こんにちは。カナエです。今回もBSJapanextの韓国ドラマ「スノードロップ」(第5~7話)について書きたいと思います。
スホが無事に寮を脱出するもヨンロは寂しさを噛みしめる・・
ドラマのキャストとこれまでの話
ドラマ(第5~7話)のあらすじ(ネタバレ)
シン・ギョンジャは自習室の天井から水が漏れていると寮長に報告に行きました。
何が起きたの?
ブノクは興味津々です。寮長はマンドンに声をかけました。
キムさん、4階の倉庫の鍵を?
はい、持ってますが
寮長は懐中電灯を点けました。
では行きましょう
***
寮長とシン・ギョンジャ、マンドンは4階に上がります。ブノクもこっそりついていきました。
4階の部屋ではスホ(チョン・ヘイン)とヨンロ(ジス)が脱出の方法を相談していました。
地下二階は?
機械室とマンドンお爺さんの部屋です
ヨンロは寮の間取りを書いて説明します。
外に通じる出入り口は?
ないはず
それじゃ外に出られるのは正門のみ?
ですね・・
***
三人は屋上に上がりスホの部屋に近づきます。マンドンは中に聞こえるように大きく咳をしました。
しっ!
スホは気配を聞きつけて指を立てました。扉の前に来た寮長は鋭くマンドンを見ました。
入りましょう
マンドンは入口の扉を開けました。三人は中に入りスホのいる部屋に進みます。ブノクは入らずに様子を窺います。入口の扉の開く音を聞いたスホとヨンロは顔を見合わせます。
***
どうしてこんな時間にこの部屋に? 埃だらけだ
マンドンは声高に話します。
こりゃ大変だ
マンドンはスホの部屋の前で戸惑います。
早く開けて
寮長が命じました。
***
マンドンは扉を開け三人は中に入りました。ブノクはこっそり入口に入ります。マンドンは暗い中電球を回してつかないようにします。
電気をつけて
ああ・・スイッチはどこだったかな? あった
マンドンはスイッチを入れますが照明は点滅して消えてしまいました。マンドンは内心安堵します。そして寮長に言いました。
困りましたね 電球が切れたようです 6年間も空き部屋でしたからね
はあ・・
寮長はため息をつき懐中電灯で部屋を調べます。マンドンはスホが見つからないかとヒヤヒヤですが姿はありません。寮長は部屋中を回りますがおかしなものは見当たりません。
(あ・・)
マンドンは窓が開いているのに気づきました。
(外にいるのか・・?)
***
スホとヨンロは窓から出て足場の悪い外壁に張り付いていました。
<画像出典>k-drama.ch/snowdrop-3-4/
下を見ないで 僕を見ていて
ヨンロはスホの腕にしがみつきます。
マンドンはブノクが部屋の入口に来ているのを見つけました。
(何をしている)
(黙ってて)
二人は声を出さずに会話します。寮長がマンドンのそばに来て言いました。
浴室が濡れてる 絶対に誰かいるんだわ
雨漏りしているのでは?
昨日は雨じゃなかった
雨水が溜まっているんでしょう
マンドンはごまかしますが、ブノクがギョンジャをつついて”窓が開いている”と教えました。
明朝確かめてみます 薄気味悪いですしそろそろ戻りましょう
マンドンは促しますがギョンジャが寮長を呼びました。
先生、外も確認してください
ギョンジャは開いている窓を指差します。寮長は窓に向かいました。
***
寮長は窓を開けますが、二人は横の外壁にいました。
施錠を
はい
三人は戻ろうとします。するとヨンロが足を滑らしました。
あぁ・・!
ヨンロの靴が地面に落ちました。
声を聞きつけた寮長は再び窓を開けます。しかし下を見ても何も見えませんでした。
スホは宙吊りになったヨンロの手を握っていました。寮長は様子を見た後で窓を閉めました。スホはヨンロを引っ張り上げます。
***
ブノクは退散して行きました。三人は部屋から出てマンドンは施錠しました。
鍵は私が預かります
寮長がマンドンに手を差し出しました。
いや、天井の修理もありますし私が持っていた方が・・
マンドンは抗いますが寮長が手を出しているのを見て諦めます。
・・はい
マンドンは鍵を渡しました。
明日の朝取りに来て 用が済んだら返却を
寮長とギョンジャは歩いて行きました。マンドンも中を気にしながら後を追います。
***
スホはヨンロを抱いて窓から部屋に入りました。怯えているヨンロを椅子に座らせ温かい飲み物を持たせます。ヨンロの手を支えて口に運ばせました。
大丈夫?
・・あなたは何者?
ヨンロは訊ねました。
スーパーマン?
バレたか
スホは笑います。
・・落ちて死ぬかと思いました
僕のせいで すまない
ヨンロはカップを置きました。
部屋に戻ります
ヨンロは立ち上がりますがスホの肩から血が流れているのを見て仰天します。ヨンロは慌てて包帯を探しました。
無理して後遺症でも残ったらどうするんですか! 自分の体を大切にしないと・・!
***
ヨンロは手当を終えると言いました。
絶対安静ですよ
スホは痛そうに服を着ます。
しっかり治さなきゃ駄目です
ヨンロは部屋に帰ろうとしますが扉に鍵がかかっていました。
どうしよう、閉じ込められました
***
就寝中の207号室ではジョンミンが目を覚ましヨンロがいないことに気づきます。ジョンミンは部屋を出て四階に上がります。すると下の階からマンドンが上がってきました。ジョンミンは上から声をかけます。
お爺さん、ジョンミンです
ああ・・
ジョンミンは階段を下って息切れしているマンドンを支えました。
こんな時間にどこへ?
マンドンは顔を上に上げて四階を示します。
早く行ってやろう 驚いているはずだ
***
スホは混乱しているヨンロのために古いカレンダーを破って紙飛行機を折ります。そして窓に向かって飛ばしました。紙飛行機はしばらく空中を旋回して落ちました。ヨンロの顔に笑みが浮かびます。
<画像出典>k-drama.ch/snowdrop-3-4/
ヨンロはスホの隣で紙飛行機を折ります。スホは紙飛行機の折り方を教えました。
***
マンドンとジョンミンがスホの部屋に来て、解錠が得意なマンドンが扉を開けました。
ヨンロや、大丈夫か
二人は中に入ります。
ジョンミンさん お爺さん!
心配したのよ
ヨンロはジョンミンの手を取り頷きます。
ご迷惑をおかけしました
スホは謝ります。
気にするな だが今後はピ寮長が倉庫の鍵を管理することになった
今夜出ていきます
ヨンロはスホの言葉に驚きます。
この体で?
これ以上君を危険に晒せません
***
マンドンが「地下二階に非常口がある」と言うのでスホはそこから出ていくことにします。ヨンロとジョンミンは「オープンハウスの日に人混みに紛れて出ていく方が安全だ」と主張しますがスホは今夜中に出ていくと聞きません。スホがいることに不安なマンドンも賛成して四人は地下に降ります。
マンドンは地下二階の非常口を解錠して開けようとしますが、スホが止めてそっと外を覗きます。すると見張っている警官達がすぐ前にいました。
駄目だ・・
スホは諦めます。
***
ホス女子大の学生寮はオープンハウスの準備で忙しくなります。
入場時にくじ引きを行います 様々な景品を用意しているので参加を呼びかけてください
寮生会長のシン・ギョンジャが説明します。
一階はタイピングゲームとユンノリ、二階は射撃ゲームとカップルゲーム・・
ヨンロは熱心に寮のゲームマップをメモします。
今年もフォークダンスを
するとヘリョンが立ち上がりました。
幼稚園生じゃあるまいし何がフォークダンスよ
先輩、先生は健全な社交ダンスを・・
ヘリョンはギョンジャを睨みます。
何が先生よ 主役は私達でしょ ダンスは何と言ってもディスコよ! ソリ!!
ソリはラジカセのスイッチを押します。皆は曲に合わせて踊り始めました。
***
ヨンロはオープンハウスの日の脱出の仕方をスホに話します。
最も混雑するゲームブースがある2階に無事に下りられれば一安心です 男子学生にも寮が開放されるんです
それなら警察も自由に出入り出来るのでは?
招待券がないと入れないのでご心配無く 招待券の確認が終わる二時以降に下りましょう
オープンハウスは一時開始なのに?
合コンでパートナーだったブノク・・、いえソンヒさんが受付なんです 顔を知られてるでしょ
ああ・・
スホさんはそれまで怪我を治すことに集中してください いいですね
ヨンロは真剣な顔でスホを見ます。スホは苦笑しました。
すまない 初めてのオープンハウスなのに
無事に脱出しましょう オープンハウスは来年もさ来年もあります ・・もしかしたら来年はスホさんを招待するかも
スホはヨンロを見つめます。ヨンロはスホの時計を見ました。
あ! 授業に遅れちゃう
ヨンロは慌てて出ていきます。
***
ガンム達はヘダル下宿のスホの部屋を調べていました。そこにグァンテが来てガンム達を怪訝そうにながめます。
勝手に人の部屋に入って・・ 警察なら身分証を出せよ 令状無しの捜索は三年以下の懲役だ
ガンムの部下がグァンテに身分証を見せました。
国家安全企画部・・だと?
グァンテは青ざめます。ガンムは部屋にあった紙飛行機を広げながらグァンテに言いました。
オ・グァンテ スホさんの話を聞かせてくれ
***
グァンテは薄暗い安企の取調室に連れて行かれます。
「ドイツに戻る前に飯をおごる」と言われて他の下宿生と一緒に焼き肉をしただけの仲ですよ
グァンテはスホについて話しました。ガンムは紙飛行機をグァンテに投げます。
イム・スホはハン教授の前に現れるはずだ
あんなアカ野郎は見つけたらすぐに通報します!
グァンテは声を上げました。
教授の行動も報告しろ
はい!
グァンテは返事をした後で訊ねました。
でも・・何故ですか?
するとガンムは椅子を蹴りました。
口答えするな! 質問は受け付けない
グァンテは観念しました。
24時間監視し報告します
・・我々に会ったことは?
誓って誰にも言いません
***
ガンム達が”北”の工作員の武器の保管所を探しているとアン局長が入ってきました。
手を引けと言っただろうが!!
アン局長は怒ります。ガンムは部下達に外に出るよう指示しました。
局長・・ 理由を教えてください
黙って指示に従え!
納得出来ません 仮にも局長が・・
上の命令には従うのが鉄則だ
鉄則ですか 証拠が揃っているのに手を引けと? 証拠も無く無実の人間をスパイに仕立てたのも上の指示で?
局長はガンムの襟を掴みました。
つけあがるのもいい加減にしろよ! 独りよがりな正義感が組織を駄目にするんだ
組織のためにも腐った慣習はなくすべきだ
・・そうか
局長は電話をかけます。
局長のアンだ ハン教授とホス女子大寮の監視を・・
ガンムは電話を切りました。
お前・・
ガンムは無線で部下に指示を出します。
武器の保管所の捜索を開始しろ
この野郎・・!
ガンムはアンに敬礼すると部屋を出ていきました。
***
ホス女子大寮の見張りは続行されます。傷の回復したスホは部屋の中で運動をして体を鍛えていました。
ヨンロは屋上で洗濯物を干しながらスホにカップラーメンを持って行く機会を窺っていました。見張りの警官達が去ったのでヨンロはしめた、と思いますが、そこにブノクがやってきました。
どうしたんですか?
夜中に寮長がここに来たのよ
ブノクは話します。
どうも怪しいわ もしかしてスパイが隠れているとか
ヨンロは洗濯物で籠の中のラーメンを隠します。
まさか ありえませんよ どうやってあの部屋に?
そうよね
ブノクは籠から洗濯物を取り出し干し始めます。
手伝ってくれなくてもいいですよ
ヨンロは焦ります。
梅雨でもないのに雨漏りしたとか幽霊なわけないし 万が一にも寮生の誰かが手助けしたなら・・ ありえなくはないわ
ブノクはヨンロを見ます。
ブノクさんたら 怖がらせないで
ヨンロは笑いました。
やっばり怪しいわ 何か隠してる?
ヨンロは籠を持ち上げました。
まさか 隠しごとなんてありませんよ
ヨンロは別の場所に移動します。しかしブノクは追ってきました。
あなたは私が唯一信頼する寮生だってことを知ってる?
ブノクは聞きました。
もちろん わかってます
ヨンロはラーメンの上に洗濯物を被せます。
それじゃあいいわ またね
ブノクは行ってしまいました。
***
ソンシムと、ミセス・ホン、アン局長の妻は山奥の寺にやってきます。
いわゆる・・影の政治顧問よ 朴正煕大統領の時代から大物政治家はこぞって彼に会おうとしたの
ソンシムはホン夫人に教えます。
選ばれた者にしか会わないとか 特に選挙前は
アン局長の妻も言いました。
運に恵まれたわ 行こう
二人の後にホン夫人は内心うんざりしながら続きました。
***
導師と呼ばれる男は片目が白い不気味な容貌でした。ソンシムに促されてホン夫人は導師にウン・チャンスの生年月日を書いた紙を渡します。導師はホン夫人をじっと見つめました。
眼光と声色に野心が燃えたぎっている
導師は近くに来るよう夫人を呼びました。夫人が並んで座っていた他の二人より前に出ると導師は夫人に言い放ちました。
夫を大統領にしたいか?
するとソンシムが高笑いします。
導師様ったら そんなストレートに聞いたらミセス・ホンが驚きますよ
宝珠の玉をくわえ竜のように昇天するだろう
三人はびっくりします。
本当に?
ホン夫人は聞きました。
困ったことに今年の運勢は大凶だ 多くの血が流れるだろう 一歩間違えば命を失いかねない
ええ?
ホン夫人は真剣になります。
どうすればいいのですか?
厄を落としなさい
導師は言いました。
先祖の犯した罪はお祓いなどでは消えない
導師はウン・チャンスの先祖について話しました。
その昔巳神が治める地があり農民らは少女を生贄として捧げ神の怒りを鎮め土地を守っていた
だがある日ウン氏と名乗る一族が現れた 彼らは13人の若者に巳神を殺させた 農民は喜んだがウン氏一族は帰路で落馬して死んでしまった
導師はホン夫人に伝えました。
今年中に神の怒りを鎮めなければならない
今年中に? どうやって?
農民は何を神に捧げたと?
ソンシムらは驚愕します。
少女を?
花のように美しい13人の未婚の少女を捧げれば巳神の怒りは鎮まるだろう
ホン夫人は動揺します。
つまり13人の少女を・・殺せと?
宝珠の玉をくわえ天高く昇天するか、落馬して死ぬかは・・13人の少女次第だ
そんな・・
ジョンミンから話を聞いたヘリョンとソリは激怒してブノクの所へ押しかけます。その剣幕に見物人が集まりました。
なんの騒ぎ?
寮長が部屋から出てきて訊ねました。
私の指輪とソリの靴がないんです
ヘリョンはブノクを睨みました。寮長もブノクを見遣ります。
部屋に来なさい
寮長はヘリョン達に命じました。
***
なぜブノクが犯人だと? 証拠は?
寮長は訊ねます。ジョンミンはブノクが”身につけているのを見た”と証言したいのですが、スホの件がバレそうで話せません。
何故学生がそんな高価な物を? 原因を提供したのはあなた達でしょう! 人を疑う前に金めのものを処分しなさい! 欲を抱かせるのも罪よ
寮長は三人を怒りました。ヘリョン達は寮長の部屋から出てくるとブノクの前に立ちます。ヘリョンは電話の台に乱暴に手をつきました。ブノクの隣に座るヨンロは驚きます。
ヨンロや・・
はい?
死にたくなきゃ指輪を返せ、と伝えて
ブノクはヘリョンを見ました。
それは私に言ってる?
ブノクさん、あなた・・
ジョンミンさん
ヨンロは言いかけたジョンミンを止めました。ヘリョンはブノクに近づいその顔を凝視します。そしてゴミ箱に指輪の箱を捨てました。ソリも靴の入っていた箱を捨てて三人は去っていきます。
風に当たってくる
ブノクは席を立とうとしますが寮長が呼びました。
部屋に来なさい
***
ブノクは部屋に入り寮長の前に立ちます。
羨ましい? あの子達に憧れる?
寮長はブノクの両肩を掴みました。
あなたも彼女達のように着飾れば・・女子大生になれると?
そのとおりです みんなが羨ましい 自分の境遇が恨めしくてなりません でも同じものを身につければ女子大生になれると思うほど私はバカじゃありません
寮長は笑います。
そうよ あなたはあなた 彼女達とは違う 下手なマネはやめて目を覚ますのね すべて元に戻しなさい 今回だけは見逃してあげる
寮長はブノクの顎を掴み顔を上げました。
その代わり次はないわよ
***
全然眠れない
ヘリョンはベッドから起き上がります。
あの女完全にイカれてる 泥棒女の肩を持つなんて
ソリも起き上がります。
そうですよ どうしてブノクさんの部屋を調べないんでしょう 証拠がわんさか出るはずなのに・・
今度はジョンミンが起き上がって話します。
寮長はブノクさんに弱みを握られているとか?
最後にヨンロが言いました。
まさか ありえません 誰かに足元を見られる人じゃありません
ああ・・!
四人は布団に潜ります。
寮長は部屋で二つに折った写真を見ていました。写真の女性の隣にいる人物は折れていてわかりません。
***
オープンハウス開催の三日前になり寮の準備は順調に進んでいました。ヨンロはグァンテを招待しないようヘリョンに頼みます。
グァンテさんはスホさんを知ってます
そうだった 本当に使えない男ね じゃあ軍人のビョンテさんを呼ぶわ ソリのパートナーは?
ヘリョンはソリに聞きました。
グァンテさんと同じサークルだとか 平気かな?
ソクジュンさんはスホさんの顔を知らないわよ
ヨンロは言い、ジョンミンを見ました。
自転車を用意出来ませんか?
何故?
正門に警察がいるので歩いて出るより安全かと
わかった サークル室から出しておく
四人は立ち上がります。
さあ授業よ ・・あ!
ヘリョンは声を上げます。
彼の服は? 皆正装なのにあの格好じゃ一発でバレる
なんとかします
ヨンロは言いました。
***
ヨンロは父の家に電話します。家政婦が出てヨンロはホッとしました。
おばさん、ヨンロです
久しぶりね ソウルの大学にいるなら顔を見せてよ
一度行こうと思ってました おばさんが一人の時はいつですか?
明日はどう? 奥様はゴルフで一日中いないから
わかりました 明日行きますね
ヨンロは電話を切ります。けれど義母のホン夫人が電話を聞いていました。
***
北京に裏工作の交渉に来たテイルは苛立ってチャンスに当たっていました。
あのアカは交渉する気があるのか もう三日だ
交渉する気がないなら帰ると伝えましょう 主導権を握らないと
チャンスは話します。
あいつらが大金を諦めるはずがない
テイルはため息をつきました。
勝手に決めつけるな 部下の管理も出来ない”お前”のせいでこのザマだ
”お前”・・だと?
チャンスはテーブルから立ち上がります。テイルはチャンスの胸を突きました。
おい、ウン部長 先に部長になったのは俺なんだ 偉そうな口をきくな
チャンスはテイルの襟を掴みます。
・・ケダモノにも劣る野郎め 出世に目が眩み上官を裏切ったくせに
なんだと このクソ野郎!
二人か争っていると”北”の高官二人が入って来て呆れて二人を見ました。二人は”北”を見てかたまります。
どうぞおかけください
高官は気色ばんで二人に近づきました。
交渉に来たのではない 説明してくれ 我が同志を殺したのは安全企画部の要員なのか?
申し訳ありません 不慮の・・
チャンス達は謝罪しますが高官は聞き入れません。
すべての非は南にある 大統領選など知ったことか!
高官達は出ていきます。
くそ!
テイルはゴミ箱を蹴飛ばしました。
***
ヨンロは家に向います。ウン・チャンスはヨンロの父親でした。広い庭を歩いて玄関を開けると浮かない顔の家政婦が迎えました。
おばさん!
家政婦は目線をソファーで新聞を読んでいるホン夫人に向けました。ホンは家政婦とヨンロの電話を聞いてゴルフをキャンセルしたのです。
ヨンロは挨拶もせずに兄の部屋に上がりスホ用のスーツを取って来ました。玄関で兄の靴も持って帰ろうとするとホンが呼び止めます。
兄さんの靴とスーツをどうするの?
ほっといてください 兄さんの物です
10年ぶりにこの家に来たのに挨拶もなし? 10歳で母方の家に引き取られて以来なのに いくら憎くても戸籍上は私が母親よ
こんにちは
ヨンロは投げやりに挨拶します。そして出ていこうとしました。
変わってないのね 10年前から何一つ
お互い様です
ホンは腕組みしながらヨンロに近づきます。
八つ当たりしないで お母さんを殺したのは私じゃない
ヨンロはホンを睨みます。そして飾ってあったチャンスとホン、兄の家族写真を投げつけました。ホンは割れた写真を見てヨンロの頬を打ちました。
ヨンロはホンを一瞥して出ていきます。
***
ヨンロは寮に戻りスホにスーツを着て貰います。
似合います
スーツも靴もサイズがぴったりです
スポは笑いました。
着ていた服と靴はリュックに入れてください 後で会った時に渡しますね
スホは口角を上げます。
足の具合は?
ほぼ治りました 本当にありがとう ヨンロさんのおかげです
スホは礼を言います。
***
オープンハウスの日になりスホはリュックを持ち部屋を出ます。すみれ色のツーピースを着たヨンロが迎えに来ました。いつもと違うお洒落な姿にスホは目を見張ります。
行きましょう
ヨンロはスホを連れて階下に行く扉を開けますが、そこには寮長が立っていました。寮長はヨンロとスホを睨みます。
ここで何を?
私が招待した方です 屋上を見てみたいと・・
屋上は開放対象外よ
すみません 僕が無理強いをして・・
スホはヨンロの手を取り階段を下ります。
***
グァンテはヘリョンに招待されませんでしたがオープンハウスにやってきます。
ごめんなさいね 今回は別の彼を招待するの 私は自由奔放に恋したいの
グァンテはヘリョンに断られて怒っていました。
何が自由奔放な恋だ! どんな男か見てやる
***
オープンハウスの中は賑わっていました。ブノクは男性を招待してカップルになった寮生の受付をします。スホとヨンロは電球の飾りつけられた階段を下りました。旗の装飾の下がった部屋で喋る大勢の男女を見てスホはたじろぎますが、ヨンロはスホの腕を取り集団の中に入って行きました。
<画像出典>k-drama.ch/snowdrop-3-4/
ソリはパートナーのソクジュンを待っていましたがグァンテがやってきて仰天します。
やだ!
ソリはオープンハウスの会場に逃げ込みました。
ソリさん、待って!
グァンテは「ソリのパートナーだ」と話してブノクの受け付けを通過してなおもソリを追いました。そしてタイピングゲーム会場にいるソリを捕まえますが、ソリは悲鳴をあげて逃げ出します。
待ってくださいよ 驚かせてすみません
グァンテは階段の所でソリに謝りました。
ソクジュンはもともと腹が弱くてオープンハウスを前に緊張したのか今朝はひどい下痢で・・ だから僕が代わりに
でもいきなり来られたら困りますよ あなたはヘリョンさんの彼だし・・
するとグァンテは憤ります。
平気で二股をかける女ですよ ソリさんといたって彼女に怒る資格はない!
まあ・・そうかな
ソリは笑いますがヨンロ達が階段を下りて来たのに動転しました。
でも私が招待したのはオ・グァンテさんじゃない!
ソリはグァンテの襟首を掴んで後ろを見せないようにしました。ヨンロ達はグァンテだと知って階段を上がります。
さようなら
ソリは階段を上がりヨンロ達を追いかけました。
急いで! 早く行かないとグァンテさんが来る!
ソリにたきつけられてヨンロ達は走りました。
***
ヨンロはグァンテから逃れようとスホを連れて射撃ゲームの会場に入りました。その際スホは出てきたヘリョンの彼氏、ビョンテにぶつかってしまいます。
この野郎
ビョンテはスホを睨みました。
ソリはヨンロ達が姿を消したのでホッとしましたが、グァンテに腕を掴まれます。
そんなに僕が嫌いならヘリョンさんに会わせてくれ
グァンテはソリに頼みました。
それなら・・207号室で待ちますか? 部屋に戻ってくるはずですよ
煩わしいグァンテをヨンロ達から引き離そうとしてソリは提案します。
***
射撃ゲームの会場ではヘリョンに会場に連れ戻されたビョンテがパーフェクトに的に命中させて得意になっていました。ヨンロはソリがグァンテを連れて行ったのを見てスホと外に出ようとしますが、ビョンテに止められます。
おい、お前
軍服姿のビョンテは偉そうにスホを呼びました。
お前もやってみろ
ビョンテはスホにおもちゃの拳銃を渡しました。
さあ、やってみろ 右手で銃を持ち左手を添える 腰を低く!
スホが銃を構えると主催者の寮生が訊ねました。
用意が出来たところで、今年は特別に難しいバージョンの的がありますが挑戦しますか?
はい
応じたスホに周りが拍手しました。寮生はビョンテの時より的を小さくし当てにくくします。しかしスホはすべてを撃ってみせました。
お見事、今年一の名射手です!
皆が拍手しました。スホはヨンロと会場を出ていきます。
景品のぬいぐるみを忘れていきましたね
寮生が言いました。
カッコ良かった
***
スホとヨンロは一階に降りようとしますがブノクがいたのでまたニ階に上がります。すると三階から寮長が下りてきたのでヨンロ達は寮長を避けようとしました。そこへ一列になって踊っている集団が現れヨンロ達はその中に巻き込まれて一階に降りられました。
***
ソリはグァンテを207号室に連れていきました。
ペッカ醸造のカップにカレンダー、ペッカ醸造の物が多いですね
グァンテは部屋を見て言いました。
お酒が好きなんですか?
父の会社です
お父さん? つまりペッカ醸造の会長が・・君のお父さん?
ソリは微笑みます。グァンテは目を見張りました。
僕はペッカ醸造の焼酎しか飲まない男です!
もうすぐヘリョンさんが・・
いいえ! ソリさん!!
グァンテはソリを引き寄せ座らせました。
ご存知ですか? 合コンした時のことを 僕がソリさんとパートナーになることをどれだけ願っていたか
ソリは目を丸くします。
本当ですか?
ソクジュンの下痢も僕が招待されなかったことも、まさかすべて偶然だと?
グァンテはソリの手を取りました。
これは僕達の運命なんです
グァンテがソリを抱き寄せようとしているとジョンミンが部屋に入って来ました。
ヨンロが来ないのよ!
ソリは驚いてグァンテを突き飛ばします。しかしグァンテはめげずにソリを誘います。
外でお茶でも?
二人は部屋を出ていきました。
***
ダンスパーティーが始まりヘリョン達は音楽に合わせてノリノリに踊ります。
みな踊りまくれ!
ヨンロ達が会場に到着すると、ヨンロは真ん中に押し出されました。
ウン・ヨンロ!
皆が名前を呼び始めます。紙吹雪が舞う中スホが進み出て手を差し出しました。皆の視線を浴びながら二人は踊り始めます。ヨンロは踊りながらスホとの出会いから二人の交わした会話を思い出しました。ヨンロは甘い時間に酔いしれます。
ちょっと ヨンロ
ヘリョンが夢見心地で一人立っているヨンロを小突きました。
場が白けるから戻りなさい
ヨンロがぼんやり戻るとスホが手を引いて外に出ていきました。
***
ジョンミンは自転車を出してヨンロ達を待っていました。
ジョンミンさん
ヨンロ、遅いわよ
ごめんなさい
スホは周りを警戒しながらジョンミンに礼を言いました。
感謝します
ヨンロはリュックを受け取りスホに自転車に乗るよう促します。
急いでください
ジョンミンは見張りの警官を見て言いました。
ヨンロも乗って
え?
男一人だと怪しまれる
ジョンミンはリュックを受け取りヨンロが横座りするのを手伝いました。
出発!
スホは自転車で走り出します。ジョンミンは刑事達の前で手を振りました。
楽しんできてね
けれどブノクが走っていくスホとヨンロを嫉妬に燃えて見ていました。
許せない・・
喫茶「ローマ」でグァンテはソリに告白していました。
ヘリョンさんに未練などありません
でもヘリョンさんが知ったら・・
グァンテはソリの手を取ります。
ソリさん、これは運命なんです
でも・・
ソリは手を引っ込めます。
***
ガンムと部下達はスホ達の武器を探していました。枯れ葉の山を蹴っていたガンムは埋もれていた銃に目ざとく気づきます。
ここだ! あったぞ
スホは自転車で正門に向かっていました。
学生寮の電話番号は知ってますよね?
ヨンロは足をぶらつかせながら話しかけます。
私が207号室に住んでいるのも
スホは答えません。ヨンロは顔を曇らせます。
だってスホさんの服を返さなきゃ
それでもスホは工作員という自分では答えることが出来ないのでした。
***
雪が降りはじめました。スホは正門で自転車を止めます。ヨンロはスホに捕まっていた手を離し自転車を降ります。スホも自転車を降り二人は向かい合いました。
お別れを言うのはやっぱり寂しいですね
ヨンロの言葉にスホは俯きます。そして言いました。
行きます
ヨンロは微笑みました。
元気で
スホが自転車を走らせようとするとヨンロは思わず止めました。
あ・・
***
喫茶「ローマ」ではグァンテがソリに執拗に迫っていました。グァンテはソリの横に座り手を取ります。
これは運命です
けれどソリは手を引っ込めて横を向きました。グァンテは困惑して周りを見回します。そして窓の外のスホの姿に気づきました。
イム・スホ?
グァンテは窓に寄りました。
あの野郎・・
グァンテはソリにトイレに行くと伝えて通報の電話をかけました。
***
ヨンロはスホの手を離して笑いました。
気をつけて
スホは頷いて自転車を走らせて行きました。ヨンロは後ろ姿を見送ります。
ガンム達は通報の知らせを受けて寮の正門に向かいます。
ヨンロは肩を落として寮に戻ろうとしますが足を止めます。スホは向きを変えて寮に引き返そうと走り出しました。スホが戻って来るのを見たヨンロは笑みを浮かべます。
***
スホは自転車を止めてヨンロに歩み寄ります。そして首からネックレスを外してヨンロの首にかけました。
<画像出典>k-drama.ch/snowdrop-3-4/
これは・・妹さんがくれたんでしょ
ヨンロさんが持ってて そうすれば安心して行けるので
でもこれはスホさんのお守りです 私は追われてないし・・
ヨンロは外そうとしますがスホは止めました。
受け取って こんなことしかできないので
ヨンロはスホに微笑みます。
***
グァンテは席に戻ると窓から外を覗いて怒りました。
遅いな なんで来ないんだ? 逃げちまうぞ
何が?
ソリも一緒に外を見るとヨンロとスホがいました。ソリは仰天します。
グァンテさん、まさか通報を?
あの男の正体を・・
私まで捕まっちゃう!
ソリは叫んで周りを見てから口を押さえました。グァンテは目を丸くします。
どうして? あいつと何の関係が?
部屋のみんなでかくまってあげたんです あの人が私達の部屋に逃げ込んだので
ソリはバッグでグァンテを叩きました。
ひどい! この裏切り者!
ソリは店を出てヨンロ達の所へ走ります。
ヨンロ! グァンテさんに見られた!
ヨンロはスホに自転車に乗るように言います。
早く行って!
大丈夫ですか?
心配しないで 急いで!
スホは頷いて走って行きました。
***
スホが走り去るとガンム達がやってきました。
自転車に乗った男は? スーツ姿の
ガンムはヨンロ達に聞きました。
さあ、知りませんけど?
二人はとぼけて寮に戻ります。
あいつの見間違いでは?
部下がガンムに言います。
尋問しましょうか
***
グァンテはガンムらに尋問されます。
先日ここへ来た後から後遺症がひどいんです 国家と民族のためにヤツを捕まえたいと願うあまりみんながヤツに見えて来て・・
グァンテは泣きながら言い訳しました。
自転車に乗ったスーツ姿の男がイム・スホに見えたが違ったと?
すみませんでした
よりによって俺達が奴らの武器を探していた時に君から通報が入ったんだ
ガンムはグァンテを見ます。
すみません 忙しい時に
ガンムは手招きしました。机に座らされていたグァンテはにじり寄ります。
果たして・・君は誰の味方かな? 俺達か イム・スホか
ガンムはグァンテの頭を押さえました。
イム・スホを守っているヤツらか
ガンムの眼光にグァンテは震えあがります。
尋問を続けろ
ガンムは出ていきます。部下が机を叩きグァンテは怯えて叫びました。
すみません 許してください!
何を許せと?
グァンテの脳裏にソリが浮かびます。
(ペッカ醸造の娘だぞ ソリさんは捨てられない)
グァンテは謝ります。
すみません 今後は慎重に通報します
***
スホは工作員のアジトに帰ってきました。薄暗い路地にある工具店の扉を開けると仕事をしていた店主が顔を上げました。
遅い退勤だな
すみません
入れ
***
スホは地下に降りて鉄の扉をノックしました。スホの部下が扉を開けて敬礼します。
同志よ
スホは部下の腕を叩き部屋に入ります。
グ厶チョル同志は?
青酸カリで自決したとの諜報が 逆監視を怠った私の責任・・
組長である私の責任だ
スホは部下を見ました。
党にもそう報告する
スホは報告の準備を始めます。部下はスホの後ろ姿を見ながら党幹部の命令を思い出していました。
常にあの男を監視し、思想性が疑わしい時は躊躇うことなく殺せ
組長 今までどこに?
逃走中に負傷し隠れていた 作戦を再開せねば
新たな工作組が到着します
スホは部下を振り向きました。
どういうことだ? ハンは私の手で北に送る
成功は望み薄です 組長同志の顔は知られており安全企画部はハンの警護を徹底して・・
スホは席を立ち部下を見つめました。
ハンの居所を把握しろ
スホは命じました。
***
ヨンロは洗面所で寮生達からはやされました。
ヨンロの彼ってすてき
カッコいいわね!
ヨンロは嬉しそうに笑います。そしてスホがネックレスをつけてくれたのを思い出しました。
ヨンロさんが持ってて そうすれば安心して行けるので
もう会えない・・?
ヨンロの洗面器に水道の水が溢れます。ブノクが蛇口を止めました。
ヨンロ、ちょっと来て
ブノクはヨンロを化粧室に入れて鍵を閉めました。
いつから?
ブノクは訊ねます。
はい?
私に隠れて・・ 心の中で私を笑ってた? あなたとつき合っているとも知らず”ベルリンにいる”とか”会いたがってる”とか
ヨンロは顔色を変えます。
デタラメを言う私が笑えたでしょうね
ごめんなさい・・
私をどれだけナメてるの? あの男を寮に招待するなんて! 私の目の前でよく手をつないで歩けたものね!!
ブノクは俯いたヨンロの顔を覗き込みます。
つき合おうって言ったのはあなたから?
いいえ! 違います 合コンした日にレコード店で偶然会って・・
レコード店?
先約があるので演奏会は行けません
ブノクは嘘をつかれたことに気づきました。
あの野郎・・ 何が先約よ
ブノクはヨンロに聞きました。
あんた、私が大学生じゃないって教えたでしょ?
いいえ! まさか 言うわけが・・
困っているヨンロを見てブノクは笑います。そして鏡を見ながら髪を梳きました。
まあ、いいわ あなたは悪くない 大学生でもないのに合コンに割り込んでドイツの留学生を狙った私が悪いのよ
ブノクは櫛を投げました。
身の程をわきまえるね ありがとう
ブノクは化粧室を出ていきます。
***
ブノクは仕事場の電話の前に座り、腹立ち紛れに集まった招待券を破ろうとします。そして首を捻りました。
でもおかしいわね 招待券がないとここには入れない
ブノクは入場者のリストを見ます。207号室のウン・ヨンロのパートナー欄にチェックはありませんでした。
受け付けもせずにどうやって入ってたの
ブノクは閃きました。
・・まさかあの四階の部屋に? ということはあの男は・・
***
まあムカついただろうね
207号室でヨンロの話を聞いたヘリョンは爪を研ぎながら言いました。
あいつから見れば男を奪われたんだから ”ぶっ殺してやる”と思ってるかもね
ぶっ殺す・・?
ヘリョンの言葉にソリは狼狽えます。
でも、待って!
ジョンミンが声を上げます。
ブノクさんは受付をしてないとわかれば怪しむはずよ
他の三人は血相を変えます。
気づいたら・・
黙っているような子じゃないはず
絶対寮長に告げ口する!
ジョンミンは話しました。
ブノクさんには悪いけどシラを切り通そう
ヘリョンは頷きます。
彼はもういないしかくまった証拠はない
けれどヨンロはジョンミンに訊ねました。
スホさんの服はどこに?
あ・・
ジョンミンは青ざめます。
***
寮長が就寝前の点呼に来ます。後ろに従っているブノクはヨンロを睨みました。寮長は終わり間際にヨンロを振り向きました。
ウン・ヨンロ
はい!
・・何故驚くの?
同室の仲間は緊張します。
何かしたの?
ヨンロは首を振ります。
いいえ してません
しっかりね
寮長の言葉にヨンロは顔を上げました。
一度の過ちで人生を棒に振らずに
寮長は扉の前で皆に告げました。
オープンハウスの浮かれ気分から覚めなさい 試験で赤点を取らないように
わかりました
四人は答えます。
以上
挨拶!
ジョンミンが号令をかけます。四人は出ていく寮長に呼びかけました。
おやすみなさい!
***
告げ口してないみたい
ソリが扉を閉めながら言いました。
絶対に気づいているのに
ジョンミンは眉を寄せます。
何か企んでいるのよ
ヘリョンが話しました。
スホさんの服は?
そうだった
ジョンミンはベッドの下からリュックを出しました。
ここは危ない 安全な場所を探そう
***
ヨンロはリュックを頼りになるマンドンお爺さんに預けようと考えます。夜中過ぎにヨンロはお爺さんの部屋に行きますがブノクが後をつけてきました。
あの学生が着ていた服だと?
部屋に置いとくのは不安で 明日クリーニングに出すので今晩だけ預かってください
わかったよ 寮長はここには入らないから 心配しなくていい
ありがとうございます
ヨンロはやきいもの袋をマンドンに差し出します。
なんだ 気を使うな
ここに置いておきますね
じゃあいただくよ
スホさんが”感謝を伝えてほしい”と言ってました 無事に脱出出来たのは間違いなくお爺さんのおかげです
何もしてないさ 早く戻りなさい
ヨンロはマンドンの部屋を出ていきます。二人の話をブノクが聞いていました。
***
スホは名前もないグ厶チョルの墓に酒をかけます。そしてグ厶チョルの写真を墓の前で燃やしました。
グ厶チョル・・祖国はお前を忘れない
そんなスホの様子をスホの部下が冷たく監視していました。
***
ガンムはスホを探し続けていました。
理由があってオゴン山へ逃げたはず
しかし武器保管場所が見つかりません
見つかればヤツを捕まえられるのに
チャン・ハンナがドアをノックしました。ガンムの部下が開けます。
お昼まだだよね
ハンナはビニール袋を部下に渡しました。
トッポッキ、のり巻きにおでんだ!
部下は喜びます。
食事くらい取りましょうよ
ハンナはガンムに言いました。
その蘭は?
部下が訊ねます。
市場で目についたの
ハンナはガンムの机に蘭の鉢を置きました。
スンジュンを呼んできます
部下は出ていきます。ガンムはハンナを見ました。
チームを抜けたかと
ハンナは食事をビニール袋から取り出しながら話しました。
安企部に入った理由はただ一つです
ハンナはガンムを見ました。
突然私を捨てた男 結婚も決まってたのに蒸発した男
ガンムは窓に顔を向けます。
そいつを問い詰めるためです 二度もドイツに行ったのに会えずじまいでした 6年も待ったんです 抜けるわけない
ハンナは目を潤ませます。しかしガンムは言いました。
残念だ 極めて私的な動機で要員になったとは 聞かなかったことに
ガンムは出ていこうとしました。
一体、どうして・・?
ハンナは訊ねます。ガンムはハンナを見ました。ハンナは続けます。
・・ハン教授から手を引けと?
部下に監視させてる お前は構うな
ハンナはドアノブにかけたガンムの手を掴みました。
部下? チーム長に従いますか? 上からの圧力に屈せずに?
ガンムは冷たくハンナを見つめます。ハンナは手を離しました。
ハン教授の監視は私がやります
ハンナはそう言うと部屋を出ていきました。ガンムは机に置かれた蘭の葉に触ります。
ハンナ先輩がたくさん持ってきてくれた 太っ腹だな
部下達が戻ってきました。電話が鳴りスンジュンが出ます。
もしもし
お尋ねしたいことがあって
電話してきたのはブノクでした。
この前”スパイを通報したら5000万ウォン貰える”と スパイをかくまった人を通報したらいくら貰えますか? ・・え? 同じですか? ・・わ!
寮長がブノクの受話器を奪い電話に置きました。ブノクは立ち上がります。
何故知りたいの?
・・え?
かくまった人を通報したらいくら貰えるか
ブノクは狼狽えます。
ケ・ブノク!
通報します 207号室の子達がスパイをかくまいました
寮長は目を剥きます。
何をバカな
証拠も押さえてあります
***
ブノクと寮長はマンドンの部屋にいきます。ブノクはクローゼットからリュックを取り出しました。
おい それは・・
寮長はヨンロのパートナーが肩にかけていたリュックだと気づきました。ブノクが中身を出すと血で汚れた服と靴が出てきました。
これはだな・・
マンドンは寮長を見ました。
どういうことかと言いますと・・
キムさん ご苦労さまでした
はい? それはどういう・・
数日以内に後任を探します
寮長! すみませんでした 私が浅はかでした お許しを・・
寮長はブノクに指示しました。
ついてきなさい
寮長 待ってください そんな
マンドンはむなしく訴えます。
***
ブノクは寮長の部屋をノックして入り床にリュックを置きました。
かくまった男はスパイではなく学生運動家よ
安企部の人達はスパイだと
寮長は振り向きます。
<画像出典>k-drama.ch/snowdrop-3-4/
まあいい スパイだとしましょう 間諜幇助罪はそう簡単には成立しないの 裁判で判決が出なければ報奨金は貰えない
お金のためじゃありません 当然通報すべきでしょう? 国民として
そう?
寮長は笑います。
通報すればあなたも取り調べを 実績のためスパイをでっちあげる人達よ あなたは格好の獲物よね
寮長はブノクに近づきます。
だってアカの妹だから
ブノクは寮長を睨みました。
違います 姉はスパイじゃない!
姉のせいで家族がバラバラになったのに
寮長はブノクの襟を掴みます。
5000万ウォン? 拷問され刑務所に入れられたくなければ大人しくしていなさい 工場にすら就職できないことを忘れたの?
寮長は襟から手を離しました。
恩師の頼みでなければあなたなど雇っていない
ブノクは寮長を睨み続けます。寮長は余裕の笑みを浮かべました。
わかったなら207号室の四人を呼んで来なさい
ドラマの感想
本国の韓国では自国の歴史的観点から批判の多かったドラマだったらしいですが、韓国人でないカナエから見ると主人公達の切ない恋、その雪の日の別れや紙飛行機の情景、オープンハウスでの若者の生き生きとした風景など良く描かれていると思いました。
<画像出典>jbpress.ismedia.jp/articles/-/68280
そして主人公以外の人物、ガンムやその元恋人のチャン・ハンナの関係や不気味な寮長、境遇に恵まれずに生きてきたブノクなど丁寧に描いていて面白いと思います。ただこれは先の読めないドラマなのでハッピーエンドになるのだろうか、なれないかなあと気をもんでしまいますね。スホが最後まで無事でいて欲しいなあ・・。
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