることで国の法が厳正であるとお示しください
ウォンボの一派は頭を下げました。
ご了察ください
王はウォンボ達の勢いに動揺します。さらにウォンボはジュンオンを糾弾しました。
左議政は世子嬪の条件を偽り王室を愚弄しました 通せ
一人の男が朝議の場所に役人に連れられて来ます。
世子嬪様の実家がある張州の官奴婢でございます 説明せよ
内務長官のアン・イルナムが男に命じます。
お助けください 一か月ほど前に長官様の奥様の遺体を埋めただけです 長官様に内密に埋めるようにと命じられました
男は話しました。ウォンボは激しくジュンオンを攻撃します。
ハン一族は世子嬪候補の条件を偽り候補にそぐわぬ娘を世子嬪にしようとしました!
王は自分の企てと知りながらジュンオンに訊ねます。
事実なのか? 左議政
左議政は王を見ました。
王様! 左議政様を陥れる策略でございます
パンスが訴えます。
事実でございます
ジュンオンは認めました。
外戚として権勢を振るうチョ氏を抑え国を良い方向へ向かわせようと決断致しました
しかしウォンボは薄笑いを浮かべます。
それはおかしな理屈ですな 左議政は私利私欲のため国を侮辱したのです ハン・ジュンオンを罪に問うべきです!
ウォンボの言い立てに一派は皆お辞儀します。ウォノがさらに述べました。
王様、王宮の風紀を乱した世子を廃位なさってください
世子を廃位に
ハン・ジュンオンに刑罰を
ウォンボの一派は繰り返します。
***
ジェイの入れられた牢をファンは訪ねます。
世子様
ジェイはお辞儀します。そして正座しました。
織錦図は解読できましたか?
そんな話をしている場合か? 鞠問が始まれば罪の重さから考えて骨が砕けるような苦痛を味わうことになる 何故偽りの自白をしたのだ?
本当にわからないのですか?
ジェイはファンを見上げます。
罪のない人が命を落としました 世子嬪様は何故亡くなったと?
ジェイは書状をファンに差し出しました。ファンは書状を受け取り広げます。
”妻もなく独りで老いるだろう 子もなく寂しく死んでいくだろう” 呪いの書です すべての呪いが実行されるまで終わりません 阻止しなければ
しかしファンは力なく話しました。
そちが死んだら・・ いなくなったら すべてのことは何の意味もない
世子様 真相を究明なさってください 私達家族の無念を晴らせるのは世子様だけです そして世子様は王として父が信じていた通り聖君におなりください
ジェイは請いました。
揺るぎない信念をお持ちになりささいなことにとらわれず、前を向いてお進みください 私が望むことは・・それだけです 申し訳ありません 世子様に重荷を負わせ私だけ去ることに・・
ファンは牢の格子に手をかけます。
何処に行くというのだ そんなことを言うな!
死ぬのは怖くありません お父様 お母様 お兄様 恋しい人達が待っています ただ私の思いを告白出来ずに逝くことが唯一の心残りです
ジェイはファンを見つめました。
お訊ねになっていましたね 私が誰に想いを寄せているか 世子様にだけお教えします
ジェイは瞳を潤ませます。
私が恋い慕うお方は・・ 私が想いを寄せているお方は・・
ジェイは微笑みました。
世子様です
ファンはジェイを茫然と見つめます。
何故・・ 今になって言うのだ
ジェイは俯きました。
手の届かないお方に想いを寄せたので胸に秘めておくつもりでした ですが最後にどうしてもお伝えしたかったのです
ジェイは涙を流します。
世子様に出会い恋い慕うことが出来てとても満たされ幸せでした 申し訳あません 最後まで無礼で身勝手な私をお許しにならないでください
ファンの目に涙が溢れます。
ジェイ・・
***
ミョンジンとガラムはジェイの父、亡き開城府長官の屋敷を訪れます。屋敷の門には縄が張られ屋敷は荒れていました。ガラムはジェイと乗り越えた塀を見て昔を懐かしみます。
お嬢様は潔白が証明されたら、ここに戻るでしょうか
女性の姿のガラムはミョンジンに話しました。
戻りたくないだろう お前は?
ガラムはミョンジンを見ます。
お前はここには戻れない
ガラムは驚きます。
何故ですか?
誓っただろ 永遠に俺に仕えると
ミョンジンは胸を叩きます。
・・はあ?
以前ガラムとミョンジンは語り合いました。
この私がもっといい国にする
ミョンジンは胸を叩きました。
私もご一緒します 永遠に師匠に仕えます
ガラムも胸を叩きます。
よし!
あれが誓いだと?
そうだ!
あれは・・ただ・・
私が誓いだと言えば誓いだ
はあ?
とにかく墓誌を探そう 台所はどこだ?
ミョンジンは歩き出します。ガラムは反対方向を指さしました。
そっちじゃなくてあっちです
ミョンジンは戻って来ました。
そうか そうだろう 行くぞ
***
ガラムは台所でかまどの灰をかき出そうとします。
おいおい 私が世子様に命じられたんだ 出しゃばるな
でも・・
ミョンジンはガラムを立たせ調理台の埃を払い座らせます。
ここに座って私が探すのを見ていろ
ミョンジンは灰の中に手を突っ込みます。
ううん・・?
もっと手を伸ばして! 隠すために深く埋めてあるんですよ
ミョンジンは手を伸ばしました。
もっと奥に!
ミョンジンは汗だくになります。その時手に何かが当たりました。
おや?
ミョンジンは石の板を取り出し埃を払いました。
あったぞ!
ガラムは立ち上がり板をながめます。ミョンジンは墓誌を読みました。
”李氏が滅亡し宋氏が現れて新たな王朝を開く” ”故ソン・スチョン” ”丙辰年六月二五日” ”丁巳年三月九日生 ソン・ヒョン”
ミョンジンはガラムに笑います。ガラムは頷きました。
***
テガンが帰宅すると木立から人影が現れます。編笠を上げると自分にそっくりな兄のテサンでした。
来い
テサンはそう告げると歩き出します。
もし会いに来た兄から何か聞いたら教えてくれるか
テガンはファンからそう頼まれていました。
世子様にお伝えしないと・・
***
生きていて良かったとだけ言いたかった
テガンは兄を見つめます。
本当なのか? 兄上が世子様に矢を放ち開城府長官一家を殺し赤い紙をばらまいたのか? 王宮に出入りしながら悪事を働いたのか?
故郷に帰るためだ
兄上は無実の人を殺したんだぞ!
碧川の人達も無実だった あの日に何があったかお前は知らない
世子様にお伝えしよう 碧川での出来事を世子様にお伝えすれば・・
王宮の人間など信じない テガン、一緒に開城に行こう 碧川出身者が暮らす所がある
通行人が通りテサンは編笠で顔を隠します。
俺はネワンコルに行く 簡単には見つからない 満月が出たら松岳山の神木の下に来い そこで待っている
兄上・・
すぐでなくてもいい 俺はずっとそこでお前を待つ いいな
テサンは暗闇に姿を消しました。
***
王の所にはファンの廃位を求める陳情書が官僚や儒林などから山のように届きました。王はそれらの書簡に目を通しては投げ捨て、床には書簡が散らばります。王は険しい顔で陳情書を読み続けますが、ある書簡から一枚の書状が落ちました。
これは・・?
王は書状を読んで顔色を変えます。
***
テガンはファンに書庫でテサンの話したことを伝えました。
ネワンコルか やはり開城で暮らしていたのだな 兄が心配だろうによく報告してくれた
世子様のご命令に従ったまでです
ファンはテガンを見つめます。
テガン、そちの兄が犯した罪は決して軽くない 罪のない者を殺し無実の者を殺人者に仕立て王室に呪いをかけ反逆を企てた ・・全ての罪を償うべきだ
テガンは視線を落としますがきっぱりと言いました。
兄がどんな罪を受けようと私は受け入れます 世子様は正しいご判断をくだされると信じております
では私を信じ従ってくれるか?
もちろんです 世子様
するとファンはきっとした面持ちでテガンに訊ねました。
そちが親衛隊で動かせる者は何人いる?
***
二人が話を終えて書庫から出てくるとソンオンがやってきました。
ジェイさんをあのままに? 潔白だとご存知でしょう?
私の廃位を望む声が後を絶たない 自分の地位も守れない私に・・もはや力はない
ファンは肩を落とします。
世子様 ジェイさんを・・恋い慕っているのでは? そして相思相愛であるとご存知では?
ソンオンは訊ねます。
***
ウォンボは王にファンの廃位を願い出ます。
王様 陳情書が絶えることはございません 右議政チョ・ウォンボは国の紀綱を正し非の打ちどころのない世子を立てこの国の未来を守るため忠誠心で申し上げます どうか世子を廃位なさってださい 新たな世子を立てこの国を揺るぎない国になさるべきです
ウォンボは頭を下げました。すると外でファンの声が響きました。
父上 私を廃位してください
***
<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep19/
ファンは土下座して王に懇願していました。王は居室を出て息子の前に立ちます。白装束姿のファンは王に語りました。
父上、私を廃位なさってください 内官のコ・スンドルが女性だと知っていました 無実を証明して欲しいと言われそばに置きました
ファンの話に王も後ろに控えるウォンボも驚愕します。
常道を踏み外し風紀を乱した罪であることは承知しております 世子でいる資格は私にはありません 私を廃位なさってください
ファンは額を地面に押しつけます。王は深い息を吐きました。
***
ファンは食事も取らず土下座のまま王に乞い続けました。
世子の座を女ごときのために捨てるのか?
ウォンボは呆れます。
まさか世子はあの女を恋い慕っているのかしら?
王妃は鉢の中の魚を見ながら考えます。
王様、どうか私を廃位なさってください・・
ファンは願い続けました。
***
王はファンの廃位を決断します。ファンは殺人犯のミン・ジェイと内通し内官に変装させ東宮殿に迎える不義を働いたことで廃位となり、王宮を出て江華島へ行くことになります。
また左議政ハン・ジュンオンはハン・ソウンの母親の死を隠蔽し世子嬪候補とした罪で官職を剥奪され蟄居の身となり、屋敷には兵が置かれることになりました。
そしてジェイは家族と世子嬪を殺した罪で斬刑となります。
ソンオンは父親の罪とは無関係ということで罪に問われませんでした。
***
王妃はムジン法師の赤い魚の産んだ卵を小瓶に入れます。
世子 ついに呪いの書の通り世が世子に背を向けて独りになるのよ 混沌とした世界を独り彷徨い消えるのだから何をしても無駄 じっとしていなさい 世子の運命は死ぬことで終わるの
王妃はソンオンをお茶に呼びます。
江華島まで世子に同行するのは兵士長だそうね
はい
王妃は小瓶をソンオンの前に置きました。
島に到着したら世子に渡して 喉が渇くと思い用意した薬茶です 世子が王宮を離れ今までの苦しみを忘れて安らかに過ごせるよう心を込めて用意しました
ソンオンは鉢の中で泳ぐ魚をじっと見つめます。
***
ウォンボ達一派はファンとジュンオンを排除したことを喜びます。
しかし兵士長が罰を免れたのは気分が悪い
ウォノが不満を言います。
我々に害はありませんよ
チョ・ウンユンが話しました。
兵士長はミン・ジェイの婚約者で世子のせいで全てが壊れたのです いい感情は持ってません
内務長官のアン・イルナムが賛同します。
どうでもいい 世子は江華島に着く前に私が殺す
ウォンボが告げました。皆は黙って頷きます。
***
ソンオンは屋敷の前に並ぶ兵達を見て悔しそうに睨みます。そこにウォンボの手下のカプスが来て話しかけました。
右議政様がお呼びです
私を?
***
ウォンボはソンオンと話します。
お父上はお気の毒だった 私が官吏として考えるに兵士長の父上ほどの逸材はいない
ウォンボはソンオンの目を覗き込みます。
左議政を復職させたいと思っている 兵士長も出世したいだろう
・・何をお望みですか?
世子の護送を任されたとか 廃世子が江華島に着く前に殺すのだ
ソンオンはウォンボに問いました。
王命で決まった父の処分を覆せるのですか?
空いた世子の座に着くのは誰だと思う? ミョンアン大君だ 約束は必ず守る
ソンオンはウォンボに告げました。
命令に従います
ウォンボは笑って頷きました。
ですが口約束では受けられません 双方合意の上だという証文にご署名ください
ウォンボは微笑みます。
わかった
***
ハヨンは王の前で涙を流します。その時王の所へ連絡が来ました。
王様 廃世子が王宮を出られました
ハヨンはたまりかねて王に訴えます。
お父様、このままお兄様を追い出すのですか? あんまりです!
けれど王は答えません。
***
ファンの列は江華島に向かって進みます。ファンの前を馬で歩くソンオンは時折ファンを振り向きました。廃世子のファンは生気なく馬を歩ませます。
友はお前に背き刀を向けるだろう
王妃は呪いの書の言葉を呟きます。
ジェイは処刑場へと向かいます。裸足で歩くジェイは王宮の門を名残惜しげに見上げました。しかし無情に引っ立てられていきます。
お前の愚かさのせいで多くの者が死ぬだろう
呪いの書に書かれた通りファンの列を刺客が襲います。
世子様をお守りしろ!
兵士達は刺客と戦います。ファンは馬で走り去りました。それを見たカプスは後を追います。さらに気づいたソンオンがカプスを追いかけました。
***
カプスはファンに追いつくと後ろから斬りつけます。ファンは落馬して脇を押さえました。
ああ・・
カプスがファンに刀を向け、振り上げるとソンオンがそれを払いました。
この者の命は私に託されている
ソンオンはファンに刀を向けて言いました。ファンはソンオンを見つめます。
行け
カプスは馬で走り去りました。
***
カプスが行ってしまうとソンオンは刀を下ろしファンに跪きました。
無礼をお許しください
ソンオンは立ち上がりファンに手を差し出します。
逃げましょう
ファンはその手を掴みソンオンに頷きました。
***
二人は以前話していました。
ジェイさんを助け世子様も地位を守る道をお探しください
ソンオンはファンに言いました。
私が憎くないのか? ジェイが私の元に来たのにそちに返さなかった
ソンオンは視線を落とします。
憎かったです もっと早く私にお話くだされば世子様も楽であられました 一人で抱え込まずに済んだのです
ソンオン・・そう思ってくれるのか?
お忘れになりましたか? 私は世子様の友ですよ 世子様のためにジェイさんを助け世子様の地位をお守りします
そうソンオンは語りました。
***
ジェイは兵士に囲まれて処刑場に向かいます。橋を渡ろうとすると黒装束の集団が現れ矢を放ち兵士達と戦いました。集団は縛られているジェイを連れ去ろうとしますがジェイは抗い突き飛ばします。
離しなさい!
しかし一人が肩に担ぎその場から走り出します。
放してよ! 何故私を連れて行くの?
黒装束の男は馬のそばに来るとジェイを下ろしました。
えい!
ジェイは足で男を突き飛ばします。すると男は刀を抜きジェイに向けました。
あ・・
ジェイは後退りし、石につまずいて転びました。ジェイは男を見上げます。
俺だ
覆面を取ると男はテガンでした。テガンは刀でジェイの縄を切ります。
世子様がお前を連れて来いと
テガンは手を差し出しました。ジェイは戸惑います。テガンが頷いたのでジェイはその手を取りました。
世子様の使いで来たの?
ジェイは立ち上がると訊ねます。
世子様がお前をほっておくとでも? 全く助けに来たのに騒ぎやがって・・
テガンは服を払います。ジェイも一緒にテガンの服を払いました。
刀を持って近づかれたら当然でしょ 先に言ってよ 私は絶対に・・
「私は絶対許さない」 お前の性格はわかってるよ
ジェイは笑います。
本物の護衛官殿ね
しかし似合わない格好だな
長い髪に囚人の着物を着たジェイを見てテガンは苦笑します。
***
世子を廃位したのにこの陳情書は何だ?
王は書簡の山を見て話します。
世子様の座が空いており遺憾であると・・
大君を世子にしろという陳情書なのか
王は憤ります。
***
王は陳情書の中に紛れ込ませたファンからの手紙を受けとっていました。そして夜更けに書庫でファンとジュンオンの3人で密談をしたのでした。その時にジュンオンは開城府長官の織錦図の解読文を王に見せました。
王様、世子様を廃位し私を罷免なさってください
何故そのようなことを?
敵の目を欺くためです 私は今夜廃位なさるよう王様に土下座します
ファンが言いました。
そして敵の望み通り私を罷免なさってください 右議政達チョ氏の罪を暴く前に碧川出身者を助ける必要があります
ジュンオンも話します。
彼らの話に耳を傾け無念を晴らしてやるべきです
ファンは思案する王に告げました。
私が人目を避けてネワンコルに行きます 碧川出身者を善良な民として迎えましょう
王は二人の提案を受け入れました。
***
ウォンボはカプスからの報告を聞いて激怒しました。
廃世子と兵士長が消えただと? さらにコ・スンドルまで行方不明とは 一体何をやっているのだ!
ウォンボはカプスを怒鳴りつけます。そこへウォノが駆け込んできました。
兄上、大変です 碧川の事件で陳情書を書いたホン・ジェヨンが長通坊にいたんです! 全く何処かで見た顔だと思ったら・・
ウォンボは顔色を変えます。そしてカプスに命じました。
今すぐにそいつを連れて来い!
***
ファンとソンオンはジェイとテガン、ミョンジン、ガラム達と合流していました。
ご苦労だった
ファンは四人を労います。
世子様はご無事で?
ジェイは訊ねました。ファンは頷きます。
私達はどこへ?
今からネワンコルに行く
ファンは四人に告げました。
***
ウォンボに命じられたカプスはマンドクの食堂に行き夫婦を探します。しかし食堂には誰もいませんでした。サムチルが食堂に誰かいるのを見て声をかけました。
マンドク? いるのか
カプスはサムチルに訊ねました。
店主の知り合いか?
はい 数日前から姿が見えません 妻子を連れて急にいなくなりました
店主と親しい者は?
あそこの坊っちゃんが
サムチルは萬研堂を指さします。
カプスは萬研堂に入り板の衝立に張られた紙を剥がし懐に入れます。それから台に置かれた風車に気づいてそれも持ち帰ります。
***
マンドク達碧川出身者はネワンコルに来ていました。そこには碧川出身者達が小さな集落を作っていました。テサンは村の男達に自衛するための武術を教えていました。
ここで暮らすんですか
タルレがマンドクに訊ねました。
碧川出身者が隠れて暮らすネワンコルだ ネワン(来住)と書いて”来て行く”という意味だ
一時的に過ごすだけで必ず故郷に帰ります
テサンが来て言い、マンドク達を案内します。
***
ファン達は山で火を起こして野宿します。
食堂の夫婦が碧川出身者だったと?
碧川出身者が開城に荷を送っていましたがあの夫婦も送っていたんです
ガラムが話しました。
父に墓誌を届ける途中で寄ったら食堂はもぬけの殻でした
ミョンジンも言います。
おそらくネワンコルに・・
ジェイはファンを見ました。ファンは頷きます。
世子嬪様を殺したのは護衛官様の兄なのでは・・?
ガラムは言いかけてテガンを見ました。
あれ以来兄上は王宮に来ていない
東宮殿のチェ尚宮だ
ファンが断じました。皆は驚きます。
チェ尚宮も碧川出身者ですか?
<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep19/
ジェイの問いにファンは首を振ります。
いや・・ チェ尚宮は長く兄に仕えていた 兄が亡くなり本来は辞めるべきだったが私が残るように頼んだのだ
世子様が桃をあげてウィヒョン世子様を殺したと信じていたんですね
敵はチェ尚宮の思いを知り近づいたのだろう
呪いの書を置いたのも・・
ソンオンが不思議そうに聞きました。
呪いの書とは?
ファンは袂から紙を出してソンオンに見せました。ソンオンとテガンは呪いの書を読みます。
三年前にこんな呪いを?
ソンオンは驚愕します。
***
ウォンボはミョンジンの貼っていた紙を読みます。
ホン・ジェヨンとその妻が萬研堂の者達と親しかったと聞き調べたらそんなものが・・
カプスは話します。
これをすべて碧川のやつらが企てたと?
ウォノは狼狽えました。
廃世子と萬研堂が追っていたようです それから・・
カプスは風車をウォンボの机に置きます。
萬研堂にこれがありました
ウォンボは風車の羽を広げます。それはモルの書いた手紙でした。
僕らはネワンコルに行きます 故郷の人達が松岳山に住んでいます 会いたいです いつか来てください
もしかして廃世子とあの女もネワンコルに?
カプスが推測します。
兄上、世子が碧川で何があったか知ったら・・
パク・ハンスの話を? 宋家の女が生きていてこの家から出て輿に乗ったと 心当たりはありませんか?
カプスがウォンボに訊ねました。ウォンボの脳裏にこの家から輿に乗り王宮に行った王妃の姿が浮かびました。
まさか・・
ウォンボは屏風を押して隠してあった碧川の連判状を広げます。そこには王妃の名前がありました。
あの女が・・? 私は宋家の女を王妃に?
ウォンボはあまりのことに悔しさで涙を流しました。
ドラマ(第19話)の感想
ジェイが捕まりファンも諦めたように弱々しくなってしまったのでどうなるのかと思ったら敵を欺く計略だったのですね。ホッとしました。ソンオンはファンにジェイを奪われても親友であり続けて、ホントいい性格です。早く素敵な女性が見つかるといいけど、ハヨン王女じゃ駄目なのかな?
<画像出典>k-drama.ch/ourbloomingyouth-ep19/
来週は最終回で事件も決着しそうです。ファン達は悪辣なウォンボを倒せるんでしょうか?ジェイやガラム役の女優さん達も男装ばっかりだったけど綺麗な衣装を着ているのが最後に見たいです。女性の格好のガラムは素敵でしたね(*^O^*)。
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