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BSJapanextで放送の韓国ドラマ「スノードロップ」でヨンロを守り通したスホの命が尽きる!その第30~最終話の詳細なネタバレあらすじ、感想も!!

ドラマ

こんにちは。カナエです。今回もBSJapanextの韓国ドラマ「スノードロップ」(第30~最終話)について書きたいと思います。

ヨンロは初めて出会った喫茶店でスホの遺したテープを聴いて涙する・・

ドラマのキャストとこれまでの話

<第1、2話> <第3、4話> <第5~7話>

<第8、9話> <第10~12話> <第13、14話>

<第15~17話> <第18、19話> <第20~22話>

<第23、24話>  <第25~27話> <第28、29話>

ドラマ(第30~最終話)のあらすじ(ネタバレ

第30話

項垂れているスホ(チョン・ヘイン)ヨンロ(ジス)は声をかけようとします。けれどチョンヤが来てスホの隣に座りました。チョンヤはスホの横顔を見つめて言いました。

チェ副部長を知ってるのね

いいえ 知りません

即座にスホは答えます。チョンヤは言葉を継げずに沈黙しました。

戻ってこないかと・・

スホは遠慮がちに切り出します。

逃げてどうなる? 

チョンヤは聞きました。

いつも誰かに命を狙われて気が休まる時がない どうせなら2人の方がいい

チョンヤはスホを熱く見ました。二人の話を聞いていたヨンロは階段を上がり部屋に行きます。

ウンチョルチュ同志も一緒に 私は組員達を見捨てられません

チョンヤはため息をつきました。

私とあなただけで出ていくとでも?

チョンヤはリュックから銀行の証書を出しスホに見せました。

この証書と暗証番号で預金を引き出せる 暗証番号は・・私達が雪山で夜を明かした日よ

チョンヤはスホに気持ちを明かします。しかしスホは何も言わずに俯きました。チョンヤは証書をリュックにしまいます。

密航船を手配してある 午前2時に平沢港を出る船よ

2時・・ 急ですね まずはウン・チャンスと話を

スホは階段を上がります。チョンヤも後を追いました。

2人の話をいつもとは全く違う表情のマンドンが柱の陰で聞いていました。2人が階段を上がるとマンドンも姿を消します。

***

スホが部屋に来るとガンムハンナから聞いた話を伝えました。

ナムが捕まった カル記者は釈放される ハンナが迎えに行ってるところだ

良かった 司令官はウンの方がやりやすい

スホは言いました。ガンムはチョンヤをチラリと見て横を向きます。

変わった人だな 戻ってくるつもりなのにハンナを負かすとは

チョンヤは薄笑いを浮かべます。

そんなに心配なら彼女に危険なマネはさせないことね 尾行なんかさせるからトラブルのよ

ガンムが言葉に詰まっているとスホが告げました。

0時にはここを出る 「カル記者の釈放後に解放する」と寮長に伝言を

わかった

ガンムは部屋を出て行きます。チャンスに電話しようとするスホにチョンヤは告げました。

3億ドルを餌にしてここを抜け出すの

スホは頷きます。

***

チャンスはカル記者の釈放を止めハンナを取り調べ室に閉じ込めるよう電話で部下に指示します。その時スホから電話が来ました。

安全に出国する手引きをしてくれたら礼として3億ドル支払う その代わり我々を殺したと北に伝えてくれ 我々は祖国に追われずに済むしお前は3億ドルを送金できる

チャンスは請け合います。

隊員達を退却させて車を用意する 5分後祠堂に来い

人質を解放してからだ テレビ局のカメラを並べて親達を呼べ 

君たちがカネを盗んで状況が変わった 「すぐに射殺犯を投入しろ」と閣下から命じられた 閣下を説得するには時間が必要だ

0時まで時間をやる 解決を

その代わり人質と一緒に娘を解放してくれ 3億ドルがあれば娘は必要ないだろ

・・わかった 人質と解放する

0時ぴったりに祠堂に来い

チャンスは電話を切ると隊長を呼びました。チャンスに命じられた隊長は狙撃手を連れて祠堂の前で銃を構え待機します。

***

シン・ギョンジャはなくした本を探していました。すると階段の下でマンドンが無線で話しているのを目撃します。

指令は?

”イム・スホら組員を排除 牡丹峰と戻れ”

ついに戻れるんだな

驚いたギョンジャは靴音を立ててしまいます。マンドンがギョンジャを見上げたのでギョンジャは逃げ出します。

祠堂のそばに車を 以上

了解 ヘグムソン

***

マンドンに追われたギョンジャは部屋に入ります。部屋にはヨンロがいました。

ごめんなさい 勝手に入って

ヨンロは謝りますがギョンジャはベッドに潜り込みます。マンドンは毒薬を手にすると部屋に入ってきました。

おじいさん

ヨンロ

マンドンはヨンロがいるのに慌てます。

ああ、ギョンジャは戻ったか

マンドンはびっこをひきます。

救護室に行く途中で見かけて追いかけて来た 足が痛くてかなわん いたた・・

マンドンはベッドに座ります。ヨンロはマンドンの足を擦りました。

痛いですか?

ヨンロや 悪いんだが救護室から鎮痛剤を持ってきてくれ

わかりました

ヨンロは部屋を出ようとして部屋に薬が置いてあるのに気づきます。

ここにありますよ

ヨンロはマンドンに薬を渡しました。

ありがとう 水はあるかな

待ってください

ヨンロはヤカンからコップに水を入れます。ヨンロが背中を向けている間にマンドンはギョンジャに近づき毒薬を飲ませようとしました。しかしそこに寮長が入って来ました

1階に集合! キムさんも

寮長は3人に告げます。

もうすぐ寮を出られるのよ さあ早く

寮長に催促されギョンジャは安堵の息を吐きました。

***

ハンナはカル記者と面会しようとしますが後輩を警戒します。

ここです

後輩はハンナに部屋に入るよう促しました。

先に入って カル記者はのびてるはず 1人で運べって?

後輩は会釈して先に入りますがハンナが入ると閉じ込めようとして争います。ハンナは簡単に後輩を倒すと銃を突きつけました。

私は短気なの 頭に穴が開く前にカル記者の所へ案内しなさい

***

ハンナは血だらけのカル記者の取り調べ室に突入します。1人の要員を倒すともう1人に銃を向けました。

上着を脱いで

ハンナは血だらけでシャツ姿のカル記者を見て命じました。そしてカル記者に上着を着せます。

***

チョンヤはウンチョルとギョクチャンの着替えを机に置きます。

着替えて すぐに出発する

チョンヤは動こうとしないギョクチャンを見つめました。

私はケガをしているチュ同志を置いて行きたい 足手まといだから でもイム同志が連れて行くと聞かないの 組長として見捨てることは出来ないと

チョンヤは時計を見ます。

10分後に戻る 着替えていなければ置いていく

チョンヤは部屋を出ていきます。

***

ウンチョルは隣の部屋で着替えます。同じ部屋にいたは袋から服を出すとギョクチャンに渡しました。

早く着替えなさい ここを出るの

オは泣きながらギョクチャンに話します。

どこでだろうと生きてさえいれば・・ いいね?

ギョクチャンはオを見て迷います。

ほら、着替えて

***

カメラもなく親達もいないとは!

ガンムは電話でチャンスに怒ります。

学生達を殺すんですか?

チャンスはガンムに「病院にいる間に選挙工作のことを学生達に知られた、スパイが指令に背いている、とナム・テイルがコード1に報告した」と説明します。

すぐに寮を爆破しろとせかされてる この状況でカメラを並べ親を呼べるか

スホが受話器をを取りチャンスに言いました。

やはりお前は信用できない 3億ドルは諦めるんだな

待て! 君たちが出ていった後で「人質事件は選挙工作だった」と明らかにする ヨンロの名に懸けて約束しよう 学生達に何かあればヨンロは生きていけない 私を信じてくれ

嘯くチャンスにスホは呆れます。

おい! 安企部長・・

すると部屋に来たチョンヤが受話器を取りました。

わかりました 人質は任せます 我々が先に出ます 0時に祠堂へ

チョンヤは電話を切りました。

カン同志 安企部長は信用できません 先に人質を解放しましょう

スホはチョンヤに請います。

そうね 事件は自分のせいだから人質を救いたいのはわかる でも時間がないの 選びなさい 私達か 人質か

スホは戸惑います。チョンヤは部屋を出ていきました。

***

いずれにせよ学生達は俺が守る

ガンムが言いました。

カル記者はハンナに任せてお前は行くんだ ・・もう2度と会うのはよそう

ガンムは手を差し出します。スホはガンムの手を見つめ、そして握りました。

***

スホはチョンヤに頷きます。チョンヤは集まっている学生達を階上から見下ろしてスホに言いました。

5分あげる

スホはヨンロの手を引いて前寮長室に上がり話します。

俺達はもう行かないと 君はみんなと一緒にここを出るんだ

ヨンロは無言で頷きます。

俺は大丈夫だ 3億ドルがあれば殺されない

わかった 私は先輩や友達と一緒に出ていく 私の心配はしないで ・・気をつけて

2人はそれ以上何も言えずただ見つめ合います。

・・もう行くよ

背を向けたスホをヨンロは止めました。そして首に巻いていた兄のマフラーをスホの首に巻きます。

これは君の・・

大切なマフラーだと知ってるでしょ 私の大事な物だから必ず返して

けれどスホはマフラーを外しヨンロの手に持たせました。

なんで・・?

受けとったら返せない

ヨンロは俯きます。

また会えるって言ったのに・・ 生きていればいつか会えるはずでしょ

すまない もう2度と会えないとわかってるだろ

スホさん・・

待つな 俺は寮を出た瞬間君を忘れる

ヨンロは去ろうとするスホの背中に泣きながらしがみつきます。けれどスホはヨンロの手を払うと部屋を出ていきました。

***

ガンムはハンナからの報告を聞いて激怒します。

また俺達を騙したのか! カル記者は?

カル記者は無線に出て告げました。

今夜中に必ず放送に乗せます

ええ そうでないと人質を守れない 気をつけて

ガンムが無線を切るとシン・ギョンジャがマンドンについて知らせました。

キムさんが無線で誰かと話していました

なんだって?

”イム・スホら組員を排除” ”牡丹峰と戻れ”って

それは確か?

寮長は仰天します。

排除しろと?

ガンムは繰り返します。

組員も?

ブノクが聞きました。

ええ、はっきり聞きました 「祠堂に車をよこせ」とも言ってたんです

キムさんは?

ガンムに聞かれギョンジャは指差しました。

文書保管室へ 寮を出るみたいです

ヨンロはスホに知らせようと走り出しました。ガンムは後を追います。

***

サンボムは父親を捜していました。

あのジジイはどこに行った?

サンボムは祠堂に向かうマンドンの後ろ姿に気づきました。

父さん?

***

スホ達は祠堂からは出ずに洗面所の窓から脱出していました。

スホさん!

ヨンロの声に窓を乗り越えようとしていたスホは振り返ります。

同志 何をしてるの

すでに窓から出たチョンヤがスホを急き立てます。

急いで

スホは窓を乗り越え寮を出ました。

***

チャンスらは祠堂の前でスホ達を待ち構えていました。

”イム・スホらは洗面所方面から逃走・・ わあ!”

無線から銃声が響きます。

”応援を・・”

どうした? 報告しろ?

隊長が無線に声を上げます。

やられたな ただちに追え

チャンスは隊長に命じました。

全隊員 洗面所方面に移動!

隊員達は祠堂から去ります。

***

マンドンは扉の仕掛けを解除して祠堂の扉を開けました。そして周囲を警戒しながら工作員のバンに乗り込みます。追ってきたサンボムも後部座席に乗りました。

平沢港へ

マンドンは運転席の工作員に指示します。

なんで?

サンボムが後ろから訊ねたので前の席の2人は仰天します

サンボム! お前・・

このおじさんは誰だよ?

サンボムは父親に問います。

時間がないぞ 

工作員は言い車を出しました。

***

スホさん!

ヨンロはマンドンのことを知らせようとスホを追いかけます。地下を下り祠堂の扉を開けようとしますが追ってきたガンムが止めました。

3億ドルがある 簡単に殺されはしない

でもマンドンさんがスホさんを殺しに追いかけて行った

大丈夫 イム・スホはベテランだ 逃げきるはず

ガンムは祠堂の扉に閂をかけました。

会長がまた裏切った 人質が危ない 俺達で会長と戦うんだ

ヨンロはガンムを見上げ目を潤ませます。

***

スホ達は車で寮を脱出しました。

指名手配し港湾の検問を強化

チャンスは電話で命じます。

主要な交差点にも検問所を

マンドン達の車は道路で停車しました。マンドンは車から降りて後部座席のドアを開けます。

降りろ

マンドンは息子に言いました。

何故降ろしたがるんだよ? いったいどうなってる 罠は解除するし足が痛むはずなのに走ってた 父さんはいったい何者なんだ?

いいから降りろ

嫌だ どうしてこんな夜中に平沢へ?

遅れるぞ

工作員が急かします。マンドンは息子に銃を向けました。

降りろ

父さん・・

正体を知って何になる 降りるんだ

サンボムは手を上げて車から降ります。 

父親は死んだと思え

父さん・・

マンドンはサンボムを突き飛ばすと車に乗ります。サンボムを残し車は走り去りました。

***

スパイだったとは・・ オさんは濡れぎぬでした

寮長は食堂のオを見つめます。

どんな任務のために寮にいたんでしょう?

寮長はガンムに聞きました。

わかりません でも女子寮は最高の潜伏場所かと

ガンムは銃に弾を装填しながら話します。

ヤツらは今夜突入するでしょうか

・・備えましょう 罠を再度設置してできることはしないと あとはカル記者の放送に懸けるしか・・

ガンムは目線を落とします。

***

ハンナとカル記者は放送局に忍びこみます。

放送終了まであと3分です

ハンナはカル記者に言いました。

オーケー 任せろ 最悪な放送事故になるぞ

***

道路には検問が敷かれていました。スホ達は車を止めて様子を窺います。

迂回したら2時には間に合わない

チョンヤは困惑します。

2人なので撃ち殺しますか?

ウンチョルは銃を出しました。しかしスホが取り上げます。

それではヤツらの思うツボだ 位置を教えることになる

仕方ない 分かれましょう

チョンヤは告げました。

顔を知られていない2人は車で行け カン同志と私は徒歩で

スホはウンチョルに札束を渡します。

徒歩じゃ無理です

ウンチョルは言いました。

念の為に8時の貨物船も手配した 先に行き青島港で待機を

チョンヤは指示しました。

カン同志、降りましょう

気をつけて

チョンヤはギョクチャンに声をかけます。

どうかご無事で

車を降りたスホにウンチョルが言いました。

待ってます

スホはウンチョルの手を握ります。

ギョクチャン、向こうで一杯やろう

俺と飲んだら潰れるぞ

スホはギョクチャンに微笑みました。

第31話

ハンナとカル記者は放送中の職員を銃で脅して追い出し、ラジオ放送の電波ジャックを行います。カル記者は”寮の人質達に命の危険が迫っている”と国民に訴えました。

”人質事件は政権中枢が主導した選挙工作だと内部告発がありました”

ハンナもカル記者と共に話します。

”人質解放の際付き添った要員です 時間がないので先に言います イ・ガンムチーム長、聞いてますか”

ハンナはガンムに呼びかけました。

”私にはあなたのような信念や愛国心もない でも政権のため学生を殺す連中は到底許せない 真っ向勝負するから生きて 学生達も聞いてる?”

ラジオの周りに集まった寮生達は返事しました。

はい!

”みんなも生きるのよ!”

寮生達は頷きます。

”選挙工作の証拠があるそうですね”

カル記者が聞きました。

”はい それをマスコミに配ってももみ消されたので内部告発を決心したんです 選挙工作を主導する連中の音声を録音し・・”

すると突然放送が切り替わりました

”以上大韓民国の首都ソウルからJBC放送をお送りしました”

みなはざわめきます。

ちょっと! 途中なのに

ヘリョンは叫びます。一緒聞いていたガンムはハンナに無線しにいきます。

でも選挙工作なのは伝わった

要員の内部告発だから影響は大きいはず

私達も何かしよう

そうだね

“人質事件は選挙工作”と横断幕を書いて張るのは?

ジョンミンが提案します。みなは賛成しました。

材料を集めよう

***

ウンチョルとギョクチャンの乗る車は検問を無事通過しました。しかしマンドン達の車が後を追います。

スホとチョンヤは雪の中を歩き岩場で野宿します。チョンヤは焚き火の火を見つめながら話しました。

別の国に行ったら何をしたい?

・・カン同志は何をしたいですか?

スホは飲み物を飲みながら聞きました。

私はただ平凡に暮らしたい 子供を産んでご飯を作って洗濯して たまに子供を叱ったり夫に小言を言ったり そんなふうにね

チョンヤは微笑みます。

祖国とか革命とか任務とかすべて忘れて・・

叶いますよ

スホは言いました。そして懐からヨンロのカセットテープを出してながめます。

***

選挙工作をやめろ

人質の親達は看板を掲げて安企部に抗議します。

娘を返して!

チャンスは事態の収拾に苦慮します。

保護者を取り調べ室に連行しろ それからアン・ギョンヒにハンナを片付けさせろ

牢から出されたアンは喜びます。

私にお任せください 会長に命を捧げます!

車に乗るとアンは電話でチャンスに感謝しました。横に乗ったミヘはアンの乱れた髪を整えます。

あとは3億ドルを取り戻せばバラ色の暮らしが待ってる 神様がくれたチャンスよ しっかりね

ミヘはアンを励まします。

***

ここを開けろ

放送局には安企部が押しかけます。

あいつら・・

ハンナは防戦しますがそこにサングラスをかけたアンが来ました。ハンナはガラスをはめたドア越しにアンに銃を向けます。

ハンナ 怖いじゃないか

アンはドアのガラスをポールで叩き割りました。部下達がそこから部屋に入りハンナとカル記者を捕らえました。

放せ!

部下が開けたドアからアンが入ります。

正気か まるでヤクザだ

カル記者が抗議するとアンは銃でカル記者の肩を撃ちました。

カル記者!

ハンナが叫びます。

片付けろ しっかり止血しろよ

アンは命じます。部下はカル記者を連れて行きました。

***

3選議員の父親の威を借りるのもいい加減にしろ

アンは部下に捕まったハンナを小突きました。そこへハンナの父親の議員がやってきます。

チャン・ハンナ!

議員はハンナの頬を張りました。

議員、落ち着いて

アンが止めます。

アン局長・・いや室長、電話をありがとう

議員は礼を言います。

すべての責任はイ・ガンム、あのクソ野郎にある わかるよな

わかります あの男は以前にも議員に刃を向けましたから

それは何の話?

ハンナは父親に訊ねます。

安企部は権力者を守る機関だろ 私は目障りなヤツを葬っただけなのにヤツは私の右腕を捕まえやがった あの男のせいで私も辞職させられそうだったんだ

・・まさか 父さんのせい? 何故彼が私を捨てたのかずっと知りたかった 父さんだったの?

何故あんなろくでもない男と!

父親は叫びます。

父さんと違うから! だから好きになったのよ ろくでもない父さんと違うから!!

こいつ・・!

まあまあ、落ち着いて

アンがハンナを殴ろうとする議員を止めます。

アン室長、こいつを連行して痛めつけてやれ それからイ・ガンムを殺せ 今日の放送の件はどこにも報道させるな

もちろんです お任せください

アンは頭を下げ部下に命じました。

連行しろ

イ・ガンムに手を出したら殺してやる!

ハンナは叫びながら連れて行かれます。

***

ハンナ 応答してくれ ハンナ、どうした

ガンムはハンナに呼びかけますが答えはありません。

あのバカ 無謀過ぎる

寮長はガンムの様子を扉の陰から見て目を伏せます。そこへブノクが来ました。

***

寮長とブノクはお茶を飲み話します。

あなたのお姉さんのヨノクはたった1人の親友だった でもヨノクが私の愛する婚約者の子を身ごもったの 私は絶望して韓国に戻った

寮長はブノクに過去を物語ります。

でも帰国3日目に何故か安企部に連行され酷い拷問を受けた 婚約者の師が親北学者というだけで・・ ヤツらは政権安定化のためスパイ事件を捏造しようとしていた

寮長は唇を震わせます。

数週間続いた残酷な拷問に耐えられずついに虚偽の自白をしてしまった ”自分は平壌に行ってない 彼と平壌に行ったのはヨノクだ”と

ブノクは目を潤ませます。

つまり姉が死んだのはあんたのせい?

ええ そうよ 彼女は拷問に耐えきれず自殺 婚約者は拷問の後遺症で植物状態に 月に1度入院費を払いに行きあなたの面倒をみながら自分を正当化し続けた ”あれは仕方なかったのだ”と

ウソつかないで! 恋人を奪われた復讐でしょ? 拷問に屈した? なら何故安企部の諜報員を?

ブノクは怒ります。

そうね もしかすると・・ 復讐心もあったかも ヨノクを憎んでたから 心の底から

ブノクは流れる涙を拭います。

死ぬまで隠す気だったの?

いつかあなたとご両親に膝をついて謝罪し真実を言うべきだとわかってはいたけど・・怖かった 怖かったのよ ブノク

寮長はブノクを見つめました。

寮長になり諜報員をやれと言われて拒めなかった 従うしかなかったの 生きるために

私には”自分だけ助かろうと思うな”とか言って

ブノクは寮長を睨みます。

絶対に許せない 私はあんたを許さない

ブノクは部屋を出て行きます。寮長は1人涙を流しました。

***

ウンチョルは港で海を見ながらギョクチャンに言いました。

チュ同志 10分で船が来ます カン同志達は大丈夫ですよね

1晩で90キロ行軍した人達だぞ

ギョクチャンは答えます。ウンチョルは堤防の縁に座って笑いました。

ところでカン同志は組長同志が好きなのでは?

だから3億ドルとともに帰ってきた

ギョクチャンが続けます。

やはり愛の力は偉大ですね

ウンチョルは空の月を見て話しました。

なんだかあの月は松餅のようです 母が作る松餅は最高に美味いんです 腹が減ったな!

ウンチョルはギョクチャンを見ました。

発つ前に南朝鮮の唐揚げが食いたかったです

俺はカップラーメン

ラーメン・・ チュ同志

ウンチョルは立って説明しようとしました。

南朝鮮の鶏肉は・・

その時頭を撃たれウンチョルは倒れます。

ウンチョル!

ギョクチャンは銃で応戦しようとしますが、マンドンに肩を撃たれ倒れました。マンドン達が来てギョクチャンに訊ねます。

カン・チョンヤとイム・スホは?

・・母には俺が死んだと言わないでください

もう1人の工作員がギョクチャンを撃ち殺しました

居所を聞くべきだろ

マンドンが反発しました。

どうせ知らんさ 検問を避けるために二手に分かれたんだ

マンドン達は撃った2人を海に捨てます。

***

人質の学生達は朝方まで横断幕を作っていました。

ニュースの時間よ!

みなはテレビの前に集まります。テレビではアン室長が話していました。

”野党は人質事件を利用しています 学生達の命を軽んじ政権を握ることしか考えていないのです”

サングラスをかけたアン室長は姿勢を正しました。

”そこでこれまで伏せてきた事実を明らかにします ウン安企部長の娘である英文科1年のウン・ヨンロさんが人質になっています 安企部の要員達は安企部長と共に親のような気持ちでスパイと戦って来たのです”

チャンスはテレビを見て顔を歪めます。

”これが工作のわけがありません 親愛なる国民の皆さん 安企部と軍、警察は未来ある若者を救うべく・・”

あの野郎・・

チャンスは憤ります。

***

チャンスはアンに書類を投げつけました。

正気か? 娘がいると公表したらヨンロだけ救いだせないだろ!

私もそう思いましたが・・

そこにホン夫人が弁当を持ってやって来ました。

アン室長は悪くない 私が指示したの

ヨンロを殺す気か?

チャンスは夫人に怒ります。

ヨンロのことばかり! 深夜の音楽番組とはいえ全国に流れたのよ 問い合わせが殺到してる 収拾しないとコード1が黙ってないわよ!

チャンスが夫人の勢いに押されているとコード1から電話が来ました。

ウン・チャンスです

選挙工作という言葉が流れたんだぞ 何をグズグズしている さっさときれいに片付けろ

閣下 選挙工作が疑われている今学生達を殺してしまったら野党にとことん追及されます 今の状況では学生達を救出した方が選挙に有利です ご再考ください 閣下

マスコミが騒いでいるのに33人全員を解放するだと? 口止めできる自信はあるのか?

はい! どんな手を使っても33人をしっかり口止めします お任せください

待ってろ

コード1は電話を切ります。

娘を救うために人質を生かそうってわけだな・・

コード1は秘書に電話します。

***

安企部で拷問されていたテイルはコード1から連絡を受けます。

総長 大統領秘書室長から電話です

拷問していた要員達は顔色を変えました。

キム室長、ナム・テイルです

下着姿のテイルは電話に出ました。

閣下が事態を収拾しろと

キム室長は話しました。

最後の機会です

テイルは涙ぐんでお辞儀をしました。

ありがとうございます! このナム・テイルが必ずやなんとしても抜かりなく処理いたします!!

テイルは頭を上げると自分を拷問していた要員達を見回します。そして自分が殴られていたバットで要員達を殴りつけました。

よくもこの国のナンバー2を殴りやがったな!

テイルは殴り続けました。

***

テイルは自分の腹心のチェ室長を釈放させ、安企部長室に行きます。そしてデスクからチャンスの名札を放りました。

ヒジュン、お前をこの座に据えてやる

チェ室長は驚いてテイルを見ます。

テイルさん、なんでもします

最後のチャンスだ 命がけで臨もう

テイルは告げました。

***

スホとチョンヤは港でウンチョル達を待ちます。

あと30分 車で待ちましょ

2人はジープに乗ります。

エンジンをかけるとカーラジオからニュースが流れました。

”安企部長の娘ウン・ヨンロがスパイの手助けをしたとの内部告発があり、安企部長解任の決定的な事由となりました”

スホはニュースに聞き入ります。

”新たな現場責任者はナム・テイル事務総長です”

そしてテイルの声が流れました。

”安企部長の娘がスパイを助けるとは言語道断 今日中に連中を一網打尽にしてみせます”

チョンヤがラジオを切ります。

気にしないで もう私達とは関係ない

ナム・テイルはカン同志の正体を隠すため寮を爆破します

だから何?

・・行かないと

チョンヤは仰天してスホを見ました。

なんですって?

ヨンロが危ない

チョンヤはスホを見つめます。

・・行けば死ぬ 間違いなく

チョンヤは命じました。

忘れなさい 発つのよ

スホは目をつぶります。

忘れようとここまで来ました でも無理です ヨンロを助けたい

・・あなたを助けるため寮に戻った私は?

スホは沈黙します。

まあ、私はいいとして 悔しくないの? 船に乗れば新たな人生が待っているのに ・・なのに死地に行くと?

チョンヤはスホを必死で説得します。スホはチョンヤを見つめ前を向きました。

すみません

すると車の両側からマンドン達が銃を向けました。

降りろ

2人は車から降ろされます。

***

マンドンは手を上げたスホに銃を向けます。

さっさと始末しろ

工作員はマンドンに言いチョンヤを連れて行きました。マンドンはスホを狙います。

あなたでしたか オさんではなく

恨むなよ 党の命令だ

ウンチョル達は? 今どこに?

裏切り者は死あるのみ

スホは手を下ろします。

組長を殺し自爆するべきだった 革命戦士らしくな

それで・・? 革命戦士として生きたあなたは幸せでしたか? 息子に正体を隠すため父親らしいことも出来ず あなたは哀れな人です

スホはマンドンから顔をそらします。

可愛そうだ もし生き延びても私の未来の姿はあなたなのでは?

マンドンは狙いを定めます。

死は怖くありません ですが・・ヨンロが危ない ナムが現場を掌握しました どうなるかはお分かりのはず

マンドンの表情に迷いが生まれます。

***

チョンヤは車に手錠で繋がれました。工作員が戻ってきてスホを撃とうとします。マンドンは工作員を狙い、2人は互いに撃ち合い倒れました。

***

倒れた2人のうちマンドンにはまだ息がありました。

ああ・・

断末魔のマンドンは前寮長との諍いを思い浮かべます。

もう!

前寮長は不機嫌に電話を切りました。そして照明のつけ替えに来たマンドンに聞きました。

フンボルト大学チェ教授をあなたはご存じですね?

は・・? 誰ですか

ドイツ留学時代教授のお宅に遊びに行ってたんです ある日応接室から出てきた男とすれ違いました そのあと教授がその男から貰った熊肝酒を味見させてくれました あの強烈な匂いと味は忘れられません

前寮長はチェストの上から酒を取ってきてマンドンに示しました。

昨日これをキムさんの部屋で見つけました

マンドンは狼狽えます。

寮長、すみません 寮で酒を飲んだらいけないのに・・

この匂いを嗅いだら思い出したんです 教授のお宅ですれ違ったのがあなただと

前寮長はマンドンを指差しました。

そんな! 私は・・

私は! 11年5ヵ月と12日、ここの寮長を務めてきました 勘違いだという言い逃れは通用しません

マンドンはメガネを取りました。

通報するのか?

マンドンの変化に寮長は目を見張ります。

もうじき死ぬくせにうるさい女だな

前寮長は軽蔑の色を浮かべました。

やっぱり私の勘は正しかった スパイね

ある時は中国人 ある時は在ドイツ同胞 日本人のカネモトタツヤ

マンドンはカーテンを引きます。

そしてキム・マンドン 

マンドンは手袋をしながら話しました。

30年もの間何故正体がバレなかったか? 正体を知った者を全員殺したからだ だが特別に最後の機会をやろう 名もなき寮長として死ぬより共に北南統一に貢献し革命戦士として名を残そうではないか どうだ?

マンドンは電話を取ろうとした寮長の手を払います。

嫌か?

イデオロギーの奴隷になるならソン・ヒジュとして死ぬわ

奴隷だと? 首領様の人民愛を・・

愛? 自由も与えないのに? 騙し詐取し暴力的に支配してる

なんだと?

マンドンは寮長の首を掴みました。

貴様には世のために自らを犠牲にする精神など微塵もないだろうな

いいえ!

寮長はマンドンを突き飛ばします。

私もかつては平等な世界に憧れていた マルクスに傾倒していたから だけどたった1人のために存在する世界のどこが平等なの?

寮長はマンドンに訊ねました。マンドンは立ち上がり語ります。

”1人は全体のために” ”全体は1人のために” 党のスローガンだ 我々は平等に暮らしてる

笑わせないで 30年のスパイ活動でいろいろ見聞きして悟らなかった? 主体的に生きているのはたった1人だと 

わかったような口を!

マンドンは紐を取ります。

腐った資本主義者の目には

マンドンは寮長を椅子に座らせます。

肉体的な命しか見えんだろう 我々は永遠に生きる政治的な命を重視する

政治的な命? 永遠? まるで新興宗教ね

お前達には死んでもわかるまい

マンドンは紐で寮長の首を絞めました。

イデオロギーもなく生きる空っぽなお前達には我々を理解できまい

あなたって本当にかわいそうな人ね

寮長は首を絞められながら言いました。

なんて哀れな人・・

マンドンは息絶えました。

***

スホはチョンヤの手錠を外します。

ウンチョル達は・・

殺されたでしょうね 要らなくなった駒だから

チョンヤは言いました。

青島からさらに安全な場所に行ってください

チョンヤは預金証書を差し出します。

持って行って これがあれば連中はあなたを殺せない あなたを救えるなら私はそれで十分よ

スホは証書を持ったチョンヤの手を下ろします。

このカネで幸せになるんです 一緒に行けない私の心を軽くしてください

チョンヤは目を潤ませます。

ウンチョルもチュ同志も反逆者なので家族が危険です 我々の代わりに家族を脱出させ面倒をみてください

チョンヤはスホを見上げました。

わかった その約束は何があっても必ず守る

ありがとうございます

私はウネよ キム・ウネ

スホは優しくチョンヤを見つめます。

これからはカン・チョンヤでも牡丹峰でもない キム・ウネとしてごく普通に幸せに生きてください

2人は微笑み合います。

それから私は・・

チョンヤは首を振り大粒の涙を流しました。そしてスホに笑って頷くと歩き出します。

第32話

寮の周りを狙撃手が取り囲みます。

お願いです どうか学生達は助けてください ナムが戻ったら寮を爆破する その前に学生達を解放します 口止めは得意でしょう?

ガンムはチャンスに電話で懇願しました。

君は?

チャンスは問います。

私は生涯口をつぐみます 必要なら虚偽の証言もします ”安企部は極悪非道なスパイ達から学生達を救おうと力を尽くした”と

信用できると思うか?

何の罪もないうら若き学生達です お願いします! 学生達を救えるなら良心や信念などいくらでも捨てます!

ガンムは必死で粘ります。

いいだろう 5分後に解放しろ

チャンスは電話を切ります。

あなた! もう安企部長じゃないのよ! 将来を考えて・・

ホン夫人が止めますがチャンスはアン室長に指示しました。

記者を呼べ 解放した方が我々に有利だ

しかしアン室長はガンムに無線で連絡します。

イ・ガンム、寮は完全に包囲されている 現場には記者もいない 誰であろうが寮から出てきた者はただちに射殺する

ガンムは無線を投げ窓から外を見て絶望しました。アン室長はチャンスに告げます。

すみませんがもう現場から出てください

お前・・

チャンスはアンを睨みます。夫人がチャンスの腕を取りました。

出ましょう ナム・テイルが来るのよ

***

ナム・テイルは装甲車で寮にやってき来ました。記者達は写真やカメラで撮影します。軍服を着たテイルは戦車の上に姿を現し、駐車した車を潰しながら手を上げました。

止まれ!

記者達が戦車の前に集まります。

与党の事務総長が戦車で登場とは異例ですが

本部と決めた作戦ですか?

記者達が訊ねます。テイルはサングラスを取りました。

国民の皆さん、かつて戦車で漢江を越え国家を救った将軍ナム・テイルです この国で人質事件を起こしたアカどもを一掃すべくやって参りました 私が事態を収拾してみせます

テイルはサングラスをかけます。

前進!

記者達は脇によけました。

***

スホはジープでホス女子寮に向かっていました。

ナム事務総長がM48戦車でホス女子大へ” 

スホはカーラジオの音量を上げます。

”軍部隊も大挙出動するものと思われます”

スホはジープのスピードを上げました。

***

”自爆の危険性が高まっていることから強硬対応すべきとの判断の下出動に至りました”

寮生達はテレビを観て戦慄します。

あれって戦車よね?

あれが寮に入って来るの?

寮生達は騒ぎます。

スパイ達はどこに行ったの?

自分達だけ逃げたの?

ガンムが寮生達を制しました。

静かに! 突入される前に何が何でも寮を出る

礼拝室に移動しましょう

寮長に指示されて学生達は従います。

***

テイルは詰め所に来るとチャンスを見てアン室長に訊ねました。

何故こいつがまだ現場にいるんだ? 部外者を入れるなよ 追い出せ

テイルは部下に命じました。

起爆装置をよこせ

これか?

チャンスは持っていた装置を示します。そして床に投げつけました。

キャア!

夫人が悲鳴を上げます。テイルは無惨に壊れた装置をながめました。

こいつ・・

テイルはチャンスを殴りつけます。

あなた!

夫人が走りよりました。

このバカが・・ ”我々が学生達を殺す”とチャン・ハンナが騒いだだろ 学生達を救ってこそ我々に有利なんだ 救うべきなんだ わからないか?

閣下が殺せと仰せなんだ!! お前が指図するな!

テイルが殴ろうとするのをアン室長達が止めてテイルを連れて行きました。

***

夫人はチャンスを病院に連れて行きます。チャンスは車から安企部に電話しました。

スンジョン、チャン・ハンナを解放しろ

チャン・ハンナをですか?

あなた、コード1に睨まれてもいいの?

夫人は驚きます。

早く釈放するんだ!

チャンスは命じました。

***

ハンナは釈放されると小型バスを乗っとり寮に向かいます。

寮ではガンムが寮長やヨンロと対策を練っていました。

脱出には祠堂側の隊員を正門に誘導しないと

そこにブノクが入ってきてベッドに座ります。

私がやります

ヨンロが言いました。

作った横断幕を持って屋上に上がれば追いかけて来るのでは?

危険過ぎる

寮長が断じます。

アン・ギョンヒを使いましょう

雑誌を読むふりをして聞いていたブノクが立ち上がりました。

姉を殺したヤツ? 私が無線を

3人は驚いてブノクを見ます。

***

ハンナはバスからガンムに無線で呼びかけました。

チーム長、バスで向かっています

ガンムはハンナの話に驚きますがすぐに指示しました。

連中を引き付けておく 祠堂側に来い

はい 15分で行きます

***

ブノクはアン室長に無線します。

もしもし おじさん 聞こえますか

なんだ またお前か もうやめろ

アン室長は応じます。

「人質事件は選挙工作」と書いた横断幕を持ってみんなが屋上に行きます

屋上? イ・ガンムは?

4階のドアの前で見張ってます 私を助けてくださいね 絶対・・

わかったよ

アンは無線を切ります。

信用できるのか?

テイルが聞きました。

カン・チョンヤの件を密告した子ですよ

それを聞いたテイルは命じました。

すぐに祠堂側の兵力を正門側に回せ

ブノクは無線をガンムに返します。

よくやった

ガンムはブノクを褒めました。寮長は優しくブノクを見つめます。

***

隊員は祠堂から離れました。

地下2階の非常口から出て

寮長は学生達を移動させます。みなは階段を下りて行きます。ヨンロは足の弱いオを助けながらついていきました。

ヨンロ、急いで!

ソリがヨンロに手を振りました。

先に行って

オはヨンロを行かせると階段を上がりました。

うちの息子はどこ?

オさん!

ヨンロや寮長、ブノクが後を追います。しかしオは廊下の糸に足をひっかけて爆発に巻き込まれてしまいました

オさん!!

ヨンロは叫びます。

***

正門から隊員達が寮に入りました。ハンナのバスは祠堂前に着きます。

祠堂に着きました 学生を連れて外へ

了解 行くぞ

ガンムが祠堂の扉を開けると銃を向けたスホが現れます。ガンムは目を丸くしました。

イム・スホ 何故ここに?

祠堂前の隊員は始末した 早く脱出を

学生達はバスに乗り込みます。ガンムは学生を逃がしながらスホに言いました。

2度と会わない約束だろ?

ヨンロは?

スホはヨンロを探します。

ヨンロがいない

先生もだ

ガンムは祠堂の扉から待っているハンナを見ました。

チーム長! 早く

ハンナ まだ中に人がいるんだ 先に行け

ガンムは無線で告げました。

なんですって?

ハンナは泣きそうになります。

イ・ガンム 勝手に死んだら私が殺すからね

ハンナは涙を流します。

ああ お前の手で死ぬよ だから心配せず先に行け 以上

ガンムは寮に戻ります。ハンナは扉を睨みバスを出しました。

***

3人は爆発でケガを負ったオを助けていました。スホは3人の所へ走ります。

スホさん

ヨンロはスホを見て驚きます。そこへ隊員が来ました。

隊長 敵を発見

スホは3人を部屋に逃がして敵と戦います。

イム・スホ!

ガンムも来て応戦しました。

礼拝室へ!

***

5人はガンムを先頭にスホが最後尾を歩きます。地下に降りると敵が撃ってきました。スホは敵と撃ち合います。

スホさん!

護衛するからヨンロを連れて逃げろ!

ガンムが叫びます。スホは車の鍵を投げました。

ジープを止めてある ヨンロを連れて逃げろ

だめ!

ヨンロが叫びます。

お前が行くべきだ

ガンムがスホの肩を掴みます。

お前が連れて行けよ!!

ガンムはスホに訴えます。

言う事を聞け 兄貴に従うんだ

ガンムは肩を揺すります。

スホは首を振りガンムを見つめました。

兄貴 兄貴が行くべきだ ヨンロを連れて出ろ

敵が銃を撃ち込みます。ガンムはスホの頬を撫でました。

ヨンロ 行くぞ

そんな・・ いや!

ヨンロはスホの腕を掴みました。ガンムがヨンロの手を引きます。2人の手は離れました。

一斉射撃! 進め!!

スホは銃で撃たれます。

***

ブノクと寮長はオを祠堂の扉まで運びました。

待ってて

ガンムが外の様子を見に行きます。後ろにいたヨンロは後退りして階段を降ります

だめよ! ヨンロ!

寮長が止めますがヨンロは降りて行きました。ガンムが来てヨンロが行ったのに気づきます。

・・行きましょう

ガンム達はジープで去りました。

***

スホは血だらけになりながら戦っていました。

スホさん

スホはヨンロが戻って来たのを見て驚きます。ヨンロは血だらけのスホを見て泣きじゃくりました。

ヨンロ

スホはヨンロを抱きしめます。

***

狙撃隊は続々と寮に入ってきました。ヨンロは傷ついたスホを助けて4階に上がります。隊員の一人がスホの血の後に気づき隊に知らせて追いました。スホは前寮長室に来ると倒れ込みます。

スホさん!

それでもスホはリュックから無線機を出すとテイルに連絡しました。

・・ナム・テイル イム・スホだ 聞こえるか? 俺は3億ドルの預金証書を持って寮にいる・・

貴様の言う事など信じるわけないだろう!

ス・・スイスBR銀行 口座番号は492975

テイルは顔色を変えスホの話をメモしました。

暗証番号は・・ 俺とウン・ヨンロだけが知っている

スホは無線を切ります。

おい! 暗証番号を教えろ!

テイルは寮へ向かい走り出しました。

***

狙撃手達が前寮長室を取り囲みます。スホが血を吐いたのでヨンロは悲鳴をあげました。ヨンロがスホのジャンバーを開くと体に何か所も撃たれていました。

どうしよう・・

ヨンロは置いてあった兄のマフラーで傷を塞ぎます。

駄目 スホさん・・

ヨンロ・・ 今から言う事をよく聞いて

その時狙撃手が部屋に入ってきて銃を構えました。スホも敵に向かい銃を構えます。

銃を捨てろ 投降すれば学生は助かる

撃たないで

ヨンロが泣き叫びました。

撃たないで お願い

銃を捨てろ!

スホは銃を置きます。すると隊長がスホを狙いました。スホはしがみついていたヨンロを突き飛ばします。隊員が一斉にスホを撃ちました。

やめて!!

ヨンロは倒れたスホに抱きつきます。

射撃中止! 撃つな!

テイルとアンが来て隊を止めました。

ヨンロ・・

駄目よ! イヤ・・

スホは泣きじゃくるヨンロの手にカセットテープを握らせます。

生きるんだ・・

スホはヨンロの頬を撫でました。

どんなに辛くても・・生きて

・・いいね?

ヨンロは頷きます。

約束する

ヨンロの頬からスホの手が落ちました。

スホさん!

ヨンロは叫びます。

銃を下ろせ! 誰が撃てと言った?

テイル達はスホとヨンロに近づきます。テイルはヨンロをどかせようとしました。

おい、どけ

イヤ!

連れて行け

イヤ

スホさん!

スホは泣き叫びながら連れられていくヨンロを見つめます。そして息絶えました。

***

”パク・ムヨル大統領の当選祝賀会が今日の午後ソウル市港南区で開かれ各界から8000人あまりが参加しました”

テレビでは新大統領のニュースが流れていました。ミヘの店「シャルマン」は差し押さえられミヘは床に座り込み茫然と嗚咽していました。ソファーに座っているソンシムは悔しそうにテレビを睨みつけます。

ホン夫人はチャンスの家の金庫からお金や通帳、金の延べ棒を出すとスーツケースに詰めます。そしてチャンスの写真を足で踏むと家を出て行きました。

***

ウン・チャンス、ナム・テイル、アン・ギョンヒは逮捕されました

”チェ前大統領と共に選挙工作を企てたとされる前愛民党事務総長ナム・テイル、前安全企画部長ウン・チャンス、前企画調整室長アン・ギョンヒとパク氏の密接な関係が噂されていますが、パク氏側は「当選無効化を狙うデマ」と一蹴 選挙工作事件の真相究明に聖域はないと述べました”

ガンムとハンナは車で寮に向かっていました。ガンムは白い菊をスホに手向けるつもりでした。2人は目を合わせ穏やかに微笑みます。

寮は元通りになり通常の生活が始まっていました。夜の九時になり寮長とブノクは仲良く学生の点呼に出かけます。

***

ヨンロは1人喫茶「ローマ」を訪れました。そしてスホの座っていた席に座ります。

ヨンロ 喫茶ローマで初めて会った時を思い出す 崩れるマッチ棒の塔に手を伸ばす君を見た時 実はあの時から心惹かれていた

ヨンロはスホが最期の時にくれたカセットテープを聞いていました。そこにはスホの声が吹き込まれていました。

もし俺が普通の若者だったらあの日君をデートに誘っていたはず

スホと常緑樹レコード店で会った日にスホが夕食を誘おうとしたのをヨンロは思い出します。

そしたらきっと恋人になっていたよね・・ 遊園地に行ったり映画を観たりそうやって好きなだけ君といたかった

その時スホは暗い寮の部屋で語っていました。

どうして俺はそばにいてはいけない人になってしまったんだろう

ヨンロはテープを聞きながら涙を流します。

でも出会ったことを後悔してない 冷え切った俺の心に花を咲かせてくれたヨンロ ありがとう・・

スホは話しながら目を潤ませていました。

そばにいなくても俺は君を一生忘れない

夜の寮を照らす安企部のサーチライトが涙を流すスホの頬を光らせます。

ウン・ヨンロ 愛してる

カセットテープが止まります。ヨンロは泣きながらテープデッキを胸に抱きました。

寮の柵にはヨンロが飛ばした紙飛行機が以前のままに刺さっていました。

ドラマ(第30~最終話)の感想

スホとヨンロの悲恋が切ないを通り越し悲し過ぎて痛かったです。ガンムのために最初からずっと奮闘していたハンナスホのために3億ドルを持って寮に戻ったチョンヤが別れの際に流した大粒の涙せっかく心が通じあったのにあっけなく殺された若いウンチョルとギョクチャン、みんな痛い、心に迫るものがありました。このドラマの大半が寮の中の場面でスホたち工作員と安企部との緊迫感に満ちたやり取りがこれでもかと続いて、最後やっと外に出られたのに残酷な国家権力に命を奪われるスホ。  

”どうして俺はそばにいてはいけない人になってしまったんだろう”

国家という強大な力に抗いながらも結ばれなかった2人。最後の紙飛行機の場面はそんな2人の悲痛な思いを代弁しているように思えました。

ドラマ
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