こんにちは。カナエです✋。
今回は思わず涙腺が熱くなった映画「建築学概論」について書きたいと思います!
若き二人の未熟で初々しい恋がやるせない
💔映画データ
製作年 2012年 韓国
原題 建築学概論
監督 イ・ヨンジュ
音楽 「新人類の愛」「カクテルサラン」「記憶の習作」
キャスト オム・テウン、ハン・ガイン、イ・ジェフン、ペ・スジ
受賞歴 2012年青龍映画賞新人男優賞、百想芸術大賞新人女優賞、韓国映画評論家協会賞音楽賞
💔映画のあらすじ(ネタバレ)
建築事務所で働くスンミン(オム・テウン)のところへある日見知らぬ女性が訪ねてきました。
わたしのことがわからないの?
ソヨンと名乗る女性に「あ~」と驚いた顔をするスンミン。彼女は大学時代の友人でした。
家を建てて欲しいの
高級住宅街に住む奥様然としたソヨン(ハン・ガイン)にスンミンは疑問の目を向けます。
投機目的か?
ここへ来る前にソヨンは済州島の実家に足を運んでいました。そこは今は入院中の父親が家を改築している途中で倒れたので、工事がストップしたままで空き家になっていたのです。ソヨンは父のために家を建て直そうとしていました。
俺は経験不足だから会社の先輩を紹介するよ
そういって断ろうとするスンミンですが、ソヨンはあなたに建ててほしいと言いはります。結局所長が加わることで仕事を引き受けることになりました。

スンミン、女性の同僚のウンチャと三人で仕事の打ち合わせを始めたソヨンですが、ウンチャが二人の知り合ったきっかけを知りたがりました。バツの悪そうなスンミンにソヨンが笑います。
この人が私を追い回したのよ
――――ここから大学時代の回想シーン――――
建築科の学生であるスンミン(イ・ジェフン)は「建築学概論」という講義を受けていましたが、そこには何故か音楽部のソヨン(ペ・スジ)も講義を受けていました。ソヨンには気になる先輩がいてその人目当てで講義を受けていたのですが、先生から自分の住んでいる地域を調べてみよう、という課題が出たので近所に住んでいたスンミンとソヨンは課題のために出歩いた先で度々顔を合わせることになります。もともと通学のバスでも一緒で顔見知りだった二人は課題を協力して提出しようという話になり行動を共にするようになりました。
二人で街を探索しているとソヨンは誰も住んでいない古びた家にスッと入っていきました。
勝手に人の家に入るなんて・・
空き家だから大丈夫
家の中を見学して回る二人。
古いけどステキな家
ソヨンは止まっていた時計の振り子を動かします。
私が家を生き返らせたのよ
汚れた床に座ろうとするソヨンに自分のノートを取り出してその上に座るように促すスンミン。自分はそのまま床に座ります。そして青い空を見上げる二人。
気持ちいい
ソヨンが言いました。

次回の講義で先生は遠くに行ってみようという課題を出しました。二人はバスに乗ってその終点のケポ洞まで出かけ、ビルの屋上からソウルの街をながめました。ソヨンは済州島出身で母親を亡くし大学は父親の友人の家から通っていました。スンミンも父親がいず、母親が市場で働いて彼を育てていました。
聞いてみる?
ソヨンがCDプレーヤーのイヤホンをスンミンの耳にさし込みます。彼の耳に哀調の滲むバラードが響きました。空を眺めながらスンミンは訊ねます。
誰の曲?
❝展覧会❞
片耳にイヤホンをつけて二人で「記憶の習作」という曲を聞くのでした。
――――回想シーンの終わり――――
ソヨンは仕事の打合せの前にネクタイを買ってスンミンに渡そうとします。けれど二人での打ち合わせではなくウンチャも一緒にやってきました。
もうすぐ結婚するんだ
ソヨンは二人の関係を知るとネクタイを渡すのをやめて病院の父親にプレゼントするのでした。

スンミンの設計が自分のイメージと違うと難色を示していたソヨンですが、何とか折り合いがついて済州島の家の工事が始まりました。けれど工事を見に済州島にやってきたスンミンがうっかり口を滑らしたことにソヨンが怒って仲直りのために二人でお酒を飲むことになります。
喧嘩の始まりはスンミンがソヨンが夫と疎遠であると洩らした(←ソヨンが夫の話をしないので予測がついた)ことで、ソヨンはスンミンが無神経だと怒ったのでした。
先月離婚したわ
虚ろな目でソヨンは言いました。
ずっと別居していたけどついに離婚になっちゃった。ずいぶん粘ったんだけど・・
粘った?なんで・・?
生きる為よ
きっとした目でスンミンを見るソヨン。
そうすれば慰謝料が増えるって言われたから おかげで家が建てられたわ
お酒をあおるソヨンに帰ろうと促すスンミン。ソヨンは足がふらついて倒れてしまいます。手のひらから血が出たのを見てスンミンは困って言いました。
ああもう・・赤チンをつければ治るよ
ちくしょう!
突然ソヨンが叫びました。
ちくしょう!クソッタレ!
・・俺のことか?
狼狽するスンミンの胸を叩きながらソヨンは泣き崩れるのでした・・。
――――ここから大学時代の回想シーン――――
建築学概論の先生が言いました。
今回は❝ここに住みたい❞がテーマです。天気もいいし気持ちのいい所で遊んでみよう!
スンミンとソヨンは線路の上でどちらが長くレールの上に居られるか競って遊びました。
今日は私の誕生日。11月11日。1111
じゃあお祝いしないと。
してくれる?
二人はお酒を飲んで誕生日を祝います。
10年後ってどんなだろう?
顔を見合わせる二人。
私はアナウンサーになりたい。できなかったら金持ちと結婚するの
ちょっと悲しそうなスンミンにソヨンは続けます。
ねえ、そうしたら私に家を建てて 建築科でしょ
タダで?
せこいわね
口をとがらせてソヨンは❝展覧会❞のCDを取り出しました。
これが手数料
そう言って紙に家の絵を描き始めました
ここが私の部屋で・・
間取りのイラストを描くソヨンを優しくスンミンは見つめます。
********************
疲れた二人はバス停でバスを待っていました。ソヨンはスンミンの肩にもたれて寝入っています。スンミンはソヨンを見つめてそっとキスをするのでした・・。
********************
放送部のソヨンは大学で放送をしていました。聞いていたスンミンは上手だったとソヨンに言います。その時同じ放送部の先輩ジェウクがソヨンに車で家まで送ろうと言ってきました。ソヨンがジェウクに憧れていることを知っているスンミンは気に入りませんが、同じ建築科の先輩なので一緒に送ってもらいます。
助手席に乗って楽しそうに先輩と話すソヨン。待望の一人暮らしをするというソヨンにうちのアパートにも遊びにおいでと言うジェウク。嬉しそうに承諾するソヨンを見ていたたまれなくなったスンミンは車から降りてしまいます。ジェウクが自分のアパートに女の子を連れ込んでいることを知っていたからですが、一人暮らしで車もあるハンサムなジェウクに嫉妬するスンミンなのでした。
********************
それでもスンミンはソヨンの引っ越しを手伝います。
私の部屋の初めてのお客さんよ
そう言われて嬉しそうなスンミン。バス停まで送ると言うソヨンと歩きながらスンミンは切り出しました。
あのさ・・
初雪が降ったら
ソヨンは不思議そうにスンミンを見ます。それから明るく言いました。
そうね!初雪が降ったらあの空き家で会おうよ
約束!
そう言って二人は指切りをしました。

――――回想シーンの終わり――――
病院で父親の病気が悪化していると知らされたソヨン。早く家を建てようと自分も工事を手伝ってスンミンを驚かせます。
今日は誕生日だろ 11月11日 1111だ
そうスンミンから言われたソヨンはお昼を食べながらスンミンにプレゼント代わりにお願いがあると言い出すのでした。
お父さんが病気であと1,2年しか持たないと病院で言われたの
涙を流すソヨンに真顔になるスンミン。
だからソウルを引っ越してお父さんと新しい家で暮らす事にしたの 故郷での再出発よ
だから・・
だからピアノの部屋を作りたいの
ソヨンの提案に驚きを隠せないスンミン・・。
********************
なんて勝手なの?
改築工事の変更を聞いて婚約者のウンチャは激怒しました。
私たちは来月結婚してアメリカに住むのよ?工事が終わらないわよ!!
後は俺が引き継ぐから結婚しろよ
所長がスンミンに言いましたが、きっぱりとスンミンは言いました。
いえ、最後まで俺がやる
********************
ピアノの部屋のために家を二階建てに変更し、スンミンは急ピッチで工事を進めました。寝る間も惜しんで泊まり込みで働くスンミンをソヨンも手伝います。疲れ切って屋上の芝生の上で寝込むスンミンを見つけたソヨンは隣に横になって寝顔を見つめます。
――――ここから大学時代の回想シーン――――
ソヨンに好きだと告白しようとアパートの入り口で彼女を待つスンミン。けれどソヨンは帰って来ません。その日は飲み会でソヨンはスンミンにも何度も連絡をしていましたが、携帯の無い時代で連絡がつきませんでした。
夜遅くまでソヨンを待つスンミンでしたが、車でジェウク先輩に送られてきます。泥酔しているソヨンは先輩に部屋までつれて行かれました。スンミンはソヨンに彼女の未来に建てる家(ソヨンのイラストを基に作った)の模型を渡そうとしていましたが、怒ってゴミ置き場に捨てて行ってしまいます。
その後大学でスンミンとソヨンは会いますが、その時スンミンは以前貰った❝展覧会❞のCDをソヨンに返しました。
うちにはCDプレーヤーがないから聞けないんだ
それから冷たく言いました。
もう俺の前から消えてくれ
ソヨンはアパートのゴミ置き場で自分の描いた家のイラストと模型を見つけます。そして初雪の日に空き家でスンミンを待ちますが彼は現れませんでした。仕方なく❝展覧会❞のCDとCDプレーヤーを置いていきます。
・・その頃スンミンは家でふて寝していました。涙があふれて枕を濡らしました。
――――回想シーンの終わり――――
家が完成しました。スンミンは家の写真を丹念に撮っていきます。それからソヨンと庭に植物を植えました。夜になって二人でソファーに座ってお酒を飲みながら労をねぎらいました。
終わりね
ソヨンが言いました。
建てて良かった
それからスンミンをじっと見つめます。
どうして私に優しかったの?
好きだったから
初めて正直に彼は言いました。
あなたが私にキスしたのを知ってる
ソヨンは言いました。
初めてのキスだったのよ
スンミンはバッグを持って立ち上がります。
遅いから行くよ
じゃあ、と言って帰ろうとしますが、玄関に置かれた段ボールの箱を見て運ぼうか?と言います。
いいのよ
止めようとするソヨン。重ねて置いてあった段ボールの下の箱にあった模型を見て驚くスンミン。
そこには大学時代に彼の作った模型とイラストが入っていました。
どうして・・
どうして俺の処へ来たんだ?
ソヨンの目に涙があふれます。
気になって・・どうしてるかと
初恋だったの
二人は抱き合ってキスしました。
********************
スンミンは結婚してアメリカに旅立っていきました。ソヨンは完成した家でピアノ教師をしながら父親と暮らしています。
ある日スンミンから郵便が届きました。
中に入っていたのは❝展覧会❞のCDとCDプレーヤー。
ソヨンはCDを入れて久しぶりに懐かしい曲を聞くのでした・・。
💔映画の感想

最後のシーンでウルっときちゃいました。
スンミン、あの家に行ってたのね。そしてずっとソヨンの残していってくれたものを持っていたんじゃない。自分だって忘れてなかったんだよね!
本当は二人に結ばれて欲しかったけど、アメリカから戻って来いよ!スンミン!!って思ったけれどもう若い時代の時間は戻らない・・でも彼らの想いは完成した家に込められてる。
家がソヨンとスンミンの初恋の思い出として残ったのって幸せな事なんだなって思いました😂。
コメント