こんにちは。カナエです。今回もBSJapanext放送の韓国ドラマ「ゴールデンスプーン」(第23、24話)について書いています。
誕生日が終わるとスンチョンとテヨンは再び入れ替わる
ドラマのキャストとこれまでの話
ドラマ(第23、24話)のあらすじ(ネタバレ)
テヨン(イ・ジョンウォン)は部屋でワインを飲んでいましたがうっかりテーブルから瓶を落として割ってしまいました。その時テヨンは瓶から流れた血のようなワインを見てナ会長の死んだ夜の記憶が蘇ります。
兄貴!
テヨンは部屋から出てムンギを呼びます。
お父さんはどこだ?
♣
ヒョンドはヨンスの運営する美術館を訪れます。
こんな時間に連絡なさるとは驚きました
ヨンスはヒョンドに言いました。
頭を整理したくて プ代表もそんな時は博物館に来るそうですね
そうです 考えがまとまらない時は過去に身を委ねてみるといい
ヒョンドは並んだ絵画をながめて歩きます。そして大きな心臓を描いた絵画の前で足を止めてじっと絵を見つめました。
♣
テヨンはムンギと部屋で話します。
兄貴 ナ会長が倒れた時・・ その時の記憶が蘇った
ムンギは驚いて訊ねます。
亡くなった時の記憶ですか? 銃撃事件のことは?
テヨンの脳裏に銃を持ったジュンテの姿が浮かびます。テヨンは声を震わせながら明かしました。
あれは・・ジュンテ叔父さんだった ナ会長はアメリカでの事件は俺が犯人だと誤解していた そしてナ会長は他にも何か俺に伝えたんだ・・
テヨンは椅子に座って頭を抱えます。
父親の秘密を知りたくないか 誰も知らないファン・ヒョンドの秘密を
テヨンはナ会長の言葉を思い出しました。
・・そうだ ナ会長はそう訊ねた でも人殺し呼ばわりされた俺は怒って屋敷の外へ出たんだ それでもお父さんの秘密が気になって、またナ会長の所に戻ったんだ だけどナ会長は・・
テヨンは頭から血を流して倒れているナ会長の姿を思い浮かべました。
俺は血だらけのナ会長を見て発作を起こして座り込んだ 意識が朦朧として・・ その時誰かが歩いてきて俺の顔を覗き込んだ あれは・・
テヨンは驚愕しました。
(・・お父さん?)
テヨンは床に膝をつきます。
そんな・・
社長、大丈夫ですか?
ムンギが体を支えました。
兄貴 頼みがある
テヨンはムンギを見つめました。
♣
ジュヒ(チョン・チェヨン )はスプーン売りのおばあさんが露店を出す場所にスンチョン(ユク・ソンジェ )を呼びました。
ジュヒ、深夜に何故また呼び出した?
ここでおばあさんに会ったんでしょ? 考えてみたら私もそのおばあさんに会ったことがある あなたの誕生日に私に手紙を預けたおばあさんよね?
スンチョンは俯きます。
金のスプーンの規則は1ヵ月 1年 そして10年・・ 親を替える3回の機会があるんでしょ 最後の機会はもうすぐよね?
ジュヒはスンチョンの腕を掴みました。
スンチョン、お願いだからもうテヨンにはならないで
ーヒョンドが歩く美術館の時計の針が12時を指します。ー
するとジュヒはスンチョンの腕を掴んでいた手を離し、目を見開いてスンチョンを見つめました。
ジュヒ、どうした?
・・ファン・テヨン? スンチョンといたはずなのに 何故テヨンがここに?
ジュヒ、何だって?
♣
ヒョンドはヨンスの美術館に展示されたケースに入った「金のスプーン」を見つめます。
お前も金持ちになりたいのか?
かつてヒョンドもスンチョンのようにおばあさんの露店の前に立ったのでした。
親を替えて金持ちになれる金のスプーンだ
若いヒョンドはスプーンを買いました。ヒョンドはトシングループの協力業者の息子だったクォン・ヨハンだったのですが、金のスプーンでファン・ヒョンドと入れ替わり片想いしていた妻のミヨンと息子のテヨンと暮らしたのです。
ヒョンド お前の負けだな
”現在のヒョンド”はスプーンをながめながらほくそ笑みました。
こちらでしたか
ヨンスが来てヒョンドに声をかけました。
このスプーンはご友人がくれたものだとか?
ええ そんなところです
”金のさじ”のファン会長に贈るとは度胸があるな
賢く有能な友人でした 欲深さが欠点でしたが
欲深さ?
私のもの全てを欲しがりました トシングループ 私の妻 ファン・ヒョンドという私の名前まで
ヨンスは眉を寄せました。
怖いものなしか ファン会長を超えてる 私が知る中ではファン会長が一番だが
ヒョンドはヨンスを見ます。
ああ・・失礼 息子さんがその方と似てると言うと不愉快かな?
ヒョンドは笑いました。
いや・・ そう言えば2人は本当に似てますね
ヒョンドは金のスプーンを見つめました。
♣
スンチョンはジュヒの肩を掴みました。
ジュヒ、何を言ってる? 俺はスンチョンだ
え? あなたがスンチョン?
テヨンとなったスンチョンは携帯で時間を見て納得しました。
12時を過ぎた 誕生日だけ入れ替わったんだ
・・どうするの?
まず”テヨン”に会わないと
♣
スンチョンになったテヨンはテヨンの部屋で途方に暮れていました。”現在のテヨン”が来ると”現在のスンチョン”は訊ねました。
どういうことだ? なんで俺がここにいる? 教えてくれ
昨日お前はテヨンだったんだ
スンチョンはテヨンの手を掴みます。
わかるように説明してくれ!
♣
ジュヒは家に戻るとぐったりとベッドに座ります。
何が何だかさっぱりわからない
ジュヒは恨めしげに呟きました。
またスンチョンがいなくなっちゃった
♣
話が終わりテヨンはスンチョンを見送り玄関に出ます。
実父がファン・ヒョンドでないなら一体誰なんだ?
スンチョンが噴水の前で話しているとヒョンドがコ弁護士と戻って来ました。スンチョンはヒョンドに頭を下げます。
こんな時間に何してる?
話があって僕が呼んだんだ
そうか
ヒョンドはテヨンに言いスンチョンを見ました。
この間提案したことは考えてみたか?
トシンに入れという話ですか? お断りします
スンチョンはきっぱりと断りました。
僕は好きな仕事がしたいので では
スンチョンは帰って行きます。ヒョンドはテヨンに微笑みました。
何か僕に話でも?
いや お前を見てると気分がいい
ヒョンドはテヨンの肩に手を置いた後で屋敷に入ります。そしてテヨンを振り返り呟きました。
そうだ ここがお前のいる場所だ
♣
ヨジン(ヨヌ)と食事したチョルは金のスプーンの話を聞かされます。
バカな! そんな話があるものか スンチョンの作り話だろ?
チョルはヨジンに怒りました。
そんな話なら帰る
怖いんですね
なんだと?
隠れた真実を知ることが・・ 分かりますよ
ヨジンは笑いました。
とにかく差し上げます 私にはもう必要ないので
ヨジンは席を立つとチョルにスプーンの箱を渡しました。
知りたくないですか? 息子のスンチョンが一体何をしたか
ヨジンはレストランを出て行きます。チョルはスプーンの箱を見つめました。
♣
チョルが家に戻り焼酎を飲んでいるとスンチョンが帰ってきました。
お帰り 遅かったな
ちょっと友達と会ってたんだ 父さん、焼酎なんか飲んで何かあったの?
何もないよ 座って一杯飲め
チョルは席に着いたスンチョンの前にコップを置きますが、焼酎はあまり残っていませんでした。
もうないな
チョルは笑います。
これで十分だよ 次は俺も誘って
スンチョンは焼酎を飲むと立ち上がりました。チョルは部屋に行こうとするスンチョンに呼びかけます。
スンチョン 愛してるよ
俺もだよ 父さん 早く休んで
ああ
♣
チョルは金のスプーンで食事します。するとヨジンの言った通り”元のスンチョン”の記憶が波のようにチョルに押し寄せて来ました。ファン家で食事をしたスンチョン、テヨンとなって家の借金を返そうとするスンチョン、ケガをしたチョルを見てテヨンから元に戻ろうとするスンチョン・・ すべてのスンチョンの行動をチョルは見てしまいました。
カネのないのは罪だ!この世で一番惨めな罪だ!
そう叫ぶスンチョン…
スンチョン…
チョルは涙を流します。
あんないい親よりテヨンがいいか? それならファン・テヨンでいろ
”現在のスンチョン”に言われるスンチョン・・
なんでそんなことを・・ スンチョン!
チョルはテヨンとなった息子に絶望し涙を流しました。
俺のせいだ 本当にすまない・・
♣
コ弁護士はテヨンが受け取るジュンテからの株式譲渡契約書をヒョンドに渡しました。
ジュンテのヤツ、素直にサインするほど焦っていたようだな
会長室にヒョンドに呼ばれたテヨンが入ってきました。
待ってろ
ヒョンドに言われてテヨンはソファーに座ります。テヨンは書類にサインするヒョンドをながめました。
(ファン・ヒョンドはテヨンが実の子でないと知っているんだろうか? ジュンテと競争させるってことは知ってる可能性もある)
コ弁護士はサインした書類を持って出ていきました。ヒョンドはデスクから立ち上がります。
お前が物的分割に反対するという噂が広まってる いつまでも私に反旗を翻すつもりか? 昨日も空売りの対策を役員らに迫ったとか
ヒョンドはテヨンに語りかけながらソファーに座りました
役員らが気を引き締めるよう発した警告です 僕が物的分割に反対するわけないでしょう 僕にとっても利益になる すべてお父さんに従います
テヨンは答えます。
マスコミと株主がお前の行動を非難してる どうするつもりだ?
何もしません どうせ彼らは僕に従う 僕が静かにしてれば彼らも静まる 非対応が僕の戦略です
ヒョンドは笑いました。
それでこそ私の息子だ
そして時計を見てからテヨンに告げました。
1時間後にロビーで会おう 一緒に行く所がある
♣
テヨンはロビーに降りるとチョルがいるのを見つけます。
おじさん
テヨン
どうしたんですか?
近くを通りかかったらお前を思い出して・・ 昼食は済んだのか? 時間があれば・・
テヨン
そこへ秘書とコ弁護士を連れたヒョンドが来ました。
また会いましたね ご用件は?
ヒョンドはチョルに訊ねました。チョルはテヨンを見ます。ヒョンドはテヨンに聞きました。
行けるのか?
はい
遅れるから急ごう では
ヒョンドはテヨンを連れて行こうとします。テヨンはチョルの腕に触れて言いました。
今度連絡します
ヒョンドとテヨン達は会社を出ていきました。チョルはテヨンの後ろ姿を寂しげに見つめます。
テヨン、お前は息子だろ?
♣
<画像出典>allocine.fr/series/ficheserie-34814/photos/detail/
今から何処へ?
テヨンは車の中でヒョンドに訊ねました。
青瓦台だ
テヨンは驚きます。
本当に?
企業家の懇談会でお前を後継者として紹介する 継承作業の第一歩だよ これがお前への誕生日プレゼントだ
お父さん・・
テヨンは嬉しさで気持ちが高ぶります。
テヨンは青瓦台に着くとヒョンドと共に赤い絨毯の敷かれた廊下を歩き、たくさんの企業家や記者達に迎えられます。大統領と挨拶をしたテヨンは夢のような時間を過ごしました。
♣
コ弁護士と面会したジュンテはヒョンドからの通達に激怒します。
ここから出せないってどういうことだ?
会長が「選択の余地はない 静かに過ごせ」と
ジュンテはテーブルに飛び乗るとコ弁護士の首を締めます。
こういう計画だったのか 俺の持ち株だけ奪い刑務所から出す気はなかった よくもこんなことができるな!
元は社長の物だったので持ち主に返しただけです・・
グダグダ言うな!
おい!やめろ!
刑務官達が来てジュンテは取り押さえられます。
黙って引き下がるものか ただじゃ置かないからな!
ジュンテは叫びました。
♣
ヨンシンはジュンテのことを知ると食事の皿を割って手首を切ろうとします。コン執事や使用人達は悲鳴を上げました。
奥様、どうか冷静に
コ弁護士を呼んで いいえ、今すぐ夫にジュンテを刑務所から出せと言って
惣菜を届けに来たソネがヨンシンの腕を掴みました。
奥様、これでは死ねません
離して! なんであなたが干渉するの!
本当に弟さんを思うならこれは間違ってますよ! 奥様が死んだら弟さんはひとりぼっちになります
ヨンシンはソネを見つめました。
弟さんを助けられずに辛いから自分を傷つけるんですね
ヨンシンは項垂れます。ソネはヨンシンの手から皿のかけらを取りコン執事に渡して言いました。
温かいタオルとお茶を
♣
ソネはヨンシンを椅子に座らせます。
ジュンテはかけがえのない子なの なのに苦労続きで 母親もなしにアメリカでどんなに辛かったか・・
ヨンシンは涙を流します。
私が守るべきなのに・・
私にも弟が1人いますが奥様ほど強い思いはありません
ソネは言いました。
弟には申し訳ないですけど息子の方が大切なので・・
そうよね それが母心というものだわ ・・なんというか 私でもそれはわかるわ
ヨンシンは同意しました。
ところで奥様、今日で惣菜の配達を終わりにします
ヨンシンは驚きます。
何故?
夫が会長にひどく心を傷つけられました 私達のような貧乏人にも守りたい自尊心というか大切なものがあります それを会長が踏みにじりました そんな方の惣菜は作れませんから
そう・・ あなたはいいわね 言いたいことが言えて
ヨンシンは目を伏せました。
♣
ジュヒはスンチョンにテレビ局の屋上で誕生日プレゼントを渡します。
お、財布だ! 俺の財布がボロいのを知ってたのか?
知ってるわよ 高3の時私が買った物だもの 買い替えないでずっと使ってるから買ったのよ
ありがとう 大事に使うよ
スンチョンは喜びます。ジュヒはスンチョンを見つめました。
テヨン
え?
スンチョンはジュヒを見ます。
あなたとスンチョンのこと全部聞いたの 信じられない話だけどあなたがテヨンだと今ならわかる
俺は全く実感がない テヨンとしての記憶がないから テヨンの時の俺はどうだった? 俺の母さんはどんな人だった?
スンチョンはジュヒに訊ねました。
♣
テヨンはヨジンの職場を訪れます。ヨジンはテヨンを見てその背中に抱きつきました。
戻ったのね 良かった 今はテヨンよね?
テヨンはヨジンの手を取り向き合いました。
ヨジン、お前に話がある
話? ファン・テヨンみたいに結婚しないと言う気? それなら帰ってよ!
ヨジンはテヨンの背中を押しました。
ヨジン
テヨンは呼びかけました。
俺が辛かった時にそばにいてくれて感謝してる それから本当にお前を愛したかった
ヨジンは泣きながらテヨンを見つめます。
だけど俺達は・・ここまでみたいだ 別れよう ヨジン
ヨジンはテヨンの襟を掴みます。
別れると思う? 私が金のスプーンをあなたの両親に渡したらどうするの?
テヨンはヨジンの手を取りました。
ヨジン、俺は信じてる ヨジン・・いやチョン・ナラは本当は優しい子だ 絶対にそんなことはしない 信じてるよ
テヨンは出て行きます。ヨジンはテヨンの言葉に動揺しました。
どうしよう・・ 金のスプーンを返して貰わないと
♣
ヨジンはチョルの惣菜店に行きます。
金のスプーン? 捨てたよ あんなものは要らない
チョルは惣菜のパックを並べながら答えました。ヨジンはチョルの顔を見て話しました。
おじさん あれで食事しましたね?
チョルは驚いてヨジンを見ました。
では要点だけ言います スンチョンに言ってはいけないことはわかりますね スプーンの秘密と私が渡したこと
心配するな 何も言わないから
チョルは言いました。ヨジンは笑います。
そうですよね スンチョンを誰よりも愛してるから
ヨジンは店を出て行きます。
♣
ジュヒはホームレスの女に食事をおごります。
この人を?
ジュヒは携帯でヨジンの写真を女に見せました。
そう このお嬢さんよ この子がお金の入ったスーツケースをくれたの 最近はテレビにも出てるよ
ありがとうございます
ジュヒは携帯をしまいました。
お金は持ってないからその子から返して貰って
女はジュヒに話します。
♣
ジュンテは休み時間に懸垂しているチョンに話しかけました。
チョンさん、仮釈放で出るんだろ?
差し入れしてやるよ 坊ちゃんの口に合う食べ物を・・
差し入れ? 派手におごる約束は?
なんだと?
チョンは懸垂をやめてジュンテに訊ねました。
約束を果たしてくれ もちろん礼はするよ
ジュンテはチョンに笑います。
♣
ヨンシンはヒョンドが帰ってくると怒りをぶつけます。
離婚しましょ
ヒョンドはほくそ笑みました。
体面が何より大事な君に離婚は無理だ
何故私と結婚したの? 子供は要らない、私の顔も見たくない そうやって私を見下すくせに 何故? ジュンテを苦しめるためなの?
似てたんだよ ミヨンに似てたから結婚した 知ってるだろ?
ヨンシンは俯きます。
確かにミヨンさんと似てるところがあったわ クズ男と付き合ったことよ! ファン・ヒョンドとクォン・ヨハン 私は人間味のない男と大勢つきあったけど中でも最悪なのはクォン・ヨハンとファン・ヒョンド あなたよ
ヨンシンは夫を指差しました。
テヨンはムンギにヒョンドの身辺調査をするよう指示します。
父の今までの人生を詳しく知りたいと思って
前にも頼まれましたがそんなに知りたいですか?
前って?
誕生日にナ会長が亡くなった日の行動を調べろと お忘れで?
テヨンは笑ってごまかしました。
忘れてたよ 理由を聞かずに調べてくれ
わかりました
テヨンは社長室に1人になると考え込みました。
テヨンが指示したのか 何を調べようとしてたんだ?
♣
スンチョンは部屋で実の母親ミヨンの写真を見ながらスケッチブックに絵を描きます。
あなたのお母さんはいつもいい香りのするきれいな人だった あなたはすごく恋しがってた
この間会った時にジュヒは言いました。
母さん、ごめん でも実の母が気になるんだ 父親のことも
♣
外出したチョルとソネは公園で仲良く写真を撮り合います。
あなた 私達もこれからは人並みにお花見したり遊んだりしながら暮らしましょ
チョルはソネの手を取りました。
ソネ、すまない 苦労ばかりかけたな
私は今も十分幸せよ あなたが一緒にいるし子供達はいい子に育った 健康だし仕事もできる
ソネは笑いました。
あなたは私の人生で一番の贈り物なの
ソネ・・
チョルはソネを優しく見つめます。その時スンチョンとスンアが公園に来ました。
私が呼んだのよ
父さん、母さん
腹ペコよ
スンアがソネに言います。
何を食べようか?
4人は仲良く歩きます。チョルはスンチョンの肩を抱きました。
(何も変わらない あいつは俺の息子じゃない)
チョルは心の中で呟きました。
♣
夜になってチョル達家族が家に帰って来ると家の前にテヨンがいました。
こんな時間にどうした
スンチョンがテヨンに訊ねます。
お前のお父さんが会社に来たから・・
テヨンはチョルに手提げ袋を渡そうとします。
手ぶらでは悪いので
けれどチョルは受け取るのを拒みました。
要らないから持って帰れ
父さん、どうしたのよ 高級品なのに
スンアが口を出しますがチョルはテヨンに怒ります。
こんな物を頼んだか? 余計なお世話だ
あなた・・
確かにファン会長に言いたいことがあって行った だが関わらない方がいいと思って帰って来たんだ!
お父さん、どうしたん・・
誰がお父さんだ! 二度と家に来るな! お前と父親は顔も見たくない 早く帰れ!!
チョルはテヨンを突き飛ばすと家に入ります。
あなた
ソネとスンアもチョルを追いました。
あんまり家に来るなよ お前はテヨンだろ 親に会いたいのはわかるけどこれは間違ってるよ
スンチョンはテヨンに言いました。
もう家族じゃないんだ 早く帰れ
スンチョンも家に入りました。テヨンは家の前で佇みます。
♣
ヨジンはドレスショップでウェディングドレスの試着をします。メイクするヨジンの後ろでジャングンは舌打ちしました。
まだいるの? 話でもある?
ヨジンは鏡を見ながらジャングンに聞きました。
いいエージェントをいくつかリストアップした 見て選べよ
ジャングンは冊子を何冊か渡します。
なんのマネ?
近づくなと言われたから契約を解除する 元気でな 無用の心配だろうが
ジャングンは店を出て行きます。
パク・ジャングン!
ヨジンはジャングンを呼びます。
♣
ジャングンはヨジンに呼ばれて来たジュヒと鉢合わせしました。
来たのか
来たわ
おい、ジュヒ お前はスンチョンと付き合えよ 俺のヨジンを苦しめるな
ジャングンは泣きながら行ってしまいます。ジュヒは呆れてジャングンを見送りました。
全く・・
♣
このドレス似合ってる?
鏡の前に立ってヨジンはジュヒに聞きました。
ドレス選びで呼んだわけじゃないでしょ
ヨジンは人払いするとジュヒと向き合いました。
テヨンは私と結婚する だから彼から離れて
ヨジンは告げました。
テヨンじゃなくてスンチョンでしょ あなたがナラだと言うことも聞いたわ
そうなの ならわかるわね スンチョンは絶対テヨンの名を捨てないわ スンチョンと海に言って告白でもされた? キスしたくらいで戻るとでも? 私が10年間スンチョンと何もなかったと思わないで
ジュヒはヨジンを睨みます。
あなたは彼を知らないわ スンチョンは絶対貧乏な生活には戻らない
戻るわ 今すぐじゃなくても・・私の知るスンチョンなら いつか元の自分に戻るはず 私は信じてる
ジュヒは店を出て行きます。
♣
ジュヒが家に帰るとテヨンがいました。
スンチョン
ジュヒ、心配したんだぞ 電話にも出ずにどこへ・・
ジュヒはテヨンに抱きつきます。
何かあったのか?
お腹が空いた
ジュヒは言いました。
♣
2人はテヨンの作ったラーメンを食べた後で話します。ジュヒはテヨンに訊ねました。
スンチョン、スプーンのおばあさんに最後に会ったらどっちを選ぶの?
ジュヒは俺がテヨンなのが嫌なんだな
私の希望は関係ないでしょ でも言っていいならスンチョンに戻って欲しい
なんで?
スンチョンだから
けれどテヨンは首を振ります。
その気はない テヨンも同じ考えだ
スンチョン、本当に両親や私を捨ててファン・テヨンでいられる?
俺は誰も捨てない 捨てるのは名前だけだ
ジュヒは目を潤ませてテヨンを見つめました。
ジュヒ 俺がファン・テヨンとして過ごした10年は結構大変だった テヨンとしての夢ややりたいことがあるんだ だからテヨンでいたい
嘘つき お金のためでしょ どんな言い訳をしても結局はお金だと自分が一番知ってるはず
テヨンは頷きました。
そうだ カネのためだ 悪いか?
テヨンは立ち上がると上着を持ちジュヒの家を出ました。
♣
スンチョンとジェドン、ドンギョンはカフェでアイスコーヒーを飲みます。
お前らが仲直りしてホッとしたよ いい年して友達もいない同士がケンカしてどうする
ドンギョンが言いました。
テヨンのせいだ トシンハイテックは空売りのせいで大騒ぎだ スンチョン、お前もテヨンの厚意をあまり喜ぶな 利用されてるだけだから
ジェドンはスンチョンに話します。
利用? なんで?
ジェドンは声を落として続けました。
トシンを大きくしたのはファン会長じゃないらしい 会長の友達が基盤を作ったと言われてる お前が賢いからテヨンは利用したいのさ 気をつけろ
そんなことか
スンチョンは笑います。
友達って誰だ? 有名人か?
ドンギョンがジェドンに聞きました。
違うよ トシンの元協力業者で確か名前は・・ クォン・ヨハンだ 会長と親しかったらしいが今は知らない
クォン・ヨハン・・ どんな人かな
スンチョンは興味を持ちます。
♣
このクソ野郎!
刑務所の中ではジュンテとチョンが大喧嘩をしていました。
人殺しのくせにふざけた真似をしやがって
チョンはジュンテを何度も殴りつけます。ジュンテは血だらけで倒れ、救急車で病院に運ばれました。
♣
CNPキャピタル? 何の会社だろう?
テヨンはヒョンドから渡された冊子をながめながら呟きました。
秘密口座用のペーパーカンパニーだ トシンの主になると1つずつ秘密が増えていく お前と共有する秘密が増えるのは気分がいい
ヒョンドは笑いました。
サインしろ
テヨンはサインしようとして躊躇います。
スンチョンに戻って欲しい
ジュヒの言葉を思い出したからでした。けれどテヨンはサインしました。
♣
テヨンが会長室を出るとコ弁護士が慌てた様子でやってきてテヨンに頭を下げると会長室に入りました。
何かあったのか?
テヨンが怪訝に思っているとチョルから電話が来ました。
お父さん 僕です
ああ テヨン
チョルはテヨンを食事に誘いました。2人は焼肉店で会うことにします。
じゃあ そこで
チョルは電話を切りました。
♣
チョルはテーラーでスンチョンのスーツを選んでいました。スーツを試着したスンチョンを見てチョルは目を細めます。
カッコいいな さすが俺の息子だ
スーツは持ってるから必要ないのに
スンチョンは言います。
安物しか持ってないだろ 画家でも会社員でもいいスーツは必要だ
スンチョンは会計に行くチョルのジャンバーの裾がほつれ靴も履き古しているのを見ました。
父さん・・
♣
よく似合ってた 見違えたよ
店を出て歩きながらチョルはスンチョンに笑いました。
父さんのために母さんがくれたカネだろ 何故俺のために使うんだよ
俺が買いたかったんだ お前約束があるんだろ 俺が持って帰るから早く行け
チョルはスンチョンの手からスーツの手提げを受け取って言いました。
わかった じゃあ家でね
チョルは歩いていくスンチョンを見送ります。
イ・スンチョン! 勘違いするな 何故俺が食わないと思う? 世界一好きな母さんと世界一好きな父さんを失いたくないからだ!
チョルはスンチョンとテヨンが争った時の言葉を思い出して息子を呼びました。
スンチョン
え?
スンチョンはチョルを振り返ります。チョルはスンチョンに近づくと息子を抱きしめました。
<つ>mydramalist.com/692045-golden-spoon/episode/14
ありがとう 息子よ ありがたいし・・すまない
チョルは泣き出します。
本当に・・
どうしたの? 父さん
スンチョンは驚きます。
更年期のせいかな 涙もろくなった
チュルは涙を拭いました。
家に帰ったら焼酎でも飲むか キムチチゲと
そうだね じゃあ
スンチョンは笑って歩いていきました。
すまない テヨン 今日だけスンチョンに会ってくる 今後俺の息子は1人だけだ
チョルは呟きます。
♣
ジュンテの入院した病院からヨンシンはヒョンドに電話しました。
あなたはジュンテの刑の執行停止を今知ったの? これからジュンテは病院で楽に過ごせるわ いいお金の使い方でしょ 母親としてそのくらいしてあげないと
君は母親なのに息子のことを何も知らない ジュンテはアメリカで人を4人も殺したんだ
ヨンシンは愕然とします。
なんですって? 一体・・
信じなくていい 今はもっと大きな問題がある
・・え?
ヨンシンはジュンテの病室に走りました。
ジュンテ!
奥様・・
コ弁護士や警官が困惑してヨンシンを見ました。ヨンシンは空のベッドを見つめます。
ジュンテ どこへ行ったの?
♣
記者に気づかれないよう今すぐジュンテを探せ
ヒョンドは電話でコ弁護士に命じます。ヒョンドが電話を切るとすぐにジュンテから電話が来ました。
姉さんが携帯まで用意したのか 病院にいればいいのに何故逃げた?
ジュンテはトシンタワーに来ていました。
会ってください 話があるんです
人目があるから困る
よくも俺をハメましたね 拘置所から出してトシンをくれると言ったのに
やると言ったのはチャンスだ トシンではない
あんまりですよ 義兄さんを信じて生きて来たのに 「後継者として不足はない 息子ならいいのに」と言ってくれたじゃないですか!
ジュンテは憤ります。
ああ 確かに言ったが気が変わった 私がテヨンを後継者に選んだ理由がわかるか? ジュンテ、今のお前のザマを見ろ
ヒョンドは冷酷に語りました。
1ヵ月も我慢出来ずに逃げ出した だがテヨンは10年も待った それだけでもテヨンには後継者になる資格がある ジュンテ、お前はテヨンに負けたんだ
ジュンテはヒョンドの話に怒りで震えました。
すぐ病院に戻れば逃げたことは伏せてやる 私がしてやれるのはそれだけだ
ふざけるな! 死んだ方がマシだ! ・・義兄さん?
ヒョンドの電話は切れます。ジュンテは建物の陰からテヨンが歩いてくるのを見ました。
社長、1人で何処へ行くんですか?
ムンギがついてきてテヨンに訊ねます。
大事な約束がある 兄貴は髪を切るといい スンアさんの店の先払い金で切ってきて たまには息抜きをしてよ じゃあね
ジュンテはそばを通っていくテヨンを見つめました。
テヨン、まだ勝負はついてないぞ・・
♣
チョンさんを仮釈放できない?
ヨジンは弁護士から報告を受けて驚きます。
今弁護士さんの事務所に行きます
ヨジンはバッグを持つとため息をつきました。
全く何で人を殴ったりしたのよ・・
ヨジンは実の父親の愚行に困惑します。
♣
テヨンがチョルと約束した店に来るとすでにチョルは肉を焼いていました。
テヨン よく来たな
テヨンはお辞儀して席に着きます。チョルはトングで肉を触りながら話しました。
俺は肉を焼くのが得意なんだ 肉は何度もひっくり返すと味が落ちる お前焼酎でも飲むか
はい
チョルはテヨンのコップに焼酎を注ぎます。
この前は悪かった
チョルは謝りました。
僕が注ぎます
テヨンはチョルのコップに焼酎を注ぎます。
どうかしてたよ 傷ついただろ?
大丈夫です
テヨンはぎこちなく笑います。
記事を見たよ 父親の後継者になるって
・・はい
本当に嬉しいよ 息子の友達が韓国一の金持ちだ
チョルは笑顔になりました。
すごく気分がいい 友達に自慢していいか
もちろんです ご友人達に会う時はご連絡ください ご馳走しますよ
2人は笑い合い乾杯しました。
さあ飲んで
チョルは焼酎をテヨンに注ぎます。
”金のさじ”として生きるのはどんな気分だ?
チョルは自分のコップにも注ぎながら聞きました。テヨンは目を泳がせます。
大したことないです 生きていくのは皆同じじゃないですか
それでも何か違うだろ ”土のさじ”にはわからない何かがあるのでは?
え・・
テヨンは言葉に詰まります。チョルはテヨンの様子をながめながら言いました。
スンチョンの子供の頃の夢は何だったと思う? 詩人になることだった
チョルは小学校3年の時にスンチョンが書いた詩の紙をポケットから取り出して朗読しました。
スンチョンはこんな心の温かい純粋な子だった
テヨンは目を潤ませます。チョルはスンチョンが書いた詩の紙をテヨンに差し出しました。
これはお前にあげよう スンチョンの温かい心を覚えていてくれ そしていい企業家になって欲しい
テヨンは戸惑いながら紙を受け取ります。その時電話が鳴りジュンテからだとわかるとテヨンは顔色を変えました。
ちょっと失礼します
♣
テヨンは店から出て電話でジュンテと話します。
ソ・ジュンテ どうやって外に?
どうでもいいだろ
ジュンテがテヨンの背後からビール瓶でテヨンの頭を殴りつけました。
ああ・・!
テヨンは頭を押さえて膝をつきます。ジュンテはナイフを取り出しました。
ヒョンドと2人でよくも俺をナ会長の殺人犯したな
・・自首したくせに何を言ってる?
テヨンはあえぎながら言いました。
あれは義兄さんの指図だ すぐ出してやるからと 俺はナ会長を殺してない
ジュンテはナイフを振り上げます。
つべこべ言わずに父親を恨め!
その時チョルがテヨンとジュンテの間に入って来ました。
やめろ!
チョルはテヨンの代わりにジュンテに刺されます。殺人鬼のジュンテは何度もチョルを刺すと逃げていきました。テヨンは茫然となりながらも倒れたチョルに駆け寄ります。
・・大丈夫?
チョルはテヨンを見ました。
・・スンチョン
テヨンは驚愕してチョルを見つめます。
お前はケガをしなかったか・・?
父さん・・
お前がスンチョンだと気づかず悪かった
父さん、喋ってたら駄目だ 誰かいませんか?
テヨンは必死で助けを呼びました。
スンチョン ・・苦しまなくていい
チョルは虚ろな目でスンチョンに話しました。
父さんは大丈夫だ お前がどんな名前で生きようがお前を愛してる
・・父さん
スンチョンは泣き出します。
俺の息子だから・・
父さん
”スンチョン”とまた呼べた 呼べて良かった・・
チョルはがくりと頭を垂れました。
父さん!!
♣
ソネ達家族は病院に駆けつけます。けれどチョルは絶命しました。家族は遺骸の前で泣き崩れます。
誰がやった?
スンチョンはテヨンに掴みかかります。
言えよ! 知ってるんだろ?
ソ・ジュンテ・・
え?
ソ・ジュンテ
テヨンはスンチョンを振り払うと病院を出ていきました。
♣
ファン家ではヨンシンが演奏会を開いていました。ジュンテはヨンシンのところに逃げてその部屋に隠れていました。
コンサートは予定通りに行うわ 突然やめると疑われるから
ヨンシンはジュンテの手についた血を拭くと着替えるように言いました。
服を処分するから早く着替えて 部屋から出ては駄目よ
ヨンシンが出ていくとジュンテは服を着替えながら呟きました。
こうなったのは全て義兄さんのせいだ ・・殺してやる!
<画像出典>realsound.jp/movie/2022/10/post-1158420_2.html
♣
テヨンは家に戻るとヨンシンの部屋に行きジュンテを探します。しかしジュンテは壁の陰に身を潜めていました。テヨンは他を探します。
ヒョンドへの復讐に燃えるジュンテはヨンシンの尖ったネイルファイルを取るとヒョンドの部屋に向かいました。けれどジュンテが部屋に入ると待ち構えていたテヨンがジュンテを殴りつけました。
ソ・ジュンテ! 何故父さんを殺した?
なんだと?
2人は格闘します。ジュンテはテヨンを押さえつけてネイルファイルでテヨンを刺そうとしました。しかし背後からヒョンドがジュンテの頭に銃を突きつけます。
息子から離れろ
ジュンテは膝をつきました。
お父さん 僕が通報する
テヨンは警察に連絡しようとしますが男達に囲まれます。ヒョンドは男達に命じました。
連れて行け
テヨンは携帯を取り上げられ自分の部屋に閉じ込められました。
♣
ジュンテはヒョンドを罵ります。
あんたはいつもそうだ 嘘をついて人を騙し裏切る
ジュンテは立ち上がりますがヒョンドに銃を向けられます。
撃てばいい
私がお前を?
ヒョンドは笑います。
ジュンテ、私はお前を撃たない
ヒョンドはテーブルに銃を置きました。
株価が下がりイメージダウンするからもみ消す?
ジュンテは涙を溜めて訊ねます。
スンチョンの父親の死は残念だがむしろ良かったよ 私にとっては邪魔な人間だったからな よくやった
ヒョンドはジュンテを褒めました。
ジュンテ この状況をどう収めるか一緒にゆっくり考えよう
ヒョンドは告げました。
ドラマ(第23、24話)の感想
チョルとテヨンが最後の食事をする場面、素晴らしいですね。チョルを演じたチェ・デチョルさんの演技に涙腺崩壊💧💧💧。
<画像出典>ameblo.jp/ksah-f/entry-12875149355.html
チョルは自分達家族を捨てた息子のスンチョンと別れるために最後の食事をしようとスンチョンを誘ったのですね。息子に絶望しながらもそれが不甲斐ない自分のせいだと思い、スンチョンに善良さを忘れないよう告げながらこれからの人生にエールを送っている。スンチョン自身も実の父親に申し訳なくてぎこちない態度しか取れない。2人が本当にお互いを思っているのが伝わって来て目頭が熱くなりました。
スンチョンの代わりに刺された瀕死のチョルが息子に訊ねた言葉・・「お前はケガをしなかったか?」
なんて愛情に溢れた言葉でしょう!悲しいですがチョルは息子の命を助けて死んだので親としては最高の死に方とも言えます。チョルが望んだようにスンチョンには一流の企業家になって欲しいですね!
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